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【最新版】不動産投資の国内利回り相場まとめ

By Oh!Ya編集部

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【最新版】不動産投資の国内利回り相場まとめ

不動産投資に限った話ではありませんが、資産運用を考えたとき、一番気になるのはやはり利回りでしょう。

このページでは、物件の種類ごとの大まかな利回りの相場や、押さえておきたい数字の算出方法。損をしないための物件選びのコツなどを網羅的に解説していきます。

これから不動産投資を考えている人は、ぜひ参考に目を通してみてください。

不動産投資の利回り相場を大調査

カラフルな数字

まずは、2018年10月時の、日本国内の投資不動産の利回り相場について紹介します。

<東京都内の賃貸不動産の利回り相場>

住宅の種類立地条件/類型期待利回り想定利回り
ワンルーム城南地区(目黒区・世田谷区)4.4%4.0%
城東地区(墨田区・江東区)4.5%4.2%
ファミリー向け城南地区(目黒区・世田谷区)4.4%4.1%
城東地区(墨田区・江東区)4.7%4.3%
外国人向け高級賃貸住宅低層型/港区(麻布・赤坂・青山)4.5%4.2%
超高層型/港区(麻布・赤坂・青山)4.5%4.2%
※ワンルーム、ファミリー向けは、駅徒歩10分以内、築年数5年未満、総戸数50戸。 ※外国人向け高級賃貸住宅は、築年数(または大規模修繕経過後年数)が5年未満、平均専用面積100平方メートルで、低層型は20戸以上、超高層型は20階以上。

<東京以外の同条件物件の期待利回り>

地区ワンルームファミリー向け
札幌5.5%5.7%
仙台5.5%5.7%
さいたま5.3%5.5%
千葉5.3%5.4%
横浜5.0%5.0%
名古屋5.1%5.2%
京都5.2%5.3%
大阪4.9%5.0%
神戸5.2%5.3%
広島5.8%6.0%
福岡5.2%5.3%

※参考:第39回 不動産投資家調査(2018年10月現在)

ちなみに期待利回りとは、投資家が期待している実質利回り。取引利回りとは、投資家が実際の取引を観察して想定する実質利回りです。

2018年の利回り相場は、前年と比べるとほぼ横ばいで推移しており、どのエリアにも極端な変化は見られません。

今後の利回り推移予測

2010年以降、利回りは緩やかに低下していますが、基本的には今後も東京、地方問わず現状維持で推移していくことが見込まれています。

先に利回りの相場データを引用した「第39回 不動産投資家調査(2018年10月現在)」でも、投資家の過半数は現在の状況が2020年ころまで継続するであろうことを予想しています。

利回りについて知っておきたい6つのこと

コーヒーと本

不動産投資において、利回りはもっとも身近な数字です。しかしその実体は掴みどころがなく、単純に手取りの目安として考えていると、最初に見た数字と現実の利益との差に振り回されてしまう可能性も。

ここでは、利回りの実体を把握するために押さえておきたいポイントを紹介します。

利回りは変化する

まず知っておきたいのが、当初に出される利回りはあくまでも予測であって、運用にあたって変化する可能性があるということ。

多くの場合、運用開始当初がもっとも高利回りで、時を重ねるごとに下がっていくこととなります。近年は以前ほど新築を重視する傾向はなくなってきましたが、それでも築浅で外観・内装ともに綺麗な方が、入居者に選ばれやすいことは間違いありません。

経年劣化で建物の資産価値が減少していくにつれ、家賃を調整する必要が出てきます。

また、仮に家賃はキープしたとしても、建物の維持・管理にコストが掛かる可能性も。修繕費は毎月積み立てることになっていますが、もしこの見積もりが甘かった場合、いざという段になって不足分を補わなければならないかもしれません。

このような不測の事態をいちいち想定するのは手間ですし、基準となる数値がないと、さまざまなシミュレーションを比較できません。そのため、物件価格を想定される家賃×運用期間で割る、というような単純な利回りがまず参照されるわけです。

