アパート経営はいくら節税できるのか

アパート経営はいくら節税できるのか

アパート経営に興味を持つきっかけに節税効果があげられます。どれぐらい節税できるのか気になるところです。

今回は、アパート経営によりどうやって節税効果が出るのか仕組みついてと、実際どれぐらい節税ができるのかシミュレーションをしながら解説していきます。節税を目的にアパート経営をはじめるサラリーマンの方も少なくないでしょう。また、マンションの節税効果の違いも知ることもアパート経営をはじめる際の基準になることでしょう。

アパートとマンションの節税方法の違い

同じ不動産でも、アパート経営とマンション経営では節税方法に違いがあります。

土地を所有するアパート経営は固定資産税が軽減

アパートもマンションも、土地および建物部分に固定資産税がかかることは同じです。しかし、同じ建築金額でも、床面積に応じて、固定資産税の軽減を受けられるか否かが変わってきます。

1部屋あたりの建築費1,000万円の場合

木造アパートの場合、坪単価を50万円とすると、20坪の賃貸住宅を建築できるため、床面積は66㎡となる、
一方、RC造(鉄筋コンクリート造)の場合、坪単価を85万円とすると、11.7坪の賃貸住宅を建築できるため、床面積は38.61㎡となる。

ここで、注目していただきたいのは、固定資産税の軽減を受けるための新築住宅の床面積は、賃貸の用に供する場合で、40㎡以上280㎡以下となるため、同じ1,000万円の建築費でも、RC造のマンションの場合、要件を満たさないので、固定資産税の軽減を受けることができなくなります。
しかし、木造アパートの場合は、「新築住宅に対する特例」の要件を満たすため、固定資産税の軽減を受けることが可能となります。

なお、固定資産税の軽減措置は、1戸あたり120㎡までの住宅部分に相当する固定資産税額の1/2が3年間にわたり減額を受けることができます。
※3階以上の耐火・準耐火建築物は5年分減額

アパート経営における節税効果

節税効果が出る仕組み(相続税・所得税・住民税)

アパート経営における節税は、所得税に主眼をおいて考えることとなります。ここで給与所得を得ているサラリーマンを例にとるならば、不動産投資をしているサラリーマンの所得は「給与所得+不動産所得」となります。
もし、不動産所得がゼロであれば、給与所得に対する所得税となるため、節税効果は認められませんが、もし、不動産所得が赤字(マイナス)になった場合、所得税額はいくらになるのでしょうか?

この場合、所得税は「給与所得+不動産所得(赤字)」にて計算されるため(これを損益通算といいます)、所得が減ることになります。そうすると、納めるべき税金も減ることになります。このように、アパート経営が赤字になったとしても自身の給与に対する税金が減りますから結果的には節税効果が得られるということになります。

確定申告により還付される

サラリーマンの場合、所得税および住民税は勤務先の会社が給与から、毎月源泉徴収という形で国や地方自治体に納付しています。このような税金の納付方法を特別徴収といい、勤務先の会社がサラリーマン本人に代わって納税する仕組みが採用されています。

ただし、不動産所得は税務署に開業届を提出していることから、給与の支払者とは関係なく、別途自分で所得税額を計算して税務署に申告する必要があります。この「所得から納付税額を計算して申告すること」を確定申告といいます。
仮に不動産所得が赤字だった場合、源泉徴収で納付済みの所得税額は「払いすぎ」となるため、確定申告を行い払いすぎた税金を取り戻すこととなります。この納めすぎた税金の還付手続きを行うことで、所得税額の精算が行われます。
不動産投資における節税の場合、サラリーマンは原則、確定申告を通じて納めすぎた所得税額の還付を受けることとなります。

節税効果のシミュレーション「年収700万円のサラリーマンのケース」

アパート経営でどれくらい節税できるか、あるサラリーマンの例で確認してみましょう。

どれほどの節税効果が期待できるのか?

