大阪で不動産投資をするのは実際どうなの?東京との違いを解説
By Oh!Ya編集部
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「どこで不動産投資をすれば良いのか」と考えたとき、まず候補に挙がるのは国内最大の経済規模を持つ東京ではないでしょうか?
しかし、東京の不動産はこれまで高騰を続けてきたため、手頃な物件はほとんど買い尽くされてしまいました。そこで、近年注目を集めているのが大阪です。
大阪万博の開催も決まり、経済的なプラス要素も増えつつある大阪は、不動産投資の対象としてどうなのか解説していきます。
目次
大阪で不動産投資を始める4つのメリットとは?
大阪は、東京には及ばない永遠の2位だと思われがちですが、大阪について調べればポテンシャルは非常に高いと分かります。
この項では、大阪で不動産投資を始める4つのメリットについて解説していきます。
都市部でありながら東京より物件価格が安い
名古屋、横浜を押しのけて、東京に次ぐ大都市だといわれる大阪は、東京に比べて物件価格が控えめ。おおよそ東京の物件価格の半分~3分の2程度で、同等の不動産を手に入れられます。
これにより、スピーディーに保有不動産の拡大を目指せることが、大阪の不動産が持つ第一のメリットです。
特に複数の不動産を保有することは、リスク分散の方法として有効。以下のようにリスクをケース別で分類すれば、リスク分散の有効性は一目で分かります。
1部屋空室になった場合 | 2部屋空室になった場合 | 3部屋空室になった場合 | |
---|---|---|---|
マンションを1部屋保有 | 利益率100%減 | - | - |
マンションを2部屋保有 | 利益率50%減 | 利益率100%減 | - |
マンションを3部屋保有 | 利益率33.3%減 | 利益率66.6%減 | 利益率100%減 |
※各部屋の利益は同等だと仮定する
上記を見れば分かるように、投資する不動産を分散させているほど、1つの空室が利益率に及ぼすダメージはわずか。空室のほか、被災による倒壊などにも同様のリスク分散効果が働きます。
これを考慮すれば、複数の不動産に分散投資するのが有効だと分かるものの、東京ほど物件価格が高騰していれば分散投資に多額の費用を要します。東京よりも少額で同等の不動産を購入できる大阪は、こうしたハードルが圧倒的に低いのです。
2025年の大阪万博による経済効果に期待できる
海外から日本に向けられる注目は、2020年の東京オリンピックがピークだと思われていました。しかし、2025年に大阪万博の開催が決まり、さらなるインバウンド効果を期待できる状況になったのです。
観光客であれ労働者であれ、外国人が流入すれば雇用や賃貸需要が生まれるため、不動産投資に対してプラスに働きます。こうした傾向が、少なくとも2025年まで続くと確約されているのは、大阪で不動産投資を始めるメリットになるでしょう。
また、こうした一度のきっかけで継続的に大阪の経済規模が伸びるなら、不動産の値上がりにも繋がり、キャピタルゲイン(売買差益)の獲得という選択肢も視野に入ってくるはずです。
世帯数が増加傾向にある
多くの地方では、過疎化が進み世帯数の減少が深刻視されてきました。一方、大阪の人口は少しずつ伸びており、世帯数も着々と増えつつあります。
下記の表をご参照ください。毎年0.1〜0.4%前後のあいだで、人口が増加している様子がわかります。
出所:「大阪市の推計人口年報(平成30年)」
人口の伸び率に対して、世帯数は増加率がやや高いです。これは単身世帯が増えてきた背景が関係しており、表にある「1世帯あたり人員(人)」の項目からも、継続的に世帯人数が減っていることを読み取れます。
出所:「大阪市の推計人口年報(平成30年)」
人口はもちろん、世帯数が増えるということは、入居の絶対数が増えるため不動産投資の観点からすれば好材料です。
上場企業が全国2位であり雇用が安定している
国税庁法人番号システムから上場企業数を自動更新している、上場企業サーチの「都道府県別株式会社数と上場企業」によれば、大阪の上場企業の数は東京に次いで2番目。約2,000近く上場企業数がある東京には匹敵しないものの、大阪の上場企業数は400超に上ります。
皆さんもご存知のように、上場企業は就職の対象として人気が高く、中小企業より経営が安定的。一定以上の雇用を継続的に生み出しているため、上場企業の本社・支社周辺は人が集まる傾向にあります。
また、国内大手の企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」の調査から、東京・神奈川に次いで大阪の平均年収が国内3位であることも分かっており、ここからも経済が活発なエリアであることが分かります。
大阪の各エリアにはどのような特徴があるの?
