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【賃貸/店舗】併用住宅パーフェクトガイド

By Oh!Ya編集部

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【賃貸/店舗】併用住宅パーフェクトガイド

不動産投資の一種でもあり自宅の一種でもある、賃貸併用住宅・店舗併用住宅をご存知でしょうか。自宅と兼用で賃貸や店舗のスペースがある建物ですが、絶対数でいうと多くはありません。そのため、併用住宅に関しては情報量が少ないのも事実です。

しかし、特に現在土地を所有しており、不動産投資に興味がある方は併用住宅の建築が向いている方も少なくないでしょう。今回は、そんな方に向けて賃貸併用住宅・店舗併用住宅のメリット・デメリットを解説します。

そして、記事の最後には一般的な不動産投資とも比較しているので、迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

賃貸併用住宅とは?

賃貸併用住宅とは、自分が住むスペース(自宅部分)と人に貸すスペース(賃貸部分)を1つの建物で併用している住宅のことです。たとえば、二階建ての建物で1階部分は1Kの賃貸が3部屋、2階部分が自宅というようなイメージです。

もちろん、セキュリティの関係上、玄関は分かれています。シェアハウスのように共用部が同じというわけでもありません。あくまで、独立したスペースであり、単純に賃貸物件と自宅を一緒に建築しただけの建物になります。

どんなときに賃貸併用住宅を建築するかというと、たとえば大きな土地を相続したとします。そこには3階建ての家があり、かつては自分と親、そして祖父が住んでいた住宅だったので広い家です。ただ、相続後は自分たちの家族だけが住む一戸建てを建築する予定なので、2階建ての戸建で十分です。

とはいえ、容積率的にはもっと大きな建物が建築できるので、2階建ての戸建ではもったいないと考えます。そんなときに、3階建ての戸建を建築し、1階部分を賃貸として2・3階部分を自宅にする賃貸併用住宅を建築するパターンが多いでしょう。

賃貸併用住宅のメリット

賃貸

さて、そんな賃貸併用住宅のメリットは以下の点です。

  • 家賃収入がある
  • ライフスタイルの変化に対応できる
  • 住宅ローンの融資を受けることも可能
  • 構造が強固になる
  • 固定資産税はさほど変わらない
  • 間取りや設備・仕様を自由に決められる
  • 管理が楽
  • 外観の補修費用が節約できる
  • リスク分散できる

家賃収入がある

まず、最も大きなメリットは家賃収入があるという点です。賃貸併用住宅にしないのであれば自宅部分だけの建物になるので、収益を生み出す建物にはなりません。一方、賃貸スペースがあることで通常の不動産投資と同様、そこから家賃収入を得ることができます。

建物を建築するときは金融機関から融資を受けることが多いですので、毎月その返済をしなくてはいけません。次項のデメリットで解説しますが、確かに賃貸併用住宅は借入金額が多くなるので、返済金額も上がります。

しかし、代わりに家賃収入が得られるので、上手く行けば自宅部分のローン返済まで補填することができます。もちろん、賃貸運営が成功している物件という前提ですが、家賃収入だけでローンを返済できれば、住居費は実質タダということです。

そこまで上手く運営するケースは稀ですが、少なくとも家賃収入を得ることによって、普通に戸建を建築するよりは収益がプラスにするのは現実的なことです。

ライフスタイルの変化に対応できる

賃貸併用住宅であれば、以下のようなライフスタイルの変化に対応できます。

  • 両親を住まわせて後から賃貸にする
  • 子供が独立したことで部屋が不要になった

たとえば、複数ある部屋のうち1部屋を1LDKや2DKなどの部屋にしており、そこに両親が住みます。そして、両親が亡くなった後は賃貸物件として回すという方法もあるのです。また、子供が独立したことで部屋が不要になったら、その部屋を賃貸に出すことも可能です。

ただし、その場合は自宅と切り離して住居を作る必要があるので、壁をつくり水回り設備などもつくる必要があるということです。賃貸併用住宅であれば、この辺りを視野に入れた設計も可能です。

