マンション売却は4ステップ!失敗を避けるなら4つの注意点を守ろう
By Oh!Ya編集部
1,507view
初めてのマンション売却は分からないことばかり。必要な手続き、発生する税金の存在を考えて不安で一杯になるものです。
- マンション売却の流れ
- マンション売却の注意点
- どのような税金が発生するのか
今回は、上記のポイントにフォーカスして、「失敗しないマンション売却」に必要な基礎知識や注意点をご説明します。
目次
4ステップ!マンション売却の流れ
マンション売却の流れは、細かく分解していくと複雑なのですが、初めから全てを覚える必要はありません。実際に売却するときは不動産会社の協力も仰ぐため、売り手はひとまず大まかな流れだけを掴んでいれば大丈夫です。
この項では、マンション売却の流れを4ステップに分解して、順番に解説していきます。
ステップ1:不動産会社に売却価格を査定してもらう
マンションを売却するなら、まず不動産会社に売却価格の査定をしてもらいます。このとき、査定を依頼する不動産会社は少数に絞らず、複数の会社に見積もりを出してもらいましょう。
もちろん、マンションには相場価格が存在しているのですが、不動産会社の考え方によって査定価格は異なるケースがほとんど。数百万円レベルの差が出る場合もあるため、高値で売れることを知らないまま売却して損をする可能性があるのです。
また、査定結果が相場価格から大きく乖離していないか知るため、各地域の過去の成約価格を検索できる「REINS Market Information」も利用することをおすすめします。
- 地域
- 最寄り駅・距離
- 築年数
- 成約時期など
これらを含む多数の条件から、売却予定のマンションと同等の物件が、どれくらいの価格で売買されているのか調べられます。
ステップ2:信頼できる不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産会社を選ぶとき、査定価格は重要な項目の1つです。しかし、それだけで信頼してしまってはいけません。
なぜなら、査定価格は「これくらいで販売できます」という目安であって、実際にその価格で売却が決まるわけではないからです。極論、売り手に自社を選んでもらうために、査定価格を吊り上げることも可能だといえます。
そのため、査定した結果から候補を選別しつつも、不動産会社に所属するスタッフの雰囲気に注意してみてください。
- 電話・メール対応が丁寧
- こちらの要望に対してレスポンスが早い
- ポジティブな主張ばかり押し付けてくる印象がない
こういったポイントから不動産会社を絞れたら、売買の仲介を依頼するため「媒介契約」を結びます。
3種類ある媒介契約の内容と特徴
媒介契約は種類が3つあり、それぞれ以下のような特性があります。
- 一般媒介:複数の不動産会社に宣伝・仲介を依頼しても良い
- 専任媒介:1つの不動産会社にしか宣伝・仲介を依頼してはならない
- 専属専任媒介:1つの不動産会社が紹介した人以外と売買してはならない
基本的には、一般媒介か専任媒介から選ぶことになります。一概にどちらが良いとはいえませんが、一般媒介は他社に成約を決められる可能性があるため、優先的に宣伝活動へ力を入れてもらえない傾向が強いです。
一方、専任媒介を結べば他社に成約を決められて、宣伝活動が無駄に終わる可能性がないため、一般媒介よりも買い手探しに力を入れてもらいやすいです。そのため、宣伝を意識しなくても売れる人気エリアのマンションなら一般媒介、積極的に宣伝しなければ売れづらい地域のマンションなら専任媒介がベターだといえます。
なお、専属専任媒介は、要約すると「1社以外に依頼してはならず、自力で買い手を見つけたときも、依頼した1社の媒介により売買します」という契約です。専任媒介をより厳しくしたもので、実務で利用されることはそれほどありません。
ステップ3:サイト・広告でマンション購入者を募る
媒介契約を結んだあとは、ウェブサイトや広告にマンションが掲載されます。このステップから、いわゆる「売却活動」が始まり、内覧希望者に対応することとなります。
