投資に役立つ資格8選!試験の内容と難易度まで紹介
By Oh!Ya編集部
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どんな投資にも、その投資に関する知識があった方が投資に成功しやすくなります。その「知識」を得るための最も分かりやすい方法が、その投資に関する資格を取得することです。実際、投資をする前に資格の取得を検討している方もいるのではないでしょうか?
今回は、投資をする際におすすめの資格を8つに厳選して紹介していきます。この記事を読めば、それぞれの資格の難易度や、資格の取得で身につくことが分かります。
目次
資格を取ると全体的な知識の底上げになる
「投資をするのに資格は不要」という人もいます。確かに、実践に勝る経験はないので、資格を取る前に投資をしてしまうのも一つの手段でしょう。しかし、資格を取ることで全体的な知識の底上げになり、ムラなく知識を得られるという点は大きなメリットです。
また、資格の勉強しながら投資をすることで、投資において重要な項目を重点的に学べるというメリットもあります。そのため、資格を取るメリットは確実にあり、どんな投資にも活きてくるでしょう。
まずは、今回紹介する9つの資格の難易度やおすすめ度、勉強時間などをまとめます。
簿記 | FP | 宅建士 | 証券外務員 | 証券アナリスト | DCプランナー | 賃貸不動産経営管理士 | 相続アドバイザー | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
難易度 | 3級★★ 2級★★★ | 3級★★ 2級★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★★ | 2級★★ 1級★★★ | ★ | ★★ |
勉強時間 | 3級:約3ヵ月 2級:約5ヵ月 | 3級:約3ヵ月 2級:約5ヵ月 | 6か月 | 1〜2ヵ月 | 2〜4年 | 3級:約3ヵ月 2級:約5ヵ月 | 1~2か月 | 約3ヵ月 |
おすすめ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
※横スクロールできます。
1.簿記(2~3級)
まずは簿記2級~3級を紹介します。簿記はメジャーな資格の1つなので、聞いたことがある人も多いと思います。簿記1級も存在しますが、難易度が高過ぎるうえ、投資において簿記1級レベルは不要なので2級・3級に絞って紹介します。
簿記とは?
簿記とは、企業の経済活動を整理・記録するための手段であり、財務・会計に関する代表的な資格です。簿記3級では個人商店を前提として帳簿記入、簿記2級では株式会社の会計処理が出来るレベルになります。
要は、個人商店や株式会社の売り上げ・経費などを整理し、損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)などを作成出来るようになるのが簿記です。
資格試験の内容と難易度
簿記の難易度は3級が「普通」で2級が「やや難しい」というレベルです。2級を取得していれば、企業の就職にも有利になると言われているレベルです。
資格試験は、損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)を基に経費を実際に仕分けしたり、入出金のシミュレーションをしたりします。まさに、株式会社の経理・財務部が行うような仕事が試験に出てきます。
簿記は投資全般に役立つ
簿記の知識は投資全般に役立ちます。というのも、PLとBSのようなお金の流れを知っておくことは、全ての投資の入出金管理に必要不可欠だからです。全ての投資で収支管理を行い、その収支管理は簿記を学んでおくことで精度が上がるでしょう。
また、数字自体に強くなるので、色々なシミュレーションをする際もストレスなくシミュレーション出来る点もメリットといえます。
2.FP(ファイナンシャルプランナー)
次にFPを解説していきます。FPも簿記と同じくらい知名度があり、簿記よりも広く色々な人が目指している資格と言えるでしょう。
FPとは?
FPとは、個人の目標達成に向けたライフプランの立案を行うべく、金融・税金・不動産・ローン・保険・年金など、お金に関する幅広い知識を学べる資格です。簿記は、個人商店や企業というビジネスの場での「お金」でしたが、FPはどちらかという生活においての「お金」を学ぶ資格になります。
資格試験の内容と難易度
FPの資格試験は非常に幅広いですが、例を挙げると以下のような内容です。
- 社会保険や公的年金について
- 保険制度全般、生命保険や損害保険について
- 投資信託や株式投資、ポートフォリオについて
- 所得税や住民税の仕組みについて
- 不動産の取引や証券化の仕組みについて
- 相続や贈与の仕組みや税金について
このように、お金に関することを網羅しているのが特徴になります。難易度はFP3級が「普通」、FP2級が「やや難しい」というレベルです。FP2級を取得していれば、生命保険会社に勤めている営業マンでも名刺に記入出来るレベルです。
FPの資格も投資全般に役立つ
FPも簿記と同じで、投資全般に役立ちます。そもそもFPは、投資信託や株式投資、不動産投資の基本的なことが学べますので、投資に関しても幅広い知識が身に付きます。
また、年金や保険、税金、そしてポートフォリオの考え方なども試験範囲のため、色々な投資を組み合わせるときにも役立つ資格と言えるでしょう。
3.宅地建物取引士
次に宅地建物取引士(宅建士)について解説します。宅建士は不動産分野で最もメジャーな資格と言えるでしょう。
宅地建物取引士とは?
