貯金の目安っていくら?気になる他人の貯金事情と成功する貯金術と運用術
By Oh!Ya編集部
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将来や老後への備えとして、貯金はとても有効です。しかも貯金は金額が大きければ大きいほど未来への安心感も大きくなります。この記事をお読みの方も、そのことは重々承知されていることと思います。しかし、そこである疑問が浮かびます。それは、
「貯金の目安っていくらくらい?」 「いくらを目安に貯金をすれば安心できるのか?」 「他の人はどれくらい貯金をしているのか、それを目安にしたい」
…といったものです。 貯金はいくらあっても邪魔になるものではありませんが、それぞれの人の事情によって貯金できる金額には限度があります。それではいったいいくらあれば良いのか?という目安を知りたいと思うのは当然のことです。
そこで当記事では、貯金の目安はいくらなのか?という疑問にお答えしつつ、貯金を成功させるノウハウ、お金を増やすノウハウを解説したいと思います。
目次
国の調査結果から貯蓄額の平均と貯金額の目安を知ろう
他の人たちはいったい、いくら貯金をしているのか?まず気になるのは他人の懐事情です。そこから貯金額の目安がいくらなのかを導き出すこともできるので、まずは最初に国の調査結果から日本人の貯金事情を見てみることにしましょう。
「現役世代」の2人以上世帯は平均で毎月10万円以上の貯蓄をしている
総務省が毎年発表している「家計調査年報」の平成30年度版によると、勤労者世帯の1世帯あたり月収平均は約55万円となっており、そのうち10万円ほどの金額を毎月貯金に回しているこという結果が示されています。
このデータは家計収支のうち黒字の内訳がどうなっているかで記載されており、預貯金や保険、有価証券という形で黒字分が金融資産として貯蓄されているということが分かりました。
・【参考】家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)
2人以上の世帯、つまり夫婦もしくは夫婦に子供がいるような世帯では毎月10万円以上の貯金をしていることを念頭に置いておきたいと思います。
【1-2】現金の貯金平均は毎月8万5,500円 先ほどの家計調査年報では金融資産のとして預貯金、保険、有価証券という3つの内訳で表示していますが、その中の預貯金というのが実際には現金による貯金だと見ることができます。
この調査結果を見ると年間で102万円6,000円の貯金をしていることが分かりますので、それを12ヶ月で割ると毎月8万5,500円となります。このデータから、2人以上の世帯で現役世代の人たちは平均で毎月8万5,500円を現金で貯金しているという目安が浮かび上がってきます。
「現役世代」の1世帯あたり平均月収は55万8,718円
先ほど少し触れましたが、いわゆる現役世代の人たちの平均月収は55万8,718円という調査結果となっています。これは大黒柱1人の月収ではなく、世帯あたりの月収なので、共働きの場合は夫婦の月収合計です。
この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは、それぞれの方の収入事情や価値観によってまちまちだと思います。少ないと感じた方はあまり気にされていないかも知れませんが、この金額を「多い」と感じた方はおそらく、ご自身の月収がこの金額を下回っているのではないかと思います。
そこに危機感を抱いた方は、貯金によって将来に備える必要性が高いと言えます。平均よりも収入が少ないのにそこから貯金をするべきというのは逆説的ではありますが、今から急に収入が平均を上回るような見込みがない限り、将来お金に苦労する可能性が高く、それに備えておく必要があるからです。
消費支出が減っている一方で貯金はしっかり確保している
先ほどの家計調査年報からは、貯金額の目安だけでなく、他にもさまざまなことが分かります。次に注目したいのが、消費支出の推移です。前年調査と比べて消費支出の平均額は実質1.5%の減少となっており、その一方で貯金に回すお金は増えています。
