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Jリートの指数とは?銘柄選びに役立つ7つのポイント

Jリートの指数とは?銘柄選びに役立つ7つのポイント

REIT投資を検討している人の中で、「色々調べたけど『指数』について理解できない…」という人もいるでしょう。ただ、はじめにいっておくと「指数」だけを理解するのではなく、そのほかの「銘柄選びに必要なポイント」も一緒に理解する必要があります。

そこで今回は、REITの指数とは何か?を解説した後に、指数の要素も含め、銘柄選びの際に役立つ7つのポイントを解説していきます。

指数についての基礎知識

まずは、REIT指数について簡単に解説します。そもそもREIT指数とは、全REIT価格の加重平均(≒平均)のことであり、株式投資でいう日経平均株価やTOPICSのようなものです。調べ方は、東証REIT指数である「1788」をネットで検索すれば見られます。

REIT指数はREIT全体の価格推移をチェックできますので、REIT全体が上向きか?下向き?変動がない状況か?を見極められるということです。指数についてもっと詳しく知りたい方は、概要などを解説しているこちらの記事を確認ください。

REIT投資家必見!東証REIT指数の特徴と活用方法を徹底解説!

ポイント1:指数に影響が大きい銘柄のメリットとデメリット

メリット
まず、指数に影響が大きい銘柄のメリットとデメリットを解説します。指数に影響が大きいとは、日経平均株価でいうとユニクロ(ファーストリテイリング)やトヨタなどのことです。つまり、時価総額(REIT価格×発行済み証券数)が大きい銘柄になります。

なお、指数に影響が大きい具体的な銘柄については以下の記事を確認ください。

Jリート指数の基本知識~東証リート指数を左右する10の銘柄~

メリット

指数に影響が大きい銘柄を取得するメリットは、以下の理由で比較的変動が少ない点です。

  • 規模の大きいREITが多い
  • 大量の買い・売り注文がしにくい

規模の大きいREITが多い

指数に影響を与える1つの要素として、「REIT価格が高い」という点が挙げられます。REIT価格は需給バランスで決まるので、REIT価格が高いということはそのREITに需要が集まっているということになります。

つまり、そのREITを発行しているファンドの不動産運営が良好であり、そのREITに買い手が集まっているということです。そのため、指数への影響が大きい銘柄は、「需要が高い=安定した業績を上げている」可能性が高く、それはREIT価格の安定につながります。

大量の買い・売り注文がしにくい

また、REIT指数に影響を与える銘柄は、前項のREIT価格が高い…以外にも「発行済み証券が多い」場合もあります。

その場合、買い・売り注文が出たとしても発行している証券の総量が多いため、あまりに大きな買い・売り注文でない限りREIT価格に大きな影響はありません。そのため、やはりREIT価格が変動しにくいというメリットにつながります。

デメリット

一方、指数に影響が大きい銘柄を取得するデメリットは、利回りが低い銘柄が多いということです。不動産証券化協会によると、REIT全体の平均利回りは4%ほどです。

REIT指数に影響を与える銘柄

一方、REIT指数全体に影響を与える銘柄の利回りは以下の通りです。

  • 日本ビルファンド投資法人:2.92%
  • ジャパンリアルエステイト投資法人:2.75%
  • 日本リテールファンド投資法人:2.9%
  • 日本プライムリアルティ投資法人:3.13%
  • ユナイテッド・アーバン投資法人:3.89%
  • アドバンス・レジデンス投資法人:2.5%
  • 森トラスト総合リート投資法人:4.15%
  • フロンティア不動産投資法人:4.39%
  • 野村不動産マスターファンド投資法人:3.88%
  • オリックス不動産投資法人:3.45%

このように、利回り4%を超える銘柄は、10銘柄中2銘柄だけです。

利回りが低い理由

「REIT指数に影響を与える銘柄」の利回りが低い理由は、需要が高く価格が上昇していることが理由と考えられます。そもそも、利回りの計算式は「利回り=分配金÷REIT価格」なので、分配金が一定でREIT価格が上昇すれば、相対的に利回りが下がるというわけです。

もちろん、分配金が上昇すれば利回りも上昇しますが、現時点で利回りが低い以上は、「価格変動も小さいが利回りも低い」というREITの中ではローリスク・ローリターンの銘柄といえるでしょう。