大阪で不動産投資を始めるのであれば、まず「大阪中心6区」と呼ばれる中心地が投資候補に挙げられます。大阪中心6区は、以下のような区によって成り立っており、それぞれ固有の特徴を持っています。
エリア名 | エリアの特徴 |
---|---|
北区 | 商業施設が多数ある繁華街。大手企業の本社・支社数も随一 |
中央区 | 北区と同様に大手企業の本社・支社が多いエリア |
福島区 | 再開発に力が入っており、商業施設が相次いで建設されている |
西区 | 居住地として人気があり、通勤・買い物の面で優れている |
浪速区 | 電気街やグルメ街などエンタメ性の高いエリア。利便性も優秀 |
天王寺区 | あべのハルカスを筆頭に商業施設が集まる若者に人気なエリア |
各エリアの概要を掴んだところで、もう一歩踏み込んで解説をしていきます。
北区はどんな街なの?
梅田から中之島にかけて、大手企業の本社・支社が多数存在しており、関西でも有数のビジネス街として知られる地域です。
また、北区は大阪駅や梅田駅周辺に位置し、百貨店や商業施設が立ち並ぶ繁華街でもあります。2013年に複合商業施設「グランフロント大阪」がオープンしたことで活気付いており、近畿地方で最も勢いのあるエリアといっても過言ではありません。
北区かつ駅近であっても、区分マンションは500~2,000万円程度で見つかるため、東京にある似たような条件の不動産と比べれば圧倒的に割安です。
中央区はどんな街なの?
北区と同様に大手企業の本社・支社が立ち並ぶほか、銀行や証券会社の多い金融街でもあるエリア。大阪城公園や大阪城ホールのある場所として知られており、近年は飲食店やアミューズメント施設が増えたことによって国内外の観光客が増えつつあります。
また、たこ焼きや串カツなど大阪のグルメが集まる難波も中央区に位置しており、若者からの人気も高い場所だといえるでしょう。近年、多くの高層マンションや宿泊施設が建設され、さらなる人口流入が予想されています。
福島区はどんな街なの?
ビジネス街である北区に隣接しており、福島区もオフィスビルが多数立ち並んでいます。ただ、平成初期には超高層マンションが相次いで建設されたものの、いまだ下町らしい街並みが散見されるエリアでもあります。
2008年には複合施設「ほたるまち」がオープン。施設内には放送局やフィットネスジム、超高層マンションなど多様な機能を備えており、福島区のランドマークとなっています。
西区はどんな街なの?
西区には公園やカフェ、アパレルやインテリアのショップが多数あり、大阪のなかでも有数のお洒落なエリアです。特に堀江は、難波や心斎橋など他の人気エリアから近く、住みたい街ランキングでも上位になるほど。
緑地もあることから単身・ファミリーを問わず、幅広い層に支持を受けている地域です。
浪速区はどんな街なの?
浪速区にある日本橋は、東京の秋葉原に相当する電気街として知られるエリア。テレビで度々取り上げられる、通天閣や新世界といった場所は浪速区に位置しています。
ビジネス街である北区・中央区までの交通も便利であるため、単身世帯をターゲットにした区分マンションも多数あり、グルメ・娯楽の充実した使い勝手の良い居住地です。
天王寺区はどんな街なの?
