老後2,000万円を補う投資はこれで決まり!おすすめの方法4つ
By Oh!Ya編集部
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令和に突入して間もなく、金融庁が「公的年金だけでは老後生活を乗り越えられない」と発表したことが話題となりました。発表のなかでは、老後資金として約2,000万円が必要だといわれており、賛否両論あるものの大多数の世帯が年金だけで生活できないのは事実です。
今回は、年金とは別に老後資金の2,000万円を用意するため、投資を通じて資産形成を行う方法を解説していきます。
目次
老後資金を補うおすすめの投資方法は4つ
株式投資やFX、不動産投資など世の中には数多くの投資方法があります。このうち、全てが資産形成に最適な選択肢とは到底いえず、なかにはギャンブル的な投資も多く潜んでいます。
どのような方法を取るべきなのか精査することなく、安易に「すぐに稼げる」や「誰でも一攫千金」といった言葉を信じて投資をすれば、かえって大切な資産を減らしてしまうため注意してください。
投資初心者であれば、なおさら名前を聞いたことのない投資には手を出さず、認知度の高いつぎのような投資方法を選びましょう。
- 投資信託
- REIT(不動産投資信託)
- 株式投資
- 不動産投資
それぞれどのような投資方法なのか、順番に解説していきます。
投資信託はどのような投資方法なの?
投資信託は、少額から購入できる金融商品の1つ。銘柄によっては最低購入価格が数百円に設定されており、毎月の積立投資を自動で行えるシステムも用意されているため、家計に負担をかけることなくコツコツと運用できることが長所です。
こういった特徴を持つ投資信託は、以下のような仕組みで運用されるため、投資家側にほとんど手間が発生しないメリットもあります。
- 投資家が証券会社等を通じて投資信託を購入
- 投資家の資金をファンドマネージャーが運用
- 運用による値上がり益・分配金が投資家に還元される
通常、あらゆる投資は2番の「投資先選定・運用」に時間と労力がかかります。しかし、投資信託はこの工程をファンドマネージャーに任せるため、投資家は売り買い以外の作業を行う必要がありません。
投資信託が、投資家たちのあいだで「ほったらかし投資」と呼ばれる理由は、ここにあるのです。
「貯蓄+α」として堅実に資産拡大を目指すならインデックス型
投資信託は「アクティブ型」と「インデックス型」の2つに大別できます。このうち、商品設計として利益を積極的に狙っているのはアクティブ型なのですが、実際には保有期間が長期的になるほどインデックス型のスコアが勝ると明らかになっています。
こういった事実から、短期運用であればアクティブ型が選択肢に入るものの、長期運用をするならインデックス型一択だと判断するのが通説です。たっぷりと時間をかけて老後資金を確実に築くなら、インデックス型の投資信託をおすすめします。
REIT(不動産投資信託)はどのような投資方法なの?
REITは別名「不動産投資信託」とも呼ばれる、不動産市場を対象にした金融商品です。名前を見れば分かるように投資信託の一種であり、仕組みはほとんど変わりません。
ただし、投資信託と比較したとき、決定的な違いが2つあります。
- 投資信託のように株式・債券は扱わない
- 税制の都合上、利益の大部分を分配金として還元する
株式や債券を扱うものが多い投資信託とは異なり、REITは不動産しか扱いません。また、REITは「利益の9割を分配すれば法人税免除」という税制上の規定があるため、不動産の運用利益をほとんど投資家に還元します。
主要な投資信託は無分配型が多いなか、当期利益の大部分を分配金として受け取れるのはREITの特権だといえるでしょう。
「毎月分配」を狙えるREITのおすすめ投資方法
REITは決算が年2回あり、その度に投資家へ分配金を還元します。毎月分配を狙ったREIT運用は、REITの決算期が銘柄によって異なることを利用した手法です。
一例として、安定感を重視して分配実績が安定している銘柄を集め、毎月分配のポートフォリオを組んでみました。
銘柄名 | 決算期 | 分配利回り |
---|---|---|
日本ロジスティクスファンド投資法人 | 1月・7月 | 3.50% |
野村不動産マスターファンド投資法人 | 2月・8月 | 3.77% |
森トラスト総合リート投資法人 | 3月・9月 | 4.07% |
いちごオフィスリート投資法人 | 4月・10月 | 4.09% |
アクティビア・プロパティーズ投資法人 | 5月・11月 | 3.96% |
日本リート投資法人 | 6月・12月 | 4.00% |
参考:JAPAN-REIT.COM(※2019年7月執筆時点の情報です)
この組み合わせであれば、分配利回り3%後半を狙えます。毎月収入を得られるため投資による恩恵を感じやすく、投資に対するモチベーションの維持という観点でも理想的です。
5,000万円以上を投資すれば、分配金収入は一人暮らしの生活を賄えるほどの水準に達するので、秘めているポテンシャルは非常に高いといえます。
株式投資はどのような投資方法なの?