利回りには種類がある

不動産投資で利回りという場合、その意味するところは大きく分けて2つあります。表面利回りと実質利回りです。

簡単に言えば、表面利回りは利益だけを想定して、経費を計算に入れないで出した利回り。一方、実質利回りは、経費等を想定して算出した、より期待できる手取りに近い利回りです。

物件情報を参照するときは、示されている利回りがどちらを指しているのか、まず判断することが大切です。

利回りはリスクと比例する

不動産投資に限らず、資産運用では利回りとリスクの間に相関関係があります。利回りが高ければ高いほどリスクも高く、低ければ低いほど安全、という具合です。

ごく稀に、高利回りで低リスクな投資商材もありますが、情報化が進んでいる昨今、そうした商材にはすぐに投資家が殺到して価格が跳ね上がります。結果的に、利回りが低くなってしまうわけです。

投資不動産にも、これと同じようなことが言えます。

たとえば築古の木造アパートで、駅から遠い物件は、割安価格で売りに出されることが多い反面、入居者が入りづらく、購入したとしても安定的に家賃が得られる可能性は低いです。

うまく運用できたときには高利回りが実現できますが、空室が出てしまった場合は、返済分が丸々負担になってしまうリスクがあります。

高利回り=手取りが多い、というわけではないことは、知っておくとよいでしょう。

物件の条件により狙い目の相場が違う

たとえば1,000万円で利回り8%の物件を1年運用した場合、単純に計算すると得られる利益は80万円です。

一方、2,000万円で利回り5%の物件を1年運用した場合、得られる利益は100万円。

利回りは1,000万円の物件の方が高いのに、手取り額は2,000万円の物件の方が高くなります。

利回りを大きく左右するのは、立地や築年数など、入居者が重視する諸条件。したがって、希望の利益を得るための利回りは、物件の条件によって違ってくることとなります。

具体的にどのくらいの利回りを見込むべきかは、予算や購入候補の物件価格によって異なるため、自身のケースに当てはめて、最適な利回りを検討されてみてください。

優良な物件は利回りだけでは判断しづらい

ここまで解説してきたとおり、利回りが低い=優良物件ではない、ということではありません。

むしろその逆で、優良物件だから売れやすく、利回りが低いのです。とはいえ、オーナーにとっての優良物件は、最終的な手取りが多いかどうかですよね。

そういった意味では、高利回りの物件と低利回りの物件、どちらを選ぶべきか、というのはとても難しい問題です。

築古で高利回りの物件を割安で取得し、リノベーションした上で運用すれば、初期コストこそ大きくなるものの、継続的に得られる賃料は高くなります。

一方、新築で低利回りの物件を割高で購入してしまうと、お客さんこそ入っても、賃料が返済でほとんど相殺されてしまい、手取りが数千円程度になってしまうことも考えられます。

繰り返しになりますが、利回りはあくまで目安程度と考えて参考にすることが大切です。

不動産投資の利回りの基本を知る

白い電卓

続いて、利回りについての基本的な知識を改めて見ていきましょう。

まずは、利回りの種類です。

種類と計算方法

利回りには、大きく分けて表面利回りと実質利回りの2種類があります。

表面利回り

表面利回りとは、一言で言えば「ざっくりした利回り」です。

以下の数式で計算をします。

  • 年間の家賃収入÷物件価格

投資不動産を運用するには、管理費や修繕積立金など、細々とした費用が発生します。そうした費用を考えずに、単純に年間得られる賃料の合計を、物件価格で割って算出をします。

直感的にわかりやすい数字であるため、一般に利回りと言う場合は、この表面利回りを指していると考えて良いでしょう。

じっさい、収益物件の情報サイトなどでも、この数字が参考情報として掲載されていることがほとんどです。

実質利回り

実質利回りは、一言で言えば「現実に近い(しかし厳密ではない)利回り」です。

以下の数式で算出します。

  • (年間の家賃収入-経費)÷物件価格

家賃収入から、物件に掛かる各種税金、管理会社に支払う委託費、修繕積立金等の経費を差し引いた現実的な手取りを、物件価格で割って算出します。

ただ注意したいのが、空室率や、入居者を募集するための広告費用などは、計算に入っていないという点。現実に近い数字とは言っても、じっさいに得られる利回りは、実質利回りよりも低くなることが多いでしょう。

