【超初心者向け】不動産投資の利回り計算方法をおさらい
By Oh!Ya編集部
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不動産投資をお考えの方にとって、利回りは最も重要かつ関心の高い指標だと思います。しかし、一口に利回りと言ってもそれがどのように計算されており、どう使えば不動産投資に役立てることができるのかといった仕組みについては、正確に理解していないという方も多いと思います。
すでにご存じの方も多いと思いますが、不動産の利回りには「表面利回り」「実質利回り」といったように似て非なるものもあります。この違いが何なのか、どういう計算によって算出されているのかを理解することは、正しい投資判断のためにも重要です。
さらに利回りを計算する上で欠かせないのが、イールドギャップです。もしかすると耳慣れない言葉かも知れませんが、不動産投資家にとってはとても重要な指標なので、利回りとイールドギャップの関係や計算方法についても解説していきたいと思います。
この記事を読めば収益不動産の選び方や物件の実力を知る方法をマスターすることができますので、ぜひ最後までお読みになって「物件を見る目」を養ってください。
目次
不動産投資の「利回り」とは?
最初に、不動産投資の利回りとは何なのかという基本をレクチャーしたいと思います。利回りから何が分かるのかという評価方法についても触れます。
利回りは収益不動産の「実力」
収益不動産物件のデータを見ると、必ず表示されているのが利回りです。仮に10%と表示されている物件は、その物件を購入した費用の10%にあたる賃料収入が期待できますよ、という意味です。
これはおそらく、ほとんどの方がすでにご存じのことと思います。言わば利回りは不動産投資における実力を計るための指標です。利回りが高い物件は早期に投資したお金を回収することができますし、回収を終えた後も高い収益性を維持することができます。
利回りが高いと優良物件?
では、利回りの高い物件=優良物件と判断して良いのかというと、それは必ずしもイコールではありません。次項で利回りの計算方法を解説しますので、その計算式を見るとカラクリが見えてきます。
物件価格が安い場合と、賃料収入が高い場合に利回りは高くなるのですが、異様に利回りが高いような物件の場合、大半は前者が理由です。物件価格が安いということは何か理由があるわけで、ただ利回りが高いというだけで飛びつくのはリスクの高い投資判断です。
利回り計算のシンプルな考え方
不動産投資の利回りは、以下の計算式で求めることができます。ここではまず最も分かりやすい表面利回りの計算式をご紹介します。
年間の賃料収入 ÷ 物件の取得価格 × 100 = 表面利回り
賃料収入が分子で、取得価格が分母という理解でも同じ意味になります。まずはこのシンプルな考え方と計算式を押さえておいてください。
物件選びに利回りは欠かせない
物件選びで、不動産投資の成否はほぼ決まります。成功している不動産投資家とそうでない人との違いは、優良物件を選ぶだけの判断力と、そういった候補に接することができる情報力があるかどうかです。情報力については外的要因ですが、優良物件を選ぶだけの判断力については投資家自身にその知識があることが前提となります。
この判断力に大きく関わっているのが、利回りです。利回りを計算する方法をマスターしていることはもちろんですが、そこから得られた利回りの数値が妥当であるのか、相場通りであるのかという物差しも必要です。この記事では利回り計算の解説に加えて、計算結果の妥当性について判断する方法についても解説していきます。
なぜ利回りにはいくつかの種類があるのか
ところで、なぜ不動産投資の利回り表示には表面利回りや実質利回り、さらにはキャッシュフローやイールドギャップといったようにいくつも種類があるのでしょうか。最も現実に即しているのはキャッシュフローですが、すでに「利回り」という言葉ですらありません。
これらの違いについては順次解説していきますが、このように利回り表示に種類があるのはそれぞれの利回り表示で段階的に判断をしていくために役立つからです。
次章ではその違いや、それぞれの利回り表示をどの段階で使用するのかという実践的な解説に入っていきたいと思います。
不動産投資の利回りを計算する方法
それでは、不動産投資の利回りを計算する方法を種類別に具体的に解説していきましょう。
利回りを計算式はとても簡単
先ほども述べましたが、利回りの計算式は以下の通りです。この基本を押さえておけば、自分で利回りを計算することができます。