株式投資は、資産運用と聞いたとき最もイメージしやすい投資ではないでしょうか?
将来性を見込める企業に「株式を買う」という形で出資し、株式の値上がり益や配当金収入といったリターンを狙って運用するのが、オーソドックスな株式投資の手法です。
インターネットの発達により、オンライン上で手軽に売買ができるようになったため、ひと昔前よりも参入のハードルは低く手軽にスタートできます。
1つの企業に投資するという特性上、投資先を洗い出す作業に時間を要するものの、ピンポイントで投資したい企業があるなら投資信託よりもおすすめできる投資方法です。
「配当金」と「株主優待」をメインとした株式投資のおすすめ投資方法
株式投資がおすすめだといわれても、多くの初心者は何から手を付ければ良いか分からないものです。そこで、投資スタイルが確立するまでのあいだは、株主に以下のような還元を用意している企業へ投資すると良いでしょう。
- 配当金:株式を保有することで受け取れる現金収入
- 株主優待:株式を保有することで受け取れる優待券・自社商品
成長を見込める企業を見つけ出して、ピンポイントに投資をするのは簡単ではありません。そのため、初めは値上がり益を狙ったトレードよりも、株式を保有するだけでリターンを得られる企業だけに投資することをおすすめします。
たとえば、ガストやバーミヤンなど有名飲食店を経営する「すかいらーく」は、配当金と株主優待の両方を設定しています。その内容は以下の通り。
保有株式数 | 配当金(年間) | 株主優待(年間) |
---|---|---|
100株~299株 | 投資額に対して1%前後 | 合計6,000円 |
300株~499株 | 〃 | 合計2万円 |
500株~999株 | 〃 | 合計3万3,000円 |
1,000株~ | 〃 | 合計6万9,000円 |
参考:「すかいらーくグループ」より、2019年7月執筆時点の情報
配当金と株主優待を合算すれば、投資利回りは年間4%超。銀行預金が1%を大きく下回る時代に、株式を保有するだけでこれほどの利益を得られるのは魅力的です。
なお、すかいらーくの配当金・株主優待は、一度に全ての利益を受け取れるわけではなく、年2回に分けて還元されることに留意してください。
配当株や優待株に投資をするときは「斜陽産業」を外す
配当金や株主優待を設定する企業は多くありますが、企業の利益が不安定であれば配当金や株主優待の減額・廃止の恐れもあります。そのため、投資先を選ぶ際には「廃れていく事業を主軸としていないか」に注意しましょう。
長年にわたって、配当金・株主優待を還元し続けているのか調べることも、優良な投資先を探し出すうえで有効です。
不動産投資はどのような投資方法なの?
株式投資と同じく、大家業として知られる不動産投資もメジャーな投資方法の1つ。賃貸物件を貸し出して、賃料収入を得るという「衣食住に密接したビジネスモデル」であるため、投資信託や株式投資ほど景気の影響を受けないことが強みです。
人口減少により稼ぎづらくなると思われがちですが、再開発を控える各県の都市部へ投資したり、土地値近くまで価格を下げている中古物件に投資したり、戦略次第ではまだまだ稼ぎ続けられます。
さらに、SNSやネットサービスの充実によって、従来よりも入居希望者とのマッチングが容易かつピンポイントにアプローチできるようになったため、個人レベルで実施できる集客手段が豊富になりました。
インターネットを駆使して、情報収集から集客まで行える点を考慮すれば、戦略次第では最も堅実かつ稼ぎやすい投資方法だといえます。
初めは区分マンションや中古戸建がおすすめ
不動産投資は、金融機関から借入をして大きく投資できる、数少ない資産運用の1つです。しかし、アーリーリタイアを目標に資産拡大を目指すのではなく、老後資金を貯めるために堅実な投資をするなら、1軒目の物件は自己資金を使った投資をおすすめします。
融資を利用すれば、スピーディーな資産拡大が期待できる反面、失敗した場合に再起不能となります。一方、自己資金をもちいた区分マンションや中古戸建への投資は、運用規模が小さいため各運用業務に目を配りやすく、失敗要因の把握やリカバリーも容易です。
2018年に「不正融資の横行」が話題となってから、各金融機関は融資を渋っているのが実情。まずは実績作りも兼ねて、区分マンションや中古戸建を購入するのが堅実です。
あなた最適な投資は?年齢別の投資モデルの一例
おすすめの投資方法を4つ紹介しましたが、自身に最適な選択肢を決めるのは難しいものです。投資方法を決める基準は多々あるものの、この項では最も分かりやすい「年齢」という区切りをもとに適切な投資方法を提案していきます。
20代はどのような投資方法がおすすめなの?
