メニュー

はじめての不動産投資をOh!Ya(オーヤ)で知る・学ぶ・実践する

資料請求 面談予約

不動産投資のローンを属性・投資対象・プライムレートの3つから解説

By Oh!Ya編集部

1,596view

不動産投資のローンを属性・投資対象・プライムレートの3つから解説

このページに訪れた皆さんは、ローンについての勉強を避けてはいませんか?

大規模な不動産投資を始めるにあたり、ローンに対する理解は必要不可欠。なぜなら、資産拡大のスピードは、ローンの条件で決まるといっても過言ではないからです。

今回は、ローンを「属性・投資対象・プライムレート」の3要素から分析。どのようなローンが良くて、どのようなローンが悪いのかをご説明します。

不動産投資のローン条件は属性に左右される

審査

理想的な金額を低金利で借りることを良いローンとしたとき、これを実現するには「属性」が重要となってきます。全てのローンが属性で決まるわけではありませんが、属性は数ある要素のなかで特に注意深くチェックされるポイントです。

属性は個人の返済能力そのもの

金融機関が継続して貸金業を行うには、貸したお金を必ず返してもらわなければいけません。そのため、延滞や貸倒れになる可能性の低い相手、つまり「返済能力の高い人」に多くの資金を貸したいと考えます。

この返済能力を見極める項目こそ、業界内で「属性」と呼ばれる要素なのです。属性の判断基準は金融機関により違いがあるものの、一般的には以下のようなものだと考えられています。

  • 業種・勤続年数
  • 経済状況
  • 家族構成
  • 信用情報

この項では、この4点について解説していきます。

勤務先の業種や勤続年数

まず融資審査で属性を判断されるとき、就いている職種と勤続年数を見られます。

当然、高収入であるほど評価は良く、公務員や医師など失業の懸念が少ない職種ほど好印象。ただし、高収入であっても自営業や非正規雇用の場合には、属性に対してネガティブな印象を与えるとされており、「安定して稼ぎ続けられる仕事なのか」といった点が重視されます。

また、安定収入を得られる業界であったとしても、勤続年数が短ければ審査に通らないケースもあります。明確な基準は明らかになっていませんが、通説では勤続年数3年未満の場合に融資が厳しくなるとのこと。

そのため、不動産投資を始めたいと考えるとき、同時に転職で迷っているなら一度とどまることをおすすめします。

保有資産額やローンの状況

属性=年収だと考える人は多いものの、実際には保有資産額や住宅・自動車ローンも重要な判断材料の1つ。むしろ、年収が高いにもかかわらず貯蓄が少なければ、金銭の管理能力を疑われます。

不動産投資は「賃貸業」というれっきとした事業経営なので、資金繰りに関する意識は注視されるものと考えておきましょう。

また、住宅・自動車ローンの残債が多すぎれば、財務状況を圧迫する負債として捉えられる可能性があります。この部分を指摘されたときには、どういった計画で返済するのか説明して、不動産投資に影響を及ぼさないことを明確にできるのが望ましいです。

家族構成とそれぞれの職種

家計をともにする家族も、ローンの審査において確認されやすいポイント。審査における、家族構成に対してのイメージは以下のようなものです。

  • 配偶者:共働きであれば返済能力が高いと判断されやすい
  • 子ども:人数が多ければ養育費の負担は大きいと判断されやすい

夫婦のどちらかだけが定職に就いているより、共働きの方が返済能力に優れているのはいうまでもありません。また、未成年の子どもを抱えているより、全ての子どもが経済的自立を果たしている方が負担は小さいものです。

いますぐ変えることはできませんが、一度ローンの審査に落ちたとしても、家庭環境の変化により審査が有利になる可能性について覚えておくことをおすすめします。

借入や返済にまつわる信用情報

ローン・クレジットカードの返済履歴などを「信用情報」と呼び、これも返済能力をはかる材料としてもちいられます。年収や保有資産額が優れていても、過去に滞納履歴があれば評価は著しく下がるためローンは困難です。