宅建士は、不動産に関する法律や取引のルールなどの資格で、取得していれば「不動産取引の専門家」と言えます。不動産業を営む事務所は「従業員の5人に1人は宅建士を保有」などのルールもあり、重要事項説明や売買契約書への署名・捺印も宅建士でないと出来ません。
資格試験の内容と難易度
宅建士の試験内容は以下の通りです。
・権利関係(民法や借地借家法など) ・宅建取引について(宅建取引に関するルールや法律) ・法令上の制限(建築基準法や都市計画法) ・税金関係(所得税や印紙税)
このように、基本的に不動産取引に関連することが網羅的に出題されます。表面上の知識ではなく、法律関係など実際の取引時に必要な知識が主な試験範囲です。そんな宅建士の難易度は「やや難しい」レベルになります。
宅建士の資格は不動産投資向き
宅建士の資格は、やはり不動産投資に役立ちます。前項のように宅建士の試験内容は少々ディープな分野です。ただ、例えば「仲介手数料のルール」や「不動産取引に関する税金」などを学べると、物件取得時も物件運用時も役に立ちます。
また、賃貸運営時に「不法滞在されたとき」や、「隣の敷地に越境してしまうリスク」なども学べるので、自分の身を自分で守るためには良い資格といえます。
4.証券外務員
続いて証券外務員について解説します。証券外務員はあまり一般的な資格ではありませんが、投資に関しては学びが多い資格です。
証券外務員とは?
証券外務員とは主に証券会社や銀行に勤務する人が取得する資格です。株式や債券などの有価証券の売買、後は顧客の勧誘を行う仕事に就く人には必須の資格です。逆にいうと、証券外務員の資格を保有している人は金融関係の仕事をしている人が大半です。
資格試験の内容と難易度
試験内容は以下の通りです。
- 法令・諸規則(金融商品取引法や投資法人に関する法律など)
- 商品業務(株式業務や債券業務など)
- 金融関連(証券市場の基礎知識や経済・金融・財政の常識など)
- デリバティブ取引(先物取引やオプション取引など)
このように、資格の内容的に具体的な投資商品の説明から、経済に関する基本的なことが試験範囲となっています。難易度は「やや易しい」というレベルです。
証券外務員の資格は証券会社を介す取引に役立つ
証券外務員の資格は、株式投資や債券投資、先物取引など、証券会社を介して行う取引全般に役立ちます。例えば、先物取引やオプション取引などの知識がある方は少ないです。
しかし、証券外務員はその金融商品を顧客に勧める立場なので、当然ながら仕組みや取得方法は熟知しています。上述したように証券外務員は金融機関勤務の人が大半ですが、投資をする人も取得を目指して損はしない資格でしょう。
5.証券アナリスト
次に証券アナリストを紹介します。証券アナリストは前項の証券外務員よりも、さらに専門性が高い資格です。
証券アナリストとは?
証券アナリストは、証券投資と企業評価のプロフェッショナルです。いわゆる、企業のIR(投資家向けの情報)部門などの知識を得ることが出来るので、証券投資分野において専門性の高い資格といえます。
たとえば、企業価値の算出や個別証券の分析・評価を行うことも出来ます。証券アナリストの資格を取得していれば、証券会社の株式アナリストや、資産運用会社の運用業務(ファンドマネージャー)にも従事出来るレベルです。
資格試験の内容と難易度
証券アナリストの試験内容は以下の通りです。
- 投資データの分析と評価(マクロ経済、企業・産業・金融市場の分析)
- 投資方針の決定(ポートフォリオ選定や経済情勢のレビュー)
- ポートフォリオの構築や管理(投資家ごとにリスク・リターンの管理)
このように、非常に専門的な知識を得ることが出来ます。しかし、専門的であるが故に資格取得の難易度は「難しい」です。
証券アナリストも証券会社経由の投資全般に役立つ
証券アナリストも、証券外務員と同じように証券会社経由で購入する投資全般に役立ちます。そもそも、自ら顧客の資金を集めて資産運用が出来るレベルになれるので、その知見を活かして自分自身のポートフォリオを構築するのは容易です。
もちろん資格を取得するのがベストですが、仮に資格が取得出来なくても役立つ知見を身に付けることが出来るでしょう。
6. 賃貸不動産経営管理士
次に賃貸不動産経営管理士について解説します。この資格は不動産投資関連の資格です。
賃貸不動産経営管理士とは?