ポイント2:指数に影響が小さい銘柄のメリットとデメリット

逆に、指数に影響が小さい銘柄のメリットとデメリットは、指数に影響が大きい銘柄の逆です。つまり、利回りが高い点がメリットであり、価格変動が大きい点がデメリットです。

メリット:銘柄の利回り

指数に影響が小さい(時価総額の小さい)銘柄の利回りは以下の通りです。

  • 日本ヘルスケア投資法人:4.81%
  • マリモ地方創生リート投資法人:6.17%
  • 大江戸温泉リート投資法人:5.55%
  • サンケイリアルエステート投資法人:3.5%
  • エスコンジャパンリート投資法人:5.94%
  • CREロジスティクスファンド投資法人:5.27%
  • ザイマックス・リート投資法人:4.88%
  • さくら総合リート投資法人:5.84%
  • タカラレーベン不動産投資法人:6.5%
  • トーセイ・リート投資法人:6.16%

このように、10銘柄のうち9銘柄が利回り4%超えであり、5%以上の銘柄も7銘柄あります。

デメリット:価格変動が大きい

指数に影響が小さい銘柄…つまり時価総額が小さい銘柄は、REIT価格が安い、もしくは発行済み証券が少ないということです。そのため、大量に買い・売り注文を出しやすく価格が変動しやすいです。

そのため、逆に「売買益を得る」という点を目的にしている方は、指数の影響が小さい(時価総額が小さい)前項のような銘柄が向いているといえるでしょう。

ポイント3:保有している不動産種類を見極める

不動産種類

3つ目のポイントからは、指数以外で銘柄選びに役立つポイントを解説していきます。まずは、REITを発行しているファンドが保有している不動産種類を見極めることです。

この点に関しては以下を理解しておきましょう。

  • 特化型とは?
  • 特化型の特徴とは?
  • 複合型と総合型の特徴
  • 不動産種類で銘柄を選ぶ注意点

ファンドの保有不動産の詳細は、ファンドのHPの「ポートフォリオ」で確認することができます。

特化型とは?

特化型とは、以下のように不動産種類を1種類に絞ることです。

  • オフィスビル特化型
  • 住居特化型
  • 商業施設特化型
  • 物流施設特化型
  • ホテル特化型

オフィスビル特化型であれば、そのファンドはオフィスビルしか所有しません。また、商業施設特化型であれば、そのファンドは商業施設のみ所有するということです。

特化型の特徴とは?

特化型の特徴は、自分が期待したい不動産分野に投資できるということです。たとえば、現在インバウンド需要高く、ホテルの予約が取れないほどホテル需要が高いです。それが今後も長期間つづくと考えれば、ホテル事業の収益は右肩上がりかもしれません。

そうなれば、ホテル特化型のREITの価格と分配金が上昇する可能性があるので、そのREITを取得するというわけです。

複合型と総合型の特徴

複合型とは、「住宅×オフィス」「商業×ホテル」など、特化型の2つを組み合わせたREITです。一方、総合型とは、特化型を3つ以上、もしくは不動産種類を特定せずに運用することです。

複合型と総合型は、不動産種類が複数なので特化型より低リスクといえるでしょう。しかし、ある特定の分野が伸びているときは、不動産種類を分散している分、収益の伸びも分散してしまいます。

たとえば、ホテル事業が盛況なときでも「ホテル×オフィスビル」の複合型だと、ホテル事業で伸びた収益はホテル特化型に比べると半減してしまいます。

不動産種類で銘柄を選ぶ注意点

不動産種類で銘柄を選ぶ注意点は、以下のように保有不動産の詳細についてきちんと調べることです。

・保有棟数 ・保有エリア ・物件内訳

保有棟数とエリア

保有棟数が少なければ、空室や家賃下落リスクの分散力は弱まります。また、あるエリアに保有物件が集中している場合は、災害リスクなどが分散しにくいです。

物件内訳

そして、特化型でも複合型でも総合型でも、物件の内訳はきちんと確認しましょう。たとえば、「商業施設特化型」でも、アウトレットモールが中心なのか、GMS(総合スーパー)中心なのかは銘柄によって異なります。

また、総合型だとしても「オフィスビル7割」など、特定の不動産種類のシェアが高い場合もあるのです。そのため、不動産種類から銘柄選びをするときは、物件内訳まできちんと調べた上で行いましょう。