年間の賃料収入 ÷ 物件の取得価格 × 100 = 表面利回り
100を掛けているのは、パーセンテージ表示に直すためです。よって、利回りはパーセンテージで表示されます。この最もシンプルな計算で求められるのは表面利回りですが、利回りにはそれ以外に必要な経費などを差し引いて計算をする実質利回り、さらに「手残り」といって投資家の手元に残る正味のお金のことをキャッシュフローと呼びます。
表面利回りと実質利回り
表面利回りは名前の通り、あくまでも表面上の目安となる利回りです。この表面利回りとは違い、より現実に即した形で用いられているのが、実質利回りです。実質利回りは収益不動産を維持するための費用が加味されているため、名目上の利回りである表面利回りとは計算式が異なります。
(年間の賃料収入 - 維持費) ÷ 物件の取得価格 × 100 = 実質利回り
ここでいう維持費には、以下のような費用が含まれています。
- 管理料(管理会社に支払う費用)
- 修繕積立金
- 税金(固定資産税、都市計画税)
- メンテナンス費用
- 光熱費、水道料金
細かいものを含めるとこの他にも単発の費用が発生するかも知れませんが、いずれにしてもその物件のランニングコストであると理解すれば問題ありません。賃料収入から維持費を差し引いて計算をするので、分子が小さくなります。そのため、当然ながら表面利回りよりも実質利回りのほうが低い数値になります。
利回りとキャッシュフロー
実質利回りは名前が「実質」というだけあって、これなら不動産投資の現実をしっかりと反映していると思えるのですが、実はまだ重要な要素が加味されていません。その要素とは、ローン返済と空室リスクです。
不動産投資はローンを利用することが前提になっている(そうでないと投資効率を高められない)ため、ローン返済を差し引いた分が実際の手残り(投資家が手にすることができるお金)になります。この手残りのことを、キャッシュフローといいます。
なお、不動産投資には空室リスクが付き物です。表面利回り10%の物件であっても1年間誰も入居しなければ利回りはゼロです。しかもキャッシュフローは税金などの維持費とローン返済がかかってくるため、マイナスとなります。こうしたリスクを加味して不動産投資のシミュレーションをするには、10%から15%程度の空室リスクを考慮するのが無難です。
この2つの要素を加味して計算をすると、最終的に投資家の手元にどれだけのお金が残るのかを知ることができるというわけです。
利回りとイールドギャップ
キャッシュフローともうひとつ、利回りとの比較で知っておきたいのがイールドギャップです。イールドとは利回りのことで、ギャップとは差額です。
例えば、実質利回りが8%の収益物件を購入するのに、年利3%のローンを利用しているとします。この場合、8%と3%の差が5%なので、この5%がイールドギャップです。
つまり、イールドギャップはローンを利用している場合に返済分を差し引くとどれだけの利回りが手残り(キャッシュフロー)として残るかを示す数値です。この仕組みを知った上で再度利回りについて考えると、表面利回りや実質利回りが高いことよりもイールドギャップをどれだけ確保できて、最終的なキャッシュフローをどれだけ残せるかが重要であることがお分かりいただけると思います。
実質利回りとイールドギャップで不動産投資の本質を知る
不動産投資の本質を知るには、実質利回りとイールドギャップが重要であることをお伝えしてきました。実質利回りの重要性は分かったとしても、なぜイールドギャップをそこまで重視する必要があるのかについて解説します。
融資を受けてナンボの不動産投資
おそらく不動産投資会社も同じことを言うと思いますが、不動産投資は金融機関からの融資を受けてナンボです。他人資本である借入金も含めた投資によって満額の利回りを稼ぐことができるのですから、FXでいうところのレバレッジのような効果を得ることができます。
そして他人資本で利回りを稼ぎながら、最終的にはローンを完済するところまでいけば、他人資本で稼いだお金で借り入れを返済し、その不動産が自分のものになるというメリットもあります。これは不動産投資の本質ともいえる部分で、この効果を活用して自分のものにしている人が成功している不動産投資家です。
イールドギャップで分かる真の収支
イールドギャップが分かると、検討している収益不動産物件を購入して賃貸経営を始めた時にどれだけのキャッシュフローが手元に残るのかを正確に知ることができます。実はこのことはとても重要で、まだ実際に投資をしているわけではない物件でどれだけのキャッシュフローが出るかを知るのは意外に難しいのです。