基本的には表面利回りをチェック

物件を選ぶときは、主に表面利回りを見ることになるでしょう。算出に使われる費用項目が少なく、物件ごとの差を吸収できるため、大まかな目安とするのに便利だからです。

もちろん、現実の数値はさらに低い、という事実を念頭に置いておく必要がありますが、不動産投資について知るうちに、表面利回りを見ただけで、実質利回りについてある程度当たりをつけることができるようになります。

妥当な利回りの範囲

ちなみに、妥当な表面利回りの範囲ですが、概ね5~8%前後が相場と考えていいでしょう。実質利回りで言えば、3~5%あたりが堅実な範囲と言えます。また、中古物件の場合はこれより多少上振れします。

もし、この範囲を逸脱する範囲の物件、例えば表面利回りが4%以下の新築物件は、魅力はあるものの割高。反対に表面利回りが10%以上の物件は、割安である一方でリスクが高い、と判断できます。

もちろんこれは、目安の話です。たとえば今後、もし投資物件の数が増えすぎた場合には、空室対策のために家賃を下げる必要が出てきて、それにつられて妥当な利回りの相場も引き下げられるかもしれません。

投資に関する数字が流動的なものである、ということは、ぜひ知っておくとよいでしょう。

利回りを左右する要因

利回りは、家賃収入と物件価格から算出されます。これは両方とも、物件の魅力に大きく依存する項目です。利回りは、物件の魅力を判断するバロメータとも言えるわけです。

たとえば利回りは、以下のような項目に左右されると判断できます。

項目利回り高い(リスク高い)利回り低い(リスク低い)
種類商業用物件居住用物件
エリア地方都心
立地駅が遠い駅が近い
間取りファミリー向け単身者向け
築年数古い新しい
構造木造鉄骨・RC

これらの項目が相互に影響しあって、最終的に物件の魅力となって表れてきます。初心者のうちは、比較的リスクが小さい、表の右側の項目に多く当てはまる物件を選ぶのがおすすめ。

ただ、不動産投資の戦略は無数にあります。たとえば地方の木造築古物件を中心に購入していき、自身のセンスで生まれ変わらせて、満室経営をしている不動産投資家も存在します。

不動産投資で一定以上のお金を稼ぐつもりなら、ある程度経験を積んだ段階でリスクの高い物件にトライしてみるのもよいでしょう。

押さえておきたいキャッシュフロー

利回りは、あくまで表面的な数字です。より具体的に手取り額を把握するためには、キャッシュフローをチェックする必要があります。

キャッシュフローは、文字通りお金の流れ。どこからいくら入って、何にいくら使ったのか。そして、最終的にいくら手元に残るのかを示す情報です。

利回りのような概算と違い、キャッシュフローは不動産投資の生きた情報です。投資物件のバイタルデータ、と言ってもいいかもしれません。

キャッシュフローに目を通すことで、月々の家賃がどの程度返済で相殺されているか。また、利益を圧迫しているその他の要因がないかどうかを、細かく確認することができます。

物件購入の前段階から、利回りと併せて具体的なキャッシュフローのシミュレーションを立てておくことをおすすめします。

不動産投資の収益をシミュレーションする方法

ブタの貯金箱

実際にいくらの利益が出るかは、運用してみるまで分かりません。

不測の事態が起きるかもしれませんし、そもそもシミュレーションが間違っている可能性もあります。

しかし、それでも運用前に行うシミュレーションは有用です。多少の手間は掛かりますが、複数のシナリオを検討しておくことで、目標達成までの道筋をクリアにできます。

もしシミュレーションから外れてきたら、検討したシナリオと何が違うのかを吟味し、随時修正していくことで、ノウハウの蓄積にもなります。

ここでは、不動産投資の収益をシミュレーションするために知っておきたいポイントを紹介します。

収益シミュレーションに必要な数字

収益シミュレーションというと、いかにも難しく聞こえますが、要は入ってくるお金と出ていくお金を把握すればよいのです。

それぞれの項目が細分化されていればされているほど、精度の高い予測が可能になります。

どこまで細分化するかは個人のモチベーションにもよりますが、最低でも以下のような項目は押さえておくとよいでしょう。

  • 物件価格
  • 賃料
  • 返済額
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 滞納保障手数料等
  • 団体信用保険