不動産投資を始めたいと考えている場合は、今後も一切滞納しないよう注意しましょう。

不動産の条件もローンの審査結果を左右する

不動産投資のローンにおいて、属性は返済能力の判断材料として大きなウェイトを占めています。しかし、いくら属性が優れているといっても、明らかに完済の目処が立たない投資案件にローンは付きません。

この項では、ローン条件を左右する投資対象のポイントについて解説していきます。

投資したい不動産の収益性

収入

金融機関はローンの貸付先として、収益性が高い不動産を好みます。属性に問題がないにもかかわらず頑なに拒まれるのであれば、そもそも不動産自体に投資対象としての魅力がないことを疑いましょう。

  • 収支シミュレーションに大規模修繕を加味できているのか
  • 築年数の経過による賃料下降を想定できているのか
  • 利回りに対して購入価格が割高ではないのか

こういった基本的な部分から、再確認することをおすすめします。

土地の資産価値はどれほどか

ローン審査において、不動産の真下にある土地は重要な役割を持ちます。なぜなら、土地は金融機関から「価値が下がりづらい資産」だと認識されているからです。

そのため、土地の割合が少ない不動産より、土地の割合が多い不動産の方が評価されやすい傾向にあります。どうしてもローンを取り付けたい場合、同程度の投資案件を比較して「土地の割合がより大きい不動産」に決めることをおすすめします。

対象エリアの需要・人口推移

いくら満室想定時の利回りが優れていても、空室ばかりでは実利がでません。そのため、これから著しく賃貸需要が落ち込むと予想できるエリアは、金融機関に対してネガティブな印象を与えます。

特に過疎化が進む地方では、どのような戦略で入居率維持を行うのかといった具体性のあるプランは必須。投資案件の周辺地域を調査して、細かいニーズやライバル投資家の動向をまとめたものを、対策案を交えて融資担当者にアピールできれば望ましいです。

不動産投資のローンはプライムレートに注目

銀行が「最も信頼する貸付先」に対して適用する金利水準を、業界内ではプライムレートと呼びます。そして、投資家に対するローンは、このプライムレートに数%の金利をプラスした条件が提示されるのです。

このプライムレートは、短期プライムレート(通称:短プラ)と長期プライムレート(通称:長プラ)に分かれており、変動金利でローンを借りるとき、金利の変動幅に影響を及ぼします。

  • 短期プライムレート:変動が小さく金利水準は安定的
  • 長期プライムレート:変動が大きく金利水準は不安定

おおよそ、短期プライムレートと長期プライムレートには、上記のような特徴があると覚えておいてください。

変動金利を利用するなら「短期プライムレート」がおすすめ

少しでもコストを下げようと、金利変動がない代わりに金利水準が高い「固定金利型」より、金利変動がある代わりに金利水準が安い「変動金利型」を選ぶ投資家が多いです。

しかし、変動金利型を選ぶ投資家のなかには、短プラ連動・長プラ連動どちらのローンなのか気にしないまま融資を受けるケースがあります。全てのローン名称に短プラ連動・長プラ連動と記載されているわけではないため、銀行の担当者に質問してみてください。

長期ローンなら固定金利が安全

変動金利型を選ぶ投資家は多いものの、ローンが長期的になるほど金利上昇リスクが高まるため、短期ローンでなければ変動金利型は安易におすすめできません。10年後の金利を想像するのも困難ななか、20年,30年後の金利は全く予想できないからです。

そのため、長期ローンを利用するなら、プライムレートにかかわらず固定金利型の方が安全だといえます。借入金額が多額であれば金利変動の影響は大きいため、資産を守るために慎重な選択を心がけましょう。

不正ローンによる不動産投資の失敗事例

スピード感のある資産拡大を考えたとき、「いかに多額のローンを低金利で取り付けるか」という部分は重要な役割を持ちます。しかし、こうした意識ばかりが先行して、不正ローンに手を出してしまうケースが増えてきました。