リフォーム費用は多少かかりますが、それでも新たに賃貸物件を取得するよりは、大分安い金額で賃貸物件を手に入れることが可能です。

住宅ローンの融資を受けることも可能

賃貸併用住宅は、住宅ローンの融資を受けることが可能という点もメリットといえます。その際は、以下の点を認識しておきましょう。

  • 住宅ローンを受けるための条件
  • 条件に合わない場合の対処法
  • 住宅ローンを受けるメリット

住宅ローンを受けるための条件

住宅ローンを受けるための条件は、建物の延べ床面積のうち50%が自宅用のスペースであることです。あくまで「建物」の延べ床面積なので、土地や土地に付随する駐車場は関係ありません。

たとえば、3階建ての建物で1階から3階までが同じの延べ床面積だったとします。このとき、1・2階を賃貸にして3階建てを自宅スペースにすると、自宅部分が50%以下なので住宅ローンは利用できません。

条件に合わない場合の対処法

仮に、前項の条件に合わない場合の対処法は、自宅と賃貸用に分けて区分登記することです。登記上の用途を分ければ、自宅と登記されている部分だけは住宅ローンを利用することができます。

ただ、賃貸部分には住宅ローンを利用できないので、不動産投資ローン(アパートローン)を利用することになる点と、登記関係費用が上がってしまう点がデメリットです。

住宅ローンを受けるメリット

住宅ローンを受けるメリットは、何といっても金利が低いという点でしょう。現在であれば、住宅ローンは0.5%ほどの金利で融資する金融機関もあり、一方で不動産投資ローンの金利は概ね3%ほどです。仮に、7,000万円の借入をしたときを想定してみましょう。

1つは全て住宅ローンで借入できたケースで、もう1つは半分を不動産投資ローンで借りたケースです。なお、借入期間は35年としています。

  • 全て住宅ローン:月々返済額181,709円 総返済額76,317,887円
  • 住宅ローンと投資ローン:月々返済額225,551円 総返済額94,731,663円

後者の内訳は、自宅部分が月々90,854円で総返済38,158,862円、賃貸部分が月々134,697円で総返済56,572,801になります。月々返済にして43,842円、総返済にして18,413,776円もの違いがあります。

構造が強固になる

これは、後述する「借入が増える」というデメリットと裏腹な部分ではありますが、賃貸併用住宅の場合は構造が強固になるケースが多いです。厳密にいうと、構造を強固にせざるを得ないという方が正しいです。一般的な戸建は木造建築になりますが、賃貸併用住宅の場合は建物規模が大きくなります。

もちろん、木造のままでも対応でき場合もありますが、鉄骨造になることが多いです。そうなったときのメリットは以下の点です。

  • 耐用年数が上がる
  • 遮音性と断熱性が上がる

耐用年数が上がる

建物には耐用年数というものが決まっており、耐用年数が長い建物の方が融資も付きやすく、建物の資産価値も下がりにくいです。そんな耐用年数ですが、木造は22年であり、一般的に併用住宅の規模に利用される鉄骨造は27年~34年と木造よりも長いです。

また、耐用年数が終わるまで「減価償却費用」を経費として計上できるので、耐用年数が長い方が節税効果は高いのです。

国税用 耐用年数

遮音性と断熱性が上がる

もう1つのメリットは、木造よりも鉄骨造の方が遮音性と断熱性が上がるということです。賃貸スペースは賃借人の満足度が上がりますし、自宅部分の快適さも上がります。

固定資産税はさほど変わらない

次のメリットは、賃貸併用住宅を建築しても、自宅だけの一戸建てを建築したときと比べ、さほど固定資産税は変わらないという点です。というのも、賃貸併用住宅の方が建物規模は大きくなりますが、固定資産税は建物よりも土地の方がウェイトは大きいからです。

つまり、いくら建物の規模が大きくなろうと、その建物にかかる固定資産税はそれほど高くありません。一方、土地が広くなるわけではないので、土地の税額は同じです。その結果、固定資産税額はさほど変わらないということになります。

間取りや設備・仕様を自由に決められる

賃貸併用住宅は注文住宅の一種なので、間取りや設備・仕様を自由に決められます。そのメリットは以下の点です。

  • ニーズに合わせることができる
  • 騒音に配慮できる

ニーズに合わせることができる

まず、ニーズに合わせて間取りや仕様・設備を変えることができます。たとえば、将来的に両親を呼ぶなどを予定している場合、その部屋だけ広めに設計したり、設備・仕様を良くしたりするなどです。これは、既存の物件を購入し不動産投資をはじめるときは実現できないことです。