物件価格は、自己資金がいくらで、借入金がいくらなのか、内訳についても把握しておきましょう。

また、不動産に関する費用は、月々で発生するものが大多数です。月当たりの金額だけでなく、年当たりの金額も別で算出しておくと、複数のシミュレーションを行うときにスムーズに計算できます。

ちなみに、概算では、管理費・修繕費等年間に発生するコストは家賃収入の15~20%程度とされています。ざっくりと収益の目安を把握したい時は、この数字を目安に計算してみてください。

想定しておきたい複数のシナリオ

融資の基準が緩くなり、頭金ゼロでも不動産投資を始めることができるようになりました。

ほとんど手出しなしで運用を始められるのはメリットですが、その場合、返済額で家賃のほとんどが相殺されてしまいます。場合によっては数百円しか手に入らない、ということも考えられます。

また、不動産投資で融資を受けると、たとえば住宅購入など、別の資金需要が発生した場合に、融資を受けづらくなってしまいます。

不動産投資で得られる利益は大きいですが、きちんとした見通しを立てておかないと、後悔しないとも限りません。本当に信頼できるパートナー会社を見つけるか、自身でしっかり勉強をしてシミュレーションを行い、損のない取引をする必要があります。

利回りだけじゃダメ!物件購入時に見るべきポイント

設計図

利回りは利益の目安となる数字ですから、自然と目が行くのも仕方のないことでしょう。

しかし、利回りだけを見て物件そのものを軽視していると、最終的に大損をする可能性があります。不動産投資の利益は、そもそも部屋が埋まっていなければ発生しないからです。

一般に、利回りの高さは、空室リスクの高さと比例しています。物件や、周辺環境の確認をおざなりにしてしまうと、運用を始めたあとに全然部屋が埋まらず、ただただ返済額の負担に苦しめられる、ということにもなりかねません。

ここでは、物件の魅力を判断するために押さえておきたいポイントを解説します。利回りに囚われすぎず、フラットに収益性を判断するための参考にしてみてください。

部屋の広さ

他の条件が同じであれば、部屋の広さが広いほど、利回りが低くなる傾向にあります。一見すると、部屋が狭いほうが魅力に思えますが、実は狭い部屋に住む人は、すぐに引っ越してしまうことが少なくありません。

入学や就職で環境が変わったり、収入が増えたり、要因はさまざまですが、部屋の広さというのは、引っ越す以外に根本的な解決方法がない、というのが大きな理由でしょう。

狭い空間が好きだ、という人もいるかもしれませんが、全体からしたら割合はごく少数。その人達にアプローチする手段もないのに手狭な物件を抱えるのは、リスクが高いと言えます。

自身の空室対策ノウハウを確立するまでは、部屋の広さに妥協しない方が無難です。

交通の便

都心ではとくにそうですが、交通の便、とりわけ、駅が近いかどうかは、入居者が物件を選ぶ上での重要な基準になります。とくに、生活の拠点が住居と離れた場所になりやすい単身向けの不動産は、駅からの距離が遠いほど空室リスクが高くなります。

もちろん、バス停やその他商業施設等、最寄駅以外にも重視したい条件はあります。しかしそれでも、駅からの距離が20分以上もある物件は、いくら利回りが高くとも初心者のうちに手を出すのは控えるべきでしょう。

エリア

物件を選ぶときは、交通の便だけでなくエリアについても、慎重に検討しておきたいところです。

とくに注意したいのが、一般に知名度の高いエリアと、高収益が見込めるエリアは違う、ということ。

知名度の高いエリアは、当然ながら土地や物件の価格も高くなります。利益を出すためには、相応の家賃設定をする必要があるでしょう。

しかし、人気エリアに住みたい層というのは、主に若者です。昨今の若者は、人生の大半を不況下で過ごしてきただけあって、財布の紐が固く、堅実な生活を選ぶ傾向にあります。