これが何を示しているのかは、明らかです。経済情勢だけでなく年金制度など将来に向けて不透明感があると感じている人が多く、そのために消費を抑えて貯金に回している人が多いということです。
他の人はどうしているのか?という疑問に対するひとつの答えとして、「他の人は以前よりもしっかりと将来に備えつつある」という傾向を押さえておきたいところです。
貯金の必要性が以前より高まっている
国の調査結果で明らかになっているのは、多くの人が以前よりもお金の支出にシビアになり、その一方で貯金をしっかりとしているという傾向です。このデータが示しているのは貯金の必要性が高まっている事実であり、それを多くの人が感じて実践しているということです。
米中貿易戦争やブレクジットなど、2019年以降の世界経済を不安定化させる要因は増え続けています。さらに日本国内では消費税の増税という経済に悪影響を及ぼす出来事もあったため、経済やお金に対する不透明感は一層増しています。
こういった状況に備えて、自分を守ることができるのが貯金です。お金だけですべての問題を解決できるとは言いませんが、お金の問題を解決できるのはお金しかないというのも事実なのです。貯金の必要性を十分に感じていただいたところで、次章から具体的な道筋を解説していきましょう。
毎月いくら貯金するべきなのか
国の調査結果からさまざまな情報を得たところで、「毎月いくら貯金するべきなのか?」という結論を導き出してみたいと思います。もちろんこれは目安の金額であって絶対ではありませんが、多くの国民が取り組んでいる貯金額を目安とするのであれば、これだけの金額は少なくとも貯金をしていきたいところです。
基本線は「8万円以上」、理想は「10万円以上」
貯金の目安として意識したいのは、「8万円以上」という金額です。この金額の根拠は国の調査結果もそうですが、10年で1,000万円の資産を作るということも目安にすると、少なくとも毎月8万円程度の貯金が必要になるという計算になるからです。この「10年で1,000万円」という計画がなぜ目安になっているのかについては、次章で解説します。
8万円以上という目安は、あくまでも基本線であり、最低限クリアしたい金額です。理想は10万円以上の貯金で、これだけの金額を貯金し続けることができれば、将来に向けてかなり安定感のある資産形成が可能になります。
少なくとも8万円以上、理想は10万円以上というのを、大まかな目安としてイメージしていただければOKです。
収入が足りない場合はどうするか
少なくとも8万円以上?理想は10万円以上?いくら目安だと言われても今の収入ではそれだけの貯金をしていくのは難しいとお感じの方も少なくないと思います。毎月の収入から10万円前後のお金を生活費に使わず貯金に回すというのは、口で言うほど簡単なことではありません。
収入が足りない場合は、どうするか?そこが大きな問題です。副業や不用品の売却など収入を補う方法は以前より多くなっているので、これらの方法を活用して収入を補い、それを貯金に回していくのはひとつの手です。副業や不用品の売却などについては情報が豊富なのでここでは割愛しますが、ここでお伝えしたいのは収入が足りないからといって貯金の目安よりも金額を少なくするのはやはり得策ではないということです。
この記事では貯金がなかなか続かない人、貯金の方法が分からないという人のために貯金術のノウハウを解説しますので、収入が足りない、貯金に回すお金を捻出するのが難しいとお感じの方はそちらも参考にしてください。
借金がある場合はどうするか
貯金に回すお金が足りないという人の中には、借金があるというケースもあるかと思います。借金がある場合はどうすれば良いのかという答えは、借金の種類によって異なります。
まず、住宅ローンがある場合。住宅ローンは不動産の購入と引き換えに利用している借金なので、これまで計画的に返済できているのであれば特に問題はありません。住宅ローン返済のために貯金にお金が回らないということもあると思いますが、家という資産が将来残ることを考えると、住宅ローン返済も将来への投資と考えることができます。