年収700万円のサラリーマンがアパート経営をした場合、節税効果が生まれるケースがあります。あるサラリーマン(Aさん)を例に、節税効果をシミュレーションしてみます。

Aさんの所得税額

Aさんはサラリーマンですが、給与収入が700万円、所得控除額が150万円の場合、所得税額は、(収入-給与所得控除額-所得控除額)×税率-控除額によって求めることができます。
なお、給与所得控除とは源泉徴収表に記載された給与の額に応じて計算される控除額で、所得税計算の際に差し引かれます。具体的には以下の速算表から求められます。

給与所得控除額(平成29年分)

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

出典:国税庁HP

Aさんの場合、給与収入が700万円なので、3,600,000円超6,600,000円の範囲に含まれるので、700万円×20%+540,000円=190万円が、給与所得控除額となります。
よって、Aさんのアパート経営をする前の所得税額は、(700万円-190万円-150万円)×20%-427,500円=292,500円となります。

所得税の速算表(平成27年分以降)

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10%  97,500円
330万円超 695万円以下 20%  427,500円
695万円超 900万円以下 23%  636,000円
900万円超 1,800万円以下 33%  1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40%  2,796,000円
4,000万円超 45%  4,796,000円

出典:国税庁HP

アパート経営による節税効果のシミュレーション

Aさんは、新築アパートを建設し、同年より賃貸業務を開始しました。1年間で不動産収入が500万円、必要経費が700万円(土地の借入金の利子を含まない)だった場合、Aさんの所得税額はいくらになるでしょうか。

この場合、不動産所得は、500万円-700万円=△200万円、Aさんはサラリーマンであることから給与所得と不動産所得にて損益通算ができるため、給与所得(700万円-190万円)+不動産所得(△200万円)=310万円となり、ここから所得控除額を差し引くため、

(310万円-150万円)×5%=8万円

となります。

よって、Aさんは、アパート経営をする前の所得税額は292,500円、アパート経営後は8万円となることから、約21万円の所得税額の節税となります。
さらに、不動産所得が200万円分だけ所得が少なくなったため、住民税額も約20万円(200万円×10%)の節税となります。

必要経費になるものを知っておく

必要経費とは、総収入金額(1年間の不動産収入の合計)に対応するその総収入金額を得るために直接要した費用の額やその年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額をいいます。では、アパート経営では、どのような費用が必要経費になるのでしょうか。代表的な必要経費を以下にて説明いたします。

借入金利息 アパート経営をするにあたり、金融機関等から融資を受けた場合の土地や建物の借入金の利息
租税公課 土地・建物に対する固定資産税・都市計画税
アパートを取得した際に課される登録免許税や不動産取得税
不動産業務に関連する自動車税や印紙税
損害保険料 アパートの火災保険やそれに付帯する地震保険、自動車保険
減価償却費 アパート経営における建物や建物付属設備の価値の低下分を法定耐用年数で按分して見越計上したもの。現金支出の伴わない必要経費
修繕費 建物を維持管理するためや、退去に伴う原状回復費用
管理費 入居者の募集、管理を委託する賃貸管理会社へ支払う管理費
交通費 管理会社の打ち合わせや物件の視察のための交通費
広告費 入居者の募集に伴い、客付け会社に支払う
通信費 管理会社との連絡に伴う通信料や切手代、物件調査目的で使用するインターネット使用料等
新聞図書費 アパート経営に関する書籍や新聞等
消耗品費 アパート経営に利用するパソコンやデジカメ、プリンターやそのインク代等
接待交際費 管理会社との打ち合わせの際の飲食代

あくまでも、不動産収入を得るために直接要した費用が対象となりますので、アパート経営に関する書籍や新聞、不動産の仲間との情報交換に伴う接待交際費でも、その1年間において物件取得につながらない場合には、必要経費として認められないこともありますので注意が必要です。

まとめ

アパート経営による不動産投資は節税効果を生むことがあります。節税は悪いことではなく法に定められた範囲内で納税の負担を軽減することです。このような場合は、専門家である不動産投資会社や税理士などに確認することも大切です。