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マンション経営の必要経費9つを徹底解説!節税するうえでの注意点もピックアップ

By Oh!Ya編集部

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マンション経営の必要経費9つを徹底解説!節税するうえでの注意点もピックアップ

1室から1棟まで幅広い選択肢があるマンション経営は、副収入源としてはもちろん節税対策という側面でも優れています。

しかし、法律にしたがって正しく納税するには「必要経費の種類」を知らなければなりません。誤った知識で納税をしてしまえば「脱税」として重い罰則が課せられるからです。

そこで、今回は正しい知識で節税に取り組めるよう、マンション経営における経費や確定申告についてご説明します。

「経費で落とす」はどういう意味なのか

お金 サラリーマンや主婦の立場でありながら経費に詳しい人は、一部を除いてそれほど多くありません。

そのため「経費で落とす」という言葉がひとり歩きし、経費として計上した飲食費がタダになると勘違いする人もいるほど。また、どのような出費でも経費として認められるわけではありません。

この項では、経費を計上する理由と必要経費の基準をご説明します。

経費と納税の関係性

最初に理解が必要であるのは、「確定申告時の所得額を少なくする」という経費の正しい役割です。

マンション経営を含め不動産投資で利益をあげている場合は、基本的に確定申告が必要です。そして、確定申告時には所得額に対して「所得税」が課せられるのですが、その金額を求めるにあたり以下の計算式が使用されます。

【総所得-必要経費=申告する所得額】

「総所得」とは不動産投資家としての収入や、サラリーマンとして受け取る給与を合計した金額です。

そこから「必要経費」として計上する金額を引き、残った金額が実際の所得として申告します。つまり、同じだけの総所得を得たとしても、必要経費が多ければそれだけ納税額は少なくなるのです。

ここで間違えてはいけないのが「経費は納税額を圧縮する会計処理であり、実際に出費がゼロになるわけではない」ということ。

「経費で落とす」という言葉の意味は、「これは必要経費として申告しよう」という出費の分別に過ぎないのです。では、どのような基準で必要経費と判断すれば良いのでしょうか?

必要経費として認められるもの、認められないものを順番に解説していきます。

必要経費として認められるもの

原則として、必要経費として認められるのは「事業で利益をあげるために使用した出費」のみです。不動産投資であれば「物件の購入費用」や「物件管理を任せる業者への支払い」など、利益に直接関係するものの多くは必要経費だと認められます。

しかし、なかには曖昧な定義によって判断が難しい出費もあり、誤って経費を計上することも多々。所有物件が多くなるほど会計処理は増えるため、早い段階で必要経費に対する理解を深めることが重要です。

経費として計上できないもの

基本的に「事業で利益をあげるために使用した出費」ではないものは、必要経費として認められません。

たとえば、健康的に気をつかってサプリメントを購入したり、事業内容に関係のない人物との飲食を楽しんだり、「事業の利益に関連性が低い」と判断される出費は必要経費として計上できないのです。

無関係な出費を強引なこじつけで経費として計上した場合、不審だと判断されれば税務調査の対象になる可能性もあります。このとき、合理的な基準で事業に必要であったと判断されなければ必要経費として認められません。

さらに、虚偽申告をした場合にはペナルティが課せられるため、不動産投資をスタートさせて間もない時期には強気な節税をおこなわず、一般的な基準に基づいた経費計上が望ましいと言えます。

そのためには、まずマンション経営に関係する「基本的な必要経費」についての学習が必要です。

マンション経営における必要経費の種類

都心 基本的に物件タイプによる必要経費の違いは少ないですが、管理費や修繕積立金の支払いはマンション経営ならではの出費です。

そのほか、この項ではマンション経営における必要経費を順番に解説していきます。

不動産投資で発生する各種税金

物件を購入するごとに必要な「不動産取得税」や「登録免許税」、所有物件に対して毎年発生する「固定資産税」や「都市計画税」など、不動産投資に関係する税金は必要経費として計上できます。

例に挙げた不動産賃貸業に関わる税金を「租税公課」と呼び、これら以外は確定申告時で必要経費として申告できません。先述した4つを含め、租税公課には次のようなものがあります。

