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不動産投資に必須な知識!レントロール100%ガイド

By Oh!Ya編集部

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不動産投資に必須な知識!レントロール100%ガイド

不動産の情報が細かに記載されている「レントロール」に対する知識は、不動産投資を始めるなら必須。レントロールの見方を理解できているか否かで、失敗の確率は大きく変動するほどです。

しかし、書籍を見てもネット記事を読んでも、レントロールについて詳しく語られる機会は決して多いとはいえません。そこで、今回は不動産投資家になるなら覚えておくべき、レントロールの見方についてご説明します。

不動産のレントロールにはどんな項目が記載されている?

レントロールは、不動産の貸借状況が記された資料です。正式なフォーマットはありませんが、一般的に以下のような情報が記載されています。

記載されている内容の一例
各戸の入居状況入居中なのか空室であるのか
利用用途住居なのか事務所なのか
契約者の属性個人か法人か、性別や職業は何か
賃貸面積契約により貸し出している面積は何㎡なのか
賃料設定各戸の家賃・共益費等の合計額
敷金敷金としてどれほどの金額を受け取っているか
契約期間いつから賃貸契約を開始しているのか

不動産投資では、入居率と賃料設定が利益率の要になるため、購入する不動産を比較するうえでレントロールは重要な判断材料となります。ただし、レントロールを完全に信頼して投資判断を下すのは危険です。

紙面であるため改ざんが容易なことから、倫理面に問題のある売主や業者が作成したレントロールには偽の情報が記載されているケースもあります。

重要な資料ではあるものの、実際に足を運んで調査をしたり、レントロールを閲覧するときに注意すべきポイントを押さえたりして、資料よりも収益性が低い物件を購入させられないよう注意しましょう。

レントロールを閲覧するとき注意すべき6つのポイント

ポイント
投資初心者にって、レントロールは馴染みのある資料ではありません。そのため、初めてレントロールを目にしたときは、どのようなポイントに注意して閲覧すべきか分からないものです。

そこで、この項ではレントロールの閲覧時にチェックしたい、6つのポイントについて解説しました。レントロールを慎重に読めるようになれば、粗悪な物件を掴んでしまう可能性が下がるので、全てのポイントを覚えて物件購入に臨むことをおすすめします。

新しい情報が記載されているレントロールであるか

まずチェックすべきなのは、レントロールに記載されている情報がいつのものかという点。投資の世界では、お金の価値が時間の経過により著しく変動します。

不動産投資においては、入居率と賃料設定が利益率を左右する都合上、レントロールの情報は必ず「現状の情報」を手に入れるべきです。いまは家賃を下げているのに、家賃が高かった1年前の資料を出されても困るわけです。

作成日時が昨日今日である必要はないのですが、いまの状況と同じ条件を記載しているレントロールであるか確認しておきましょう。

優良案件に見せるため入居偽装が行われていないか

繰り返し解説するように、不動産投資の利回りは入居率に依存します。いくら想定賃料収入が高かったとしても、空室ばかりでは利益が出ません。

こういった理由から、一定以上の入居率を期待できる不動産が「優良物件」と判断されるのですが、これをレントロールの偽装により演出するケースがあります。

入居偽装をする側に非があるのは間違いないものの、騙されたあとに証拠がないまま反撃することは難しいため、購入者側が細心の注意を払うほかありません。

レントロールから入居偽装を見極める

入居偽装を見極める第一段階は、レントロールに記載された契約者の把握から行います。レントロールを閲覧したとき、以下のようなポイントに当てはまっていないか注意を払いましょう。

1.売主と同じ名字の契約者がいる
2.直近数ヶ月のうちに入居した契約者が多くいる
3.地域一帯の平均家賃よりも高額な賃料設定の部屋がある

1や2のケースは、入居率を高く見せるために、売主が親族・知人の名義を借りて契約をしているように演出した可能性があります。3のケースは入居率のほか、利回りを高めるための偽装だと疑うことができるため、なぜ賃料設定が高いのか徹底的に聞くべきでしょう。

