【J-REITの全て】儲かるならやってみたい超初心者向け講座
By Oh!Ya編集部
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超低金利時代において、銀行の定期預金にお金を預けていても利息はほとんどつきません。それならもっと利回りが良くて安全に運用できるものはないかとお探しの方はとても多いと思います。
そこで、jリートに注目された方も多いのではないでしょうか。jリートについての詳細は順次解説していきますが、REIT(リート)と呼ばれる不動産専門の投資信託のことで、特にjリートとは日本国内で運用されるもので証券取引所に上場されているものを指します。投資信託なのでお金を預けておけば後はプロが運用してくれて、超低金利時代では考えられないような利回りが得られるとして、人気を集めています。
しかし、いくら利回りが高くて人気といっても、資金が減ってしまうような危険があるようなものに投資をするのは怖いとお感じでしょう。その点においてもjリートは安全性が高く、中長期的に運用することで本格的な資産形成に役立てることもできます。
そんな魅力的なものならぜひ一度検討してみたいという方のために、この記事ではjリートの魅力や基本、リスクについての解説とjリート投資の具体的な始め方といった全知識を網羅していきたいと思います。
こんなにある、jリートの魅力
jリートにはどんな魅力があるのか?人気を集めている投資商品だけに、その魅力は気になるところだと思います。まずはjリートが5つの魅力をご紹介します。
分配金利回りが平均4%以上!
jリートとは不動産専門の投資信託で、日本の証券取引所に上場されている銘柄群のことです。2018年12月現在、jリート全銘柄の平均利回りは4.15%となっています。この時点で最も高利回りなのが「タカラレーベン不動産投資法人」の7.24%で、最も低いのが「日本ビルファンド投資法人」の2.9%です。
ここで、注目していただきたいことが2つあります。1つ目は、全銘柄の平均利回りが4%を超えているという事実で、もう1つは最も利回りが低い銘柄であっても2.9%もの利回りが出ていることです。
銀行に1年間預けていても一度のATM手数料で利息がなくなってしまうと言われる超低金利時代において、これだけの利回りが当たり前のように出ているのは、jリート投資の大きな魅力です。
不動産に投資しているので比較的低リスク!
利回りが高いということは、その分リスクも高いのでは?というのが真っ当な投資家の考えです。jリートは元本保証ではないので、運用成績が悪いと分配金の利回りも低下します。jリート自体を売買するための価格が下がれば、投資元本割れを起こす可能性もゼロではありません。
しかし、元本保証ではない投資商品の中でもjリートは比較的安全であると言われています。その理由は、jリートが不動産を運用対象としているからです。投資家から集めたお金で数億円、数十億円もするような超優良物件に投資をしているので、もしjリートの運営ができないような事態に陥ったとしても、保有している不動産を売却するという手段が残されています。
それで投資家のお金が全額戻って来るかどうかは不動産価格次第ですが、もしjリート自体が存続できなくなったとしても、投資したお金が完全にゼロになってしまう可能性が低いというのは、リスク管理上の魅力です。
手軽に売買できる!
jリートは、リート(REIT)の中でも証券取引所に上場されている銘柄群である、と述べました。リートには上場されていない銘柄もあって、それらは他の投資信託と同様に証券会社などが取り扱っています。
jリートは証券取引所に上場されているため、どの証券会社であっても必ず取り扱いがあります。しかも株と全く同じ感覚で注文を出して購入することができるため、とりわけjリートは流動性が高くて手軽です。
いつでも買えて、いつでも売れるのがjリートですが、現物不動産投資だとなかなかそうはいきません。この点もjリート投資の魅力です。
分散投資でリスク管理ができる!
