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公務員が不動産投資に適している2つの理由とは?拡大時には要注意

By Oh!Ya編集部

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公務員が不動産投資に適している2つの理由とは?拡大時には要注意

公務員に就職することで、一生安泰といわれる時代は終わりつつあります。いまだ収入は安定しており社会的信用も高いのですが、退職金が減額されたり行政サービスの削減が検討されたり、不安要素が増えてきたのです。

そのため、副業を始めたいというニーズが高まっている一方、公務員は国家公務員法や地方公務員法により副業を禁じられています。

そこで、今回は「公務員の副収入源」に適している、不動産投資についてご説明します。

不動産投資は副業に分類されないの?

家 国家公務員法や地方公務員法によって、公務員の副業が禁じられていることは広く知られた事実です。しかし、不動産投資は一定の規模を上回らない範囲であれば、副業を禁止する規定に抵触しないのです。

このほか、株式投資や投資信託、太陽光発電投資も副業禁止の規定に抵触しません。そんななかでも、不動産投資は公務員に適した特徴を持っているのです。

公務員が不動産投資に適している2つの理由

いくつか選択肢があるなかで、どうして不動産投資が公務員にとって適した選択肢なのでしょうか?

この項では、公務員が不動産投資に適している理由として、2つのポイントをご説明します。

有利な条件な条件で融資を利用できる

不動産投資を始める際、場合によっては高額な初期費用が必要となります。そこで、自己資金では賄えない資金額を金融機関から借り入れて、不動産の取得費用に充てるケースが一般的です。

このとき、ローンの審査時には「属性」と呼ばれる、融資希望者の返済能力が重視される傾向にあり、属性が高いほど有利な条件でローンの借り入れができます。

公務員は収入が安定しており、解雇や勤務先の倒産といったリスクがありません。そのため、金融機関から経済的に評価されやすく、上場企業の社員や医師と並んで属性が高いと判断されやすいのです。

こういった理由から、公務員は有利な条件で資金を借り入れやすいといえます。なお、属性に関する詳しい解説は、当メディアの「これを知らずに不動産投資を始めるの?融資額を大きく変える「属性」の秘密」をご参照ください。

株式投資や投資信託では融資を利用できない

不動産投資は、金融機関のローンを利用して自己資金なしで副収入を作れますが、株式投資や投資信託は同じような手法を取れません。金融機関は、株式投資や投資信託に対して貸付を行うことはなく、全ての個人投資家は自己資金を使った運用を求められるからです。

投資の世界では、年間利回りが5%もあれば良いと評価されますが、これでは副収入としてまとまった金額を得ることは困難。たとえば、自己資金として500万円を運用し、株式投資で年間利回り5%を維持したとしても、年間の副収入は25万円です。

一方、融資を活用して投資額5,000万円で不動産投資をすれば、年間利回りが5%であっても1年の副収入は250万円になります。こうして比較すれば、公務員の立場を活かして有利な条件でローンを利用し、不動産投資を始められることの強みは明らかです。

本業に影響を与えずに取り組める

公務員は、本業に支障をきたす行為を禁じられているため、率先して自身が行動しなければならない活動は規定に抵触する恐れがあります。その点、不動産投資は管理業務の一切を、管理会社に委託することが可能です。

つまり、本業に影響を与えることなく、副収入源の確立ができるのです。厳しい制約の多い公務員にとって、不動産投資が持つこのようなメリットは大きくプラスに働きます。

ただし、本業に悪影響を及ぼさないからといって、際限なく資産を拡大して良いわけではありません。副業禁止の規定に抵触しない範囲が定められているため、知らないあいだに規定を違反しないよう注意する必要があります。

株式投資や投資信託に比べて外部委託が容易

株式投資や投資信託は、経済的な豊かさを手に入れる一手段ではあるものの、売買注文を完全に自動化することは難しいため時間を取られてしまいます。経済的なメリットを得るために、時間を犠牲にするケースも少なくないのです。

一方、「管理業務を委託できる」というメリットを持つ不動産投資は、不動産の購入以降にかかる手間は決して多くはなく、運用に必要な業務のほとんどを外注できます。こういった特徴により、時間を犠牲にすることなく経済的な恩恵を受けられます。

副業禁止の規定に抵触しない不動産投資の範囲

家 不動産投資の規模を拡大する際、営利を主目的とした「自営」だと判断された場合、規定に抵触するとして処分が下される可能性があります。

そのため、以下の基準を上回らないように配慮し、上回る場合には事前に承認が必要です。

営利を主目的にしていると判断される基準
独立家屋が5棟以上ある
独立家屋以外の区画された戸数が10室以上ある
賃料収入が年額500万円以上である
賃貸契約が10件以上ある
劇場・映画館・ゴルフ練習場など娯楽施設を設けている
賃貸物件が旅館・ホテルなど特定の業務に利用される

出所:人事院「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」より抜粋・改編

仮に、不動産投資の規模が大きくなり、営利を主目的にとした活動に抵触する恐れがある場合は、人事院に申請をして許可を得なければなりません。

規定以上に資産拡大を進めたい場合の対応

アドバイス 規定された規模を超えて不動産投資を行うことを希望する場合、人事院に対して自営の承認を申請する必要があります。

人事院が公表している「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」にある通り、不動産投資の自営を承認してもらうためには、以下のような資料を添付したうえで「自営兼業承認申請書」の提出を求められます。

自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)の場合
不動産登記簿の謄本、不動産の図面等賃貸する不動産等の状況を明らかにする書面
賃貸契約書の写し等賃貸料収入額を明らかにする書面
不動産管理会社に管理業務を委託する契約書の写し等不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務の方法を明らかにする書面
事業主の名義が兼業しようとする職員の名義以外の名義である場合においては、当該事業主の氏名及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合
職員の人事記録の写し
その他参考となる資料

