【お金の増やし方】複利効果で収益が伸びる理由と選ぶべき投資商品
By Oh!Ya編集部
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投資を検討している人の中には、「複利効果」という言葉が気になっている人もいるでしょう。複利効果は、あのアインシュタインでも「偉大」といっているほどの効果であり、投資において複利効果が高いどうかは収益に大きな影響を与えます。
そこで今回は「複利」について、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。この記事を読むことで、複利効果とは何か?どんなメリットがあるか?どのような投資が複利効果の高い投資か?が分かってくるでしょう。
複利とは何か?
この章では、複利の概要について理解しましょう。複利とは別に「単利」という言葉があり、まずは複利と単利の違いを解説します。その後、複利と単利では具体的にどのくらい収益に差が生じるか、実際の投資事例を元に見ていきましょう。
結論からいうと、投資は複利で利益を得た方が、中長期的に見ると遥かにハイパフォーマンスな収益を得ることができます。
複利と単利の違い
複利とは、元金によって得た利息を、再び元金に含めて投資したときに得る利息のことです。一方、単利とは元金だけに対する利息のことであり、その元金で得た利息は再投資しない前提です。
たとえば、利回り10%の投資商品を500万円分取得したとします。その500万円の投資商品は1年後に50万円(500万円×10%)の利息を生み出しており、この50万円は500万円という元金から得た単利です。
そして、次は550万円(500万円+利益50万円)を再投資し、利回り10%であれば55万円の利息を獲得します。そして、今度はその55万円の利息を含めた605万円(550万円+55万円)を再投資して…というように得る利息が複利です。
複利と単利を比較
前項で例に出した「利回り10%の投資商品を500万円取得した」場合に、将来的にどのような収益差が出るか以下にシミュレーションしました。
年次 | 複利 | 単利 | 差額 |
---|---|---|---|
1年後 | 550万円 | 550万円 | — |
3年後 | 666万円 | 650万円 | 16万円 |
5年後 | 805万円 | 750万円 | 55万円 |
10年後 | 1,297万円 | 1,000万円 | 297万円 |
15年後 | 2,089万円 | 1,250万円 | 839万円 |
20年後 | 3,364万円 | 1,500万円 | 1864万円 |
25年後 | 5,417万円 | 1,750万円 | 3667万円 |
30年後 | 8,725万円 | 2,000万円 | 6725万円 |
このように、5年で55万円、10年で297万円、20年後には1,800万円以上、そして30年後には6,700万円以上の差が出ています。もちろん、これは利回りを10%維持し続けている前提ですが、中長期で見るとこれほどまでに差が出ることが理解できたと思います。
複利で運用しやすい投資商品は?
複利で投資商品を運用するということは、その投資で得た利息を元金に含め再投資します。そのため、基本的にはどの投資でも、やり方次第では複利効果を得る投資になります。ただ、数ある投資の中でも複利効果を得られやすいといわれている、以下の投資についてこの章では解説していきます。
- 積立預金
- 投資信託
- るいとう
積立預金
積立預金とは、毎月一定額を普通預金から引き落とされ、そのお金を積み立てることで預金を増やしていきます。預金には利息が付き、毎月一定額を継続的に預金するため、普通預金より利率が高いです。
そして、その預金から発生する利息はそのまま預金額に足されますので、複利効果のある利息になります。ただし、現在のマイナス金利政策の状態だと、たとえば楽天銀行の積立預金の金利は0.03%です。
そうなると、10年後でも502万円、30年後でも505万円にしかならず、あまりに利息が小さいので単利とほとんど変わりません。もちろん、普通預金にお金を預けたままより多少は増えますが、前項の利回り10%商品と比べると大きく違います。
投資信託
投資信託とは、投資家が自分の資金を、ファンドなどのプロ集団に運用を任せることです。ファンドは、集めた資金で株や債券、REITなどあらゆる投資商品を組み合わせて取得します。その投資商品から得た利益を投資家へ分配金として還元することで、投資家は利益を得るという仕組みです。
