アパート経営に向いている土地活用とは?

アパート経営に向いている土地活用とは?

土地活用をしてアパート経営をはじめたいけれど、自分が所有している土地で成功するのかどうか不安はあるでしょう。

アパート経営に向いている土地活用ができれば、安定した家賃収入、節税効果が期待できます。節税効果の中でも特に相続税圧縮効果は大きいです。今回は土地活用をしたアパート経営のメリットやアパート経営に向いている土地、向いていない土地についてもお伝えしていきます。

土地活用をしたアパート経営のメリットは?

土地を活用したアパート経営のメリットは、家賃収入が入るというのはもちろんのことですが、税金の優遇措置、相続税の節税効果などのメリットがあります。

税金の優遇措置

土地を保有していれば固定資産税や都市計画税を毎年、納税しなくてはなりません。固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準)×1.4%(標準税率)」、都市計画税は「固定資産税評価額(課税標準)×0.3%(制限税率)」の税金がかかります。土地にアパートやマンションを建てることで「住宅用地」となり、固定資産税や都市計画税の軽減措置があります。

住宅用地の特例措置

区分 軽減措置
固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地住戸1戸につき200㎡までの部分 1/6 1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 1/3 2/3

出典:東京都主税局のHP(平成29年2月現在)

住宅用地のうち住戸1戸あたり200㎡までの部分を「小規模住宅用地」といいます。アパートやマンションを建てることで賃貸住宅となり200㎡×住戸数の面積になるため、固定資産税は課税標準額の6分の1に、都市計画税は課税標準額の3分の1となり大幅に軽減されます。

例えば、固定資産税課税標準額が3000万円の更地にアパートを建てて小規模住宅用地となると、土地の固定資産税がどれぐらい軽減効果になるか計算してみました。

 

更地の場合 3000万円×1.4%=42万円

アパートやマンションを建てた場合 3000万円×1/6×1.4%=7万円

 

更地にアパートを建てたことにより土地の固定資産税は35万円軽減されます。長い年数で考えるとさらに大きな軽減効果になります。

相続税評価額の軽減

ローンの借入れをしてアパートやマンションを建てると、相続時点でローンの残債が相続財産から差し引かれます。また相続した土地にアパートやマンションを建てるとその土地は「貸家建付地」となり更地の時に比べると相続税評価額が約20%~30%下がります。「貸付建付地」とは、自分の所有する土地に賃貸用の建物を建てると、入居者が利用するため自分の都合により自由にできる土地(自用地)ではなくなるので土地の評価額が下がるというしくみです。

更地で土地を保有しているより、アパートを建設することで税金が軽減できるのは、土地活用してアパート経営を検討する際の判断材料の一つになるでしょう。

アパート経営に向いている土地

土地を更地で保有しているよりアパート経営をした方が税金の軽減効果があることは、おわかりいただけたでしょうか。どの場所にある土地であっても税金の軽減効果はありますが、アパート経営に向いていない土地であれば赤字になる可能性があります。

アパート経営に向いている土地かどうかというのはアパート経営をする上で大前提になります。それでは、アパート経営に向いている土地は、どのような場所にあれば向いている土地といえるでしょう。

通勤、通学しやすい場所

通勤や通学圏内に会社や大学があり、通いやすい場所であれば入居者を見つけやすいでしょう。仮に、大学生の入居者が卒業して退去しても、また新入生が入居者となり空室リスクは少ないと考えられます。しかしながら、大学の学生向けだけにターゲットを絞ってしまうと一点集中としてのリスクがあります。少子化に伴い、子どもの数が減少していっているので統合や校舎を縮小する大学もでてくる可能性があります。学生の減少により学部ごとにわかれていた校舎を1つにし、ターゲットとしていた近隣の大学がなくなれば入居者がつかなくなることも。ターゲットをひとつに絞る場合は注意が必要です。

スーパー、コンビニ、病院などの周辺環境

1人暮らし用のアパートを建てるのであれば、独身の学生か社会人が入居者になるでしょう。ターゲットのライフスタイルから考えると、スーパーやコンビニ、飲食店、DVDのレンタルショップ、病院などが近隣にあることで入居者のニーズは高まります。また、ファミリー向けのアパートであれば、保育園・幼稚園や小・中学校が通いやすい場所にあるかどうかもポイントになってきます。周辺環境もアパート経営に向いている土地かどうかの判断材料になります。