ポイント4:運用しているファンドの業績を見極める

4つ目のポイントは、運用しているファンドの業績を見極めることです。この点に関しては以下を理解しておきましょう。

  • ファンドの業績を見極める理由
  • ファンドの業績の見極め方

ファンドの業績を見極める理由

ファンドの業績を見極める理由は、ファンドの業績=不動産の運用実績であり、運用実績がREIT価格と分配金に影響するからです。そもそも、REITを発行している「○○投資法人」は、REITのためにつくられた法人です。

そのため、REITのための不動産運営しか行わないので、そのファンドの業績は不動産の運用実績に直結するというわけです。

ファンドの業績の見極め方

ファンドの業績の見極めた方は、各ファンドのHPで以下の点をチェックすることです。

  • 営業収益や純利益
  • 財務状況(主に借入)

営業収益や純利益

ファンドの営業収益や当期純利益は、そのまま不動産収益の数字につながります。基本的にREITは保有物件を減らすことはほぼなく、保有物件はどんどん増えていきます。

そのため、中長期的に見れば営業収益や純利益は右肩上がりで推移するべきなので、極端に落ち込んでいる年なのがあれば、その年のIR情報で原因をチェックしておきましょう。

財務状況(主に借入)

財務状況を調べることで、そのファンドの借入詳細が分かります。たとえば、長期固定金利の比率が高ければ、金利変動リスクは小さいです。

また、LTVといわれる「総資産における有利子負債比率」が高ければ、借入に依存しているので空室時や金利上昇時に支出増になり収益悪化リスクに繋がります。

これらは一見すると難しいと感じる人もいるかもしれませんが、ファンドのHPを見れば分かりやすくまとまっているので、読み解くのはそう難しいことではありません。

ポイント5:チャート推移を見極める

チャート
5つ目のポイントは、チャート推移を見極めることです。この点に関しては以下を理解しておきましょう。

  • チャート推移とは?
  • チャート推移を見極めるコツ

チャート推移とは?

チャート推移とは、今までのREIT価格の推移をグラフ化したものです。証券会社のHPなどで銘柄を検索して、「チャート」の項目をクリックすると見られます。チャート推移を見ることで、そのREITの現在値が過去と比べて高いのか低いのか、平均並みなのかが分かります。

そして、過去から現在までのREIT価格の推移を見ることで、上昇トレンドか下降トレンドか、もしくはどちらでもないのかの判断ができるのです。つまり、チャートは今買い時かどうか?を判断する指標であり、主に売買益を得たいときに利用します。

チャート推移を見極めるコツ

チャート推移を見極めるコツは以下の点です。

  • 長期スパンで見る
  • REIT指数と比べる

長期スパンで見る

まず、チャートは1か月や半年というスパンではなく、3~5年の長期スパンで見るようにしましょう。というのも、「短期スパンでチャートを見ると上昇トレンドだったのに、長期スパンでみると下降トレンドだった…」ということは良くあるからです。

証券会社やサイトによって見られる期間に差はありますが、できるだけ長期スパンのチャート見て、全体を俯瞰してトレンドを探るようにしましょう。

REIT指数と比べる

また、単に該当銘柄のチャートをチェックするだけでなく、そのチャートをREIT指数と比べましょう。というのも、REIT指数が上昇トレンドなのに、ある銘柄が下降トレンドであれば必ず理由があるからです。

もちろん、その逆も同じことがいえます。仮にREIT価格が下落している理由が一時的な要因であれば、むしろ安値で推移している今が買い時かもしれません。

このように、REIT全体のトレンドを表すREIT指数と比較することで、その銘柄のREIT価格が客観的に見えてきます。

ポイント6:利回りの推移を見極める

6つ目のポイントは、利回りの推移を見極めることです。この点に関しては以下を理解しておきましょう。

  • そもそも利回りとは?
  • 利回り推移の調べ方
  • 利回り推移をチェックするコツ

そもそも利回りとは?

