不動産の理想的な利回りと表面利回りに騙されない5つのポイント
By Oh!Ya編集部
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不動産投資を始めようと思われている方の多くが、すでに「利回り」という言葉はご存知だと思います。正確な意味は分からないという方であっても、見聞きしたことは何度もあると思います。
そして、この利回りについては不動産投資の利益に関わる重要な指標であるということも理解されていることと思います。利回りが高い収益物件からは大きな利益を上げることができるというイメージも、すでに多くの方がお持ちだと思います。
サラリーマンやOL、公務員といった方々であれば毎月のお給料が唯一の収入源だと思いますが、それだけだと不安がある、もっと生活を豊かにするために副収入が欲しいという動機から不動産投資をお考えの方にとって、不動産投資はしっかり稼いでナンボです。
そこで重要になるのが利回りというわけで、この記事では利回りについての基本から、物件の立地や種類別の理想利回り、さらには理想の利回りをいかに確保するかという方法についてリスク管理も含めて解説していきたいと思います。
この記事を読み終えたあなたはきっと、不動産投資の利回りやその理想についてマスターできているはずです。
目次
利回りをしっかり稼いでこその不動産投資です
不動産投資をお考えの方に今さら言うまでもないことですが、しっかり稼いでこその不動産投資です。そのためには避けて通ることのできない重要な指標である利回りについて、まずは基本から解説していきましょう。
利回りとは何か
不動産投資の利回りとは、所有している収益物件が取得価格に対して年間どれだけ稼いでくれるかを示す指標です。「利回り」という言葉の通り利率を示すものなので年額ベースであり、パーセンテージで表記されます。
1億円の収益物件で利回りが5%だとしたら、その物件には年間500万円を稼ぎ出す力があるということになります。
不動産の利回りがこのように表記されているため、他の投資商品と同列に並べて比較しやすくなっています。
とても簡単な利回りの計算方法
利回りの計算方法は、とても簡単です。年間の賃料収入を取得価格で割り、それに100を掛けるだけです。
年間の賃料収入 ÷ 物件取得価格 × 100 = 利回り(%)
先ほど例に挙げた1億円の物件で計算してみると、以下のようになります。
500万円 ÷ 1億円 × 100 = 5%
収益物件の情報に表示されている利回りは、この計算式で求められていると理解していただいて問題ありません。
利回りと「手残り」の違い
先ほどの計算式で求めた利回りは、いくつかある利回り指標の中でも表面利回りと呼ばれるものです。表面というだけあって表面上のもので、実際にその物件に投資をしたところで同じ利回りにはなりません。なぜなら、物件を取得した時や、維持するためのコストが加味されていないからです。
表面利回りを計算するために用いるそれぞれの値から、税金や手数料、管理費などといったコストを差し引いて計算したものを、実質利回りといいます。それではこの実質利回りが実際に不動産投資をした結果なのかというと、実はまだ違います。
先ほどまでの利回り計算では、常に満室経営になっていることが前提になっています。しかし、実際の不動産投資では入居者が常に100%入居しているとは限りません。むしろ、100%とはならない時のほうが多いでしょう。そのため、不動産投資のシミュレーションでは空室率や設備の修理、メンテナンスなどのコストも計算すると、より現実に即したものとなります。
こうしたコストやリスクに関連する数値を差し引いた、最終的な投資家の取り分のことをキャッシュフロー(または手残り)といいます。キャッシュフローが最終的にいくらになるのかを正確に予測することは実に難しいのですが、表面利回りの計算にさまざまなコストや空室率などのリスクを加味することで、シミュレーション結果はよりキャッシュフローに近いものになるわけです。
表面利回りがいくら高くても、最終的に投資家にどれだけキャッシュが残るのかのほうがはるかに重要です。これから不動産投資を始める皆さんも、表面利回りはあくまでも目安であり最終的に投資判断をするためにはキャッシュフローを意識する必要があることを念頭に置いておいてください。
手残りを確保できる利回りが理想ライン
表面利回りと実質利回り、そしてキャッシュフローについての解説してきたところで、この記事をお読みの皆さんは、これから購入するべき物件を選ぶ際にどれが一番重要であるかをすでに理解されていると思います。
そうです、キャッシュフロー(手残り)です。