「租税公課に分類される税金」

・不動産取得税 ・登録免許税 ・固定資産税 ・都市計画税 ・印紙税 ・自動車税(事業に利用した場合のみ) ・個人事業税(一定以上の事業と認められる場合のみ)

自動車税と個人事業税は、すべての不動産投資家に当てはまるものではありません。どのような場合に必要経費として計上できるのか、順を追って解説していきます。

自動車税など私用かつ業務に必要な出費のあつかい

物件の見学や不動産会社との打ち合わせなど、不動産投資に関わる移動に自動車を使用しているのであれば、「自動車税」も租税公課として認められます。プライベートと業務で兼用している場合には、走行距離から各場面での利用割合を算出。

プライベートと業務での利用割合が3:7であれば、租税公課として申告できるのは自動車税の7割です。このように個人支出と事業支出の割合を「按分(あんぶん)」と呼びます。

按分の基準は曖昧になりやすいため、税務調査の際には合理的な説明ができるように「利用を証明できる資料」が複数用意できれば理想的です。

一定事業の事業であれば必要な個人事業税とは

個人事業税は、「地方税法で規定された事業」に対して課せられる税金。一定規模を超える不動産投資は「不動産貸付業」として認定されるため、以下の条件を満たした不動産投資家は個人事業税を納めなければなりません。

・独立家屋10棟以上を所有している場合 ・独立室数10室以上を所有している場合 ・貸付面積が2,000平方メートル以上ある場合 ・貸付可能な住宅用の土地を10件以上所有している場合

出典:東京都主税局「個人事業税」を抜粋・改編

一般的なマンション・戸建経営は、これらを参考に不動産貸付業として判断が下されます。

減価償却費

減価償却費のイラスト画像 マンションを含む多くの耐久消費財は、製造からの経過年数や状態の変化にともない少しずつ価値が下がっていきます。この考え方を会計処理に当てはめたものが「減価償却費」です。

「物件の購入価格を耐用年数で分割した金額」を減価償却費とするため、マンション経営における経費のなかで大きな割合を占めています。

減価償却費を求めるとき、新築物件と中古物件では耐用年数が異なることに注意しましょう。

ちなみに、マンション購入の際に発生した「仲介手数料」は物件の購入価格と合算され、どちらも減価償却の対象としてあつかわれます。そのため、マンションを購入した年度に全額を経費として計上することはできません。

各建材に応じた新築物件の耐用年数

新築物件の場合は、建材ごとに以下のような耐用年数が定められています。

・木造(22年) ・鉄骨造:厚さ3ミリ以下(19年) ・鉄骨造:厚さ3.1~4ミリ(27年) ・鉄骨造:厚さ4ミリ超え(34年) ・鉄筋コンクリート造(47年) ・鉄骨鉄筋コンクリート造(47年)

なお、中古物件の場合は経過した築年数により、「簡便法」と呼ばれる計算方法で耐用年数を求めます。以下に、簡便法を利用した計算例を用意しました。

築年数10年の鉄筋コンクリート造物件

この場合、計算式に利用する数値は「耐用年数から築年数を引いた年数」および「築年数×20%」の2つ。

(耐用年数:47年)-(築年数:10年)= 37年

(築年数:10年)× 20%= 2年

これらの数値を合わせた「39年」が、法定耐用年数として認められます。

築年数47年以上の鉄筋コンクリート造物件

この場合「耐用年数から築年数を引いた年数」はゼロであるため、「本来の耐用年数 × 20%」という計算式を利用します。

(耐用年数:47年)× 20%=9.4年

小数点は切り捨てるため「9年」が法定耐用年数として認められます。

これら2つの計算式は「建材に応じた耐用年数」に差し替えることで、どのような物件にも利用できます。

損害保険料

災害リスクへそなえた保険における「損害保険料」は、必要経費として計上できる出費です。

投資物件は実物資産であり、被災により物件が損傷・倒壊すれば大きな損失となるため、火災や地震に対する保険の加入が推奨されています。

保険会社によって適用基準や補填内容が異なるため、希望する条件を満たしているのか確認が必要です。

管理費

マンションは共用部分の清掃や維持が必要であるため、「管理費」は管理業務を代行する会社への依頼料に充てられる場合が多いです。そのほか、共用部分の水道光熱費や管理組合の運営など、マンションの機能や景観の維持を中心に使われています。