現地調査で入居偽装を見極める

レントロールのチェックとあわせて現地調査をすることで、入居偽装の見極めがより高精度なものとなります。これらの項目に当てはまるほど、契約は慎重に進めた方が無難です。

1.いつも日没後に電気が付いていない
2.ガスメーターや電機メーカーは動いていない
3.ポストに入っている郵便物が放置されている

これらを確認するには何度か現地に赴く必要があるものの、購入まであと一歩という段階であれば調査をしたいところ。入居者がいなくても客付けできる確証があるなら別ですが、契約後すぐに退去されて困るならチェックすることをおすすめします。

なお、ベランダで衣服が干されているか、カーテンが閉じているかといった点もチェック項目として挙げられますが、これらは容易に工作されてしまうため注意しましょう。

長期的に空室のままになっている部屋がないか

注意
最後に入居者がいた期間から開きがあり、長期的に空室のままとなっている部屋がある場合、原因を突き止めないまま購入に進むのは危険です。

日当たりが悪いなど部屋そのものの問題であるのか、嫌悪施設が近いなど周辺環境が問題なのかによって、取れる対策が異なるからです。前者なら照明の配置を工夫して暗さを感じさせない、後者なら思い切って賃料を見直すなどの施策が必要でしょう。

利益率を追求するなら空室を減らす必要があるため、空室が続く理由と具体的な対処法が分かるまで調査を続けることをおすすめします。

賃料設定が現在の家賃相場と一致しているか

家賃相場の乖離(かいり)は、入居偽装だけに当てはまるものではありません。基本的に、賃貸物件は築年数の経過に伴い、時間をかけて家賃が下落していきます。

そのため、数年スパンで入居者が入れ替わるとともに、徐々に賃料設定を下げていくケースが多いのです。しかし、数十年前から入居者がいる部屋は、入居時点の家賃のまま減額していない場合もあり、これにより現在の家賃相場と乖離しているケースがあるのです。

これは決してネガティブな要素とは断定できないものの、仮に不動産を購入した直後に退去してしまえば利回りは大きく低下します。こういった理由から、レントロールを見たときに長期にわたり契約している入居者がいた場合、退去も想定して収支計算をすべきだといえるでしょう。

法人名義の部屋が多くはないか

同一の法人名義で契約されている部屋が多い場合、社宅として利用されている可能性が考えられます。これは「個人よりも滞納の心配が少ない」と捉えられる一方、法人の意向により社宅を解約するとなったとき、一斉に空き部屋が生まれるリスクが潜んでいるため要注意。

法人が撤退した場合、すぐに入居を決められる魅力を持つ物件であるのか、賃貸需要を見極める必要があります。

レントロールから読み取れない不動産投資家が注意すべき点

注意
レントロールを見れば賃貸状況が一目で分かりますが、全ての情報をレントロールから読み取れるわけではありません。レントロールには決まった書式がなく、最低限度と思われる項目しかないケースもあるからです。

この項では、レントロールに記載されていない可能性のある、紙面から確認できない情報をご説明します。

長期的に入居者がいる部屋の劣化状況

長期的に入居者がいる部屋は、現オーナーが部屋の劣化状況を把握していない可能性が高いです。一部屋であれば修繕費の予測もしやすいですが、長らく確認できていない部屋が多くある場合、用意すべき修繕費を予測するのは簡単ではありません。

たとえば、入居者が喫煙者であり汚れ・臭いが酷い場合は、原状回復のために壁紙を全て張り替えなければならないケースもあるのです。クロスやクッションフロアの張り替えは、十万円単位でコストがかかる負担の大きな作業。

利回りに多大な影響を及ぼすため、不動産会社を通じて現オーナーから情報を聞き出す努力をした方が確実でしょう。これが難しければ原状回復費用を多く見積もっておき、物件購入後に退去しても速やかに修繕できるよう備えるのが賢明です。