この項では、一見すると魅力的に思える不正ローンの実態についてご説明します。

返済能力を超えてローンを組む情報操作による不正ローン

不正

2018年ごろ大々的に報道された「預金残高の改ざん」により、多くの銀行で返済能力のない投資家に多額のローンが下りていると明らかになりました。

具体的には、預金残高が数十万円だけであるにもかかわらず、改ざんにより数字を数十倍にして経済状況が優れていると偽っていたのです。

特に大きく取り上げられた「かぼちゃの馬車事件」では、多数のサラリーマンが経済力に見合わない価格のシェアハウスを購入し、ローン返済を賃料収入でカバーしきれない状態が続いています。

住宅ローンを利用した不動産投資は禁物

住宅ローンは不動産投資のローンに比べて、低金利かつ少ない自己資金で希望額を借り入れられます。そのため、投資不動産をマイホームだと偽って、住宅ローンを利用して不動産投資を始める投資家は少なくありません。

しかし、住宅ローンで投資を始めたことが金融機関に発覚すれば、高金利な投資用ローンへの切り換えやローンの一括返済を求められます。

高金利なローンに切り替わるだけでも、返済金額の負担が大きくなり当初の計画は変更せざるを得ません。一括返済はそれ以上の負担となり、金銭的ダメージだけでなく信用問題にも繋がってきます。

こういった問題は資産拡大を進めるうえで致命的であり、目先の利益を求めたばかりに長期的な損失を招いてしまう典型例といえるものです。たとえ周囲の投資家がこの手法を使っていたとしても、マネしないよう注意してください。

流行する多法人スキームの危険性とは

多法人スキームは、いくつもの法人名義を使うことで、借入状況を隠しつつローンを複数から受ける手法です。たとえば、以下のような状況であるときも、金融機関が法人Cの借入情報に着目することを利用します。

  • 法人A:一棟アパートをローンで購入・返済中
  • 法人B:一棟マンションをローンで購入・返済中
  • 法人C:まだ不動産を購入しておらず、ローンの利用を検討中

一般的な経済状況のサラリーマンにとって、借入限度が最大に達しているような状態であっても、金融機関側が時間を取って調査しない限り法人A・Bのローン状況は見えにくいのです。

これを利用して法人を複数設立する投資家は増えたのですが、多法人スキームは重大な虚偽申告として捉えられると指摘され始めました。不動産情報サイト楽待の記事「りそな銀行が「1法人1物件スキーム」に鉄槌か」では、実際に多法人スキームを使った投資家が一括返済か金利引き上げを迫られていると記載されています。

多法人スキームは、概要だけを見ればテンポ良く資産拡大を目指せる手法であるものの、手を出してはいけない選択の1つだといえるでしょう。

ローンが厳しい時期だからこそ正攻法で臨む

挑戦

前述した不正ローンが横行する背景には、「ローンの審査が厳しくなっている」という状況があります。そして、不正ローンの利用者が多いために、さらにローンの審査が厳しくなるという悪循環に陥っているのです。

このような状況を把握してなお、ローンが下りづらいから不正行為を働くのは、自ら進んで破産へと向かうようなもの。不正ローンの横行により監視体制がシビアになっているからこそ、疑いをかけられても問題ないように正攻法で臨むべきだといえます。

なお、ローンの利用時に知っておくべき情報は、当メディアの「【2019年版】不動産投資ローンの仕組みと大手銀行の相場」でも解説中です。本記事よりも金融機関の特徴にフォーカスしているので、あわせて確認してみてください。

まとめ

不正ローンがここまで増えたのは、それほどに不動産投資におけるローンの効果が絶大だからです。しかし、真っ当な投資家として堅実な資産拡大を目指すなら、まず勉強すべきなのは属性や投資対象により左右される「ローン審査」の特性だといえます。

一度ローン審査が通らなかったとしても、家庭の状況が変わったり昇進により収入が増加したり、借入を全て返済すれば金融機関の捉え方は変わるはずです。また、金融機関や担当者を変えるだけで、スムーズにローンを受けられるケースもあります。

正攻法の範疇でも取れる行動は多いため、何度か断られたとしても諦めず、ホワイトな手法を貫くことをおすすめします。

関連記事