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2020年はどうなる?REITの買い時と今後の見通し

2020年はどうなる?REITの買い時と今後の見通し

REITは高利回りな分配金を得られるため、インカムゲインを重視する投資家から支持を集めています。しかし、日本経済に大きな影響を与えるであろう東京オリンピックを控え、今後のREIT市場に不安を抱く意見も増えてきました。

今回は、2019年時点で明らかになっているデータから、2020年以降のREIT市場の見通しを解説していきます。

2020年前後のREIT指数は上値が重い状況

REIT市場は好調が続いており、2019年に突入してから右肩上がりが続いてきました。株式市場や不動産市場も上昇基調が続き、そのなかでもREITは特に強い上げ相場を見せています。

しかし、この好調な市況が、今後もずっと続くと考えるのは楽観的です。下記画像にご注目ください。 グラフ 出所:日本取引所グループ「株価指数ヒストリカルグラフ -東証REIT指数- 日足チャート

10月ごろまで上昇基調を続けていたチャートは、それ以降しばらく停滞しており、チャート右端に位置する11月ごろに急落しています。もちろん、ここから年末や2020年初旬にかけて、V字を描くようにチャートが回復する可能性もあります。

しかし、相場参加者の見方としては上値が重い、つまり上昇余地が少ないと予想する意見が多く、東京オリンピック後を境に本格的な下落基調をむかえる懸念がなされています。

過去データから「オリンピック後に投資熱は冷める」という傾向を読み取れることが、東京オリンピックを境に下落が予想される理由の1つです。

東京オリンピック後のREIT市場は下げ基調の見通し

オリンピック開催国は、いずれも以下のような経済動向をたどってきました。 グラフ 出所:日本銀行調査統計局「2020 年東京オリンピックの経済効果

オリンピック開催が決まったのち、少しずつ高まるGDP水準に対して、それ以上に投資熱が高まっていることが分かります。そして、GDPの実態を大幅に上回った投資熱が、オリンピック後に減衰している様子は明らかです。

つまり、ちょうどオリンピック開催前である2019年は、投資市場の高騰における頂点だと考えられるのです。こうした理由から、REIT市場は2020年度の東京オリンピックを境に、下げ基調に転じることが予想されています。

なお、オリンピック開催後に投資市場が下落したとして、そのまま不況になるとは限りません。上図から見て取れるように、膨れ上がった投資熱が「実質的なGDP」と同水準に収束するに過ぎないのです。

こうして大変動が予想される状況下で、私たちはどのようにREIT市場と向き合うべきなのでしょうか?

キャピタルゲインを狙ったREIT購入は不安あり

キャピタルゲイン(売買差益)を狙って投資を始めるのであれば、2020年以降は様子見をすべきタイミングです。前述したように、2019年が投資市場における盛り上がりのピークであり、2020年以降に下落続きになる見通しがあるからです。

そのため、いまからREITを買い進めたとしても、含み損が増える一方となる恐れもあります。もちろん、市場が予想と真逆に突き進むケースは多々あるため、一概に購入を控えるべきだと断言はできないものの、購入を控えるという選択が無難だといえるでしょう。

分配金を狙うなら2020年以降はチャンスになる見通し

2020年以降は、キャピタルゲインを狙った投資に対して、相場が不利に働く可能性は高いです。しかし、下落基調に転じてREITの購入価格が下がれば、分配金を狙った投資家にとって大きな買い場となります。

なぜなら、REITの取得単価が安くなることで、相対的に分配金利回りは高くなるからです。以下、青色のチャートが「東証REIT指数」を示しています。 グラフ 出所:J-REIT.jp「東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移

上記の右肩上がりを続けるチャートに対し、下図の青色チャートが示している「REITの分配金利回り」は右肩下がりとなっていることが分かります。 グラフ 出所:J-REIT.jp「J-REIT分配金利回り(10年間)

これら2枚の画像から、REIT市場が低迷しているときに分配金利回りは上がり、REIT市場が上昇をしているときに分配金利回りが下がっていると読み取れます。

つまり、REIT市場の低迷が予想される2020年以降は、上記の相関関係にならって分配金利回りが高くなることが予想されるのです。こういった理由から、当面のあいだキャピタルゲインは期待できないものの、分配金狙いの投資にはチャンスがあると考えられます。

REITは2020年以降も魅力的な投資先といえる?