それでもなお現金としての貯金をしていきたいという場合は、住宅ローンの繰上げ返済をおすすめします。もちろんそれは可能であればの話になりますが、繰上げ返済をすることによって返済総額を圧縮することができるので、その圧縮分が貯金に回ります。ただし、住宅ローンの繰上げ返済には手数料がかかるので、あまり小刻みにするのではなく100万円単位のお金が貯まった時にまとめて返済をするほうがオトクです。
住宅ローン以外の借金がある場合は、どうでしょうか。大学進学の奨学金やクルマのローン、生活費や遊興費のために消費者金融から借りているお金などは、問答無用で可能な限り繰り上げ返済をしていきましょう。特に消費者金融からの借金は金利がとても高いので、1万円でも余裕があれば返済を優先するべきです。
単身者はより多めの貯金を心がけよう
結婚をして子供を持っている世帯よりも、単身世帯のほうが自由になるお金は多くなります。かつては独身貴族といって自由を謳歌する人も多かったものですが、単身者の方々は貴族を謳歌してばかりもいられません。
というのも、単身者の場合は今は良くても将来になってからの備えがさらに多く必要になるからです。先ほどから目安として挙げている8万円や10万円という金額は家族を持っている世帯を前提にした金額なので、単身世帯の場合はさらに多くの金額を貯金に回したいところです。現役世代の時の支出が少ないのですから、これは決して難しくはないはずです。
あくまでも目安ですが、少なくとも10万円以上、理想は15万円以上の貯金ができていれば、将来におけるリスクを大幅に軽減できるでしょう。
貯金のシミュレーションと目標の設定方法
貯金には目標が必要です。なぜなら、目標を定めることでその目標に向けてどれだけの貯金が毎月必要か、どれだけの期間が必要か、さらに必要な運用利回りも明らかになります。そういった計画を立てるために有効なのが貯金のシミュレーションです。
毎月貯金できそうな金額を貯金した未来をシミュレーションしてみよう
ネット上には無料で使える便利なシミュレーションツールがあります。これを利用しない手はないので、このシミュレーションツールを使って今考えている貯金計画を実行したらどうなるのかを試算してみてください。おすすめのツールは、新生銀行のシミュレーションツールですが、この他にも証券会社や銀行などがそれぞれのサイトでシミュレーションツールを提供しています。
このツールで毎月の貯金額(積立額)と運用利回り、運用期間を入力すると瞬時に結果が表示されます。しかも棒グラフで表示されるので、視覚的にも分かりやすいと思います。利回りについてはまだ言及していないので、ここにはゼロもしくは任意の数字を入れていただければOKです。
老後に向けて2,000万円を達成するのに必要な貯金額の目安
金融庁の諮問機関が提出した報告書に記載されていたのが、「老後2,000万円が不足する」という指摘でした。この2,000万円という数字が独り歩きをする形で大騒ぎになりましたが、この2,000万円という金額は全くの当てずっぽうというわけでもないので、ここでは老後に向けて2,000万円が必要になるという前提で貯金のシミュレーションをしてみたいと思います。
目標金額が2,000万円で老後が始まるのが65歳、そこから逆算して45歳から20年間の積み立てをするという想定でシミュレーションしてみた結果が、以下の通りです。
ここで導き出された金額が、8万4,000円です。運用をせず単純に8万4,000円ずつ20年間貯めていくと、見事2,000万円に到達します。記事の冒頭から8万円という数字が何度も登場していますが、ここでも改めて貯金額の目安として8万円台の金額を意識する結果となりました。
すでに40歳以上の人は貯金期間を短く設定しよう
先ほどの試算では老後が始まる年齢を65歳と設定しました。近年では年金支給開始年齢が引き上げられたことを受けて、また経験豊富な人材の確保という観点からも定年が65歳まで引き上げられる企業が増えており、その時代背景を踏まえて65歳としましたが、従来は60歳が定年です。