投資信託で複利効果を得る方法
投資信託で複利効果を得るためには、分配金をそのまま再投資して買い増ししていくことです。たとえば、利回り5%の投資信託を500万円取得すれば、年間で25万円(500万円×5%)の分配金がもらえます。
その25万円を利用して同じ投資信託を取得すれば、その投資信託を525万円分保有していることになります。次に、その「525万円×5%=26.25万円」の分配金をもらい、そのお金でさらに同じ投資信託を購入し…というようなイメージです。
ほかの投資と投資信託の違い
この手法は株式投資などにも利用できますが、投資信託の方が複利効果を得やすいです。というのも、投資信託は分配金がメインの収益なのに対して、株式投資は売買益もメインの収益になるからです。
安定して複利効果を得るためには、同じ投資商品を所有し続けることが前提なので、その意味では株式投資は向いていないといえます。長期間保有する株式投資の場合は、配当金(≒分配金)収入がメインなので投資信託と同じですが、投資信託よりは利回りは落ちるのでやはり向いていないでしょう。
一方、投資信託は所有し続け分配金を得るスタイルであり、利回りも株式投資よりは高い商品が多いです。そのため、その利益を利用してどんどん買い増ししていき、利回り通りの収益を得られれば高い複利効果を得られます。
るいとう(株式累積投資)
「るいとう」とは毎月一定額の株式を積み立て購入していく投資手法です。毎月1万円という少額の資金から投資をはじめられるのがメリットになります。前項で、株式投資は複利効果に向いていないものの、長期投資であれば複利効果を得ることができると解説しました。
ただ、株は売買益をメイン収益と考える投資家も多く、たとえば東証一部の配当利回りを不動産証券化協会で調べると、2%前後と決して高くありません。
とはいえ、株式投資で複利効果を得たいのであれば、長期保有が前提であり、銘柄も配当利回りの高い商品を選ぶ必要があります。ただし、ある程度の金額を投資しないと高い複利効果を得られないので、銘柄選択と、複利効果のシミュレーションが重要といえるでしょう。
複利効果を狙うなら不動産投資
前項で解説した3つの投資商品も複利効果を得られやすいですが、実は不動産投資も複利効果を得られやすいです。ただし、不動産投資でいう複利効果は、上述した複利とは若干性質が異なります。まずはその点を解説した後、不動産投資で複利効果を得る注意点などを解説していきます。
不動産投資における複利効果とは?
上述した投資商品は、その商品から得た利益を「毎年」再投資することで複利効果を得ていました。不動産投資でいう「商品」は不動産になるので、毎年購入するのは現実的ではありません。
ただ、不動産投資で複利効果を得るためには、やはり不動産投資で得た利益を元手に物件を増やしていくことになります。今までの複利効果は「毎年」得た利息を投資に回しているのに対し、不動産投資は再投資に回すまで数年かかる点が違います。
ただ、期間は異なるものの、投資で得た利益を再投資することで雪だるま式に利益を増やすという意味では同じです。
融資によるレバレッジ効果
不動産投資の場合、融資を利用することができるので投資で得た利益を元手に物件を拡大していきやすいです。さらに、最初に購入した物件でも融資を受けているはずなので、きちんと不動産運用ができており返済もスムーズにしていれば、次の融資審査は有利に働きます。
また、融資は自己資金の10倍程度の借入をすることも可能なので、毎年物件を増やすことは無理でも、数年ごとに物件を増やして複利効果を得ることは可能です。
不動産投資の複利をシミュレーションする
仮に、「物件価格3,000万円、返済後利回り3%」の物件を購入するとします。返済後利回りとは、「(年間家賃収入-経費-ローン支払い額)÷物件価格」で計算される、手元に残るお金ベースで計算した利回りです。
一概にはいえませんが、不動産投資の返済後利回りは2.5%~3%ほどといわれており、上記のケースの場合は以下のような利益になります。
<利益表>
年次 | 利益 |
---|---|
1年後 | 90万円 |
2年後 | 180万円(+90万円) |
3年後 | 270万円(+90万円) |
4年後 | 360万円(+90万円 |
5年後 | 450万円(+90万円) |