投資 金融市場は全体的に上昇基調にあるなか、REITは特に投資利回りの良い金融資産として支持を集めています。本記事の執筆時点において、REITの分配金利回りは3.45%を維持しており、これは日経平均株価に組み込まれる株式配当の利回りである2.05%を上回っています。

そのため、資産保有による定期的な収入を求める投資家にとって、依然REITは魅力的な投資先だといえるでしょう。ただし、オフィスビルや商業施設を運用しているREITは、景気動向に対して非常に敏感であるため、不安定な価格推移を見せる懸念があります。

投資資産が乱高下することに不安を感じるのであれば、オフィスビルや商業施設などを扱うREITではなく、景気動向に影響を受けづらい住宅や物流施設に投資をするREITをおすすめします。

万が一を想定してアセットクラスは分散すべき

資産保有による定期的な収入を求めるとき、REITは有力な選択肢の1つとなるものの、投資資産を全てREITに集中させる行為はリスキーです。過去、リーマンショックによる世界的不況が起こった際、REITを運用する「投資法人」が倒産した事例もあります。

その後、倒産対策として法改正が行われてはいるものの、日本のREIT市場は金融恐慌を複数回経験してきたわけではないため、つぎの不況時にどのような動向を見せるのか不明瞭です。

こういった背景から、REITの優れた収益性ばかりにとらわれず、性質の異なるほかの資産にも分散投資することを推奨します。

REITを検討しているなら不動産投資も有力候補

投資 REITが持つ収益性に魅力を感じ、REITの購入を検討しているのであれば、不動産投資も有力な検討候補になり得ます。そもそも、REITは不動産へ間接的に投資をする金融商品だからです。

ただし、実際の不動産投資とは特性が大きく異なっており、それぞれメリット・デメリットがあります。この項では、REITと不動産投資のあいだにある違いを解説しています。

不動産投資は融資を利用した資産運用が可能

REITと不動産投資を比較したとき、最も大きな違いとして挙げられるのが「融資を利用できるか否か」という点です。原則として、あらゆる金融商品の購入に充てる資金調達のため、銀行や信用金庫などから融資を受けることはできません。

これはREITも例外ではなく、REITを購入するために融資を受けることはできないのです。一方、不動産投資は金融機関から「事業」として認識されており、事業への出資としてローンを利用することが認められています。

融資を受ければ、自己資金以上の投資資金を運用できるため、非常にスケールの大きな投資が可能です。たとえば、同程度の利回りであっても、「100万円を投じた場合」と「1,000万円を投じた場合」では利益額に10倍の差が生まれます。

より多くの投資資金を運用することは、シンプルながら効果絶大なのです。こういった観点から、投資効率を最大化させるのであれば、融資によるレバレッジ投資を可能とする不動産投資に軍配が挙がります。

分散投資のしやすさはREITが優位

REITは不動産投資信託とも呼ばれる、不動産投資と投資信託の中間的存在です。投資信託が「複数の株式・債券」をパッケージ化した金融商品であるように、REITは「複数の不動産」をパッケージ化した金融商品だといえます。

つまり、わずか数万〜数十万円の銘柄を1つ購入するだけで、間接的に複数の不動産に分散投資できるのです。実物資産であり、1戸ずつの高額な投資額が必要となる不動産投資では、REITのように手軽に分散投資はできません。