REITでいう利回りは、「年間の分配金÷REIT価格」という計算になります。たとえば、日本ビルファンド投資法人のREIT価格は、2019年3月27日時点で1口764,000円、分配金予想額は以下の通りです。

  • 2019年6月:分配金予想10,440円
  • 2019年12月:分配金予想10,630円

つまり、「(10,440円+10,630円)÷764,000=利回り2.75%」というわけです。

利回り推移の調べ方

利回りの推移の調べ方は、前項で紹介した日本ビルファンド投資法人でいうと、IR情報の分配金の項目に「分配金の推移」という欄があるので、そこでチェックすることができます。ほかのファンドのHPでも似たような項目があるはずです。

ただし、利回りは「常に変動するREIT価格」が関係しているので、HPに載っていないことが多いです。そのため、分配金額の推移とREIT価格の推移のどちらもチェックしなければいけません。

利回り推移をチェックするコツ

利回り推移をチェックするときのコツは、REIT価格と分配金額が連動していないときに注目することです。分配金額もREIT価格も上昇していれば正常な状態ですが、そうでない場合には原因を検証しなければいけません。

たとえば、REIT価格が上昇しているのに、分配金額が下落しているとします。言い換えると、ファンドの業績は良くない(分配金が下がっているため)のに、REIT価格が上昇しているという矛盾が生じています。

その場合、もしかしたらその銘柄へ偶然買い注文が集中しただけで、本当は業績などが評価されていないのかもしれません。そのような銘柄を取得してしまうと、一気に売り注文が集中しREIT価格が下落するかもしれません。

ポイント7:不動産投資との違いを知る

7つ目のポイントは、不動産投資との違いを知ることです。この点に関しては以下を理解しておきましょう。

  • 不動産投資とは?
  • 収益性の違い
  • 流動性の違い
  • 初期費用の違い

不動産投資とは?

そもそも不動産投資とは、以下のような現物不動産を取得し、その賃料収入で利益を出す投資です。

  • 区分(一室)マンション投資
  • アパート一棟投資
  • マンション一棟投資

REITはファンドが不動産を取得しますが、不動産投資の場合は自らが不動産を取得します。また、オーナーが管理会社などに委託して、賃借人と賃貸借契約を結ぶという流れです。つまり、REITではファンドが行っていたことをオーナーが行うというわけです。

収益性の違い

結論からいうと、REITと不動産投資の収益は不動産投資の方が高くなりやすいです。REITの利回りは4%前後なのに対し、不動産投資の返済後利回り(≒手取りベースの利回り)は2.5%~3%ほどですが、不動産投資は融資を利用できます。

融資を利用できる強み

いくらの融資を受けられるかは、借入者と物件によって異なりますが、自己資金の10倍程度の融資を受けられることも少なくありません。

一方、REITは「信用取引」という、証券会社にお金を借りる手法を利用しても、せいぜい自己資金の3倍程度です。

収益の比較

仮に、自己資金340万円でREITと不動産投資の収益額を比較してみましょう。

  • REIT:340万円×信用取引3倍×4%=40.8万円
  • 不動産投資:340万円×融資10倍×3%=102万円

もちろん、これはどちらも運用に成功している状態ではありますが、ここまでの違いが出る点は頭に入れておきましょう。この収益性の違いから、資産をつくりたいのであれば不動産投資の方が適しているといえます。

流動性の違い

流動性とは「売りやすさ」のことであり、この点に関してはREITの方が圧倒的に上です。というのも、REITは上場しているので、市場が開いている平日日中で、かつ時価であれば即決済できます。

一方、不動産投資は査定・媒介契約・売却活動・契約・引渡し(決済)まで、半年程度の期間がかかることも珍しくありません。

初期費用の違い

また、初期費用もREITの方が安価です。REITをはじめるのに必要な資金は、そのREITの取得資金と証券会社に支払う微々たる手数料くらいです。一方、不動産投資の場合は物件価格の5%~8%の初期費用がかかります。

前項の「流動性」とこの「初期費用の安さ」を優先したいのであれば、不動産投資ではなくREITの方が適しているでしょう。

まとめ

このように、REIT指数は全REIT価格の加重平均なので、REIT指数を見ることでREITの全体市況をチェックすることができます。しかし、大事なのはREIT指数とは何か?どのようにして調べるか?を理解するだけでなく、ほかの要素と組わせることです。

今回紹介した7つのポイントを総合して銘柄選びをすることで、収益性の高い、自分の投資スタイルに合った銘柄選びができるでしょう。

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