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デイトレは本当に儲かるの?ネット上に成功者のエピソードが多い2大要因

By Oh!Ya編集部

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デイトレは本当に儲かるの?ネット上に成功者のエピソードが多い2大要因

デイトレは、短期間で利益を稼ぎたい投資家から支持される投資スタイルです。ネット上では、誰でも儲けられる投資として紹介されることも多いですが、実際にはどうなのでしょうか?

今回は、デイトレに利用される金融商品の種類、およびデイトレで継続的に利益を出し続けることはできるのかをご説明します。

短期間のうちに利益を得られる「デイトレ」とは?

デイトレは、一日のうちに買い注文と売り注文を繰り返す「デイトレード」の略称です。

ひと昔前まで、金融商品の売買は対面・電話により行われていたため、数時間や数日のうちに何度も取引を行うのは非現実的でした。

しかし、インターネットの登場により、誰でも短期売買ができるようになったことから、あらゆる金融商品がデイトレードの対象となっています。

デイトレに利用される金融商品

デイトレに利用される金融商品には、大きく3つの特徴があります。

  • ネット上で売買できる
  • 価格変動が激しい
  • 流動性がある

この項では、上記の条件を満たす4つの金融商品をご紹介します。

FX(為替証拠金取引)

FXは、通貨間の価格変動にあわせてトレードを行い、通貨の売買により発生した差額を利益とする投資です。後述するデリバティブ取引の一種ですが、1つのカテゴリーとして認知されるほど知名度を高めました。

最大の特徴は、自己資金の25倍に相当する資金を扱える、「レバレッジ」という仕組みを利用した大規模なトレードを可能とすることです。これにより、仮に自己資金の100万円を証拠金(担保)として預ければ、2,500万円もの資金を運用できます。

株価推移の激しい低位株

株式投資は、本来「企業の成長にかけて出資する」という金融商品であり、中長期的な運用が一般的でした。

そんななか、ネット証券の登場により秒単位でのトレードが可能となったため、デイトレ人口が一気に増加。いまや、株式投資と聞けばデイトレを連想する人も多く、雑誌やネット記事でも短期的に稼げる方法として紹介されています。

ただし、全ての株式がデイトレに適しているわけではなく、短期売買には時価総額の小さい低位株がもちいられます。これは、時価総額が小さいほど株価が大きく変動しやすいためです。

なお、株式投資のレバレッジ倍率は最大3倍ほどであるため、FXほどドラスティックな資産額の変動は期待できません。

デリバティブ(金融派生商品)

デリバティブは、株式や債券など「基軸となる金融資産」から派生した商品の総称です。デリバティブは、主に以下のようなものがあります。

デリバティブの種類解説
先物期日を迎えたとき、特定の商品を「現時点で決めた価格」で売買する契約
オプション期日を迎えたとき、特定の商品を「現時点で決めた価格」で売買する権利
スワップ「異なるキャッシュフロー」を一定のあいだ交換する取引

ご覧いただければ分かるように、非常に複雑な仕組みをもちいた金融商品であり、金融知識に長けた人でなければ理解に時間を要します。基本的には、商品化された契約・権利を売買するものだと考えてください。

仮想通貨

近年、知名度を飛躍的に高めた仮想通貨は、価格推移が激しいためデイトレに適した金融商品として注目されています。今回ご紹介した金融商品のなかでも、随一の変動率を誇る投資先であり、1日のうちに10%以上の価格変動が起こることも珍しくありません。

また、仮想通貨にFXの仕組みを取り入れた「仮想通貨FX」という商品もあり、より大きな価格変動を求める投資家はこちらを利用するケースも多々あります。

デイトレは本当に短期間のうちに稼げるの?

