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REIT投資家必見!東証REIT指数の特徴と活用方法を徹底解説!

By Oh!Ya編集部

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REIT投資家必見!東証REIT指数の特徴と活用方法を徹底解説!

REIT市場は不動産業界と連動しており、株式市場とは異なる独自のトレンドにもとづいて値動きしています。このトレンドを把握する目安こそ「東証REIT指数」にほかなりません。

しかし、それを上手く使いこなせていない人も多いのではないでしょうか。

今回は東証REIT指数の解説と、個別銘柄を選定するための活用方法をご紹介します。

REIT(不動産投資信託)とは?

チャート

「REIT」は証券取引所を通じて不動産市場に投資できる金融商品です。

REITの売買により集められた資金は「資産運用会社」によって不動産運用・売買に利用され、賃料収入やトレード利益は「分配金」として投資家に還元されます。投資家への還元率は当期利益の9割と非常に高く、数ある金融商品のなかでも優れた利益率をもつ投資先です。

東証REIT指数とは?

東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している全REITの価格推移をもちいた「時価総額加重型」の指標です。株式投資における日経平均株価やTOPIXに近い役割をもち、REIT市場全体の動向を把握する指標として機能します。

東証REIT指数の過去データからみるREIT市場

REITの過去推移チャート

出典:(J-REIT.jp「東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の長期推移」を抜粋・改編)

REIT市場は2007年まで順調に成長していたものの、リーマンショック前後に一度低迷。株式市場とともに中期的な冷え込みが続きながらも、2013年ごろから回復し始めて現在まで成長を続けています。

全東証一部企業の動向をあらわす「TOPIX」と比較して、REIT市場は堅調かつ好成績を収めていることから、投資家たちから次世代の資産運用先として注目を集めてきました。

2020年の東京オリンピックに向けて不動産需要の高まりも期待されており、チャートから上昇トレンドが読み取れるため、REIT市場はさらなる成長が予想されます。

※チャート青色が「東証REIT指数(配当込み)」、チャート赤色が「TOPIX(配当込み)」です。

個別銘柄を選定するときの活用方法

東証REIT指数の日足・週足チャートを見たとき、きれいな右肩上がりであれば投資を始めるタイミングとして理想的。このような上昇基調にあるタイミングで投資することを「順張り」と呼び、利益をねらうためのオーソドックスな手法として知られています。

反対に、東証REIT指数が右肩下がりであれば、購入候補の銘柄が優れていても価格が上昇する可能性は高くありません。市場全体が下落基調になることを「地合いが悪い」といい、順張りの対極の手法にあたる「逆張り」に適した状況です。

逆張りは、投資家たちが売り注文を出しているタイミングで銘柄を買い集め、価格の反発をねらって利益をあげる戦術。しかし、熟練した投資家でも判断が難しいため、初心者がいきなり逆張りを使うのは危険です。そのため、銘柄の選定段階で地合いが悪ければ、東証REIT指数が上昇トレンドに転換するまで投資を控えた方が良いでしょう。

REIT市場を構成する物件種別の割合

REIT市場の構成比率

出典:(不動産証券化協会「Jリートダイジェスト」を抜粋・改編)

東証REIT指数は全61銘柄(*2018年11月時点)によって構成されており、それぞれのREITは異なる方針によって運営されています。

REITの誕生初期こそ、オフィスビルの運用が市場の9割前後を担っていたものの、2018年時点ではオフィスビルのシェアが半数以下まで低下。シェア比率は大きく変動しており、現在は上図のように運用不動産の多様化が進んでいます。

REIT市場の不動産比率が変われば、景気変動に対する東証REIT指数への影響も変わります。つまり、東証REIT指数への理解を深めるためには、市場を構成する各不動産の特性を知らなければいけません。

また、購入する個別銘柄を選ぶときにも、各不動産の特性は大切なポイントとなります。対象銘柄が「どの不動産に特化しているか」によりリスクとリターンの規模が異なるため、シェア上位の4タイプは必ずおさえておきましょう。