投資のリスク管理は、分散投資が基本です。1つの投資商品だけに集中投資をするというのは、その投資商品と心中することを意味します。儲けも大きくなりますが、本当に「心中」になってしまった時には損失も大きくなってしまいます。
そこで複数の投資商品に分けて投資をすることで、どれかが損失を出したとしても他の投資商品でカバーするという構図を作ることができます。こうした効果は投資のリスク管理に有効なので、どんな投資であっても分散投資が強く推奨されています。
jリートは単一の不動産に投資しているわけではなく、1つのファンドで複数の不動産を所有して運用しています。つまり、jリートを買うことは自動的に複数の不動産に間接的な投資をしていることになり、リスク分散効果が得られるのです。少しでもリスクを抑えたいという方にとって、jリート投資はとても手軽なリスク管理術なのです。
税制の関係で配当が高い!
jリートを運営しているのは不動産法人という、投資信託を運営するために設立された法人です。この不動産法人には、「利益の90%以上を投資家に分配すると法人税が免除になる」という優遇制度があるため、jリート各銘柄を運営している投資法人は、この優遇をいかすために少なくとも90%の利益を投資家に分配しています。
利益のうちどれだけを投資家に分配するかはファンド運営側の自由なのですが、jリートにはこの優遇税制があるおかげで投資家への分配率が高く、これもjリート特有のメリットです。
jリートの基本をマスターできる5つの知識
5つの魅力を知っていただいたところで、jリートにますます興味を持っていただけたと思います。それでは次は、jリートをマスターするための基礎知識を解説します。
jリートの仕組み
jリートは投資信託の一種なので、基本的な仕組みは他の投資信託と同じです。jリートを運営しているのは投資法人という法人組織で、投資家はこの投資法人にお金を預けます。
投資法人は投資家から集めたお金を元手に不動産を購入し、そこから賃料収入を得ます。そこから必要経費を差し引いた収益を、投資家に分配します。
投資法人は定期的に決算を行い、その時に確定した収益から分配金を算出します。多くの投資法人は年に2回の決算を行っているため、jリートを保有している投資家への分配金支払いは年に2回という銘柄が大半です。
jリートの運用対象
不動産専門の投資信託であるjリートは、どの銘柄も不動産のみを投資対象としています。ただし、不動産といってもそれぞれの銘柄には種類があって、種類によって主に投資をする不動産のジャンルが異なります。
住居型であればマンションなど住宅向け不動産に、オフィス型であればオフィスビルに投資をするといった具合です。その他にも物流施設型やホテル型、ヘルスケア型などさまざまな種類があって、それぞれの投資法人が強みをいかせる不動産分野への投資をしています。
jリートがミドルリスクだと言われる理由
投資商品にはローリスクなものからハイリスクなものまで実にさまざまな種類がありますが、その中でjリートはミドルリスク商品であるとされています。ローリスクとハイリスクのちょうど中間にあたるミドルリスク商品なので、数ある投資商品の中では比較的安全性が高いと言って良いでしょう。
その理由は、jリートを運営している投資法人が投資対象となる不動産を所有しているからです。投資家から集めたお金を不動産に替えているだけなので、資産がなくなったわけではなく常に保有している状態です。投資法人の経営が破綻した場合であっても保有している不動産を売却すればある程度の資産は確保されるため、破綻したらjリートがそのまま紙切れになってしまうというわけではありません。
jリートのデメリット(リスク)
比較的安全性が高いと言われるjリートですが、もちろんリスクもあります。主なリスクは3つで、以下のようになります。
- jリート銘柄の上場廃止リスク
- jリートの価格下落リスク
- 不動産投資法人の倒産リスク
上場しているからこそ高い流動性が魅力のjリートなので、それが上場廃止となってしまうと未公開株と同じような取り扱いになってしまうので、簡単に売却することができなくなってしまいます。
また、jリートの価格は常に変動しているのでそれが購入時よりも低くなってしまったらその分の損失が発生します。もっとも、長期間保有して分配金を蓄積している場合は少々の値下がりがあっても分配金収入がそれをカバーできるかも知れません。
jリートとリート(REIT)の違い
jリートは証券取引所に上場されているリート(REIT)であると述べましたが、それではjリートではないリートとは何が違うのでしょうか。