お金 ネット上にはデイトレを勧める記事が多く、あたかも簡単に稼げるよう錯覚させる情報が蔓延しています。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

この項では、デイトレの実態についてご説明します。

安定して稼げているのは一部の投資家のみ

短期間のうちに大きな利益を得られるデイトレは、多くの投資家にとって魅力的な投資スタイルです。しかし、デイトレで継続して利益を得ることは極めて困難であり、大多数の投資家がデイトレで損をしています。

FXは投資家同士の損益が等価ではないマイナスサムゲーム

たとえば、デイトレの投資先として選ばれやすいFXは、損益の期待値がマイナスになってしまう「マイナスサムゲーム」です。通貨の交換は相手がいることで成り立つため、一見すると一方の利益の裏側に同額の損失が発生しているのだと勘違いしてしまいます。

しかし、実際には取引の際に「スプレッド」という形で手数料を負担し、獲得した利益には税金が課せられています。つまり、利益を得ている側の投資家は、損失を出した側の投資家よりも少ない金銭しか受け取れないのです。

本来プラスサムゲームである株式投資もデイトレでは不利

FX以外のデイトレでも、利益を得続けることの難しさは解消されません。株式市場は、長期的に見れば全参加者が利益を得られる「プラスサムゲーム」だといわれますが、これはあくまで「長期的に市場全体を見たとき」に限られます。

デイトレの対象となる低位株は、いわば株価の低い不人気株です。不人気株が不人気である理由は複数あるものの、その大半はビジネスモデルが軌道に乗っていないというもの。

いくら市場全体が緩やかな上昇傾向にあるといっても、ビジネスモデルに魅力のない企業が周りの企業と同様に株価を高めていく可能性は高くありません。また、短期売買であるため、長期的な市場の成長に乗れないままトレードを繰り返すことになります。

つまり、株式市場にデイトレで参加するということは、極めて不利なポジションで投資をしているのです。ネット記事を見れば、デイトレの成功事例は数多く見つかるものの、これは並外れた情報の察知能力やチャート分析の知識を持つから成せることです。

ネット上にデイトレ成功者のエピソードが多い2大要因

デイトレで成功できるのは一部だといっても、ネット記事を見れば成功者のエピソードばかりが並んでおり、むしろ失敗した投資家の方が少ないと思えるほど。しかし、これを理由にして「自分もデイトレで成功できる」と判断するのは早計です。

実は、ネットに成功者のエピソードばかりアップされる現象には、2つの理由があります。

退場者は情報を発信せず成功者だけがネット上に残るため

誰しも、過去の失敗や恥ずかしい出来事は隠したいもの。一方で、努力で獲得した立派な功績や地位は、広く自慢したくなるものです。

たとえば、有名企業の面接に通った人は「有名企業に入社します」と自慢げに公表する一方、不合格となった大多数の人が「入社できませんでした」と公表するケースは多くありません。

こうした現象は「生存バイアス」と呼ばれ、デイトレの成功・失敗エピソードにもこの理屈が当てはまります。

宣伝広告のためにポジティブな記事をサイトに載せるため

生存バイアスにより、成功エピソードばかりが公開されるほか、宣伝広告のためのPR記事として成功エピソードが捏造されているケースも忘れてはいけません。

インターネット広告の世界では、記事を読んでいる読者に特定の商品・サービスを勧めて、そのまま成約したときにサイト運営者が報酬を受け取れる「アフィリエイト」と呼ばれる仕組みがあります。

デイトレに関するプロダクトを読者に販売したいとき、読者にプロダクトのネガティブな要素ばかりを伝えては成約に至りません。そのため、読者にデイトレを魅力的に思わせるよう、成功エピソードを羅列して成約へ促すのです。

こういった背景も、成功エピソードが散見される一因となっています。

人間の脳は短期トレードに不向きな特性を持っている

悩む 何度も損得の判断を強いられるトレードにおいて、人間の脳が誤った決断をしてしまうことは、心理学の分野で明らかになっています。

そのうち代表的なものが、損得に対して合理性を欠いた選択をしてしまう「プロスペクト理論」です。

プロスペクト理論とは?

