【投資は損失が怖い?】資産を守りつつ運用するなら「元本保証」がおすすめ!
By Oh!Ya編集部
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資産運用を始めたいと思いつつ、損失への恐怖から投資をスタートできない人は多くいます。でも、将来の退職や失業に備えて、いますぐ資金を貯めたい気持ちもありませんか?
そんなとき、「できる限り安全に資産運用をスタートしたい」と思う人が多いでしょう。
今回は、このような希望に応える「元本保証」の運用方法、それぞれのリスク・リターンについてご説明します。
資産を守りつつ運用できる「元本保証」とは?
投資や預金に充てる資金を「元本」と呼び、運用中に元本が元値より下回ることを「元本割れ」と言います。そして、「元本割れをしない」という意味で用いられる概念が「元本保証」です。
たとえば、投資や預金に500万円充てたなら、この500万円が元本です。そして、元本保証の金融商品で運用すれば、原則として500万円を切ることはありません。
元本保証の注意点
元本保証の運用が絶対安全かと言えば、そうではありません。あくまで、「原則として」元本割れを起こすことが無いという規定なのです。
たとえば、元本保証の代表例として知られる銀行預金は、銀行が倒産すると元本割れを起こします。
このとき返却が保証されるのは、「ペイオフ」により規定された「1人の預金者につき1,000万円」のラインまで。決済用預金を除いて、これ以上の預金額は保証されず、ペイオフで保護されている1,000万円もスムーズに返金されるとは限りません。
銀行が倒産する事例は多くないものの、近年では2010年に日本振興銀行が破たんしています。元本保証は「絶対損をしない制度」ではなく、あくまで投資先や預金先が存在する場合に限り機能するものだと考えましょう。
金融商品におけるリスクとリターンの関係性
金融市場では「リスクとリターンは比例する」という概念が用いられます。
これは、運用リスクが小さくなればリターンも小さく、運用リスクが大きくなればリターンも大きくなるという考え方です。そのため、安全性と収益性を両方追求することはできず、それぞれ納得できるバランスを見つける必要があります。
一例として、銀行預金と株式投資を対比してみましょう。
安全性の優れている銀行預金は収益性が低い
銀行預金は元本保証の運用方法であり、銀行倒産の可能性を除けばリスクはほぼありません。そのため、安全な資産管理の方法として、多くの人々が利用しています。
しかし、ゆうちょ銀行やメガバンクの大半は、普通預金の金利が0.001%ほど。楽天銀行やSBJ銀行など一部では金利0.02%を実現しているものの、還元率は全体的に低いといえます。
株式投資は安全性を犠牲にして利益を狙う運用方法
将来性が期待できる企業を見つけ、事業の成長を見越して出資する「株式投資」は、元本保証の無いミドルリスク・ミドルリターンの金融商品です。株式投資の主なリスクは、事業の失敗や社内の不祥事による市場の不人気化。それに連動して起こる売買価格の下落や配当金の減少です。
どれも元本保証の運用方法には無縁のリスクですが、株式投資はこれらの危険性をはらんでいる反面、銀行預金の比にならない運用利回りや保有資産の上昇が期待できます。
たとえば、自動車メーカーとして有名な「SUBARU」は、2018年3月期に「利回り3.8%」に相当する配当を実施しました。これは、前述した0.001~0.02%の預金利息を100倍以上も上回る数値。銀行に100年間預金するよりも、SUBARUの株式を1年間保有した方がリターンが大きいという計算になります。
銀行預金と株式投資、どちらが優れているとは決められないものの、リスクを取った株式投資は利益額・損失額の可能性が一気に大きくなるのです。
リスクとリターンの関係性は不変の法則
銀行預金と株式投資を用いた比較から、「安全性を犠牲にすれば利益率が高まる」といった法則が分かりました。これこそが、リスクとリターンの関係性そのものです。
そして、このルールは経済の長い歴史から証明されているため、例外は無いと考えるのが賢明。「リスクゼロで大儲け」などの誘い文句は、まず投資詐欺を疑いましょう。
まず、元本保証の商品は「安全である代わりに、大きく稼げる運用方法ではない」と理解したうえで、資産運用をスタートしてください。
元本保証の運用方法を徹底比較!