イールドギャップを計算してはじめて、キャッシュフローを計算するための金利差を知ることができます。そこに空室リスクを加味することでキャッシュフローの真実が見えてくるので、それを計算した上で投資判断をすることでかなり正確な物件選びができるようになります。
イールドギャップの正しい計算方法
イールドギャップを計算するために必要な数値は、該当する物件からの利回りと借り入れ金利です。それなら「表面利回り - 借入金利」でイールドギャップを求めることができると思えてしまいますが、実はそうではありません。
イールドギャップは借り入れの実数なので、それを差し引く前の利回り数値も実数に近いものでなければなりません。もうお分かりだと思いますが、「実質利回り - 借入金利」というのが正しい考え方です。
これでイールドギャップを計算することができますが、ここでもうひとつ重要な要素があります。それは「実質利回りは変化する」という事実です。賃貸経営を始めた当初と、10年後や20年後とで実質利回りが同じになることはありません。なぜなら、物件は時間の経過とともに劣化して家賃を下げざるを得なくなったり、空室率が上昇することが避けられないからです。
開始当初のイールドギャップだけではなく、10年後や20年後といった未来のイールドギャップも計算しておく必要があります。ローン期間が30年なのであれば、最長で30年後はどうなっているのかをシミュレーションする必要があるでしょう。
自分で利回りを計算できる方法を知っておく必要性
この記事では、自分で利回りを計算できるようになることを前提に解説を進めています。なぜそのように自分で利回りを計算できるようになっておく必要があるのでしょうか。
正確な利回り計算はプロの仕事?
表面利回りくらいならともかく、実質利回りやキャッシュフローといった数値を求めるには、それなりの知識が必要です。それゆえに不動産のプロにとっても腕の見せ所となるわけですが、それをプロだけに任せっきりにしてしまうのは危険を伴います。
ここでいうプロとは収益不動産物件を提案している不動産投資会社のことになるため、どうしてもそのプロにとっては「物件を売りたい」というバイアスがかかってしまいます。提案内容に嘘があるのは論外ですが、そうでなくても若干のポジショントークが含まれてしまうのは十分考えられることです。
しかも不動産のプロは物件を売るプロでもあるのですから、そのポジショントークに巻き取られてしまって物件を購入してしまい、その物件を客観的に評価したら投資に値しないものだった・・・という悲劇も起こりうるわけです。
完全とまではいかなくても、ある程度の知識をもって自分で利回りを計算できるようになっておくと、こうしたトークに惑わされずに済むのでリスク管理に役立ちます。
利回りの根拠が正しいかを検証しよう
自分で利回りを計算できるようになっておくと、提案されている物件のシミュレーションにどれだけの根拠があるのかを検証できるようになります。例えば、利回り10%という物件を提案されているとしても、果たしてその利回りにどういう根拠があるのかという視点を持つことができます。
その物件にすでに入居者がいて実際に10%の利回りが出ているのであれば、それは実数です。しかし、空室状態で「入居者が入れば利回り10%」というのであれば、それは期待値に過ぎません。それを期待利回りと呼ぶこともあるほど、よくある見せ方です。
もちろん、入居者がいない物件のすべてが絵に描いた餅というわけではありません。本当にその物件に、その利回りを稼ぎ出すだけの家賃を設定して入居者を見込めるのであれば良いのですが、そこには根拠が必要です。物件の吟味をする際には、利回りなどの数値に対する根拠にこだわりを持つようにしてください。
利回りの相場を知っておこう
自分で計算してみた利回りと、不動産会社から提案されている物件の表示利回り。この両者にそれほど差がないということであれば、その物件は計算された通りの利回りを稼げる可能性が高いと考えられます。
あとは、その利回りが相場通りなのかという視点も必要です。不動産の世界には厳然とした相場があり、その相場を逸脱するような数字が出てくることはほぼありません。次章では不動産物件の種類別の利回りを解説しますので、その相場通りなのかという物差しに役立ててください。
不動産物件の種類別利回り相場
ここでは、主要な収益不動産物件の種類別に利回りの相場をご紹介します。現実に即した形で知っておく必要があるため、表面利回りと実質利回りの両方で解説します。
利回りの相場を知っておく重要性