修繕積立金

「修繕積立金」は修繕にそなえて積み立てているため、実際に出費が発生しているわけではありません。そのため、基本的には経費として計上できない出費です。

ただし、例外として区分マンションのみ、修繕が完了した年度に必要経費としての申告が認められます。さらに一定の条件を満たすことで、修繕が完了した年度ではなく「修繕積立金を支払った年度」に経費としての申告が可能。

これは、区分マンションにおける修繕積立金が「修繕の有無にかかわらず出費が発生する」という特性をもつからです。出費が発生した年度に、必要経費として申請するための条件は以下の4つ。

・区分所有者の管理組合に対する修繕積立金の支払いが義務である ・管理組合から区分所有者に対する修繕積立金の返還義務がない ・修繕積立金が合理的な方法で算出された金額である ・修繕積立金が修繕以外の用途に使用されない

出典:国税庁「賃貸の用に供するマンションの修繕積立金の取扱い」を抜粋・改編)

これらを満たす区分所有者は、修繕積立金を支払った年度に申告することが認められます。

借入金利

物件購入時に融資を利用した場合、借入金に対して発生した金利は必要経費として計上できます。このとき、元本部分は経費と認められないため周囲が必要です。

交通費

投資候補となる物件の見学や不動産会社とのやり取りなど、不動産賃貸業の維持・拡大のために移動が必要なケースは多くあります。これらの用途に利用した自動車のガソリン代、公共交通機関の料金は「交通費」として計上できる出費です。

基本的に領収書・レシートが必要ですが、それらを証明できる書面が残せない場合は「出金伝票」にて記録しましょう。請求書や納品書なども取引の証拠となるため、領収書・レシートが用意できなければ保管しておくことをおすすめします。

なお、不動産賃貸業に関わる用途で自家用車を利用する場合、プライベートと業務中の出費が合わさるため各用途に利用した割合を求める計算が必要。

走行距離のうちプライベートと業務中に利用した割合が3:7であれば、自家用車での移動にかかるガソリン代をはじめ「駐車場代・自動車保険料・重量税など」の維持に必要な費用の7割を交通費として計上します。

旅費交通費

遠方の物件見学やセミナーへの参加など、不動産投資に関わる内容で宿泊をおこなう場合は、その際に発生した宿泊費を「旅費交通費」として経費を計上できます。

当然ながら事業に関連しない出費は経費として認められないため、信頼できる証明として物件見学時の写真や調査報告書など、できる限り多くの資料を残しておきましょう。

接待交際費

不動産会社や売買相手との打ち合わせの際に発生する、飲食や贈り物などの出費は「接待交際費」として計上できます。サラリーマンを例に挙げれば、社内の飲み会における「経費で落とす」が接待交際費に相当するため、比較的イメージが容易な経費です。

なお、飲食時の相手や人数を偽ることが簡単であるため、領収書やレシートはもちろん日付や相手の名前、名刺や電話番号など取引の実態を証明できる資料を残しておきましょう。税務調査において厳しくチェックされるポイントなので、必要経費のなかでも特に注意が必要です。

注意すべき経費の間違った扱い方

必要経費を正しく計上すれば、確定申告時の所得税の負担を軽減できる一方、不正を働けば税務調査の厳しい追求のもとペナルティが課せられます。

意図せずに誤申告をした場合の罰則は軽微ですが、明らかな虚偽申告や度重なる不正には「重加算税」が発生。本来支払うべき納税額より大幅に高くなるため、必要経費ではないものを経費計上することは避けましょう。

青色申告と白色申告はどちらがおすすめ?

計算機 不動産投資家として利益をあげている場合、基本的には確定申告が必要です。その際、「青色申告」または「白色申告」のどちらかを利用し確定申告を進めます。

この項では、申告方法の違いによる特徴をご説明します。

青色申告の特徴とは?