騒音に配慮できる

また、自宅部分と賃貸物件を同時に設計するので、騒音に配慮した間取りできます。たとえば、3階建ての1階部分を賃貸、2・3階部分を自宅にするとします。その場合、子供部屋とリビング・ダイニングを3階に設計し、2階部分は主寝室と水回り関係だけにするなども可能です。

仮に、このような間取りにすれば下の階への音は気にしなくて済みます。集合住宅の場合メゾネットタイプでない限り2層ではないので、どこに子供部屋を配置しても下階へ音の配慮はしなければいけません。一方、戸建で不動産投資をしても1部屋なので収益は小さいです。

その点、賃貸併用住宅は複数の部屋を運用できるという集合住宅の特性を活かしながら、下階への配慮ができるという点は大きなメリットになります。

管理が楽

賃貸併用住宅も、ほかの不動産投資と同じく管理は管理会社に任せます。たとえば、賃借人の募集や契約に関する業務、家賃の回収代行に関する業務を管理会社にお願いします。

しかし、賃貸併用住宅ということはその家に大家も住んでいますので、共用部の掃除くらいは自分ですることは容易です。そうなると、管理費の節約につながり、収益がアップしやすいというメリットにつながります。

外観の補修費用が節約できる

賃貸併用住宅の場合は、外観の補修は自宅と賃貸物件の両方を同時にできます。仮に、自分たちの戸建を所有しており、さらにアパート経営をしているとします。そのとき、両方とも外観を補修するとなると、2つの建物を別々に補修しなくてはいけません。

そのため、それぞれの建物で作業をするので、別々に足場を組んで作業する職人も多く雇う必要があるので、補修費用が高くなってしまうのです。

一方、賃貸併用住宅の場合は足場も1組だけですし、2つの建物を別々に補修するよりは人件費が下がります。その結果、補修費用も節約できるというわけです。

リスク分散できる

賃貸併用住宅は、賃貸物件を複数つくるケースがほとんどです。仮に、自宅以外の賃貸物件が3部屋あるとしましょう。この3部屋のうちの1部屋が空室になれば、その部屋からの収益はゼロになります。たとえば、区分マンション投資で1室しか保有していなければ、その時点で家賃収入はゼロです。

一方、賃貸併用住宅の場合は複数の部屋を所有している関係で、どこかの部屋が空室でもほかの部屋の家賃収入で補填できるということです。もちろん収入額は落ちますが、収入ゼロの場合はローン返済などの支出に対して手持ち資金を捻出する必要があるので、その点は大きな違いなのです。

賃貸併用住宅のデメリット

前項までのように、賃貸併用住宅にはたくさんのメリットがあります。一方、賃貸併用住宅には以下のようなデメリットがある点は認識しておきましょう。

  • 借入が大きくなる
  • 入居者とのトラブルリスク
  • 収益性が低くなりやすい
  • 流動性が低い
  • 投資拡大しにくい
  • リスク分散できる

借入が大きくなる

まず、以下の理由によって借入が大きくなるという点はデメリットです。

  • 規模が大きくなる
  • 構造が変わる可能性がある
  • 個別の住宅をつくる

気を付けて欲しいのが、単に規模が大きくなるわけではありません。賃貸物件として運用するためには、それぞれの部屋に水回りを設置する必要があります。また、本来は間仕切壁で良いですが、部屋として独立させるためには、もっと厚い壁にしなくてはいけません。

そのような理由で、建築費用が上がることで借入金額が上がり、それに応じてローン返済額も上がるのです。賃貸併用住宅も投資の一種なので、家賃収入によっては赤字運営になる点は頭に入れておきましょう。

入居者とのトラブルリスク

賃貸併用住宅はすぐ下に賃借人がいるという状況です。そのため、本来であれば賃借人同士がトラブルになりがちな「騒音問題」などが、大家と賃借人の間で直接起こってしまうリスクがあるのです。

上述した「間取りを工夫すること」などでトラブルリスクは軽減できますが、自分自身がトラブルの張本人になってしまうリスクは拭えません。また、仮にトラブルになれば、家が近いので当事者同士が顔を合わせることも多く、気まずい思いをして住まなくてはいけない点もデメリットです。

また、賃貸物件は1Kなどコンパクトな物件になるので、ターゲットは単身者です。家族連れで子供がいる家庭であれば、多少の騒音は「まあ自分も同じ立場だから仕方ないか・・・」なるかもしれませんが、単身者だと音に敏感な人は比較的多いでしょう。