アパート経営に向いていない土地

反対にアパート経営に向いていない土地はあげてみましょう。

利便性が悪い

駅から遠い、スーパーやコンビニまで車が必要な土地であればアパートを建てて、税金の優遇措置などを受けられたとしても入居者のニーズがなく空室がずっと続くリスクが高いでしょう。入居者のニーズがない土地であればアパート経営に向いていない土地といえます。

周りに同じ様なアパートが建ち並んでいる

周辺環境もよく、入居者のニーズがありそうな土地だとしても周りに同じ様な1人暮らし向けのアパートが建ち並んでいるとどうでしょうか?もちろん駅前で周辺環境も良い場所であれば、どのアパートでも空室がないということもあるでしょう。しかし、そこまでのニーズの高さを感じないエリアであれば、既存の建ち並んでいるアパートの空室状況を調べてみてはいかがでしょうか。また競合物件が建ち並ぶエリアであれば賃料価格競争もありえます。賃料を下げることで、入居者がついたとしても収益がマイナスになるようでは健全なアパート経営となりません。

自分の土地はアパート経営に向いているかを確認する方法

自分の土地がアパート経営に向いているかを確認するのは難しいので、業者からアドバイスをもらうのもの手ですが、アパート経営に向いていない土地であったとしても税金の軽減効果などを理由にアパート経営を提案されることもあるでしょう。提案を受けた際も自分自身でも判断できるよう、以下にあげる要点については確認しておきたいところです。

アパート経営ができる用途地域かどうか

自分の土地であっても好きなように建物を建てていいわけではありません。「都市計画法」という法律により建築できる建物が決まっています。都市計画法では建物が建てられる「市街化区域」と建物が建てられない「市街化調整区域」に大別されています。まず、保有している土地が「市街化区域」にあるのか確認してください。さらに「市街化区域」のなかで建築可能な建物の種類や規模により用途地域に分類されます。

自分が所有している土地はどの用途地域なのか確認するとともに併せて近隣の用途地域はどの用途地域に属するのかもチェックしておきましょう、近隣が準工業地域の用途地域でありアパートを建てた数年後に工場ができ騒音により入居者がつかなくなったということになるのも困りものです。

用途地域

用途地域 用途制限
第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域。小規模なお店や小中学校が建てられる
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域。小中学校のほか、150㎡までのお店が建てられる
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。病院、大学、500㎡までの一定のお店が建てられる
第二種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。病院、大学、1500㎡までの一定のお店や施設が建てられる
第一種住居地域 3000㎡までの店舗、事務所、ホテルが建てられる
第二種住居地域 店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てれられる
準住居地域 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と住居の環境を保護する地域
近隣商業地域 日用品の買い物などをする地域。住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられる
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店など集まる地域。住宅や小規模の工場も建てられる
準工業地域 軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域。危険性、環境悪化が大きい工場以外は建てられる
工業地域 どんな工場でも建てられる。住宅やお店は建てられるが学校、病院、ホテルは建てられない
工業専用地域 工場専用の地域。住宅、お店、病院、学校、ホテルは建てられない

出典:国土交通省HP(平成29年2月現在)

自治体条例を調べる

用途地域が確認できたら、各自治体が定めている条例も確認してください。例えば新宿区では「ワンルームマンション条例」が施行されています。一定規模以上のワンルームマンションの建築をする場合、近隣とのトラブルを未然に防いで、良好な住環境が保持できるよう条例が設けられています。ワンルーム形式の住戸が30戸以上となる場合は、うち2割以上を高齢者の利用に配慮した住戸にすること、家族向け住戸(専用面積40㎡以上)を一定割合設けるなどが定められています。

一方、規制だけではなく木造アパートを防火性・耐震性向上のため建て替える場合に助成金を出す自治体もあります。
各地域の条例については各自治体のHPでも条例について確認できます。

土地活用の税務や手法については、各専門家などに相談するなどして慎重に検討・判断をしてください。

まとめ

土地活用したアパート経営による税金の軽減効果からアパート経営に向いている土地、向いていない土地をお伝えしました。保有している土地をそのままにしておくのか、アパートを建ててアパート経営をするのかどうかを考えるきっかけになればと思います。