20代は「積極的にリスクを取れ」といわれる年齢であり、ハイリスクハイリターンな投資を勧められる場面は決して少なくありません。しかし、若くて収入の安定しない20代こそ、基本を培うために安定感のある投資を選ぶべきです。
投資に対する認識が出来上がらないうちに、ギャンブル的に短期利益を狙う「投機(とうき)」に手を出してしまえば、堅実な資産運用は刺激が足りずにつまらなく感じてしまいます。
パチンコやスロットのように、お金を賭けること自体に快感を覚えて冷静さを失えば、老後資金を貯めるどころか資産を失う結果に繋がるのです。そのため、少額で始められて堅実な運用成績が期待できる、以下の投資方法をおすすめします。
- 20代のおすすめ投資1位:投資信託
- 20代のおすすめ投資2位:REIT
30代はどのような投資方法がおすすめなの?
30代に突入すると、多くの人は20代よりも収入が増えます。もちろん、経済状況は結婚や出産などライフイベントに左右されるものの、お金の使い方は上手になり貯蓄・支出のバランス感覚が培われているでしょう。
投資信託はどの世代にも適した優秀な金融商品ですが、投資対効果がやや低いのがネック。そのため、世間のトレンド動向やマネーリテラシーを高める意味も込めて、30代には以下のような投資方法をおすすめします。
- 30代のおすすめ投資1位:不動産投資
- 30代のおすすめ投資2位:株式投資
40代はどのような投資方法がおすすめなの?
40代は、いよいよ定年退職後を意識し始める時期だといえます。本業が振るって順調に貯蓄できていれば、投資信託やREITなど安定的な投資方法でも問題ありません。
しかし、養育費やマイホーム購入などの負担により、思うように貯蓄できていなければ積極的な投資が必要です。そのため、今回ご紹介したなかでも随一の利益率を誇る、不動産投資をおすすめします。
- 40代のおすすめ投資:不動産投資
50代以降はどのような投資方法がおすすめなの?
50~60代に差し掛かると、資産を守る段階に入ります。このフェーズで大きな失敗を犯せば、定年退職までに挽回することが難しくなるからです。
そのため、低リスクな投資方法として紹介した投資信託のほか、配当金や株主優待を狙う「不労所得」を意識した株式投資が候補に挙がります。なお、この段階で経済状況に余裕があるなら、景気に左右されない安定収入を生む不動産投資も候補です。
この段階で不動産投資に力を入れる場合は、利回りよりも立地・将来性・土地の用途(更地にした場合)を重視した、投資物件の資産性を最優先とする運用スタイルが望ましいでしょう。
具体的には、今後も一定の人口流入が見込める都市部で、物件を買い進めることを推奨します。
- 50代以降のおすすめ投資1位:投資信託・株式投資
- 50代以降のおすすめ投資2位:不動産投資
まとめ
公的年金で老後資金を賄えない事実は、実はいま明らかになったわけではありません。また、生活水準や預貯金は世帯により全く異なるため、一概にどの程度の資金があれば十分だと断定はできないのが現実です。
ただ、自身がいかなる状況に置かれているとしても、政府や企業は私たちを救ってはくれません。日本自体が弱っているいま、自助努力が必要だと発表したことへ意見しても、未来の生活は何も変わらないのです。
「投資は庶民に関係のないもの」という時代ではなくなったことを理解して、私たちも将来のために投資を始めましょう。