サラリーマン大家の特権!賢い節税対策はこれだ

サラリーマン大家の特権!賢い節税対策はこれだ

専業大家は、規模も大きくさまざまな節税対策がありますが、サラリーマン大家ならではの対策もあります。

会社員は、勤務先で年末調整を行ってくれるため、ご自身が支払う所得税額や住民税額を知らない方が多いものです。不動産投資をされるのであれば、サラリーマン大家ならではの節税対策や、ぜひとも知っておきたいさまざまな大家業の特典を知っておいて損はありません。不動産投資で、収入UPを目指してみませんか?

不動産投資をはじめたら、最初にすべきこと

サラリーマンがマンションやアパート経営をはじめたら、税務署に不動産賃貸業をはじめたことをまず届け出なければなりません。この提出すべき書類を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、開業届けを提出することで、不動産賃貸業での必要経費(賃貸収入を得るために直接要した費用の額のこと)を計上することが可能となります。なお、この開業届けは、事業開始等の日から1ヵ月以内となっていますので、開業したらすぐ提出すると、後々の提出漏れを心配しないで済みます。

これ以上に忘れてはいけないものが、「所得税の青色申告承認申請書」という書類になります。「個人事業の開業・廃業等届出書」は、提出期限を越えてもペナルティがかかりません。「所得税の青色申告承認申請書」は、開業の日から2ヵ月以内に提出し、承認を受けないとその年の青色申告の特典を受けることができなくなります。サラリーマンの方であれば所得税の還付を受けられなくなるかもしれません。何よりもせっかくの節税の機会を失うことになります。

キャッシュフロー計算と所得計算の違いを理解する

不動産投資をするうえで、キャッシュフロー計算(現金上の計算)と所得計算では、借入金の元本と減価償却費の取り扱い違います。

キャッシュフロー計算とは、不動産の賃貸収入から不動産の賃貸にかかわる現金支出を差し引いて手元に残るお金のことをいいます。一般的に、不動産投資について、金融機関から融資を受ける場合、融資期間を長くするとキャッシュが残りやすくなります。なお、融資期間を長くすると、その分支払う利息が増えることになります。

所得計算は、「賃貸収入-必要経費-(青色申告特別控除額)」によって計算し求めることができます。青色申告特別控除額は不動産賃貸業の規模(簡便的に5棟10室基準が採用されます)によって異なり、最低でも10万円、規模が大きくなると65万円が控除できます。なお、65万円の控除にあたり、マンション経営だと10室必要ですが、アパート経営の場合部屋数が10室あるアパートであれば適用が受けられます。

両者で大きく異なる点が、借入金の元本と減価償却費の取り扱いです。借入金の元本はキャッシュフロー計算では考慮しますが、所得計算では考慮しません。一方で、減価償却費はキャッシュフロー計算では考慮しませんが、所得計算では考慮します。
そのため、キャッシュフロー計算で赤字(マイナス)となっても、所得計算で黒字(プラス)となることもあります。

知って得!不動産投資のための必要経費の計上方法

キャッシュフロー計算と所得計算の違いを述べましたが、マンションやアパート経営において賢い節税対策も知っておきましょう。

不動産所得の必要経費を知る

不動産投資で得られる所得は、不動産所得として課税の対象となります。そのほか不動産を取得したときにかかる税金もあります。
不動産所得とは、土地や建物等の貸付けなどの不動産貸付業による所得のことで下記の式で求められます。

不動産所得の金額
①総収入金額-②必要経費
総収入金額

  • 名義書換料や承諾料、更新料、または頭金など
  • 敷金や保証金などのうち賃借人へ返還をしないもの
  • 共益費などの名目で受け取る電気代・水道代・掃除代など
必要経費

  • 租税公課(固定資産税、都市計画税、印紙税、不動産取得税、登録免許税など)
  • 損害保険料(火災保険など)、マンション維持にかかる管理費や修繕積立金など
  • 減価償却費(建物、車両など)
  • 修繕費(退去時のクリーニング費用や原状復帰費用など)

そのほかに計算上、気を付けたい点として下記について留意しましょう。

  • 租税公課については所得税や住民税は含まない。
  • 租税公課のうち、不動産取得税や登録免許税は、物件を取得した際にかかる付随費用で、必要経費に含めることができますが、その金額が多額となる可能性がありますので、物件の購入金額に含めたうえで、減価償却計算することができます。
  • 借入金の利息はその年の対応する金額に限られる。
  • 立退料は原則支払ったその年の分として計上ができる。
  • 火災などで固定資産を損失した場合は、事業的規模に限りその全額を計上できる。

必要経費として計上できるものは意外に多いものです。ただし、申請する際には「レシート」もしくは「領収書」が必要になりますので、書類管理がとても大切になります。

また、不動産所得が赤字になった場合には、給与所得と損益通算することができます。そのため、ご自身の給与所得にかかる所得税や住民税の節税(還付)にもなります。なお、損益通算は青色申告者や白色申告者(「所得税の青色申告承認申請書」を提出していない方)のどちらも適用を受けることができますが、そのうち、青色申告者は、損益通算をしてもなお赤字になった場合には、翌年以降3年間にわたり、損失を繰越すことができます。これを純損失の繰越控除といいます。土地等を取得するための負債の利子は対象外

飲食費は交際費として必要経費に計上できるのか?
飲食費といっても、単に家族と食事をしたり、親しい友人と食事した場合は、交際費として必要経費に計上することはできません。日頃から不動産の管理をお願いしている業者を接待したり、入居付けのお礼に業者を接待するような場合、支払った金額の全額が必要経費とすることができます。
交際費をわかりやすく言うと、「不動産収入を得るためにかかったお金」となり、上記のケースは、業者を接待することで、不動産収入を得ることができたと認められ、必要経費に計上することができます。
不動産を購入するための書籍は、新聞図書費として必要経費に計上できるのか?
マンションやアパート経営を考えている方は非常に勉強熱心で、本をたくさん購入されています。その場合、不動産に関連する書籍を購入した場合、すべてを新聞図書費として必要経費計上でるのでしょうか。
事業にかかる経費として計上することができます。会計・経理や現地調査のための地図など想定できますが、迷った場合は税務署に確認しましょう。意外と親切・丁寧に回答してくれます。

今のはやり。法人を作れば節税は可能って本当?

法人での不動産投資について考えてみましょう。その効果は人それぞれです。ご自身の所得の状況などが関係してきますので法人化については、メリットやデメリットをふまえたうえで判断しましょう。

メリット

  • 青色申告による欠損金の繰戻しによる還付の適用
  • 相続対策との活用
  • 法人から給与を受けることができる(給与所得控除額の適用)
  • 個人よりも税率が下がる可能性がある
  • 必要経費の範囲の拡大
デメリット

  • 設立時の費用(登録免許税、司法書士手数料など)がかかる
  • 決算や日頃の経理処理などの費用がかかる(税理士など)
  • 最低限の税金がかかる(法人住民税)
  • 社会保険に加入する義務が発生する(ご自身が会社員の場合は、そのほかの親族を代表者にするなどの対策を検討する)
  • 税務署からの調査対象となりやすい

まとめ

不動産賃貸業において、必要経費についてきちんと考えるということはとても大切なことだとわかります。ただし、やりすぎには注意が必要ですので節税対策もほどほどに。とは言え、サラリーマンの本業を持ちつつ、大家の特権を最大限に活用してみてはどうでしょうか。