不動産の価格に厳然とした相場があるように、そこから稼ぎ出す賃料収入についても同様に厳然たる相場があります。利回りで物件選びをする際に重視するべきなのは、「利回りが高い」ということよりも、「利回りが相場通りである」ということです。
相場通りに利回りだからこそ入居者も集まりやすくなるわけで、表示されている利回りに基づいたキャッシュフローを手にすることができるようになるのです。次項から解説するそれぞれの利回り相場を知っておくことで、異様に利回りが高い物件とその逆に低すぎる物件を除外することができます。
新築区分マンションの利回り相場
不動産投資初心者の方に人気の新築区分マンションの利回り相場は、表面利回りで「3~5%」、実質利回りで「2~4%」となります。意外に低いとお感じかも知れませんが、新築物件には新築プレミアムといって新品ならではの価格上乗せがあります。この分が分母を大きくするため、どうしても利回りが低くなります。
その一方で新築区分マンションは資産価値が長期間にわたって持続するため、キャッシュフロー重視というよりは長期的な資産形成向きと言われています。
中古区分マンションの利回り相場
新築に対して中古区分マンションの利回り相場は、新築プレミアムもありませんし総じて高くなります。表面利回りであれば「7%」は欲しいところで、実質利回りベースでも「3~5%」はあるのが必須です。
中古区分マンションは立地や築年数といった物件の諸条件によって価格の変動場が大きく、いかに安く仕入れるかが大きなポイントになります。安く仕入れることができれば利回り計算式の分母を小さくすることができるため、同じ賃料収入であっても高い利回りを稼ぎ、多くのキャッシュフローを残すことができます。
新築一棟アパートの利回り相場
次に、一棟アパートについての利回り相場も見てみましょう。新築一棟アパートの場合、表面利回りの相場は「5~7%」、そして実質利回りは「3~5%」となります。一棟もの投資は部屋の戸数が複数あるため空室が発生しても賃料収入がゼロになることはなく、投資のリスクは低くなります。
そのため、この利回り相場よりも高い計算結果になった物件は買い妙味が高いと考えて良いでしょう。
中古一棟アパートの利回り相場
中古一棟アパートの場合は、表面利回りとして区分マンションと同様に「7%」は欲しいところです。実質利回りの相場は「3~5%」となり、この数値を上回ることができる物件であれば買いの検討価値ありです。
新築と比べて中古一棟アパートの場合、どうしても考慮しなければならないのが空室率の高さです。新築と比べると空室が発生しやすいため、不動産情報に記載されている実質利回りがどれだけの空室率を考慮しているのかをチェックする必要があります。満室想定で上記の利回りを算出しているのであれば、これまでの実績から得られる空室率を当てはめて何%になるのかをチェックしなければ、その物件の真実は見えてきません。
利回り計算で投資価値の高い物件を見つける方法
ここまでの解説を総合して、利回りの計算方法を知った上で手に入れた物差しを使って、投資価値の高い収益不動産物件を見極める方法を考察してみましょう。
何らかの割安感がある
不動産に掘り出し物なしという言葉があるように、不動産価格には厳然とした相場があると述べてきました。もちろんそれは利回りにも言えることなので、相場よりも利回りが高い物件には何か必ず理由があります。重要なのは、その理由が何であるかです。
不動産物件の中には「瑕疵物件」というジャンルがあります。瑕疵というのは難しい言葉ですが、「落ち度」という意味です。つまり、瑕疵物件とは何らかの落ち度や不具合がある物件ということで、「訳アリ物件」と称されることもあります。
瑕疵物件には物理的瑕疵物件、環境的瑕疵物件、心理的瑕疵物件、そして法的瑕疵物件の種別があります。このうち、環境的瑕疵物件以外は投資家が持つ強みをいかすことで解決できる可能性があります。環境的瑕疵物件は周辺環境に何らかの問題があるので投資家の努力とは別の次元になってしまいますが、それ以外は違います。
①物理的瑕疵物件 物理的瑕疵とは、土地や建物に重大な欠陥があるという意味です。地盤沈下や地盤の歪み、立地条件の悪さといった悪条件があると土地に瑕疵があるということになります。また、建物についても構造上の欠陥など重大な問題がある場合は、これも物理的瑕疵に分類されます。
こうした問題を自分で解決、もしくは安く解決してくれる知り合いがいるといったように何らかの形で解決できる可能性があるのであれば、格安で物件を仕入れることができる余地が生まれます。しかも物理的瑕疵物件の場合は割安感に根拠がありますし、他の人にはない強みをいかして解決できるのであれば高い利回りを実現できる可能性大です。