つまり、本人たちが住みたいと考えていても、家賃が高ければ別のエリアで検討されてしまう、ということです。

そうなると、もともとその人気エリアに物件を持っていた人は、部屋を埋めるために家賃を下げざるを得ません。多少利益は減っても、マイナスになるより遥かによいからです。

このような背景で、土地や不動産の価格に対して、家賃が抑えられている人気エリアが増えつつあります。

賃貸需要を見込んで人気エリアの物件を購入してしまうと、熾烈な家賃の値下げ競争に巻き込まれてしまうかもしれません。知名度に囚われず、本質的に中・長期的な安定収益が見込めるエリアを選ぶことが大切です。

構造

投資不動産も、住宅と同じように構造によって価格が違ってきます。

木造は安く、鉄筋コンクリートは高い、というような具合ですね。ただ、スクラップアンドビルドが主流だった住宅と違い、投資不動産はキャッシュを生みだすための商品です。

可能な限り小さいメンテナンスで、可能な限り長く運用できるのが理想。用意できる初期投資額で最大限のパフォーマンスを得るためにも、物件の構造についての基本を押さえておきましょう。

木造文字通り、柱や梁を木で造った構造です。コストが低く、将来的な間取り変更も比較的手軽にできます。ただ、耐久性が低いため、30年、40年と運用するには不向きです。
鉄骨木の代わりに、鉄を用いた構造です。木造よりコストは掛かりますが、頑丈な建造物を実現できます。手軽に加工できないため、一度間取りを決めると、簡単には変更することができません。
鉄筋コンクリート鉄筋とコンクリートを用いた、もっとも頑丈で、デザイン自由度の高い構造です。コストが掛かるのがデメリットですが、耐久性が高く、適切にメンテナンスすれば50年以上運用し続けることも不可能ではありません。

築年数

以前は築浅物件に魅力を感じる人が多い傾向にありましたが、築古のリノベーションマンションがオシャレで機能的、かつ家賃が抑え目であることが知られつつあり、築年数については当時ほど厳しく見られることは少なくなりました。

しかし日本は地震大国です。耐震性能については、妥協なくチェックしておきたいところ。とくに、耐震基準が変わった1981年以前に建てられた物件については、注意する必要があります。

大規模修繕履歴・修繕積立金について

大規模修繕とは、マンションのような規模の大きい不動産に義務付けられている、10~15年周期の点検・修繕作業のことです。作業自体は専門業者に依頼するため、対応する必要はないのですが、規模の大きい工事だけあって、相当額の出費が発生します。

そこで普段から大規模修繕用の費用を積み立てておくわけですが、問題はその費用の総額。見積もりが甘く、いざ大規模修繕をする段になって、足りないことが発覚するケースも見られます。

区分マンションを購入する際には、その物件の調査報告書に含まれている大規模修繕の履歴や、修繕積立金の総額をチェックし、そうした突発的な出費が発生するリスクがないかどうかをチェックしておくことが大切です。

節税のために押さえておきたい法人化のこと

積み木

初心者のうちはあまり意識する必要はありませんが、将来的に手持ちの不動産を増やしていくつもりなら、早いうちから勉強しておきたいのが節税についてのノウハウです。

日本では、所得額に応じて負担税率が増えていく、累進課税制の所得税を採用しています。また、住民税についても、所得に対しておよそ10%の割合で課税されるため、収入が増えるにつれて支払う税金は増大していきます。

税金について曖昧なまま不動産投資を続けた結果、目の玉の飛び出るような金額が課税されて驚くケースも少なくありません。早いうちから節税のノウハウに知っておくことは、きっと将来的に役に立つはずです。