既存入居者の人柄

レントロールには、いくらか入居者の情報が記載されているものの、文面から人柄までは分かりません。そのため、トラブルを起こしがちな入居者はいないか、客付けをしている業者や現オーナから直接聞き出すことをおすすめします。

また、入居者と大家の関係性について調査することも、長期的に入居を続けてもらうためには重要です。こまめに干渉して信頼を築くことがプラスに働くケース、できる限り干渉を避けて必要最小限の連絡以外はして欲しくないケースなど、入居者にもタイプがあります。

このあたりは地域性や入居者の年代にも関わるため、馴染みのないエリアで投資を始めるときは注意してみてください。

レントロールに記載されていない特殊な支出・収入

チェック
賃貸物件の収入以外に、屋根に取り付けた太陽光発電システムの売電収入、携帯基地局のアンテナや自動販売機による追加収入があるケースも存在します。

これらは利回りが増える要素であり、基本的にマイナス方向に働くものではないものの、特に太陽光発電システムは劣化状況に注意が必要です。太陽光発電システムは、太陽電池パネルで発電した電力を「パワーコンディショナ」という設備で交流電力へ変換します。

パワーコンディショナは、寿命により10年前後に1回ほどで交換が必要となり、交換費用は太陽光発電システムの規模に比例して10~50万ほど。場合によってはそれ以上の金額になるため、あまりに高額になれば利回りの低下に繋がります。

このような特殊な収入に目を奪われて、賃貸物件のメンテナンス以外に出費が発生する可能性を見落としてしまえば、シミュレーションが狂うため気を付けなければなりません。

特殊な収入はいつなくなるか分からない

先ほど挙げた追加収入になる要素の多くは、いつ収入がなくなるか分かりません。たとえば太陽光発電システムは、固定価格買取制度と呼ばれる「電力会社への売電価格を保証する制度」によって利益率が担保されています。

しかし、これはずっと続くものではなく、基本的に10kW未満の太陽光発電システムであれば10年間、10kW以上であれば20年間と適用期間が定められています。

まだ適用期間を終えた事例がないため断言はできないものの、制度終了後の売電価格は大幅に下がると予想されているため、利回りは下がるものと考えるのが無難です。携帯基地局のアンテナも、いつまで設置され続けるか不明瞭であるため、こういった収入ありきで即決するのはおすすめできません。

不動産の賃料収入だけでも十分な利益を得られて、かつプラスアルファとして追加収入があればラッキー。この程度の認識でいれば、追加収入が途絶えたとしても投資計画は大きく崩れないはずです。

フリーレントを利用した客付けか否か

入居率を高く見せて売却価格を良くするために、長い期間フリーレントを設けているケースがあります。

契約者がそのままフリーレント終了後も住み続けてくれれば良いのですが、実際には「フリーレントだから入居した」という場合も多く、こういった人は期間を終えれば退去する可能性が高いです。

複数の部屋に同様の手法が使われていれば、不動産の購入後にフリーレントを終えた人から続々と退去するリスクがあるため、購入前にフリーレントが適用されている部屋はいくつあるか聞き出しておきましょう。

大金が動く不動産の世界は弱肉強食。「自身で気付かなければ欠点は隠されたまま」というケースは往々にしてあるので、慎重すぎるくらいリスクへ敏感になることをおすすめします。

まとめ

レントロールだけで投資判断を下すのは危険ではあるものの、レントロールは不動産投資において現地調査と並ぶ重要な情報源の1つです。

理想は1つずつ気になる不動産を内見することですが、実際には時間と労力がかかり非現実的であるため、ある程度はレントロールだけで不動産をスクリーニングできるよう訓練すべきでしょう。

今回ご説明したポイントを押さえて怪しい箇所に注意すること、およびレントロールから読み取れない潜在リスクを見落とさないよう、緊張感を持って商談の場に臨むことをおすすめします。

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