当然ながら、まだ1つの物件しか持っておらず、この物件から得た利益を再投資しているわけではないので、上記は複利ではなく単利です。
利益は2倍になる
前項のように、5年後450万円の利益を生み出している計算なので、その450万円を元手に同じく「返済後利回り3%、物件価格3,000万円」の物件を、融資を利用して購入するとします。
そうすれば、単純計算ですが、前項の表に記した利益は2倍になるということです。つまり、2物件目を取得した1年後は180万円の利益、2年後は360万円の利益、3年後は540万円の利益…になる計算です。
物件は雪だるま式に増える
前項のシミュレーション通りに運用できたとしたら、2物件目を購入した5年後には900万円の利益を得ています。その900万円を元手に3,000万円の物件を2物件購入すれば、4物件保有している状態になります。この状態だと、単純計算ですが上述した「利益表」に記した利益の4倍になります。
そのため、4物件保有した5年後を考えると、1,800万円の利益を得ている計算です。その1,800万円を元手に同じ条件の物件を購入すると…という風に、雪だるま式に物件が増えるので、雪だるま式に利益も増えます。
若干性質は異なりますが、このように不動産投資でも物件を拡大していくことで複利効果を得るのは可能です。また、融資を利用することで高額な資産を取得できるので、そこから得られる利益も大きくなり、複利効果も大きくなるという特徴があります。
不動産投資で複利を狙う注意点
上述した不動産投資で複利効果を狙うときは、以下の点に注意しましょう。
- 不動産は経年劣化がある
- 物件数が増えるので手間も増える
全ての投資にいえることですが、投資には保証がなく利回り通りに運用できるとは限りません。利回りが下がる状態であればまだ良いですが、下がったことでマイナスの運用になるケースもあるので、前項までの複利計算は運用に成功しているという前提です。
不動産は経年劣化がある
不動産は現物資産なので、経年劣化があり、ほぼ確実に資産価値が下がります。つまり、「返済後利回り3%」だとしても、そこからどんどん利回りは落ちていく可能性が高いということです。
上述した複利での「利益表」は、基本的に利回りは落ちないという前提なので、厳密にシミュレーションする場合は1年ごとに収益は落とした方が現実的でしょう。
もちろん、収益がぶれるのは全ての投資にいえますが、不動産投資は現物不動産という「劣化すること」が決まっている資産です。そのため、築年数を経過した状態での収支計算は、ほかの投資よりも厳密に行う必要があります。
物件数が増えるので手間も増える
具体的には、物件数が増えることでメンテナンスやトラブル対処の手間が増えます。物件数が多くなれば、物件の補修をするかどうか、家賃を下げるかどうか、リフォームするかどうかなどを判断するタイミングが増えます。
また、入居者とのトラブルや管理会社とのやり取りが増えるので、物件数の増加に比例して手間が増える点は認識しておきましょう。
このように、上述した不動産投資のシミュレーションは投資が大成功したときのシミュレーションなので、ここまで成功する例は多くないでしょう。ただし、「メガ大家」という言葉があるくらい、どんどん物件数を増やして不動産投資の複利効果を得ている人が存在するのは事実なので、決して不可能ではありません。
不動産投資以外は複利効果が小さい理由
上述の内容を受け、「不動産投資の複利効果よりもほかの投資の方が複利効果は大きいのでは?」と思った人もいるかもしれません。結論からいうと、不動産投資以外の複利効果は大きいとはいえません。その点を、株式投資・投資信託・REITで解説します。
株式投資の複利効果
上述した点も踏まえ、株式投資の複利効果は長期投資か短期投資かで、以下のように複利効果が小さい理由が異なります。
- 長期投資は利回りが低い
- 短期投資はリスクが高い
長期投資は利回りが低い
上述したように、不動産証券化協会のデータによると、東証一部上場企業の株式利回りは2%前後です。一見、不動産投資の返済後利回りも2.5%~3%ほどといわれているので、利回りは同じに見えます
しかし、不動産投資は融資によって資産額を10倍程度に増やすことが可能です。そして、運用に成功しているという前提で、保有資産額が高いほど利益も高くなります。
そのため、仮に株式投資の利回りが3%だとしても、融資によるレバレッジ効果を利用できる不動産投資に比べると複利効果は小さいです。