「青色申告承認申請書」を所轄の税務署へ提出することで、不動産投資家は青色申告を利用できます。

青色申告は、白色申告と比較して帳簿付けの手間が多いものの、以下の点で優れており効果的にキャッシュを残すことが可能となります。

・「青色申告特別控除」を受けられる ・赤字損失を繰り越して翌年の申告額を圧縮できる ・家族や親族への給与を経費できる

なかでも最大のメリットとされるのは、所得額を最大65万円まで控除できる「青色申告特別控除」が受けられることです。ただし、一定の条件を満たさなければ控除対象とはならず、最大10万円までの控除しか受けられません。

青色申告特別控除の対象者

青色申告を利用する最大のメリット「青色申告特別控除」を受けるためには、つぎの条件を満たす必要があります。

・不動産投資が事業規模である (独立家屋5棟以上、もしくは独立室数10室以上を所有している場合) ・発生主義のもと帳簿付けがおこなわれている (キャッシュの移動に関係なく、収支の必要性が認められた時点で会計処理を完了する) ・複式簿記により記帳されている

すべて満たした場合にのみ最大65万円の控除対象となりますが、申告時の所得額が65万円以下の場合「実際の所得額」を超える控除は受けられません。仮に所得額が30万円であれば、控除上限額は30万円となるため注意が必要です。

なお、事業規模の判断基準は、先述した「個人事業税の納税対象者」の定義とは異なるため気を付けなければなりません。

白色申告の特徴とは?

従来は「帳簿付けの手間を減らせる」という確定申告の容易さが、白色申告を選ぶ大きなメリットでした。

しかし、平成26年度からは単式簿記による帳簿付けが必要となったため、申告に必要な手間は「最大10万円控除の青色申告」とほぼ同様。確定申告時に必要な書類のうち、「青色申告決算書」ではなく「収支内訳書」を利用する点が青色申告との違いです。

そのため、白色申告を利用する明確なメリットは「青色申告承認申請書」の提出を必要としない点に限られます。赤字の繰り越しにも対応していないことから、特別な理由がなければ青色申告の利用が理想的です。

確定申告をサポートしてくれるサービス

会計処理 確定申告を利用した経験がなければ、経費の計算や書類の準備など戸惑いがちです。実際に、確定申告は書籍やインターネットですぐに覚えきれるほど簡単ではないため、納税をサポートするサービスの利用をおすすめします。

低コストでサポートを受けるのであれば「確定申告ソフト」、多少費用はかかっても時間や手間の少なさを優先するのであれば「税理士」を利用してみましょう。どちらも必要経費として計上できるため、無駄なく利用することが可能です。

経費の計算をサポートする「確定申告ソフト」

「確定申告ソフト」は、パソコン上で帳簿付けから書類作成までをおこなえるサービス。サービス内には効果的に確定申告を進める機能と、申告プロセスや専門用語を解説するFAQが用意されています。

それでも理解が難しいものは、運営チームがチャットや電話で対応。利用料金は必要であるものの、確定申告に対する不安は大きく軽減されます。

現在はクラウドタイプのソフトが主流となっており、最新の税制にも即時対応してくれるため無駄な手間が発生しません。セキュリティ体制も整っているため、特別な理由がなければクラウドタイプのソフトがおすすめです。

国内でトップシェアを誇る確定申告ソフトは以下の3つ。

どのソフトも完成度が高く、機能面・サポート面の優劣に大きな差はありません。大きな違いは各機能を呼び出すボタンの配置程度なので、各サービスの無料試用期間を活用して使い勝手が良いと感じたソフトを利用しましょう。

確定申告を代行してくれる「税理士」

確定申告を含め税金のプロである「税理士」への依頼は、確定申告ソフトの利用料金より高額であるものの「手間の少なさ・信頼性の高さ」において優れています。さらに、書籍やインターネットでは見つけにくい、専門家ならではのアドバイスが受けられる可能性も高いです。

また、「税理士紹介サイト」を利用すれば、正式な依頼を決めるまで料金は発生しません。税理士への依頼に決心がつかない場合は、無料面談や電話面談の利用をおすすめします。

まとめ

マンション 今回は、マンション経営における必要経費や確定申告についてご説明しました。マンション経営を始めれば多くの経費が発生し、不動産投資家としてスタートしたばかりであれば計算も複雑に感じるものばかり。

幸い、現在は低価格で利用できる「確定申告ソフト」が普及しており、最低限の知識さえ身につければ手軽に経費計上ができるようになりました。ただし、それらも不動産投資専用として最適化されたものではないため、この記事を参考に必要経費を処理してみてください。

節税の知識を深めることも大切ですが、まずは正しく納税するための知識を身につけていきましょう。

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