そのため、少額から不動産に分散投資をしたいと考えるのであれば、不動産投資よりREITが適しているといえるでしょう。

不動産投資は利益のコントロールが容易

REITは「複数の不動産」がパッケージ化された金融商品であり、この仕組みによって分散投資を可能としているのですが、パッケージ化された不動産は全てREITの運営側に選ばれたものが組み込まれています。

つまり、REITの銘柄自体は投資家が選択できるものの、REITを構成する不動産を投資家が選ぶことはできないのです。

一方、不動産投資であれば、不動産の選定や価格交渉、リフォームや売却まで全てを投資家の判断によって進められます。価格交渉やリフォーム内容を選べるということは、投資家自身の裁量によって利益を追求できるということです。

そのため、不動産運用のほとんどを一任するのであればREIT、利益を自身でコントロールしたいのであれば不動産投資を選ぶことで、それぞれ理想に近い投資スタイルを実現できると考えられるのです。

オリンピック以降のREIT市場は縮小の一途をたどるの?

将来 過去データから、オリンピック後は投資熱の冷え込みとともに、金融市場に下落が訪れる可能性があるのだと読み取れました。しかし、これはオリンピック以降、REIT市場が縮小の一途をたどることを暗示しているわけではありません。

一度、金融市場の動向がGDPと同程度に収束したのち、REIT市場は再び緩やかに回復するケースは十分イメージできます。

海外からの人口流入により不動産需要は高まる見通し

オリンピック開催にともなう金融市場の盛り下がり、日本国内の人口減少によって市場縮小が懸念されているものの、REITにとって追い風となる情報があります。

下記グラフは、日本にとどまって居住している、在留外国人の人口推移を示したものです。 グラフ 出所:法務局「国籍・地域別在留外国人数の推移

グラフからは、在留外国人が増加している様子がはっきりと読み取れます。東京オリンピックを機に日本のグローバル化が進み、在留外国人にとって居住しやすい環境が整えば、右肩上がりの人口流入がさらに加速する可能性は高いでしょう。

この傾向は、不動産市場にとって望ましいものであり、不動産へ間接的に投資をしているREITにも恩恵があることは間違いありません。

観光客増加により商業施設・宿泊施設の需要にも追い風

在留外国人の増加は、主に住居の需要向上に寄与する要素です。そのため、これだけでは商業施設や宿泊施設に対する経済効果が期待できないのですが、在留外国人だけでなく観光客も増加することを予感させるデータが出ています。

以下資料によれば、過去のオリンピック開催国は、いずれもオリンピック開催前後に大きく観光客数を伸ばしています。

グラフ 出所:日本銀行調査統計局「2020 年東京オリンピックの経済効果

オリンピック開催国における、複数のデータサンプルをもちいた検証であることから、日本においても同様の効果が期待されます。同時に、観光客の国内消費額は年々増額しており、これも相まってプラス効果が予想されるのです。

下図から、訪日外国人の増加に対して、1人あたりの消費額が大きく増加していることを読み取れます。

グラフ 出所:日本銀行調査統計局「2020 年東京オリンピックの経済効果

同資料によれば、消費額の内訳は1位が買い物、次点で宿泊料金となっていることから、前述したように商業施設や宿泊施設に需要拡大が見込めます。

これらの傾向がこのまま継続すれば、商業施設や宿泊施設に特化して投資をするREITは、より収益性を高めることが期待されるでしょう。

まとめ

相場価格の面だけを見れば、2020年以降のREIT市場は決して期待できるとはいえません。しかし、分配金を目的としてREITを運用するのであれば、下落基調に転じてV字を描くまでの期間は絶好の買い場となるでしょう。

また、オリンピック後に対し、厳しい見通しを立てる意見はあるものの、過去データを読み解く限り投資市場の冷え込みは一時的なものです。一過性の乱高下に戸惑うことなく、リスク管理を徹底して中長期的な投資プランにもとづいた行動を推奨します。

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