収益物件を購入する際には、その物件を取り扱っている不動産投資会社(「不動産会社」ではなく「不動産投資会社」であることに注目してください)から、物件の収益性に関するシミュレーションを交えた提案を受けるはずです。その時に計算の根拠になっているのが表面利回りでは意味がないので、すべての要素を加味した上でキャッシュフローを残せる物件であるかどうかを精査してください。
最近では不動産投資ブームの影響もあってサラリーマン大家を目指す方が多くなっていますが、この利回りの取り扱いをしっかりと理解していないと物件を購入してから数年後に「こんなはずではなかった」という事態が起きてしまいます。
表面利回りだけで提案をするような不動産投資会社は、顧客のことを考えているとは言い難いので、それも含めて利回りの取り扱いから不動産物件と投資会社を比較検討しましょう。
購入を検討している不動産物件の利回りを知る方法
購入候補になっている不動産物件の利回りを知る方法を解説します。「え?物件情報に書いてある利回りではダメなの?」と思われた方は、特にここでの解説にご注目ください。
表示されている利回りをチェック
売りに出されている収益物件には、利回り情報も記載されています。新築の場合は誰も入居していないので、そこに記載されている利回りはおそらく期待利回りまたは想定利回りでしょう。中古物件の場合は、過去の実績や現在の家賃設定から算出されています。
ただし、ここに表示されているのは表面利回りです。すでにここまでの解説をお読みの方であれば、その数値があくまでも目安であることはお分かりかと思います。
近隣の家賃相場と物件価格で算出
この表面利回りは、自分で算出することもできます。物件情報に記載されている利回りは売り手もしくは売却を委託されている不動産会社が表示しているものなので、売却したい一心で数字が盛られている可能性も否定できません。そこで役に立つのが、自分で利回りを計算する方法論です。
すでに解説したとおり、表面利回りを計算するには「家賃」と「物件価格」という2つの情報があればOKです。売りに出されている収益物件の希望価格は分かるので、その物件にどれくらいの家賃を設定できるのかを知ることで計算が可能です。家賃の相場を知るには、以下のサービスが便利です。
対象の収益物件が所在している場所を上記サイトで探し、そこで家賃相場を把握します。その家賃相場を物件価格で割って100を掛けると、自力で表面利回りを算出することできます。物件情報に利回りが表示されているのであれば、それが自力で計算したものと一致するかどうか、比較してみると意外にかけ離れていることもあります。
その場合は、物件情報に表示されている利回りがあくまでも理想数値であり、現実になるかどうか怪しいと判断できます。
表面利回りだけでなく実質利回りを計算する
ここまでは表面利回りで物件の収益力を目安レベルで算出、比較する方法の解説でしたが、ある程度物件が絞り込まれてきたら次は実質利回りを計算しておきましょう。これがある程度の数値になっていないと将来的な家賃の下落時に耐えられない可能性が高くなるため、購入前の計算は必須です。
物件を維持する経費についてはケース・バイ・ケースなので一概には言えません。そこで少々ざっくりとした計算ではありますが、平均的な経費率として20%を考慮してみましょう。表面利回りの計算式で使用する賃料収入から20%を差し引いて計算をすると、実質利回りに近い結果を得ることができます。
賃料収入 × 80% ÷ 取得価格 × 100 =実質利回り(に近い数値)
かなりざっくりとした計算なので表面利回りよりは現実に近いものとしか言い切ることはできませんが、この数値が次章でご紹介する理想利回りを上回っているかどうかで、その物件の実力を判断することができます。
高いに越したことがない利回りですが…
しっかりとキャッシュフローを残していくためには、利回りが高いに越したことはありません。しかし、利回りはあくまでも目安です。そればかりに目を奪われてしまうと将来にわたる不動産投資の判断を誤ってしまう恐れがあります。これについても後述しますので、そこで利回りの正しい使い方をマスターしていきましょう。
相場から見る、理想の利回り
実際に流通している不動産価格相場と家賃相場から導き出された、エリア別と物件種類別の理想利回りをご紹介します。ここでご紹介している数値は理想値ですが、「最低限これだけの利回りがあれば不動産投資が成功する確率が高い」と解釈しても問題ないでしょう。
東京23区区分マンションの理想利回り
不動産投資初心者向けと言われる区分マンションの中でも、最もローリスクであるとされているのが東京23区内の区分マンション物件です。ローリスクではありますが東京23区だけに物件価格が高めなので、その分利回りの相場は低下します。
