資産を増やす安心・安全なたったふたつの方法
By Oh!Ya編集部
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「将来のお金の不安を感じたことはありますか?」
誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。近頃は、テレビや雑誌など、さまざまな場面で資産形成の必要性が取り上げられています。しかし、ほとんどの人が経済を学ぶことなく過ごしており、日常のなかで「資産を増やす方法」を意識する機会は多くありません。
そこで今回は「どうして資産形成が必要なのか」について考えていき、資産を増やす具体的な方法をご説明します。
目次
これからは資産形成が必要な時代
メディアでは日本の将来を心配する意見が飛び交っていますが、どのような問題が現実的に起こりえるのか分かりづらいものです。
具体的に、現段階では退職金や公的年金の給付率低下、AI(人工知能)の労働力代替による失業者の増加が懸念されています。この項では、サラリーマンが抱える最大の不安である「退職後・失業後」にフォーカスして、それぞれの問題を解説していきます。
減少しつつある退職金の普及率
大多数のサラリーマンにとって、老後資金の中核となるお金は退職金と公的年金です。
しかし現状、退職金を給付する企業は減りつつあります。厚生労働省が5年ごとに発表する「退職給付(一時金・年金)制度」によれば、平成30年度の退職給付率は77.8%。ひと昔前のような「退職金をもらうのは当然」という認識は、当たり前ではなくなりつつあります。
企業の短命化が問題視されている昨今、これまでは生涯安泰といわれていた大手企業でさえ社員の老後を保証できない状態なのです。
少子高齢化で破たんが懸念される年金制度
少子高齢化を取り上げたニュースからも分かるように、労働人口に対する高齢者の割合は急激に増加しています。年金制度の破たんを防ぐ方法はいくつか検討されているものの、極端な人口バランスの偏りを抜本的に解決することは困難です。
厚生労働省でも国民に向けて対策案が発表されていますが、伸び続けるであろう平均寿命をまえにして長期的に対応することは容易ではありません。「国民生活基礎調査」によると、現段階ですら約半数の高齢者世帯が生活の苦しさを感じています。
万が一、私たちが老後をむかえる段階で年金制度が破たんしてしまえば、著しく生活水準を下げて余生を送らなければいけないのです。そのため、退職金や公的年金が給付されない最悪のケースを想定して、現役時代に資産を増やしておく必要があります。
AIが失業率増加をまねく可能性
日本最大級のコンサルティングファームである「野村総合研究所」の資料*¹によると、2030年前後には国内における労働人口の約半数が、AIに取って代わられると予測されています。
これは、同機関がオックスフォード大学の教授や博士との共同研究により、国内の職業601種類の将来を算出した結果です。資料の最後には、高確率で代替可能となる職業がピックアップされており、交通関係の仕事や工業品の制作など労働人口の多い分野も見られました。
もちろん、AIの台頭で新たに職業が登場する可能性もありますが、たった十数年で既存の働き方が通用しなくなるという現実は不安を大きくします。
*¹ 出典:(野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」)
資産を増やす方法は2つ
効率良く資産形成を進める方法は、「出費を削減する」または「収入源を増やす」という2種類に大別されます。
この項では、それぞれの具体的な方法についてご紹介します。
1, 出費を削減する
投資や副業は、安定した収入源となるまでに時間が必要です。その点、日々の出費を削減してキャッシュを残すことは、今日や明日から実践できます。
最初に注目すべきポイントは毎月決まって支払う「固定費」です。いまやスマートフォンの契約会社は多岐にわたり、大手キャリア以外の企業が格安プランを提供しています。たとえ毎月5,000円の削減だったとしても、1年間で6万円の削減が可能です。
その他、使用頻度の少ないネットサービスや、情報収集の要ではなくなった新聞など、見直すべき契約はさまざま。個々では数千円分の節約効果しかなくても、複数の固定費を削減すれば大きな効果としてあらわれます。
ただし、これだけで十分な老後資産を用意することは難しいため、後述する収入源を増やす方法と同時に実践できれば理想的です。
2, 収入源を増やす
サラリーマンの昇給はわずかしか期待できず、日本経済団体連合会が発表する「大手企業業種別妥結結果」によれば、東証一部上場の大企業であっても平均上昇率は2.53%です。金額にして8,539円の昇給が平均値となっており、社内でのキャリアアップは報酬にそれほど影響しないのです。