上場しているか否かによる違いはもちろんのこと、jリートではないその他のリートは、投資信託と同じカテゴリーで証券会社が取り扱っています。もちろん不動産専門の投資信託である点はjリートと同じなのですが、運用主体が海外である場合が多く、日本のリートであるjリートとはファンドの組成形態が若干異なります。
jリートは日本国内で組成されたファンドなので日本の法律が適用されますが、海外のリートはその国の法律が適用されます。
jリート投資の標準的な収益モデル
jリート投資に実際に始めると、どんな収益モデルになるのでしょうか。あるjリートを購入、そして保有するとどうなるのかをシミュレーションしてみましょう。
jリートはインカムゲイン投資
jリートの収入源は、投資法人が所有する不動産からの賃料収入です。自分で現物不動産を保有しても賃料収入が主な収入源になりますので、それはjリートであっても同じです。
投資家は年に1回、もしくは2回支払われる分配金を収入源として、それを蓄積していくことで資産を増やしていくのが、jリートの基本的な投資スタイルです。
jリートの利回りは3%程度から7%程度なので、それほどずば抜けて高いわけではありません。あくまでも時間をかけてじっくりと資産を増やしていくタイプの投資商品です。
jリートの分配金利回りをみてみよう
jリートの情報サイトを見ると、現在の利回りをチェックすることができます。おおむね平均値である4%を中心に、その近辺の利回りが表示されているのが確認できます。この平均値を使って、利回り4.15%の投資を始めるたとしましょう。
バイ・アンド・ホールドでjリートの10年後をシミュレーション
jリート投資の基本は、バイ・アンド・ホールドです。これは直訳すると「買って持っておく」という意味で、その通りjリートは買ったらそのまま持ち続けることで資産運用ができる投資商品です。
それでは、20万円買ったjリートを、年利4.15%で10年間持ち続けた結果を計算してみましょう。ここではカシオ計算機が提供しているオンライン電卓が便利なので、それを使って計算してみました。
その計算結果は、以下の通りです。
総資産額 | 利息 | トータル利回り |
---|---|---|
30万2,657円 | 10万2,657円 | 約51.32% |
※横スクロールできます。
年利4.15%のjリートを20万円で買って、それを10年間放置しておくと10年後には資産が約1.5倍になることが分かりました。投資規模をこの倍や10倍にすると、その分投資効果も大きくなります。
複利効果を味方につけよう
先ほどの計算で、単純に4.15%ずつ利息がつくよりもトータルの資産額が大きくなったのは、複利効果があるからです。複利効果とは利回りが出て資産が増えた分も再投資をすることで加速度的に資産が増えていく効果のことをいいます。
借金が雪だるま式に増えていくという表現がありますが、これも利息の分だけ借金が増えて、さらに借金額が大きくなってしまうことを意味しています。資産運用ではこれと全く逆のことが言えるので、複利効果を味方につけると雪だるま式に資産を増やすことができるのです。
jリート投資でも、この複利効果を大いに味方につけることをおすすめします。方法は特に難しいものではなく、分配金として支払われた分を使ってしまうことなく再投資するだけです。
jリートのリスク管理術
とてもメリットの多いjリートですが、元本保証ではない投資商品だけにリスクもあります。ここでは、そのリスクを管理する方法を解説します。
jリート銘柄の情報を精査する
jリートには、どのタイプなのかという分類があります。住宅型やオフィス型、物流施設型といったように、どの種類の不動産に投資をしているのかが分かるようになっています。それらに対して横断的に投資をする、総合型(複合型)のjリートもあります。
こうした種別に加えて、現在そのjリートはどんな不動産に投資をしているのか、どれくらいの資産規模なのかといった基本情報のチェックは必須です。投資しているjリートが何をやっているのかよく分からないというのは非常に危険なので、自分がどんなjリートに投資をしているのかを説明できる状態にしておきましょう。
それに加えてリスク管理に重要なのが、jリートの値動きです。下落が続いているjリートというのは、何か理由があるはずです。投資家からそっぽを向かれているjリートに投資をするのはリスクが高い行為なので、値動きが安定しているのかもチェックしてから投資判断をしましょう。
jリートの価格をチャート分析してみる