そのような意味でも間取りには細心の注意を払い、賃借人とのトラブルはないように努めましょう。

収益性が低くなりやすい

賃貸併用住宅は自宅の一部を賃貸にしているという考えもできますが、賃貸物件の一部を自宅にしているともいえます。つまり、アパート経営など一棟の賃貸物件を運営するときよりも、賃貸で運営する部分が少なくなっているということです。

そのため、同じ規模の一棟物件を運営するよりも収益性は低くなります。仮に、自分たちは賃貸物件に住み、土地をフルに活用してアパート経営をしたときと比べると、不動産投資で得る収益は低くなるということです。

流動性が低い

流動性とは「売却のしやすさ」のことです。賃貸併用物件を売却するときには、基本的に自宅部分と賃貸物件を一緒に売却します。仮に、自宅部分と賃貸部分にわけて登記している状態で、自宅部分だけを売却するとします。つまり、賃貸部分は自分で所有しているということです。

この売り方も可能ではありますが、買主にデメリットが大きいのです。たとえば、外観の補修をする際は、いちいち賃貸部分の所有者の許可が必要です。このように、1つの建物で所有者が異なる状態だと、将来的に面倒なことになるので普通はしません。

ということは、賃貸併用住宅として売ることになるので、「自宅と賃貸物件のどちらも欲しい人」がターゲットになり、そのような人は中々いないのです。そのため、売却時は通常の一棟賃貸物件や、自宅だけの一戸建てよりも苦労するでしょう。

投資拡大しにくい

不動産投資のセオリーは、最初にコンパクトな物件を購入し、徐々に投資物件を増やして事業を拡大していくことです。たとえば、1Rの区分マンション投資を成功させ、その実績でさらに融資を引っ張りアパート経営も行うなどの流れになります。

しかし、上述したように賃貸併用住宅の場合には借入額が大きくなるので、次の収益物件の融資をするときの審査ハードルが上がってしまいます。融資を受けられないことには事業拡大は難しいので、賃貸併用住宅の場合は徐々に投資物件を増やしていくのは難易度が高いのです。

賃貸併用住宅で投資するポイント

ポイント

さて、上述したメリット・デメリットを踏まえた上で、賃貸併用住宅で投資する以下のポイントを理解しておきましょう。

  • あくまで集合住宅という認識を持つ
  • 精度の高い収支計画
  • サブリースには注意する
  • 管理会社に任せる範囲を明確にする 

あくまで集合住宅という認識を持つ

上述した点で分かると思いますが、賃貸併用住宅は一戸建てではなく集合住宅としての特性も併せ持ちます。しかも、生活リズムやマインドが異なる、ファミリーと単身者が共存しているという集合住宅です。

そのため、「音の問題」に関しては一戸建ての感覚ではなく、集合住宅であるという点を自覚して、生活の仕方や間取りに配慮しておきましょう。その配慮がないと、賃借人の退去率は上がってしまい、収益が悪化しやすくなります。

精度の高い収支計画

賃貸併用住宅は、収支計画が複雑になります。というのも、建物には自宅部分も賃貸部分もあるので、支出の部分が自宅部分なのか賃貸部分などゴチャゴチャになりがちだからです。そのため、自宅と賃貸部分の収支を完全に切り離すことが重要です。

たとえば、投資物件の場合には以下のような項目が将来的な支出になります。

  • 設備入れ替え費用
  • 共用施設の照明交換や補修費用
  • 外観の修繕費用

仮に、「外観の修繕費用」を全部賃貸物件の支出といて計算すると、支出額が大きくなりすぎます。そうなると、逆算した家賃が高くなりすぎて、空室率が上がるなどもリスクがあるのです。そのため、きちんと自宅部分と切り離した、精度の高い収支計画が重要になります。

サブリースには注意する

不動産投資にはサブリースという手法があります。サブリースは、サブリース業者と契約することで、賃借人が付かなくてもサブリース業者から賃料をもらえる契約です。つまり、空室リスクはなくなりますが、その代わりに手数料を支払うので賃料収入は落ちるというわけです。

賃貸併用住宅の場合、「もともとは自宅の建築だけを予定していたけど、もったいないから賃貸併用住宅にする」というパターンが多いです。つまり、投資に関しての意識が希薄で、色々な手間を一任できるサブリースは魅力的に映ります。