賃貸不動産経営管理士とは、賃貸物件の管理に関する資格です。賃貸物件の所有から、賃貸管理に関する全般を学ぶことが出来ます。そのため、賃貸物件の資産価値の維持・向上に関して、第三者にコンサル出来るレベルになれます。
資格試験の内容と難易度
資格試験の内容は以下の通りです。
- 賃貸借契約書について(建物・設備の苦情等への対応、契約の更新など)
- 清掃、設備の点検・修繕に関する具体的な業務
- 事業収支計画や修繕計画のコンサルティング
このように、賃貸不動産経営管理士は賃貸物件の管理全般を学ぶことが出来ます。とはいえ、出題範囲がそこまで広くないので難易度は「易しい」と言えます。
賃貸不動産経営管理士は不動産投資をする人向き
賃貸不動産経営管理士は、当然不動産投資に活きてきます。不動産投資の管理業務は管理会社に一任しますが、自分でも知見を身に付けておいた方が有利です。
管理全般に関する知見があれば、たとえば管理会社から提出された補修計画の精度も分かりますし、賃貸借契約書のリスクヘッジも自分ですることが出来ます。
7.DCプランナー (企業年金総合プランナー)
ここからは前項までと少々毛色が異なります。まずDCプランナーの紹介です。
DCプランナーとは?
DCプランナーは年金教育の専門家を育てるために誕生した資格であり、年金制度全般にわたる知識を得ることが出来ます。年金制度はルールが変わっていくため実態をつかむのが難しく、それを網羅的に学ぶために作られた資格です。
そもそも「DC」とは「確定拠出年金」のことですが、DCプランナーは確定拠出年金だけを学ぶのではありません。年金制度全般…さらには投資やライフプランなどの知識も得られる資格になっています。
資格試験の内容と難易度
資格試験の内容は以下の通りです。
- 年金制度・退職給付制度
- 確定拠出年金制度
- 投資に関する知識
- ライフプランニングとリタイアメントプランニング
このように、年金だけでなく投資全般、そしてFPのようにライフプランニングも学ぶことが出来ます。DCプランナー1級は「退職給付コンサルタント」になれるレベル、2級は「企業の年金担当者」になれるレベルです。それぞれ難易度は、1級は「やや難しい」、2級は「普通」になります。
DCプランナーは投資全般に役立つ
DCプランナーは投資全般に役立ちます。というのも、DCプランナーの試験で出題される「投資に関する知識」は預貯金・債券投資・株式投資・投資信託など、実に幅広い知識を学ぶことが出来るからです。この点においてはFP並みの範囲といえます。
さらに年金についても深く学ぶことが出来るため、引退した後の収益も計算しやすいです。つまり、引退後の収支計算もしやすいので、投資全般を加味したポートフォリオを作成しやすくなります。
8.相続アドバイザー3級
次に相続アドバイザーの紹介です。相続アドバイザーはその名の通り、相続に関するアドバイスを出来るようになります。
相続アドバイザーとは?
相続アドバイザーは銀行業務検定の一つです。こちらも証券外務員と同様、基本的には銀行員しか受けない資格になりますが、「相続に関する相談業務」にあたることが出来るレベルになります。
相続に関して、民法の規定からや複雑な相続税の計算ルール、ほかにも不動産投資の手続きを含む実務についても学ぶことが可能です。
資格試験の内容と難易度
相続アドバイザーの試験内容は以下の通りです。
- 相続の基礎知識(相続人と相続分や遺産分割協議と遺言など)
- 相続と金融実務(相続時の具体的な手続きなど)
- コンプライアンスや遺産整理や生前対策など
このように、相続アドバイザーは相続に特化した資格です。相続アドバイザー2級はそれこそ銀行業務にしか関係ないほどディープな内容なので、今回取り上げているのは相続アドバイザー3級で難易度は「普通」になります。
相続アドバイザーは資産運用に役立つ
相続アドバイザーは直接資格に役立つというよりも、資産運用全般に役立ちます。というのも、保有している資産の相続時の評価額が分かったり、生前贈与すべきかの判断がしやすくなるからです。そのため、投資を始めて資産を保有している状態で役立つ資格と言えます。
まとめ
このように、投資に関する資格には色々な種類があり、資格によって学べることが異なります。資格の勉強をするときには、まずその資格で学べることは何か?投資において具体的にどのような点に活きてくるのか?を理解しましょう。
その上で、難易度と学習時間を鑑みて、資格を取得するべきかの判断をするという流れです。冒頭のように投資を実践しながら資格を取得するという方法もあるので、合わせて検討してみてください。