株やFXなどリアルタイムで価格が変動するタイプの投資では、チャート分析といって過去のデータから値動きを予測する手法が確立しています。jリートは投資信託なのでそこまで短期トレードの手法は必要ありませんが、どうせ買うなら安い時に買いたいという方のために、ちょっとしたチャート分析手法を解説しましょう。
価格が下落している時に、どこで下げ止まるかの目安になるのが直近の安値です。そこで下げ止まると、「ダブルボトム」といって相場が反転して上昇するシグナルとなるため、反転上昇の期待が高まります。その時点で買えば、価格上昇の恩恵を受けられるかも知れません。
また、相場の温度感を知ることができる、オシレーター系と呼ばれるチャートがあります。その中でも代表的なのがRSIで、このRSIは0~100の間を行き来しています。20を下回ると売られすぎ、80を上回ると買われすぎを示しているとされており、RSIがこのどちらかに到達しているようであれば温度感を知る目安になります。
例えば、価格が下落しているjリートで、RSIが20を下回るようなことがあれば、買い時が到来と判断することができます。他にもチャート分析にはたくさんの種類と手法があるのですが、少し知っているだけでも価格変動のヒントをつかむことができます。
銘柄を分散して投資する
そもそもjリートは複数の不動産で運用をしているため、リスク分散が図られています。しかしながら、最近ではjリートの銘柄が増えるのと同時に投資法人同士の合併や吸収などが実際に起きています。こうしたことが起きるのは、不動産投資が不振であったか、何らかの問題が生じたとも考えられます。
jリートだからといっていつまでも安心と早合点してしまうことなく、銘柄を分散して保有するなど、自分なりのリスク管理も心がけてください。
jリート投資の始め方
最後に、jリート投資をやってみたいという方のために、jリート投資を始めるまでのステップを解説します。
証券会社に口座を開設する
jリートは上場されているため、株と全く同じ感覚で売買することができます。そのため、jリートを買うには証券会社の口座が必要です。上場されているものを売買できない証券会社は無いので、口座を開設する証券会社はどこでも構いません。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券などネット証券のほうが使い勝手や情報の豊富などで優位性が高いと言われていますので、ネット利用がメインの方はこうしたネット証券が良いかも知れません。
すでに証券会社に口座をお持ちの方は、新たに開設をする必要はありません。その場合は次のステップに進んでください。
jリート銘柄を検索する
jリート銘柄は、銘柄名や証券コードで検索することができます。ここで注意したいのは、jリートが投資信託の一種だからといって投資信託のカテゴリーではなく、現物株のカテゴリーから検索しないと出てこないことです。
jリート銘柄についての情報はネット上にたくさんあるので、それらの情報や証券会社から提供されている情報などを参考に、購入する銘柄を決めます。
証券会社の口座に買付代金を入金する
すでに口座をお持ちでお金を預け入れている方は必要ありませんが、初めての方はjリート購入のための代金を入金します。ほとんどのネット証券口座はクイック入金といって銀行口座からネット上の操作だけで瞬時に入金できる機能があります。
お目当てのjリートを購入するのに足りる金額を入金したら、後は買い付けの操作をするだけです。
希望するjリートを購入する
希望するjリート銘柄に対して買い付け注文を出します。この場合、成行買いといってその時の価格で購入するか、「この価格で買いたい」という価格を指定して買うこともできます(指値注文)。
注文価格と実勢価格が一致したら注文が成立、約定となります。約定したら、jリート投資が始まります。
分配金を受け取る
jリートを保有していると決算のたびに投資法人から分配金が支払われます。その分配金はjリートを購入して保管している証券会社の口座に入る仕組みになっているので、残高が増えているかどうか確認してください。
複利効果をいかすのであれば、この分配金も新たなjリート購入に使って再投資をしましょう。
まとめ
jリートに興味があり、自分にとってメリットが大きいものであれば始めてみたいという方を想定して、jリートの魅力やリスク管理、具体的な買い方などを余すところなく解説してきました。これでさらに魅力を感じていただけたのであれば、ぜひお目当てのjリート銘柄を見つけて、まずは購入してみてください。