ここでは、不動産投資の代表的な節税方法の1つである、法人化について解説します。

法人化のメリット

まずは、法人化で得られるメリットについて簡単に見ていきましょう。

控除の範囲が広がる

節税では、課税される所得をいかに減らすか、というのが最も重要なポイントとなります。

法人化の大きなメリットは、個人の時よりも所得から控除される費用の範囲が広がる点です。単純な経費はもちろん、以下のような、大きな金額の出費も控除できるようになります。

退職金法人化すると、当人やその家族(法人の事業に従事する登録をした場合)に対して、退職金を支給することができます。退職金の場合、所得税よりも税率が低く、また損金に計上することができるため、節税に繋がります。
生命保険料法人化すると、掛け捨ての定期保険の支払保険料を全額損金として計上することができるようになります。
小規模企業共済事業者が入れる小規模企業共済に加入できるようになります。小規模企業共済は、いわば経営者のための年金のようなもの。引退に向けコツコツ積み立てられるほか、掛け金が全額控除対象というメリットがあります。

所得を分散できる

不動産所得とは別に収入がある場合、所得税は不動産収入と、別事業の収入の合計に対して課せられます。

一方、法人化して、その法人で収益不動産を借りするようにすれば、個人と法人で所得を分散でき、課税される税率を下げることができます。

法人税率を活用できる

所得が小さい場合は個人の所得税の方が課税割合が低いですが、所得が大きくなってくると、負担となる税率が逆転してきています。

一般的に、不動産投資家が法人化を検討する目安は所得が900万円を超えたあたり、と言われますが、これは個人と法人の税率負担が逆転するボーダーが、ちょうどそのあたりの金額に落ち着くからです。

サラリーマンで年収900万円以上というのは高収入ですが、ある程度の規模の物件を購入した場合は、年収と合算して所得があっさり1,000万円を超えることも少なくありません。

法人税率と所得税率の違いについては、ぜひ押さえておくとよいでしょう。

贈与税・相続税を軽減できる

投資不動産を法人所有にすれば、贈与税の負担なしに、相続人に財産を残すことができます。

相続人を法人の役員にするなど、小さな手間は掛かりますが、あらかじめ資産を贈与しておくことで、将来的に掛かる相続税の軽減も可能です。

不動産投資が軌道に乗ったから法人化する、というケースのほかに、資本家が相続税対策のために不動産投資を行う、というケースもあるくらいです。

融資が受けやすくなる

法人化する、ということは、一定以上の所得があることの裏返しでもあります。

また、不動産投資に対して、本気で事業として取り組んでいることを示す証になる、という面もあります。

いきなり大規模な融資を見込むのは難しいですが、法人化してコツコツ実績を積み重ねていけば、投資規模を億単位に拡大する際に心強いパートナーとなってくれるはずです。

法人化するボーダー

概ね、所得額の合計が900万円を超えた場合に法人化が推奨されるケースが多いです。

もちろん、これから不動産投資で生きていくことを腹に据え、規模の大きい不動産を取得していくつもりなら、もっと早いうちから法人化を検討するのもよいでしょう。

また、反対に法人化をしない方がいい、というケースももちろんあります。ワンルームや規模の小さい一棟投資で十分な収入を得られるようであれば、個人のままでいた方が節税メリットが大きい可能性が高いです。

いずれにせよ、所得を増やしていくつもりなら、税金対策に関する知識は早いうちから身に付けられておくことをおすすめします。

まとめ

不動産投資の利回りの相場は、実質利回りで3~5%ほどです。

ただ、注意したいのが、高利回りだからと言って得られる利益が大きくなるわけではないということ。

単純に数字だけで見ても、1,000万円で利回り8%の物件より、2,000万円で利回り5%の物件の方が、手取りは大きくなります。

また、利回りが高いからと言って、その物件が継続的に埋まるとも限りません。一般に空室リスクが高いほど、利回りも高くなる傾向にあります。

当たり前のことに思えるかもしれませんが、直観的に判断していると、思わぬ落とし穴に落ちてしまわないとも限りません。

投資判断をするときは、利回りだけでなく、具体的なお金の流れ(いくら投資していくら経費に使い、いくら収入を得たのか)についても、しっかりシミュレーションして把握しておくことが大切です。

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