出所:人事院「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

あわせて提出が必要となる自営兼業承認申請書も、同ページからPDF形式でダウンロード・印刷が可能です。

なお、地方公務員の場合、要件が各自治体によって異なるケースがあるため、勤務地で個別に確認してください。

許可を得ず規模拡大を行った場合の処遇

人事院に自営の承認を得ないまま不動産を増やし、規模拡大を行った場合にはペナルティが課せられます。許可を求めたからといって、必ずしも申請が通るわけではありませんが、申請をしないまま規模拡大をすれば厳しい処分があることに注意が必要です。

実際に、無許可のまま不動産を増やし、規定を超える活動が発覚してしまった事例を2つご紹介します。

年間600万円を得ていた仙台市職員が減給処分

産経新聞のニュース記事「副業でアパート経営、年間600万円超稼ぐ 仙台市職員減給処分」によれば、仙台市の地方公務員として働いていた40代男性が、年間600万~700万円を得ていたとして減給処分を受けています。

同職員は不動産会社を設立し、その代表を母親が務めていたものの、実質的な経営に関する業務は当人が行っていたとのことで処分の対象となりました。

3ヶ月のあいだ給与を10分の1に減額される処分を受けたようです。

年間7,000万円を得ていた佐賀県の消防士が懲戒免職

佐賀新聞LiVEのニュース記事「賃貸収入7千万円の消防士を懲戒免職「損をしてまで売るつもりはない」」では、佐賀県の消防副士長である44歳(当時)の男性が、懲戒免職処分を受けた一連の流れが解説されています。

処分の対象となった副士長は、佐賀市内外にマンションや貸店舗を始めとする12件の不動産を保有。家賃収入が年間7,000万円にのぼる規模で、不動産投資を行っていたようです。

人事院規則に則った事業縮小を命じられていたものの、これに従わず改善しなかったために処分を受けています。

今後、公務員が不動産投資を始める意義とは?

書類 かつては一生安泰といわれていた公務員も、徐々に安定に対して懐疑的な視線を向けられるようになってきました。

特に若い世代ほど「公務員といえども、自身の将来的は分からない」といった懸念は大きくなり、実際に不安が現実として浮き彫りになりつつあります。

この項では、これまで安定していた公務員に、どうして不動産投資を始めることを推奨するのかご説明します。

民間企業にあわせて退職金が減少している

国家公務員・地方公務員は、ともに退職金が減額傾向にあります。

以下の資料は、国家公務員のうち行政職俸給表(一)適用者、および地方公務員の全職員における定年退職時の退職手当額を平均化したものです。

職務によって退職手当額は大きく異なるため、あくまで全体的な退職金の推移を図るデータとしてご参照ください。

対象年度国家公務員の退職金地方公務員の退職金
平成26年2,443.7万円2,225.9万円
平成27年2,333万円2,239.8万円
平成28年2,273.5万円2,223.1万円
平成29年2,262.万円2,149.2万円
平成30年2,213.7万円2,152.3万円

出所:総務省「地方公務員給与実態調査」,内閣官房「退職手当の支給状況」より抜粋・改編

いずれも、平成26年度と比較したとき、平成30年度の退職金に下振れが見られます。これは、公務員の待遇が民間企業に比べて過剰なものとならないよう、人事院が給与・退職金を調節するためです。

昨今、国内の民間企業は勢いを失っており、厚生労働省より公表されている「平成30年就労条件総合調査」に目を通す限り、この十数年のあいだに退職金は減少傾向にあります。

このまま民間企業の退職金減額が続くようであれば、公務員の退職金も連動して下げることが予想されるでしょう。定年退職を迎えるまで、どれほどの水準になるのか分からないものの、楽観視せず「退職金は減少するかもしれない」と捉える姿勢でいることが賢明です。

ビジネスセンスを高めるきっかけとなる

公務員は行政サービスの運営に携わることから、民間企業の社員が担う業務とはやや毛色の異なる労働環境で働くこととなります。そのため、一般的なビジネスセンスが高まりづらく、どうしても行政サービスの業務に特化したスキルが成長しがちです。

その点、不動産投資は外部業者に管理を委託するとはいえ、投資エリアのリサーチや住民のニーズ把握などを通じて、ビジネスセンスを身に付ける機会が多くあります。

多くの公務員にとって、普段の業務とは違ったスキルや知見を身に付けることとなり、いずれも業界内の競争を勝ち抜く「民間企業寄りの経験」の体得に繋がるのです。

こうした一連の経験を持っていれば、仮に公務員としての将来に不安を感じたとしても、民間企業への転職に対する心理的ハードルは下がります。また、転職時特有の「収入が途絶える」という不安は、家賃収入の存在により解消されるため、将来を懸念する公務員にとって不動産投資は相性が良いのです。

まとめ

副業が禁止されている公務員は、副収入を得るまでのハードルが高く、選択肢は決して多くありません。どうしても、ボランティアに近い活動や投資といった手段に限られるのです。

その点、不動産投資は投資の名が付くものの、実態は「賃貸業」というビジネスの一種であり、株式投資や投資信託とは違って堅実に利益を得られます。

金融機関からの借入時に有利に働く点、管理の外注により本業に影響しない点など、公務員の立場を活かしつつ厳しいルールと両立できることから、副収入を得るための最適解だと捉える意見も多々あるほどです。

公務員としての立場をそのままに、将来に備えて収入アップを考えるのであれば、ぜひ不動産投資を検討してみてください。

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