お勤めの会社が60歳定年なのであれば、老後のスタート時点を60歳にする必要がありますので、すでに40歳を超えている方は貯金期間を20年よりも短くする必要があるかも知れません。
重要なのは老後が始まるまであと何年あるかということで、その年数で貯金期間を設定し、試算をすることで毎月必要な貯金額の目安が明らかになります。
資産運用によって貯金を増やそう
先ほどの試算では、運用利回りをゼロと設定しました。単なる貯金だけなら運用益がないのでゼロで良かったのですが、実際には資産運用によって増やすことができるため、この運用利回りの欄には何らかの数字が入ります。
仮にこの欄に3%という数字を入れたらどうなるでしょうか、再び試算してみると、毎月の必要な貯金額は6万2,000円です。かなり毎月の負担が少なくなるので、資産運用を味方につけることで貯金の成功確率が飛躍的に高くなることがお分かりいただけると思います。
しかし、ここでもうひとつの疑問がおありだと思います。このゼロ金利の時代に果たして3%もの利回りで運用することなどできるのか?というものです。その答えについては後述しますが、先に結論を言ってしまうと年利3%以上の資産運用は十分可能なので、どうぞご期待ください。
なかなか貯金が続かない人のための「成功するする貯金術」5選
貯金にチャレンジするものの、なかなか成功しない人というのは少なからずいます。しかし、来たるべき将来や老後のことを考えると、いつまでも「苦手だから」で済ませるわけにもいきません。なぜ貯金がうまくいかないのかという理由と、それを克服する方法を解説します。
貯金が続かない本当の原因
貯金が続かない人と続く人はまるで別の人種であるかのように考える人がいますが、それは大きな誤りです。貯金が続かない人と続く人との間に資質の差のようなものがあるわけではなく、単に貯金が続く人はそもそもお金に余裕があるか、もしくは貯金の方法を知っているというだけのことです。
前者のお金に余裕がある人は貯金術とは関係がないので省くとして、後者の貯金の方法を知っている人というのは、この方法を知ることによって誰にでもマネをすることができます。
これまで貯金がなかなかうまくいかなかったのは、単に貯金の方法を知らなかっただけ・・・その前提に立って、次項からはそこから脱却するための貯金ノウハウを伝授します。
筆者おすすめの3大貯金術
これまで実際に筆者もしくは筆者に相談をしてきた人が成功した貯金術を、3つご紹介します。この中で最も自分に合っているとお感じのものから試してみてください。もちろんどれかひとつだけにこだわる必要はなく、可能であれば複数の方法を併用しても構いません。
①強制先取り貯金 生活費の余りを貯金するのではなく、給料など収入が入った直後に貯金分のお金を抜き取り、そこから残ったお金で1ヶ月の生活をまかなうという方法です。生活費を削ることになるため、無理をしすぎないことも続けていくコツです。最初のうちは不便さを感じるかも知れませんが、やがて慣れてきます。慣れてくると貯金分を抜き取ることが当たり前になるので、そのお金がなくても生活に困らないような知恵を働かせることもできるようになります。
②特定硬貨、特定条件貯金 財布の中にある特定の硬貨を見つけるたびに貯金するのを、特定硬貨貯金といいます。1円玉や5円玉で続けている人は意外に多いのですが、これだとまとまった金額になるまでに時間が掛かってしまいます。ここは敢えて500円玉か100円玉で取り組みたいところです。
また、特定の条件が成立した時に貯金箱に一定額を入れるという貯金術もあります。家庭内だと「照明を消し忘れたら100円」「帰るのが遅くなったら500円」といったようにペナルティに近い形で設定するのも良いでしょうし、毎日の通勤で「電車の席に座ったら100円」「この交差点で赤信号に引っかかったら100円」といったように、努力では対処できないような運任せの条件を設定すると、日々の生活にゲーム感覚を採り入れることもできます。
③つもり間引き貯金 つもり貯金というのは、「〇〇したつもり」「〇〇を買ったつもり」といったように消費の直前に一度再考をして、消費を思いとどまったらその分を貯金するという方法です。タバコやお酒など嗜好品やコト消費を間引くように取り組むとストレスをあまり感じることなく結果を出すことができます。特にタバコは1日に2箱吸っているような人がそれを1箱にするだけで、1日あたり500円近くの節約が可能になります。