そこで、資産を増やすためには、「投資」や「副業」を始めて複数の収入源をもつことが重要だといえます。
投資を始める
不動産投資であれば不動産が利益の源泉となり、株式投資であれば企業成長が投資家に利益をもたらします。そのため、投資は「お金に働いてもらう」方法の代名詞といわれるのです。
多忙なサラリーマンの資産運用に適しているのは、運用にかかる手間が少なく生活を困窮させるリスクがない投資先。値動きが激しく短期売買が求められる投資は、本業や私生活への影響が大きいためおすすめできません。
現状の保有資産量を考慮しつつ、中長期的な運用を前提とした投資手段が理想的です。
サラリーマンにおすすめの投資
本業や私生活への支障が少なく、サラリーマンとして働きながら実践できる運用方法を厳選。この項では必要な労力やリスクの観点から、兼業投資家に最適な投資手段をご紹介します。
投資信託・ETF
ファンドマネージャーに投資資金を預けて、資産運用を代行してもらう金融商品を「投資信託」と呼びます。
少額から投資可能で、購入・売却以外に運用の手間を必要としないことが最大のメリット。投資家に代わって専門家が金融市場の様子を読み取り、その時点で最適だと考えられるポートフォリオに組み替えてくれます。
これは「リバランス(再配分)」と呼ばれる分散投資の基本施策であるものの、兼業投資家がこまめに調整を施すのは現実的ではありません。投資信託は、このような手間をできる限り削減し、かつ低リスクな資産運用を求める人におすすめです。
なお、投資信託を上場させて、証券取引所でのトレードを可能にした金融商品を「ETF(上場投資信託)」と呼びます。投資信託よりも投資できる銘柄数が少ないものの、リアルタイムに売買が可能。最低初期費用は投資信託より高い傾向にありますが、こちらも手間が不要で低リスクな投資手段として優れています。
REIT(不動産投資信託)
不動産市場に分散投資ができる「REIT」は、ETFのように証券取引所でのリアルタイムな売買に対応した金融商品。構造も投資信託やETFに類似しており、資産運用会社が投資家たちの資金を利用して不動産を運用・売買します。
REITも少額から運用可能で、投資家は保有銘柄の売買差益のほか、資産運用会社の運用成績に応じて「分配金」が得られます。不動産市場に関心をもちつつ不動産投資にハードルの高さを感じる場合は、REITへの投資がおすすめです。
不動産投資
いったん軌道に乗れば少ない手間で運用できる「不動産投資」はサラリーマンに適した投資手段の1つです。本業で安定収入があれば、有利な条件で融資を受けやすいこともメリットだといえます。
たとえば、500万円を年間利回り10%で運用したとき、1年後の利益は50万円です。しかし、借入金を含めて合計5,000万円を運用すれば、年間利回り10%で500万円の利益がでます。
投資信託やREITでは金融機関からの融資を受けられないため、このように投資効率を最大化して運用することができません。しかし、数百万~数千万円規模で融資が受けられる不動産投資は、利回りこそ数%であっても大きな収入が期待できるのです。
また、団体信用生命保険への加入によって、投資家に万が一の事態が起こったときには融資が完済されます。残債のない不動産を家族に残せることから、生命保険として機能することも利点の1つです。
株式投資
将来性のある企業に投資して配当金や売買益を獲得する「株式投資」は、サラリーマンから人気を集めている投資手段の代表格です。同じく投資の王道といえる不動産投資と比較して、確定申告の手間を省略できることや税率が固定されていることがメリット。
また、非課税制度「NISA」を利用することで、購入した株式から発生する配当金や売買益が非課税となります。非課税枠は年間120万円で、対象期間は5年間という制限こそあるものの、運用結果次第で大きな税金控除が期待できる制度です。
ネット上で売買が完結するため、ごくわずかなスキマ時間で資産を運用したい人におすすめの投資です。
副業を始める
2018年に大企業の副業解禁が取り上げられたこともあり、新たな収入源の確保として副業を始めるサラリーマンが増えてきました。効率良く稼げる副業ばかりではありませんが、本業のスキルや自身の趣味と合致するような副業で、高収入を得ているケースもあります。
成功している副業サラリーマンの共通ポイントは、以下のような副業を選んでいる点です。
自身の実績となるビジネスを選ぶ
まず、成功している副業サラリーマンたちは、実績や売上が自分のものになる副業を選んでいます。
本業の仕事ぶりは社内評価に直結するものの、社外へと知れわたることは稀。業種により差はあるものの、ほとんどの実績は会社のものになるのです。
一方で、会社は「実績」を武器により良い取引相手を見つけることから、ビジネスにおける実績の重要性は明らか。副業を通じて「自分の実績」を重ねれば、キャリア形成や転職時に強みとして活かせる可能性は高いはずです。