しかし、サブリースは家賃収入が減収しますし、将来的には家賃の改定があります。「サブリース=絶対にNG」というわけではありませんが、少なくともサブリースのデメリットやリスクを理解してから決断しましょう。「楽そうだから」という安易な理由でサブリース契約を結ぶのは避けるべきです。

管理会社に任せる範囲を明確にする 

上述したように、賃貸併用住宅の場合は自宅兼用なので自分で掃除するなど、「自主管理」しやすいというメリットもありました。一方、投資物件の管理業務は掃除以外に以下の点があります。

  • 入居者の募集
  • 内見案内
  • 契約行為
  • クレーム対応
  • 家賃の徴収

これらの全てを自分で行うのは不可能なので、ある程度は管理会社に任せるべきです。とはいえ、自分のやれる範囲が多くなるほど管理費用は安くなるので、収支はプラスになりやすいのです。

どこまで自分でやれるかは、その人が管理に割く時間をどのくらい取れるかによって違います。その点を整理し、どこまで自分で管理して、どこまで管理会社に任せるかを明確にしましょう。

賃貸併用住宅を建築する流れ

流れ

次に、賃貸併用住宅を建築する流れを解説します。結論からいうと、以下のように一戸建ての注文住宅を建築する流れとほぼ同じになります。

  • 建築プランや土地の選定
  • ローンの申し込み
  • 建築工事の打ち合わせ
  • 管理会社の選定&入居者の募集

建築プランや土地の選定

土地を所有していなければ土地探しからはじめます。賃貸併用住宅の場合、ある程度広い土地が必要になるため、土地も購入する場合はさらに借入金額が上がることを認識しておきましょう。また、土地を選定したら建築プランを設計事務所に依頼します。

詳細な間取りは後ほど考えるので、まずはどのくらいの規模の建物が建築できるのかを確認します。その後、土地を購入して、間取りや仕様・設備を詰めていくという流れです。

ローンの申し込み

次にローンの申し込みをします。注文住宅用に土地の融資を受ける場合は、土地も建物もまとめて審査を行います。また、その審査に通らないと土地は購入できないので、ローン審査は早めに行いましょう。別の人が検討しているなら尚更です。

建築工事の打ち合わせ

土地を取得できたら、建築工事の打ち合わせを本格的に行います。併用住宅も注文住宅と似ているので、ハウスメーカーや地元の施工業者が担当してくれます。一般的には、建築プランを入れる際に既に業者を選定しているのが通常の流れです。

管理会社の選定&入居者の募集

次に、管理会社を選定して、いよいよ入居者の募集を開始します。建物完成前から管理会社を選定しておき、未完成の段階から入居者の募集をかけておくと良いです。そうすることで、上手くいけば建物竣工と同時に賃借人が入居になります。

店舗併用住宅とは?

店舗

さて、次に店舗併用住宅に関して以下の点を解説します。

  • 店舗併用住宅の概要
  • 店舗併用住宅のメリット
  • 店舗併用住宅のデメリットと注意点

店舗併用住宅は賃貸併用住宅と本質的には同じなので、簡単な解説となります。

店舗併用住宅の概要

店舗併用住宅とは、上述した賃貸併用住宅の賃貸部分が店舗になっただけです。つまり、建物の一部を店舗、残りが自宅になっている建物のことをいいます。

たとえば、1階部分が花屋となっており、2・3階部分が自宅となっている建物などです。店舗に限らず、会社の事務所が入っている場合も店舗併用住宅という呼び方をします。

店舗併用住宅のメリット

まず、店舗併用住宅のメリットは賃貸併用住宅とほぼ同じです。上述したメリットがそのまま店舗併用住宅のメリットにもなりますが、違うメリットとして以下が挙げられます。

  • 下階が住宅ではなく店舗である
  • 比較的賃貸期間が長い
  • クレームが少ない

下階が住宅ではなく店舗である

2階部分でいくら騒いでも、下階が店舗なのでさほど気にならないでしょう。特に朝方や深夜など、住宅であれば気になる時間帯に店舗は営業していません。

そのため、そのような時間帯も下階を気にせず音を出せる点は大きなメリットです。店舗併用住宅は賃貸併用住宅よりも、より独立した一戸建てに近いといえるでしょう。

クレームが少ない

前項にも通じる部分ですが、店舗であれば一般の方が入居する賃貸住宅よりもクレームが少ないです。やはり、賃貸併用住宅は生活音のクレームが多く、店舗併用住宅はそれが少ないという点が大きな理由でしょう。