天王寺区は文教地区として知られており、ファミリー層から根強い人気を誇ります。あべのハルカスが建設されたことで賑わいを見せる一方、閑静な住宅街という一面も備えており、賑やかなイメージのある大阪のなかでも特にバランスの取れたエリアです。
教育目的のファミリー層を多数にするなら、天王寺区は有力候補に挙がります。
不動産投資において大阪が東京よりも劣るポイント
人口増加や大阪万博など、不動産投資家から見た好材料はいくつもあります。しかし、不動産投資の対象として好まれる東京に比べれば、複数のポイントで大阪が劣っていることも否めません。
この項では、大阪が東京よりも劣るポイントについてご説明します。
賃料相場が低く収益性が伸びない傾向にある
LIFULL HOME’Sの家賃相場情報によれば、東京23区におけるワンルーム・1K・1DKの家賃相場は6~13万円ほど。一方、大阪のワンルーム・1K・1DKは、おおよそ4~7万円が相場です。
大阪は東京に比べて家賃が半分、または3分の1程度であることから、それだけオーナーの手元に入る収入も少なくなります。物件価格が安いというメリットにより、利回りの水準は決して東京より低くはないものの、1軒ごとのインパクトには欠けるでしょう。
人口推移の増加規模は東京に比べて劣る
大阪は人口・世帯数ともに増加傾向にありますが、その伸び率は以下資料にある東京に比べて劣ります。
出所:東京都「東京都世帯数の予測」
これまでの歴史を見ても、大阪が東京を上回るスピードで発展していく可能性は低いため、賃貸需要の観点でいえば東京に匹敵することはないでしょう。
とはいえ、日本国内でもトップクラスの賃貸需要を誇ることに違いはないので、客付けの戦略さえ立てていれば問題ありません。
大阪で不動産投資を始めるなら区分マンションがおすすめ
大阪で不動産投資を始めるとき、やはり着目すべきなのは少数世帯の多さでしょう。ファミリー世帯の多いエリアであった場合、戸建や広い間取りのマンション・アパートが人気を得やすいですが、大阪中心6区は単身世帯を狙った区分マンションが有力候補に挙がります。
経済が安定しており、若者が安定的に流入してくることを考えれば、区分マンションの入居率維持は比較的容易だと考えられます。区分マンションは価格が安い点から流動性に優れており、購入時・売却時に取引相手を見つけやすいこともメリット。
一棟マンションに比べて投資場所の分散も容易であるため、一極集中型の投資にありがちな「過疎化により入居者がいなくなる」という致命的なリスクも効果的に回避できるでしょう。
こういった理由から、いまから大阪で不動産投資を始めるのであれば、区分マンションが最も大阪の特性を上手く利用できると考えられます。
大阪の不動産投資事情が分かる書籍
特定のエリアに特化した不動産投資の書籍は、全体のうちそれほど多くはありません。そんな状況のなか、大阪の不動産投資に関する書籍はいくつか出版されてきました。
この項では、特におすすめできる1冊をご紹介します。
改訂版 ファイナンシャルプランナーが教える「大阪」ワンルームマンション投資術
出版社:ダイヤモンド社 著 者:毛利 英昭さん 出版日:2019年2月28日(改訂版)
著者の毛利さんは、金融業界やマンションデベロッパー勤務ののち独立し、不動産投資セミナーや面談会を多数行うファイナンシャルプランナーです。
現在、毛利さんは大阪の中心部にこだわって区分マンション案件を扱っており、大阪の不動産投資事情についてトップクラスの知識量を持つ専門家だといえます。大阪に特化しているにもかかわらず、東京在住の顧客も大勢抱えていることから信頼の厚さも明らか。
本書は、2015年2月に発売された「ファイナンシャルプランナーが教える「大阪」ワンルームマンション投資術」の改訂版で、人気を集めた旧版に最新の業界情報を加えた良書となっています。
一冊で網羅的に不動産投資を学べる初心者向け書籍
大阪に特化した内容を思い浮かべるタイトルですが、ローカル情報と不動産投資のノウハウは情報量は5割ずつ程度。全5章のうち大阪にまつわる内容は1章のみで、あとは不動産投資の魅力やリスク管理の考え方、不動産会社の選び方やワンルーム投資の実例について解説されています。
そのため、あくまで「大阪の区分マンション」にフォーカスはしているものの、これさえ読めば不動産投資に関する基礎知識は一通り身に付きます。
特に実例の紹介では、20~50代までのワンルーム投資におけるモデルケースが記載されており、これから不動産投資を始める初心者にとって、具体的なイメージを掴むための貴重なサンプルとなるはずです。
まとめ
昨今、人口減少や少子高齢化の影響もあり、人口が集中する東京ばかりが投資対象として注目されていました。しかし、大阪は本記事で解説したように、不動産投資を始めるエリアとして多くの魅力を持っています。
いまだ大阪より東京に注目が集まっている現状は、いわばチャンスが数多く転がっている状況とも受け取れるはず。首都圏で投資案件を探しても優良な候補が見つからないなら、人口・世帯数ともに増加傾向にある大阪を対象に含めてはいかがでしょうか?