何を副業にすれば良いのか分からない場合はバイトを選びがちですが、副業をビジネスシーンでも役立てたいのであれば、「実績と売上」が自分のものになる副業をおすすめします。
時間や働き方に融通が利く副業を選ぶ
正社員であれば1日に8時間ほど働くことになり、ときには残業や社員同士の交流に時間を使います。必然的にわずかな「スキマ時間」を活用して取り組むこととなるため、時間や働き方に融通が利かない副業は本業や私生活に支障をきたすのです。
早々に副業が破たんして短期間しか活動できなければ、実績を集める間もなくもとの専業サラリーマンに戻ってしまいます。ビジネスモデルは長く続いてやっと成長するものなので、副業といえども「継続性」という部分は重視しなければいけません。
そのため、副業を選ぶときに「タイムマネジメントの容易さ」は、重要なポイントとなります。
自身の知見を活かせる副業を選ぶ
実績を獲得するまでの準備が少なく、スキマ時間に効率良く稼げる副業を選ぶとき、「すでにある知見」を活かせる分野は最適な選択肢。本業や趣味に近い分野であるほど、副業が軌道に乗るまでの期間が短くて済むのです。
もちろん、知らない分野で副業を始めれば多くの学びがあることも事実ですが、収益化のスピードという観点で考えれば馴染みのある分野で副業を始めた方が良いでしょう。
サラリーマンにおすすめの副業
求められる時間や労力に結果が見合わない副業も多く、本業の合間に取り組めるビジネスモデルは決して多くありません。
この項では、スキルや実績のストック性を重視して厳選した、伸びしろのある副業を3つご紹介します。
クラウドソーシング
依頼主と依頼業務に最適な人材を、ネットを介してマッチングさせるサービスが「クラウドソーシング」です。
クラウドソーシングではライティング業務やウェブ制作、プログラミングなどさまざまな案件が受注可能。特にライティング業務は本業で得た知見を活かしやすく、人事担当や専門職の経験があれば高単価な依頼を受注できます。
クラウドソーシング内のコラム記事では、利用者が多額の副業収入を稼いでいる事例が数多く記載されています。仕事に着手するまえに先払いがおこなわれるため、報酬未払いの可能性が低いこともメリット。すぐに実践できてスキルを換金できるので、比較的ハードルの低い副業だといえます。
依頼掲載数はサービスの規模に依存するため、初めて利用するときは「クラウドワークス」や「ランサーズ」など大手のクラウドソーシングがおすすめです。
スキル販売
クラウドソーシングは知見を換金しやすいサービスであるものの、デジタルな成果物を納品する案件に特化しています。一方で、スキル販売に特化したサービスを利用することで、コンサルティングなど成果物がより無形に近い依頼を受注することが可能です。
たとえば、コンサルサービス「ビザスク」や「Open Research」は、法人を相手に対面や電話にて専門スキルを提供。1人のプロフェッショナルとして企業に知見を提供し、謝礼として報酬を得られる仕組みです。ビザスクの公式ページによれば、1時間の平均謝礼額が1万5,000円となっていることから、保有するスキルによって高単価な依頼を受注できることが分かります。
また、個人間で取引できる「ココナラ」では、就活のエントリーシート添削や似顔絵イラストの制作など、より多様な形でスキルを販売することが可能。一見すると換金が困難に思われるスキルでも、商品として成立する可能性があります。
サイト・ブログ運営
副業についてネット検索をしたとき「アフィリエイト」や「ブログ収入」という、一見すると怪しさを感じる記事がヒットします。しかし、これらはサイト内に広告を掲載するという、れっきとした「広告ビジネス」の一種です。
まずはウェブサイトを開設してコンテンツを用意し、知識を求めているサイト訪問者に有益な情報を提供します。そして、ウェブサイトで扱うテーマが金融関係であれば、資産形成や節約に関係する広告を設置。ダイエットをメインテーマとするのであれば、健康食品やダイエット器具の広告を設置するのが一般的です。
このとき、サイト訪問者が広告に魅力を感じてリンク先へアクセスすることで、成果に応じた報酬が広告主から支払われます。
過去に得た知見を活かしてウェブサイトを作成し、月に数十万円の広告収入を獲得する副業サラリーマンも一定数おり、軌道に乗るまで労力を必要とするものの伸びしろが大きい分野です。
まとめ
今回は日本の将来から資産形成の必要性を考え、資産を増やす方法について解説しました。
少子高齢化で懸念される年金の問題だけでなく、企業の短命化やAIによる労働力の代替など、以前にも増して逆風の強い時代を迎えつつあります。
国や企業による十分なサポートが期待できない老後、頼りになるのは現役時代から貯蓄した資産だけです。いまからでは遅くないのかと迷う以前に、いち早く行動を起こすことが大切だといえます。