内覧まで希望する人は、マンションの概要を調べたうえで見学に訪れているため、基本情報よりも「文面では分からない魅力」に気付いてもらえるよう、実際に所有しているからこそ知っている情報を伝えられるとベストです。
- 周辺の夜道は街灯があるので明るい
- 防音性が高く生活音は気にならない
- 車通りはほとんどなく事故の心配が少ない
上記は、実際にマンションを所有している売り手だからこそ、説得力のあるアピールとして機能します。このように、相手がどのような人物なのか見極めて、何を重視しているのか探りつつ成約へ誘導したいところです。
ステップ4:売却が決まれば契約をして引き渡す
取引価格のすり合わせを終えて購入希望者の意思が固まり、購入申込書を提出してもらえれば売買契約を結びます。その後、手付金を受け取って、不動産会社に仲介手数料を支払えば、残る大きなイベントは決済のみです。
売買契約時に決定した日付でマンションを買い手に引き渡して、購入金額を受け取ることでマンション売却は完了します。
マンションを売却するときの注意点
マンションの売却プロセスは、それほど複雑ではありませんでした。しかし、エリアによってはなかなか購入希望者が見つからず、マンションが売れないまま時間だけ経過してしまうケースもあります。
こういった場合、どのようなポイントを意識すれば売れやすくなるのか、いくつかの視点で解説していきます。
マンションが売れない2大原因とは?
マンション売却にあたり、最も望ましくないケースは「売れない」という状況が続くことですよね?マンションの購入希望者が全くあらわれないときは、売却価格の妥当性を最初に疑いましょう。
先ほど解説したように「REINS Market Information」などを利用して相場価格を調べることも大事ですが、相場価格を意識しすぎて価格設定に柔軟性がないのは考えもの。相場価格はあくまで安売りし過ぎないための目安です。
私たちは自分の所有物を売るとき「授かり効果」により、所有物を客観的な評価より高く見積もってしまうため、買い手から見れば適正価格ではないかも知れないと疑う姿勢を持ちましょう。
適正価格であるにもかかわらずマンションが売れないとき、原因として考えられるのは「不動産会社の宣伝・販売力の弱さ」です。不動産会社には、賃貸に強い会社・戸建の仲介を得意とする会社・マンション売買をメインにする会社など、さまざまなタイプがあります。
このなかなら、マンション売買を得意とする会社が、最もマンション売買のノウハウを蓄えていると想像できますよね?契約を結ぶまえに、会社HPや問い合わせで過去実績をリサーチし、マンション売買の実績が豊富である不動産会社を選びましょう。
余裕を持って売却に臨むことが重要
マンションをできる限り高値で手放したいと考えるのであれば、売却を急いではいけません。早く現金化しなければならない状況だと、期日までに高値で買い取ってくれる取引相手が見つからず、安値で手放すケースが多いからです。
切羽詰まっていると、強気な価格交渉ができず買い叩かれる可能性が高まるため、マンション売却は余裕を持って臨むことをおすすめします。
期間・価格ともに損切りラインを明確にする
先ほど、時間に余裕を持ってマンション売却に臨むことが重要だと述べました。
しかし、マンション購入の希望者が一向にあらわれず、1年も2年も売れないままでは困ります。マンションの資産価値は年々下がるため、売れ残っているあいだに期待できる売却益は減少しているのです。
そのため、予想に反して売れない場合は、値下げして成約を誘うしかありません。ただ、このとき無計画に値下げすれば、売り急いだ場合と似たような結果になるため、「いつまでに売れなければ〇円値下げする」というように、売値のラインを事前に設定することをおすすめします。
売りたいマンションを保有したままという状況も、大幅な安値で手放すことも所有者にとっては損失であるため、どちらの状況にも陥らないよう値下げ計画を立てるべきなのです。
売却するマンションは清掃を徹底する
マンションの購入希望者は、価格・築年数・立地などを重点的にチェックしますが、成約を決めるポイントはここだけではありません。人は何かを見たとき、本質や機能よりもビジュアルで判断してしまいやすいです。