まず、以下の選択肢を実際に提示されたのだとイメージし、AとBから希望を選んでください。

  • A:無条件に10万円を貰える
  • B:コイントスの結果が表なら21万円が貰える。裏なら何も貰えない

上記のうちAを選んだ場合、プロスペクト理論により合理性に欠ける判断をしてしまっています。Aの利益の期待値は10万円であるのに対して、Bの期待値は10万5,000円であるため、合理的な選択肢はBなのです。

また、プロスペクト理論は、下記のような損をする場合にも発動します。

  • A:無条件に10万円を失う
  • B:コイントスの結果が表なら21万円を失う。裏なら何も失わない。

この場合、損失の期待値はBの方が大きいため、合理的な選択はAです。しかし、多くの人は「無条件に10万円を失うくらいなら、50%の可能性に賭けよう」と考えて、損失の期待値が大きいBを選んでしまいます。

デイトレは連続して判断を迫られるため、プロスペクト理論を考慮しつつ期待値に則った行動を取ることが困難です。結果として、合理性をない行動し続ける可能性が高く、トレードを繰り返すほど資産を減らしてしまうのです。

一般投資家が堅実に利益を得るための投資方法は?

成功 並外れた情報の察知能力やチャート分析の知識、注文を確定するまでトレード画面を見続ける時間がなければ、デイトレはリスキーな選択肢であるためおすすめできません。

サラリーマンとして働きながら資産運用をする投資家は、時間をかけずにコツコツと利益を重ねていく中長期的な投資を推奨します。

おすすめ投資①:不動産投資

一見、難しいイメージのある不動産投資は、堅実に利益を得るための方法としておすすめです。不動産売買の市場には、FXや株式投資と同様に価格変動が発生していますが、一度購入してしまえば留意するポイントは「賃料収入」の一点になります。

トレードによる利益はトレードを行うことでしか得られませんが、賃料収入は入居者がいれば何もすることなく得られます。不動産売却の場面を除いて、景気や政治による利益の変動率はほぼないため、理不尽な相場環境によって資産を失うことはありません。

これが、キャピタルゲイン(売買益)ではなく、不動産投資のようなインカムゲイン(資産保有による収入)をメインに投資することの強みです。

おすすめ投資②:投資信託

投資信託は、株式・債券を中長期運用する用途に最適化された金融商品。投資信託の購入を通じてファンドマネージャーに資金を預けることで、金融市場の分析や資産売買を一任できます。

中長期運用には欠かせない、定期的な資産バランスの調整「リバランス」が自動的に行われるため、投資家は運用に関してほとんど手間をかける必要がありません。

デイトレのように爆発的な利益を得ることは難しいですが、長期的に保有することで緩やかに成長する世界経済の恩恵を受けられます。

おすすめ投資③:中長期運用を前提にした株式投資

前述したように、株式市場は本来プラスサムゲームになる相場です。FXで扱う「通貨」という投資対象は、自ら意思を持って成長することはありませんが、株式投資を通じて出資をする「企業」は成長を目指して日夜活動をしています。

こう考えれば、なぜ通貨を売買するFX市場はマイナスサムゲームである一方、株式市場は全体的に上昇するプラスサムゲームなのか分かりやすいはずです。そして、株式市場の成長の恩恵を受けるためには、短期運用ではなく中長期運用でなければなりません。

デイトレのように時価総額で判断するのではなく、「有望なビジネスモデルを持つ企業に出資する」というスタンスを選ぶことで、株式投資で堅実に利益を得ることが可能となります。

まとめ

実際のところ、今回ご紹介したどの金融商品を選んだとしても、デイトレで継続的に利益を得ることは容易ではありません。事実、デイトレは保有資産が数億円もあるプレイヤーでも、一瞬の出来事で退場してしまう厳しい世界です。

もちろん、全てのリスクを把握したうえで、デイトレに挑むのは間違いではありません。ただし、デイトレの危険性を理解しないまま、「自分でも稼げそう」といった安易な考えでスタートを切るのは禁物です。

知識を得るための勉強や、相場に向き合う時間を十分に取れないなら、デイトレではなく記事後半で解説した中長期運用に適した投資が望ましいでしょう。

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