この貯金術のコツは、完全にゼロにしてしまうのではなく、間引き程度に留めておくことです。週に3回飲みに行っている人がそれをゼロにするのは現実的ではないので、それを2回、もしくは1回にするといった具合です。続かなければ意味がないので、できるだけ無理のないルール設定をしましょう。
家計簿アプリも活用の価値あり
スマホアプリの世界に、家計簿アプリというジャンルがあります。文字通り家計簿をアプリでつけることができるのが特徴で、家計簿アプリを活用することでお金の流れを可視化することができます。
お金の流れを可視化すると生活に潜んでいる無駄遣いも一目瞭然になるので、無駄を省いて節約をするのにも役立ちます。例えば、コンビニで頻繁に数百円レベルの買い物をする人は、それが積もると大きな金額になっていることに気づくでしょう。ここにメスを入れるだけで、かなりの節約(つまり貯金の捻出)ができるはずです。
家計簿アプリについては当メディアに詳しい解説記事がありますので、興味がある方はぜひそちらも併せてお読みください。
・厳選家計簿アプリ4選!想像以上の実力で「本来の目的」を達成しよう
気づけば貯金が貯まる「おつり投資」
日々の買い物などでもらうお釣りは、1回あたりの金額は大したことないかも知れませんが、それが積もると大きな金額になります。このお釣りに着目した投資サービスに、「トラノコ」があります。
このサービスではあらかじめクレジットカードや電子マネーなどを登録しておき、それを使って買い物をして端数をコツコツと貯めていく仕組みになっており、毎月その貯まった金額を投資に回すことができます。端数については桁数を設定できるため、10円単位、1円単位といったようにどのお釣りを貯めていくかを自由に決めることができます。
知らない間にお金が貯まっていて、しかも投資によって増やせる可能性があるというのが、このサービスのユニークな点です。
・トラノコ
ポイント投資で「お金を使わない投資」
TポイントやPonta、楽天スーパーポイントといったように、日本国内にはたくさんのポイントシステムがあります。これらのポイントは現金のように買い物に利用することができますが、今は投資にも使うことができます。
このようにポイントを使って株を買ったり投資信託を買ったりする投資のことを、ポイント投資といいます。ポイントシステムの各陣営に同様のサービスがあるので、お使いのポイントシステムに該当するサービスがあるのであれば一考の価値があります。
・ネオモバ
・楽天証券
貯めるだけではもったいない!貯金を運用してしっかり増やそう
貯金はどの程度するべきかという目安と、その根拠をご理解いただいたところで、最後にはせっかく貯めている貯金をしっかり増やして豊かな未来を実現するための方法を解説したいと思います。年利3%の運用ができれば毎月の貯金額が2万円も少なくなったことにも言及しましたが、ここ述べていくのはそれを実現するための方法です。
貯金は増やすことができる
将来のために貯めている貯金には、大きな特徴があります。それは、今すぐ必要になるお金ではないことから、資産運用に使うことができるという点です。資産運用をするにはお金が必要ですが、生活費などすぐに必要になるお金を使ってはいけません。あくまでも余剰金、今すぐ必要ではないお金で取り組むのが基本なので、貯金はその意味でも最適なお金です。
貯金は増やすことができるお金であり、むしろ増やさなければもったいないお金であると認識してください。
目標は年利3%
すでに資産運用の利回りとして「3%」という数字を出してきていますが、現在の金融情勢を考えて資産運用の目標利回りもこれと同じ3%とに設定したいと思います。
ゼロ金利、さらにはマイナス金利が続いている日本で3%の利回りで資産運用ができるのかという疑問がおありだと思いますが、この記事では目標利回り3%を前提におすすめの運用方法を厳選しました。