元本が保証されている運用方法の選択肢は、リスクの大きな金融商品に比べてわずか。
この項では、以下の4タイプの元本保証をご紹介します。
運用方法一覧 | 預入先 | 初期費用 | 収益性 |
---|---|---|---|
定期預金 | 店舗型銀行・ネット銀行 | - | ★ |
個人向け国債 | 国 | 1万円から購入可能 | ★★ |
個人向け社債 | 会社 | 数万円,数十万円~ | ★★★★ |
地方債 | 各地方自治体 | 数万円~ | ★★★ |
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定期預金
資産の管理方法として一般的な普通預金は、安全であるものの預金利息はごくわずか。前述したように大手銀行では0.001%、楽天銀行やSBJ銀行が0.02%という低金利状態が続いています。
しかし、どうしても銀行預金でなければ不安だという場合は、普通預金ではなく定期預金がおすすめ。利率は満期までの期間に左右されるものの、大手銀行は平均して0.01%、SBJ銀行は0.25%まで預金利息が上昇します。
こんな人は定期預金がおすすめ!
- 使い慣れている銀行で資産運用をしたい
- できる限りスタートのハードルを低くしたい
個人向け国債
国が発行する国債は、商品ごとに固定金利・変動金利が分かれており、それぞれ「固定3年、固定5年、変動10年」と異なる満期が用いられています。
ただし、購入から1年以上経過すれば、満期にかかわらず中途解約することも可能。「中途換金調整額」と呼ばれるペナルティが発生するものの、元本割れすることはありません。
なお、中途換金調整額は、財務省が提供している「中途換金シミュレーション」にて簡単に計算できます。
下限金利は0.05%であるため、しばらく利用予定の無い資産があるなら、国債は普通預金に代わる安全な運用先としておすすめです。
こんな人は個人向け国債がおすすめ!
- 銀行預金より高利率で、かつ極力安全に運用したい
- ペイオフで対応できない「1,000万円超の資産」を安全に運用したい
個人向け社債
会社が発行する債券を社債と呼び、国債よりも高利率な運用方法として知られています。ただし、会社は銀行・国より破たんの可能性が高く、元本保証といえども投資先は慎重に判断しなければなりません。
企業の経営状況と利率がバランス良く保たれている一例としては、ソフトバンクやSBIホールディングスなどの有名企業が挙げられます。
たとえば、2018年にソフトバンクが発行した「第53回無担保普通社債」は、満期が6年間で年利は1.57%。SBIホールディングスが発行した「第37回SBI債」は、満期2年間で年利は0.48%でした。
どちらも国内大手の企業で業績も安定しており、今後数年で倒産するイメージはありません。にもかかわらず普通預金の480~1,570倍、国債の下限金利より約10~30倍ほどのリターンが見込め、選択次第では元本保証の運用方法で随一の利益率を誇ります。
こんな人は個人向け社債がおすすめ!
- 元本保証を前提としつつも、最大効率で利益を伸ばしたい
地方債
各地方自治体が発行する地方債は、安定性や収益性のレベルは国債と社債の中間ほど。元本が保証される運用方法のなかでは、ミドルリスク・ミドルリターンな商品です。
地方債は単一の地方自治体が発行する「全国型市場公募地方債(個別債)」をはじめ、以下のような複数の種類に分かれています。
地方債の種類 | 購入対象者 | 満期 | 発行頻度 |
---|---|---|---|
全国型市場公募地方債 | 制限無し | 満期5年,10年が中心 | 不定期 |
住民参加型市場公募地方債 | 発行自治体の居住者など | 満期3~10年 | 不定期 |
共同発行市場公募地方債 | 制限無し | 満期10年 | 毎月発行 |
※横スクロールできます。
地方債協会が発表する「平成30年度発行実績」によれば、平成30年度に発行された満期10年の全国型はどれも利回りが0.1~0.2%台でした。共同発行の地方債も同様の数値を出しており、平均して国債より優れた収益性を実現しています。
ただし、北海道夕張市が財政破たんした過去がある手前、地方債の元本保証にはやや不安が残ります。現状では、銀行預金や国債についで安定性が高いとされていますが、財政難の傾向が見られる過疎地域の地方債は避けることをおすすめします。
こんな人は地方債がおすすめ!