オフィスビル

REIT誕生時からシェアの大部分を担う「オフィスビル」は、企業を顧客として賃貸契約を結びます。

企業の財務状況は景気に依存するため、経済が低迷すればオフィスビルの契約相手は減少。それにともなう空室率の増加や賃料相場の下落により、オフィスビルを扱うREITは収益率が落ち込みます。

REIT誕生時よりオフィスビルの割合は低下しつつありますが、いまだ約半数を担っていることから東証REIT指数は景気変動の影響が顕著にあらわれるのです。

リスク・リターンともに高くなりやすいため、運用成績の振れ幅は大きくなりがち。オフィスビルを扱う個別銘柄は、積極的にリスクを取って利益をねらう運用に適しています。

商業施設

都市部の商業ビルや郊外のショッピングセンターからなる「商業施設」は、オフィスビルについでREIT市場で第2位のシェアを誇ります。

商業ビルはオフィスビルと同様に、都市部の企業を顧客とするため景気の影響をダイレクトに受けることが特徴。契約期間は短いケースが多く、賃貸需要の変動が大きいことから利益率の推移は激しいです。

一方、ショッピングセンターは長期契約を前提としており、収益性は商業ビルより低いものの安定した利益率が期待できます。検討している投資先の構成比率を確認する場合は、投資法人名を検索することで公式ページからポートフォリオが閲覧可能。

商業ビルが多いほど運用成績の振れ幅は大きくなりやすく、ショッピングセンターが多いほど堅調な価格推移が期待できます。

住宅

人々の生活に欠かせない住宅は、景気変動による影響が小さい不動産タイプです。ただし、オフィスビルや商業施設と異なり、取引相手は一個人であるため収益性は高くありません。

住宅を扱う個別銘柄はリスク・リターンが小さく、安定性を重視した運用に最適。短期間で大損失を生む可能性は低いため、初めてREITへ投資する人におすすめです。

物流施設

工業品や食料品、ネットショッピングを通じて売買される商品は「物流施設」に一時保管されます。トラックによる資材搬入のスペースや保管物を移動させるエレベーターが設置された、物流に特化した構造であるものがほとんど。日常生活では目にすることのない、最新技術を流用した設備がそなわっています。

物流施設は馴染みの少ない不動産タイプであるものの、各投資法人のホームページから施設の詳細を閲覧可能。工業品や食料品の保管は時代を問わず必要であり、ネットショッピングは市場を拡大しつつあることから、今後さらなる成長が期待される分野です。

その他

上位4タイプ以外には、ヘルスケア施設や宿泊施設などが含まれます。

ヘルスケア施設は少子高齢化が進む日本において、今後の成長性が期待される分野の1つ。現状、ヘルスケア関連銘柄の数は少ないものの、固定賃料と長期契約を強みとして安定した成績を残しています。

宿泊施設は観光地までの距離や交通面など、他の不動産タイプよりも立地が重視される傾向にあります。市場規模は小さいですが、訪日外国人の増加からシェア拡大が期待される分野です。

個別銘柄を購入するときに重要なポイント

ポイント

REIT市場へ投資するタイミングは東証REIT指数が参考になるものの、投資対象となる個別銘柄の種類はさまざま。投資の成果を高めるには、特に優れた運用成績をもつ銘柄を見つけることがカギです。

この項では個別銘柄を分析するために欠かせない、東証REIT指数以外の指標をご紹介します。

対象銘柄の物件構成比率

REITは組み込まれる不動産の構成により「特化型」と「複合型」、「総合型」に分かれています。

たとえば「オフィスビル特化型」であれば、オフィスビルの特性をダイレクトに反映した大きな値動きが予想されますが、「オフィスビルと住宅の複合型」であれば価格推移の振れ幅は小さくなるはずです。また、複合型は必ずしも5対5の割合とは限らないため、オフィスビルの構成比率が高まれば値動きは激しくなり、住宅の構成比率が高まれば価格推移は堅調になると予想できます。

さらに、総合型は3つ以上の不動産タイプを組み込んだもので、複合型よりもリスクの分散効果が高いです。利益率の最大化をねらった投資には不向きですが、特化型と複合型に比べて安定感のある資産運用に適しているため、構成比率を参考にしつつ理想とするリスクレベルの銘柄を探してみてください。