比較的賃貸期間が長い

店舗が入ると、比較的賃貸期間が長くなります。もちろん、その店舗の業績にもよりますが、一般的には住居として利用するよりも、継続的に賃貸借契約を結ぶことができるのです。

店舗併用住宅のデメリットと注意点

一方、店舗併用住宅のデメリットと注意点は以下です。

  • 店舗によっては騒音や臭いがある
  • 融資の制限がある
  • 固定資産税の特例の制限
  • 用途地域の制限

店舗によっては騒音や臭いがある

まず、店舗の種類によっては騒音や臭いがあります。そのような店舗を入れないようにするということで対策はできますが、あまりに店舗の種類を絞るとテナントが中々入らないことがあります。そのため、立地条件によっては、音や臭いのリスクがある店舗を入れざるを得ないケースがあるのです。

融資の制限がある

店舗併用住宅には融資の制限があります。まず、賃貸併用住宅と違い、店舗部分は住宅ローンを利用することはできません。

そのため、住宅部分と登記を別にして、住宅部分は住宅ローン、店舗部分は不動産投資ローン・事業ローンを利用することになります。金利による返済額の違いは上述した通りなので、その金額の違いも店舗併用住宅のデメリットといえます。

固定資産税の特例の制限

通常、居住用の建物が建っている土地は、固定資産税の評価額が、建物の面積によって減額されます。 減額率は2/3もしくは5/6と大きな割合になりますが、店舗併用住宅の場合は店舗面積が3/4以上になると軽減は適用されません。

店舗併用住宅を建築する場合は、この点に気を付けて面積を決めましょう。

用途地域の制限

一般的に住宅が建築できる場所は、用途地域というものが決まっています。たとえば、第一種低層住居専用地域という用途地域は、ほぼ全ての店舗は営業できません。つまり、テナントとして募集できる店舗が極端に絞られるので、空室リスクが高くなるということです。

この「用途地域によって店舗の種類が限られる」という点も、店舗併用住宅のデメリットといえます。そのため、建築時には用途地域とその地域で営業可能な店舗を確認しましょう。

併用住宅と不動産投資の違い

さいごに、賃貸併用住宅と店舗併用住宅のような、いわゆる「併用住宅」と不動産投資の違いを解説します。不動産投資とは、アパート一棟経営や、区分(一室)投資などのことです。

併用住宅も不動産投資の一種ですが、ここでは違いを分かりやすくするため、不動産投資という扱いをしていません。

違いは以下となります。

項目併用住宅アパート一棟経営区分マンション経営
収益性△やや低い○高い△低い(一室なので)
借入額×高い×高い○低い
融資○住宅ローン利用可能×投資用ローン×投資用ローン
流動性×低い△やや低い○高い
投資家拡大×拡大しにくい△やや拡大しにくい○拡大しやすい
耐用年数△~○構造による△~○構造による○基本鉄筋コンクリート造
リスク分散○できる○できる×できない

※横スクロールできます。

このように、収益性と借入額(リスク)で比べると、併用住宅はどっち付かずであるともいえます。その理由は、やはり併用住宅である以上、自宅という側面も併せ持つので「投資物件」にはなり切らないからです。

その点では、不動産投資をして収益を安定的に得たいのであれば、不動産投資の方が向いているでしょう。また、流動性の低さは投資物件としては大きなデメリットです。

とはいえ、併用住宅には上記のようにメリットも複数あるので、現在土地を持っていて「自宅を建築したい」と思っている人には向いている投資といえます。言い換えると、そのニーズがない限りは、わざわざ併用住宅に投資する必要はないとも言えます。

まとめ

このように、賃貸併用住宅と店舗併用住宅には、通常の不動産投資とは違ったメリット・デメリットがあります。まずは、それらをきちんと理解しましょう。特に、併用住宅はアパート一棟経営と似ている部分が多いので、メリット・デメリットがゴチャゴチャになりやすいです。

その上で、併用住宅を建築するのか、投資物件と自宅は別して考えるのかを判断するという流れです。特に、「流動性の低さ」というデメリットを解消できるかどうかは、大きな判断材料になる点は覚えておいてください。

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