- いま居住・勤務している地域に貢献したい
- 社債は不安だが国債より高利率が運用をしたい
元本保証ではない低リスクな運用方法
元本保証の運用は安全であるものの、利回りが2~3%を超えるケースは稀。積極的な資産形成に最適な選択とはいえません。
先ほどご紹介した元本保証の運用では物足りないと感じるのであれば、投資信託やETFなど低リスクな投資方法がおすすめです。
投資信託
元本保証の運用方法より大きな利益を狙いながら、できる限り低リスクな資産形成を始めたい場合は投資信託がおすすめ。投資と聞けば難しいイメージを思い浮かべるものの、投資信託では資産運用における分析・売買の一切を「ファンドマネージャー」に任せられます。
そして、ファンドマネージャーに預けた資産は、その時々で最適な運用先へ投資されるため、投資家の負担は投資信託の売買だけです。運用中は運用成績に応じて「分配金」が投資家に還元されるほか、投資信託を手放すときに買値と売値の差額を「譲渡益」として受け取れます。
長期運用に必要とされる資産の「リバランス(再調整)」も自動的に行われるため、わずかな時間で投資を始めたいサラリーマンや主婦にも最適です。
こんな人は投資信託がおすすめ!
- 少々のリスクを覚悟して、元本保証の運用方法より利益率を高めたい
- 満期が設けられていない運用方法を探している
ETF(上場投資信託)
投資信託を上場させてリアルタイム売買に対応させ、流動性の高めた金融商品がETFです。
最大の特徴は、証券取引所が開いている時間帯であれば「いつでも即時売買できる」という点。投資信託の購入が「申込・受渡・約定日」の3ステップを経て成立するのに対して、気軽かつ素早くトレードできることがメリットです。
また、信託報酬(運用経費)も低コストであるため、長期運用になるほど投資信託と利益総額に差が生まれる場合も少なくありません。ただし、銘柄数は投資信託より少なく、規定の基準に抵触した場合に上場廃止となるリスクが生じます。
また、投資信託では利用できる「分配金の自動再投資」に対応していないため、分配金を運用に回すときには手作業による処理が必要です。
こんな人はETFがおすすめ!
- ニュースで悪材料が出たときに即時売却したい
- 分配金の再投資に手間が必要でも、信託報酬をできる限り抑えたい
REIT(不動産投資信託)
投資信託やETFが、株式や債券といった市場を対象とするなか、REITは不動産のみを扱います。
運用の仕組みは投資信託と同様で、投資家の資金を「資産運用会社」が運用。オフィスビルや商業施設など、数多くの投資不動産を賃貸・売買することで、契約相手から利益を受け取ります。
そして、投資信託と同様に運用利益が投資家に分配されるのですが、このとき分配金に充てられるのは「当期利益の9割」。他の金融商品が実施する配当・分配は、法人税を差し引かれたのちに行われますが、REITは法人税が引かれず利益の大部分がそのまま投資家に還元されます。
そのため、他の金融商品を圧倒する還元率を誇り、REITは登場当初から収益性の優れた投資手段として注目されてきました。
さらに、近年は欧米やアジア圏の観光客が増えつつあり、インバウンド事業が活発化。東京オリンピックや大阪万博を控えていることから、不動産へ手軽に投資できるREITにますます期待が集まります。
こんな人はREITがおすすめ!
- 不動産市場に投資したい
- 将来的に不動産投資を始めたい
まとめ
今回は、安全に資産を運用できる「元本保証」の商品をご紹介しました。元本保証は基本的に運用資金を守るものですが、運用先が破たんしてしまえば返金されない場合もあります。
- 運用に充てる資金は利用予定のない余剰資金なのか
- 投資・預入する機関が満期日まで存続するイメージはあるのか
元本保証の運用方法だとしても、上記の条件は確認しましょう。
さらに、今回のご説明で「元本保証では満足に利益を得られないな」と感じた場合は、後半部で紹介した低リスクな金融商品がおすすめです。まずは、求める安全性や収益性を考慮しつつ運用方法を選び、普通預金からステップアップしてみてください。