それを加味した上で理想の利回りは、5.7%~6.2%です。都心5区は地価の高さゆえに理想利回りも低くなるため、この数値幅のうち低いほうは都心に近いエリアで、高いほうはそれ以外のエリアと考えられます。
大都市圏区分マンションの理想利回り
東京23区以外の大都市圏として、大阪と名古屋を加えた大都市圏の区分マンションの理想利回りも見てみましょう。東京23区の中でもとりわけ都心5区と違ってそこまで地価が高いわけではないため、その影響が理想利回りにも表れています。
三大都市圏の区分マンションでの理想利回りは、5.5%~7%程度です。ここでも開きがあるのは、大阪市内の中心部や人気エリア、名古屋駅前など突出して地価が高いエリアが含まれているため、そういったエリアは理想利回りも低くなります。
東京23区一棟アパートの理想利回り
区分マンションの次は、一棟アパートの理想利回りです。一棟アパートについても東京23区と三大都市圏では理想利回りに違いがあるので、分けて考えたいと思います。
東京23区内の一棟アパートで理想利回りは、6%~7%です。こちらも都心5区については地価が高く理想利回りも6%に近くなりますが、それ以外のエリアだと7%近くが理想利回りの目安となります。
大都市圏一棟アパートの理想利回り
三大都市圏の一棟アパートでは、理想利回りが東京23区より高くなります。東京23区と比べて地価がそこまで高くないことが主な理由です。
東京23区以外の三大都市圏では一棟アパートの利回りが7%以上あるのが理想です。というのも、三大都市圏といってもエリアによっては空室率が高くなりがちな物件もあるため、それを考慮すると7%でも回らないケースも出てきます。ここでは「7%以上が理想」と述べましたが、さらに高くないと苦しいケースがあることをご留意ください。
地方郊外の物件共通でチェックすべき理想利回り
東京23区と三大都市圏は賃貸需要が旺盛な地域が多いため、理想利回りが2桁になることはあまりないと思いますが、それ以外の地方などでは大半の地点で理想利回りとして10%以上は必要になるところが多くなります。
地方都市の郊外などでは地価がさらに低くなるため、表面利回りが20%以上という物件もざらにあります。大都市圏ではあまり見かけないような数値ですが、これくらいの利回りがないと回らない地点があることも事実なので、地方物件での不動産投資では少なくとも2桁の利回りがあることが理想だと考えてください。
全体の傾向から見えてくる理想の利回りとは
ここでご紹介したエリア別、物件種類別の理想利回りから見えてくる全体的な傾向は、以下のように整理できます。
- 大都市圏、都心ほど地価が高いので理想利回りも低くなる
- 地方に出るほど地価が安くなるため理想利回りは低くなる
- 大都市圏は賃貸需要が旺盛なので利回りが低くても経営が成り立ちやすい
- 地方では賃貸需要が低くなるため利回りが高くないと回らない可能性が出てくる
大都市圏と地方とでは利回りの考え方がかなり違うので、この全体的な傾向をつかんでおいてください。
要チェック!「利回りが高い物件」で失敗する5つの理由
利回りが高い物件は優良物件であると思いがちですが、すでに何度か利回りとキャッシュフローの違いと、利回りだけに目が行ってしまうことのリスクについて触れてきました。ここでは利回りが高い物件という理由だけで投資をしてしまうと失敗する5つの理由を解説します。
利回りは稼いでナンボ
表面利回りが20%であるものの入居者がしばらくついていない物件と、表面利回り7%だが満室が続いている物件。このどちらに投資すべきかというと、間違いなく後者です。その理由は言うまでもないと思いますが、後者の物件は7%であっても家賃収入を現実に稼いでいるからです。
物件情報に高い利回りが表示されていたとしても、それは単に想定家賃収入を物件価格で割っただけの机上の数値です。仮にその利回りが50%、100%という驚異的な数値だったとしても現実が伴っていなければまったく意味はありません。
利回りが高いことは理想のひとつではありますが、そこからキャッシュフローを稼ぎ出すことができて、はじめて利回りという数値が意味を持ちます。利回りだけが高くて集客力の弱い「ハッタリ物件」を買ってしまわないように注意しましょう。
購入時だけのシミュレーションで予想外の出費がかさむ
表面利回りが目安であるということはすでに述べてきた通りですが、もうひとつ表面利回りが考慮できていないことがあります。それは、将来予測です。
不動産投資は数十年に及ぶ長期的な投資になることが多いため、物件を購入した時点と数十年後というまったく異なる投資環境を経験することになります。地価上昇などよほどのことがない限り、不動産投資は物件価値の下落との戦いになります。