なお、複合型や総合型の構成比率はREIT情報サイト、不動産の所在地や土地面積など詳しい情報は「Jリート保有不動産検索システム」にて確認可能です。

現在の取引価格と本来の適正価格のギャップを算出し、対象銘柄の適正価格を求めるための指標が「NAV倍率」です。

利用方法はシンプルで、NAV倍率が1.0を超えていれば割高、1.0以下であれば割安であると判断します。各銘柄の決算情報から「保有資産額」と「負債額」、および下記の計算式を利用することで算出可能です。

NAV倍率の計算式
NAV保有資産額-負債額
一口あたりのNAVNAV ÷ 発行済投資口数
NAV倍率現在の投資口価格 ÷ 一口あたりのNAV

※横スクロールできます。

また、REIT情報サイト「JAPAN-REIT.COM」のほか、ネット上にあるいくつかのページでも公開されています。参考にするときは最新情報であることを確認しましょう。

FFO倍率

2つ以上の対象を比較し、それぞれの割高・割安を判断する指標を「FFO倍率」と呼びます。NAV倍率との決定的な違いは、適正価格ではなく相対価値を求めるという点。

FFO倍率も利用方法は簡単で、ほかの対象より数値が高いものは割高、数値が低いものを割安だと判断します。

たとえば、以下の2つであれば「投資先A」よりも「投資先B」が割高です。

  • FFO倍率が30の「投資先A」
  • FFO倍率が50の「投資先B」

また、FFO倍率は銘柄以外にも「市場の全体・一部」に応用することが可能。

  • 「REIT市場」に対して「投資先A」は割高・割安なのか
  • 「オフィスビル市場」に対して「投資先A」は割高・割安なのか

このように、銘柄同士ではなく広範囲の対象を比較する組み合わせも扱えます。NAV倍率と併用することで精度が高まるため、これら2つの指標をセットとして利用できれば理想的です。

FFO倍率は「J-REIT INSIGHT」の利用、または以下の計算式をもちいて算出してください。

FFO倍率の計算式
FFO当期純利益-不動産売買損益+減価償却費
一口あたりのFFOFFO ÷ 発行済投資口数
FFO倍率現在の投資口価格 ÷ 一口あたりのFFO

※横スクロールできます。

NOI利回り

REITの利益率を判断するための指標を「NOI利回り」と呼び、数値が高くなるほど利益率が優れていることをあらわします。

ただし、地方は賃貸需要の低下により不動産価格が下落しており、その結果としてNOI利回りが上昇しているため要注意。運用不動産が賃貸需要の高い都市部に位置し、くわえてNOI利回りが高いときに初めて「高い利益率をもつ銘柄」だと判断できます。

なお、NOI利回りの平均値は4~5%付近です。NOI利回りはREIT情報サイトで閲覧できるほか、つぎの計算式をもちいて算出できます。

NOI利回りの計算式
(年間賃料収入-諸経費)÷(不動産価格+諸費用)× 100

※横スクロールできます。

取引出来高

市場の流動性を判断するときは「取引出来高」と呼ばれる指標を利用します。ここから日単位や週単位の取引量が分かり、対象銘柄が活発に売買されているのか、もしくはあまり売買されていないのか読み取ることが可能です。

取引出来高が少なければ売り注文が成立しないため、保有銘柄をいつまでも換金できない状態に陥ります。そのため、基本的には取引出来高が多く、活発に売買されている銘柄を選びましょう。

また、可能性こそ低いものの「極端に取引出来高が少ない状態」が続けば上場廃止基準に触れることもあり、最悪の場合は上場廃止となり売買ができない状態となるため注意が必要です。

まとめ

ファイナンス

今回は、東証REIT指数の概要と活用方法についてご説明しました。

REITをはじめ不動産や株式市場などあらゆる相場では、いかに個別銘柄が優れていても大局的な動向には逆らえません。そのため、個別銘柄のポテンシャルを分析するまえに、東証REIT指数を参照して市場規模でのトレンドを知る必要があるのです。

トレンドを無視した運用はどのような投資でも成果が伸びないため、投資の基本として覚えておかなければなりません。

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