たとえばマイカーを買うとき、車内が埃っぽくシール跡が付いている中古車と、細部まで清掃されており新車のように感じる中古車があったと想像してください。
前者は「汚い・古そう」という第一印象を受けますが、後者は車内を見た途端に「この車に乗ったら何をしよう」と手に入れたあとの未来をイメージしませんか?そして、どちらも同じ価格で値段交渉もできないとすれば、大多数が後者を選ぶはずです。
マンションもこれと同じで、購入者がネガティブに感じる傷・汚れを解消することで、成約率がグッと高まります。清掃に多少の労力やコストがかかったとしても、数百万〜数千万円の商談がスムーズに進むと思えば安いものです。
少しでも高値でマンションを売却したいと考えるなら、清掃は徹底しておきましょう。
マンション売却時に発生する税金
マンション売却時に発生する税金は主に4つ。印紙税と登録免許税、譲渡所得税・住民税です。
それぞれ、ケースによっては支払う機会がないものもありますが、概要だけは押さえておきましょう。
印紙税
マンションの売買時は、契約書や領収書に印紙を貼り付けることで「印紙税」を納めます。軽減措置のある2020年3月31日までは、以下のような規定にもとづいて印紙税が決定されるため、一般的なマンション売買時の印紙税はおおよそ5,000~3万円程度です。
不動産譲渡契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
---|---|
10万円超~50万円 | 200円 |
50万円超~100万円 | 500円 |
100万円超~500万円 | 1,000円 |
500万円超~1,000万円 | 5,000円 |
1,000万円超~5,000万円 | 1万円 |
5,000万円超~1億円 | 3万円 |
1億円超~5億円 | 6万円 |
5億円超~10億円 | 16万円 |
10億円超~50億円 | 32万円 |
50億円超~ | 48万円 |
参考:(国税庁「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」を抜粋・改編)
なお、印紙税を納めなかった場合、ペナルティとして「過怠税」が課せられるため注意しましょう。
登録免許税
マンションを売買するにあたり、登記の変更が必要となります。このとき申請にかかる税金が登録免許税です。
登録免許税法の第3条には「当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負う」と記載されていますが、実際には買い手だけが負担するケースも多くあります。
ただし、ローン完済後に抵当権抹消という手続きを行っていない場合、抵当権抹消登記は売主が負担します。なお、手続きは時間がかかり煩雑であるため、司法書士に依頼して代行するのが最もスムーズです。
譲渡所得税・住民税
マンションの売却により購入費用を上回る利益が出たとき、その利益に対して譲渡所得税と住民税が課せられます。譲渡所得税は、購入から売却までの期間により税率が変化するため、購入してから短期間のうちに売却するときは注意しましょう。
- 購入後5年以内に売却したとき、所得税30%+住民税9%が課税される
- 購入後5年を超えてから売却したとき、所得税15%+住民税5%が課税される
上記のように、短期譲渡と長期譲渡では税率が大きく異なるため、マンション売却にあたり利益が出そうであれば、購入から何年経過したのか再確認することをおすすめします。
まとめ
金銭的な面でいえば、マンション売却は今後の人生を左右する一大イベント。誰しも「少しでも高く売却したい」と考えるものです。しかし、そういった希望に反して業者のリサーチを適当に済ませたり、内覧時に見学者へのアピールを怠ったりするケースは多々あります。
売却は決して運に委ねるものではありません。不動産会社に丸投げするのでなく、地道な調査やマンションを良く見せる工夫をして、初めて希望価格で売却できるのです。
マンション売却未経験のうちは、価格設定に悩んだり売り急いだりしがちですが、不動産会社との二人三脚を意識して冷静さを失わずに臨んでください。