年利3%を実現するおすすめ運用法3選
実際に運用利回りが3%を超えているおすすめの運用方法は、以下の3つです。
①J-REIT 上場されている不動産投資信託のことをJ-REITといいます。J-REIT全体の分配金利回りは平均で3%を超えているので、これが続くようであれば中長期的に3%の資産運用が可能になります。
②高配当ETF 株価指数などマーケット全体の指数と連動するように運用されている投資信託のことをインデックスファンドといいますが、その中でも証券取引所に上場されている銘柄群をETFといいます。ETFの中には高配当株式だけを組み込んだ指数と連動するものがあり、日本株、アメリカ株ともに同様の銘柄は利回りが3%を超えています。日本株では「東証配当フォーカス100」、アメリカ株では「VYM」というETFがこれに該当します。
③ソーシャルレンディング クラウドファンディングの仕組みを応用して投資家からお金を募り、それを元手に事業を行なって収益を分配する仕組みのことを、ソーシャルレンディングといいます。ソーシャルレンディングには遅延や失敗の事例も多いためあまり低リスクとは言えない部分がありますが、その中でも不動産系のソーシャルレンディングは比較的安定しており、業者選びを間違えなければ高い利回りの運用が可能です。
大手の中では「オーナーズブック」「LCレンディング」「LENDEX」などが有名で、実績も豊富なので投資の安全性も高いと言えます。
もっとアクティブに増やしたい方のためのおすすめ運用法3選
3%とは言わず、もっとアクティブに貯金を増やしたいという方のための運用方法も3つご紹介します。ただし、これらは利回りが高い分だけリスクも高いので、貯金の全部ではなく一部を投資するという感覚で付き合うのが良いと思います。
①高配当大型株 株式投資の中でも配当が安定して出ている大型株を長期保有し、毎年の配当で資産を増やす運用方法です。個別銘柄を買うことになるためリスクは高くなりますが、株価上昇による利益を狙うこともできます。
高配当株については以下の配当利回りランキングや、東証配当フォーカス100という株価指数に組み込まれている銘柄から探すと見つかりやすいと思います。
・東証配当フォーカス100指数組み入れ銘柄一覧(日本取引所)
②FX高金利通貨スワップ. FXというと為替レートの変動によって差益を狙っていく投資というイメージが強いですが、FXにはスワップという収入源があります。日本円は実質的にゼロ金利状態が続いていますが、世界には日本よりもはるかに金利が高い国々があります。日本円を売って金利の高い通貨を保有することによって金利差を調整するために支払われるスワップは毎日発生するため、これを継続することで金利の高い外貨預金と似た効果を得ることができます。
トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどが高金利通貨の常連ですが、いずれも新興国なので政治・経済の両面で不安定要素があることは忘れないでください。トルコリラは1万リラを保有することで毎日70円前後のスワップが発生するので東リ効率も高いですが、リスク管理をお忘れなく。
③ロボアドバイザー 今どきの投資手法として、ロボアドバイザーが人気を集めています。AIに一任することで自動的に投資信託などの売買をしてくれて、一定の投資効果が出ていることから今後も人気が高まることが予想されます。以下の2つのサービスが特に有名なのでご紹介します。
・THEO
まとめ
貯金を始めるのにあたって目安となる金額の考察から始めて、その貯金額を確保する方法、そしてせっかくの貯金を運用して増やす方法まで解説をしてきました。「少なくとも8万円以上」という目安額に最初は戸惑われたかも知れませんが、その根拠や対策を知ることでよりリアルに感じていただけたのではないでしょうか。貯金に加えて運用のノウハウを解説したのは、貯金を持っているだけだとインフレによって価値が下がってしまうリスクがあるため、そのリスクから資産を守るという意味合いも込めました。お金を増やしながら守るという考え方で、将来に向けてしっかりとした備えを始めましょう!