短期投資はリスクが高い
短期スパンでの株式投資とは、株価が安いときに株式を取得し、株価が上がったら売却する…という、株式の売買を繰り返します。この短期スパンの投資は、1か月で数百万円以上の利益を得ることもできますが、1か月で資産が半分になることもあります。
というのも、株価は常に変動しており「売却益」をメイン収益に置いてしまうと、売買を繰り返さざるを得ません。そのため、どうしても損失を被るリスクと隣り合わせになるのです。
もちろん、投資に成功しているときは、その投資で得た利益を再投資することで、さらに大きな利益を得ることができます。ただ、安定して複利効果を得るという意味では、さすがにリスクが高く向いていない投資といえます。
投資信託の複利効果
投資信託の複利効果は、以下の点を理解しておきましょう。
- 高利回りほど運用は不安定
- 基準価格の変動が大きい
高利回りほど運用は不安定
投資信託は株式投資と同じように、色々な投資商品がありそれぞれ利回りが異なります。上述したように、投資信託は分配金をもらう中長期的なスパンでの投資なので、再投資しやすく複利効果は得やすいです。
しかし、高利回りの投資信託はハイリスクでもあるので、利回り通り収益を上げられるか分かりません。想定した利回りより下がってしまえば、当然ながら複利効果も小さくなります。一方、リスクの小さい投資信託の場合はリターンも小さいので、やはり複利効果も小さくなります。
また、不動産投資のように融資を利用できないので、保有資産額が小さい点も複利効果も小さくなってしまう要因です。
基準価格の変動が大きい
投資信託も、株式投資でいう「株価」と同じような「基準価格」が存在します。基準価格とは、上場している投資信託であれば売却時の金額、上場していない投資信託であれば解約時に返還される金額です。
投資信託の収益は分配金ではあるものの、運用がマイナスになれば解約、もしくは売却を決断しなければいけません。そのときに基準価格の変動が大きいという点はマイナスになり、基準価格が下がり損失を生み出せば、せっかく複利効果で収益を生み出していても効果は薄くなります。
一方、不動産の資産価値(売却価格)は株価や基準価格程は変動しない上に、不動産投資は投資信託以上に売却することは少ないので、価格変動はあまり気にしなくて良いです。また、収益も「家賃収入」という変動しにくい収益源というのも強みです。
REITの複利効果
そもそもREITとは投資信託の一種で、現物不動産に特化した投資信託です。通常の投資信託は、株や債券などの色々な投資商品を組み合わせますが、REITは資産法人(ファンド)が現物不動産を所有し運用します。そして、その運用益を分配金として投資家へ還元するという仕組みです。
REITも現物不動産投資と同じ「家賃収入」が収益源なので比較的安定しているのですが、やはり融資を利用できない点が不動産投資とは違います。融資を利用できないので、REITの収益は不動産投資よりは小さくなりやすく、複利効果も小さくなります。
また、REITは上場しているため売買することも可能であり、売買益でも利益を得るケースが多いです。そうなると、株価や基準価格などと同じように価額の変動リスクが加わるので、安定して複利効果を得にくくなります。
不動産投資のレバレッジ効果は高い
このように、不動産投資以外の投資でも複利効果は得られますが、上記の理由で複利効果は小さいといえます。特に、不動産投資は融資を利用することで、自己資金の何倍もの資産を持つことができる点が強みです。この「小さい資金で大きな資産を持つ」ことを、「レバレッジ効果が高い」といいます。
収益額は「資産額×利回り」なので、当然ながら資産額が大きい方が収益も大きいです。つまり、不動産投資は融資を利用することで収益を大きくすることができ、その収益を利用して物件を増やすことができるので、レバレッジ効果の高さが複利効果の高さに直結しています。
まとめ
単利と複利の違いを見てもらえると、複利による収益額の大きさは分かると思います。ただし、それは長期スパンの話であり、かつ投資が成功しているという前提です。そのため、価格変動の激しい資産や、売買を繰り返す資産は複利効果を得にくいといえます。
一方、不動産投資は「家賃収入」という安定した収益源であり、売買益を狙う投資なので、物件価格の変動は関係ありません。そして、レバレッジ効果が高いので複利効果も高くなるので、複利を狙って投資するなら不動産投資が最適といえるでしょう。