時間の経過とともに所有物件は古くなっていき、外観が古く見えるようになります。それ以外にも設備の故障や大規模改修の必要性など、不動産は時間の経過とともにコストが増していきます。しかし、その一方で物件が古くなっていくと家賃設定も低くせざるを得ず、結果としてキャッシュフローが低下します。
経験豊富な不動産投資家は、積立金の準備や定期的な改修などによって物件の価値を維持するといったことができるわけですが、初めて不動産投資をするという方にとってはこのあたりの未来についてのイメージがわきにくい部分があります。
未来についての予測やシミュレーションはプロである不動産投資会社の仕事ではありますが、投資家本人もそれを理解し、考慮した上で投資計画を立てる必要があるでしょう。この計画をおそろかにしたり、投資開始時のイメージだけで不動産経営をすると、いつかその予定が狂ってしまう時がきます。
特定の集客要因だけに依存している
これは主に地方や郊外のアパート物件などで起きることなのですが、特定の集客要因に依存しすぎている物件は、その前提が崩れてしまった時に空室リスクが非常に高くなります。
最も注意したいのが、大企業の工場や大学の郊外型キャンパスです。バブル経済華やかなりし頃は企業がこぞって郊外に大規模な工場を置き、そこで大量の雇用が生まれました。それと同時に大学の郊外進出も進み、手狭な都心部には一部の機能だけを残して大半の学生が通うのは郊外のキャンパスという流れが起きました。
それに伴って郊外の工場や大学の周辺には多くのアパートが建ち、地元の土地オーナーにとって格好の土地活用法として脚光を浴びました。もちろん、都市部からも多くの不動産投資家が進出し、局地的な不動産の活況が生まれたわけです。
しかし、国内メーカーが工場を海外に移転したり、そもそもメーカーのシェア低下によって工場が閉鎖されるなどの動きが活発になっています。さらに追い討ちをかけるように、大学の都心回帰が進み、郊外の大規模キャンパス周辺の賃貸需要が低下する事例が起きているのです。
もとから土地を所有していた地元のオーナーであれば自分の土地なのであまりダメージはないのですが、土地の購入から始めた他地域の投資家にとっては大きなダメージとなります。今後、こうした特定の集客要因に依存している物件を土地の購入から参入するのは、リスクが伴います。その集客要因が今後数十年間にわたってなくなることがないかどうか、しっかりと精査してください。
借地権、旧耐震基準など難あり物件
安く売りに出されている物件には、何らかの理由があります。特に怖いのは、立地条件の悪さや築古といったように目に見える悪条件が見当たらないのに、妙に安い物件です。こうした物件は何らかの難あり物件です。
- 土地が借地権である
- 建物が古く旧耐震基準である
- 心理的瑕疵物件である
3つ目の心理的瑕疵とは、いわゆる「お化けが出る」と言われるような事故物件のことです。本当に出るかどうか、見えるかどうかについては主観のレベルなので気にしない人には良いのかも知れませんが、不動産投資家にとっては家賃低下リスクのひとつです。不動産投資の初心者がこうした物件を使いこなすのは難しいので、避けるべきでしょう。
そもそも利回り計算の根拠に乏しい
思うように収益が上がらない物件を持っている人が売却を考えた時、何をするでしょうか。少しでも利回りを高く見えるようにして投資家の目に留まるようにしたいと思うのが道理ではないでしょうか。
実際にそのような形で、売りに出されている物件が多々あります。長らく入居者がついていないものの、その物件にまだ魅力があった頃に設定していた家賃を用いて今の物件売り出し価格で割れば、当然ながら利回りはとても高くなります。現在入居者がいればその家賃を数値として使わざるを得ませんが、長らく入居者がついていないのであればこうした数字のカラクリを使おうと思う人が出てくるのは当然でしょう。
目先の利回りだけを注目するのは好ましくないというのは、この記事のテーマでもあります。こうした事情を知ると、より利回りだけに依存した物件選びには危険があることをご理解いただけると思います。
安全確実に理想の利回りを確保する方法
最後に、理想の利回りを確保して、そこからしっかりとキャッシュフローを出すことができる物件の選び方について、そのポイントを解説したいと思います。ここでお伝えしたいのは一方向から情報だけでなく多方面の情報を活用する重要性です。
表面利回りが高い物件を探してみる