②心理的瑕疵物件 心理的瑕疵物件とは、そこで人が亡くなったことで次に住む人が躊躇してしまうような物件のことです。単に亡くなっただけならまだしも、火災や自殺などで事件になるような亡くなり方をしていると、それはもうかなり意識されやすい心理的瑕疵です。非科学的ではありますが、「お化けが出る」という噂が立つことも物件から人を遠ざけることになるので、心理的瑕疵です。
心理的瑕疵物件については文字通り心理的な問題だけなので、気にならないという方であれば割安に購入して少し手を加えることで優良物件を作り上げることも可能でしょう。
ただし、ネット上にはこうした心理的瑕疵物件の情報を共有するデータベースのようなサイトもあるので、こうした情報を消すことはできず、心理的瑕疵物件であることを隠して賃貸経営をするのは難しいと考えたほうが無難です。
③法的瑕疵物件 割安感のある瑕疵物件の中で最も賃貸経営への影響が少ないと考えられるのが、法的瑕疵物件です。本来そこに建ててはいけないところに建っている建物であったり(市街化調整区域などの規制違反)、建蔽率や容積率の違反、何らかの法的な規制によって建築制限を受けている場合など、法的な問題で訳アリの物件群です。
その物件を購入する際に融資はつかないので、あくまでも自己資金のみでの投資という条件はつきますが、法的瑕疵のおかげで割安感のある物件はたくさんあります。また、法的瑕疵があるといっても賃貸経営に影響があるわけではないので、そういった物件を購入して売却する気がないのであれば、検討する価値はあると思います。
出口戦略をイメージできる
不動産投資はスタート時よりも数十年後、そしてその物件を売却する時になって見えてくる真実があります。新築やそれに近い物件を購入して期待通りの利回りとキャッシュフローが出るのは当然とも言えますが、時間が経つにつれて必ずしも思い通りにならないという真実があるのです。
そして、その最大の山場が売却時です。不動産投資を終了する段階になって大幅な値崩れを起こしてしまっていては、それまでに稼いだキャッシュがすべて吹き飛んでしまいます。売却した時にどれくらいの価格差になってしまうのか、少しでも高く売却するにはどういう物件を選んでおくべきか、また物件をどんな状態に保っておくべきかといった出口戦略が購入時に描けるかどうかという視点を持つようにしてください。
将来にわたって賃貸需要があることはもちろんですし、資産価値が維持されやすい建物であることなど、もちろん物件選びの段階で不動産投資会社がそのことも提案してくるはずなので、出口戦略について具体性についてしっかりと確認しておくようにしましょう。
AIの力も使ってみよう
不動産投資の将来像がどうなっているのか、それを予測するのは困難です。それでも不動産投資は比較的先行きの見通しを立てやすいと言われていますが、損益分岐点のギリギリにあるような状態だとすると、それがどちらに転ぶかによって黒字か赤字かという大きな運命の分かれ道になってしまいます。
そこでご提案したいのが、AIを使った将来予測です。以下のサイトではAIを使うことによって資産価値の下落や空室率などを緻密に計算することができるため、将来の不動産経営がどうなっているのかをより正確に知ることができます。無料のサービスなので、ぜひ一度試してみてください。
【参考】Gate.
中古物件は空室率と長期入居者の存在をチェック
中古物件の場合、すでに入居者がいることがあります。中古の一棟アパートを購入する場合などはすでに入居者が存在していることが多いのですが、その中に長期入居者がどれだけいるのかをチェックしてください。
その理由は、長期入居者はオーナーにとって有利な条件(つまり家賃が高い)の時に契約をしている可能性が高く、その家賃ベースで利回りを計算すると現在の物件価格と照らして利回りが高くなりやすいからです。しかし、今入居者を募集して同じ家賃を見込めるかというと、それは別問題です。
中古物件で表示されている利回りの根拠になっている家賃がいつの時代のものなのか、長期入居者と以前に結んだもののままになっていないかというのは、ある意味数字のマジックのようなものなので、しっかりとチェックしましょう。
まとめ
不動産投資の判断材料として最も関心の高い利回りについて、その計算方法や真実、ちょっとしたカラクリに関する情報まで解説してきました。改めて利回りを知ることの重要性をお伝えできたと思いますが、それと同時に利回りよりさらに不動産投資の現実を知ることができる指標についても解説しましたので、それらも併せて活用していただければと思います。