物件探しの初期段階は、誰でも使える方法も含めて探しても良いと思います。不動産投資会社などから非公開情報や提案があるかも知れませんが、それも含めて多方面から情報を集めましょう。 「HOME’S」「楽待」といった収益物件のポータルサイトを使ったり、Google検索を使うなど、とにかく視野を広くして情報を集めるのがコツです。
物件が持つ潜在能力を判定する
売りに出されている物件を、その売り出し価格で購入してそのまま賃貸経営に出したとしても、満足のいくキャッシュフローは出ません。なぜなら、そんな物件であればとっくに誰かが購入して賃貸経営をしているからです。
自分なりの強みをいかいて何らかのひと手間を加えることが成功の秘訣なので、そこに自分の強みをいかせるポイントがないか考えてみてください。
- 一見不便だが住んでみると地元の人しか知らないような利便性がある
- DIYや営繕などが得意なのでボロ物件を自分で修繕できる
- 自己資金が潤沢なのでローンを組まずに格安物件を現金で購入できる
こうした潜在的な能力がある物件であると判断できた時は、かなり有望です。なぜなら、他の不動産投資家が見出せないような価値や強みを発揮できるからです。重要なのは、自分だからその物件の潜在能力を開花させられるという強みです。
空室状況を調査してみる
多方面からの情報収集が重要であると述べてきましたが、その物件の空室状況を知ることも重要です。購入候補になっている物件名で、賃貸情報を調べてみてください。「スーモ」「アットホーム」「HOME’S」などの大手ポータルサイトのほうが情報の幅が広いので、おすすめです。
こうしたポータルサイトで賃貸情報を検索して、候補に挙がっている物件の空室情報がたくさん出てきたら、その物件は購入価値なしです。理由は言うまでもありませんが、それだけ多くの空室情報が出ているということは空室だらけで入居者からそっぽを向かれているからです。激安物件によくあることなので、投資家目線という一方向だけでなく入居者というもうひとつの方向からの情報にも触れることで、こうしたリスクを回避できます。
購入時に出口戦略を描いてみる
不動産投資には必ず、入口と出口があります。入口とは物件購入のことで、出口とは投資を終了して物件を売却する時のことです。地価の上昇がない限り、不動産は時間の経過とともに価値が低くなっていきます。当然、売却時にはその低くなった物件を誰かに売ることになるため、購入時との差額が生じます。
賃貸経営で十分なキャッシュを稼ぎ、それが累計で数千万円あるとしたら、売却時に数百万円程度の価格差があっても、その不動産投資は成功です。しかし、賃貸経営で稼いだキャッシュの積み重ねよりも売却時の価格差が大きかったら、トータルでマイナスになってしまうので不動産投資は失敗です。
こうならないようにするのが、出口戦略です。物件の価格下落を織り込んだ上で、それを上回るキャッシュを稼げるか、もしくは購入エリアなどを熟考して価格下落を最小限に抑えるか。これらはいずれも出口戦略なので、収益物件を購入する際にはどうするのが理想なのかを不動産投資会社と入念にシミュレーションしてください。
逆に考えると、出口戦略の提案がない不動産投資案件は、そもそもやるべきではありません。
AIを活用して未来予測をしてみる
不動産投資は今だけでなく将来の予測、シミュレーションをしっかりと・・・と再三述べてきていますが、「それが分かれば苦労はない」というお考えもあるでしょう。確かに、その通りです。未来を100%言い当てることができる人はいませんし、不動産投資の専門家であってもその投資案件が将来どうなるのかを正確に予測するのは難しいものです。
そこで、ユニークなサービスをご紹介しましょう。シミュレーションに必要な物件や投資計画に関する情報を入力すると、AI(人工知能)を使って将来予測をしてくれる「Gate.」というサービスがあります。もちろん理想の利回りやキャッシュフロー計算なども考慮されているので、これから始めようとしている不動産投資の未来の姿をかなり克明に知ることができます。サービスは無料なので、ぜひ一度やってみてください。
まとめ
この記事を検索で見つけた方の多くは、これから不動産投資を始めるのにあたって、理想の利回りはどれくらいなんだろう?という相場を知ろうとされていたことと思います。しかし、理想の利回りを知ろうとするにつれてそれ以外にも大切なことがたくさんあるということに気づかれたのではないでしょうか。
不動産投資は利回りという目安で始まり、キャッシュフローという現実が続き、出口戦略で終わります。その厳然たる事実を知った上で投資に向き合うことができるのは、成功率を高めるためにとても意義のあることだと思います。ぜひ、この記事の情報を活用してしっかりとキャッシュフローを稼げる物件を見極めてください。