Jリート指数の基本知識~東証リート指数を左右する10の銘柄~
By Oh!Ya編集部
7,900view
投資商材には、その市況を把握するためのさまざまな指標があります。
優秀な投資家は幅広い指標に目を配り、金融市場のお金の動きを先読みして資金を動かしていきます。
指標をどう捉えるか、というのは人によって違いますが、基本的な指標が何を意味しているのかを把握することは、投資の技術を磨く上でも大切なことです。
今回は、Jリート(不動産投資信託)に関する代表的な指標である、Jリート指数の基本的な知識を解説してみたいと思います。
目次
初心者が知っておきたいJリート指数の基本
それでは、さっそくJリート指数の概要を見ていきましょう。
Jリート指数とは
Jリート指数は、日経平均株価のJリート版のようなものです。
Jリートは、証券取引所に上場し、そこで投資家からお金を集めて不動産を購入・管理・運用していきます。そしてその不動産の運用で得た賃金を、投資家にフィードバックするわけです。超少額でできる不動産投資、ともいえるでしょう。
証券市場で資金を集める際は、株式と同じように、投資証券を発行します。各銘柄の価格は、その時々の需給によって上下します。この点は、株価と全く同じですね。
ただ株式市場の場合は、銘柄の数が膨大であるため、特に人気が高く、一定の需要がある一部の銘柄の加重平均を、市場全体の現況・先行きを判断する数字(日経平均株価)としています。
一方、Jリートの場合、上場銘柄はそこまで多くありません。そのため、全銘柄を対象に平均値を出します。
つまりJリート指数は、東証に上場している全リートの時価総額の加重平均、というわけです。
指数からわかること
Jリート指数は、不動産投資市場の現況や先行きを判断するのに役立ちます。
Jリートでは、莫大な資金が動きます。リートの運用はアセットマネジメント会社が行いますが、そのスポンサーは、日本を代表する不動産会社であることがほとんど。不動産市場との結びつきも、非常に強いと言えます。
株式投資では、投資信託会社の売買が個人投資家の取引に大きな影響を与えますが、Jリートでもそれは変わりません。
また、日本の景気を判断する上でも、重要な指針となります。
リートは、為替の影響を受けづらい投資商材です。もしそこから資金が引き上げられているのであれば、海外を含めた大口の投資家に、日本全体の景気の冷え込みが懸念されている可能性が考えられます。
これまでの推移
画像引用元:マーケット概況 | J-REIT.jp
Jリートが初めて上場したのは、2001年の9月です。
そこから緩やかな上昇を続け、2006年半ば頃から地方銀行を軸に金融機関による買いが広がって、1600円から2600円まで1年足らずで急上昇。
ただ、2007年の中頃からサブプライムローン問題が持ち上がり、2006年からの上昇を打ち消すほど急落してしまいました。2008年9月のリーマンショックを受け、Jリート指数はさらに下落し、683円という過去最安値をつける事態に。
そこからは徐々に持ち直し、2012年の異次元緩和以降は、回復基調が続いています。
Jリート指数の確認方法
Jリート指数は東京証券所が発表しているものですが、各証券会社や、不動産証券化協会(不動産証券化商品市場の健全な発展を意図して発足された一般社団法人)の公式サイトなどでも確認することができます。
Jリート指数を確認できる主なサイト
指数の種類
一般にJリート指数という場合、東証に上場するすべてのリートの時価総額の加重平均を指します。
しかしこのJリート指数、じつは東証が発表する東証REIT用途別指数シリーズのうちの1種類でしかありません。Jリート指数には、不動産の用途別に以下のような3つの指数も存在するのです。
あまり積極的に活用されてはいませんが、参考までに把握されておくとよいでしょう。
- 東証REITオフィス指数…オフィス用途の物件を多く保有するリートを構成銘柄とする指数。
- 東証REIT住宅指数…住宅用途の物件を多く保有するリートを構成銘柄とする指数。
- 東証REIT商業・物流等指数…商業用途、物流用途の物件を多く保有するリートを構成銘柄とする指数。
「配当込み」と「配当なし」について
また、指数には配当込みと配当なしがある、ということも、併せて知っておくとよいでしょう。
各銘柄の時価総額の加重平均を算出する際に、配当分を組み込んで計算するのが配当込み、配当を除外して計算するのが配当なしです。
このうち、一般によく目にするのは、配当なし指数です。配当なし指数は配当分が含まれない分、算出が容易で、ほぼリアルタイムに値が更新されています。
しかし、その銘柄の実力をより正確に把握するためには、配当収入が含まれている配当込み指数を参照すべきと言えます。
この配当込みと配当なしの違いは、購入する投資信託を比較する際にも役に立ちます。実用性が高いのは配当込みの指数、ということは、ぜひ覚えておくことをおすすめします。
東証リート指数を左右する10の銘柄
Jリートは東証に上場するリートの時価総額の加重平均ですが、日興アセットマネジメントが提供している資料によれば、トップ10銘柄の時価総額が全体の60%を占めているとされています。
不動産投資市況の現況をより細かく把握するためには、こういった影響力の大きい銘柄についての知識も必要でしょう。以下に、各銘柄の概要を簡単に紹介します。
日本ビルファンド投資法人
画像引用元:日本ビルファンド投資法人
日本ビルファンドは、三井不動産がスポンサーの、日本最大規模のJリートです。指数に占める時価総額の割合はおよそ13%で、こちらも日本最大。
オフィスビルに特化した投資法人で、東京23区を中心に72の物件を抱えており、2018年11月末時点で稼働率99.5%と高い業績を上げています。
運用方針が手堅いことでも知られており、日本銀行も全体の6%以上を保有しているとのこと。日本格付研究所(JCR)や格付投資情報センター(R&I)からも高い評価を得ている、Jリートの代表格です。
ジャパンリアルエステイト投資法人
画像引用元:ジャパンリアルエステイト投資法人
ジャパンリアルエステイトは、三菱地所株式会社と三井物産株式会社が共同出資して設立された投資法人です。出資比率は、三菱地所が90%、三井物産が10%となっています。
Jリート指数に占める時価総額の割合はおよそ11%となっており、日本ビルファンドと並んで日本を代表するJリートであると言えるでしょう。
ジャパンリアルエステイトのポートフォリオも、オフィスビルに特化して組成されています。格付けも、S&PがA+、Moody’sがA1、R&IがAAと、いずれも最高水準です。
日本リテールファンド投資法人
画像引用元:トップ|日本リテールファンド投資法人
日本リテールファンドは、2002年に東証に上場した、商業施設に特化した投資法人です。スポンサーとなっているのは、三菱商事株式会社と、スイスに本拠を置く世界的金融グループのUBS。
Jリート指数に占める割合はおよそ8%となっており、商業施設特化型の投資法人としては日本最大規模を誇っています。
北海道から沖縄まで豊富に抱える物件は、上場以来、常に稼働率99%以上を保っており、業績は折り紙つきであると言えるでしょう。
日本プライムリアルティ投資法人
画像引用元:日本プライムリアルティ投資法人|JPR
日本プライムリアルティは、不動産デベロッパーである東京建物株式会社を中心に、安田不動産株式会社、大成建設株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、明治安田生命互助会社といった各分野の老舗大手企業がスポンサーとなって設立された投資法人です。
オフィスと商業施設を対象とした複合型のポートフォリオを組成しており、分散投資によるリスクヘッジを図りつつ、着実に投資規模を拡大しています。
ちなみに、Jリート指数における時価総額の割合は、およそ5%となっています。
ユナイテッド・アーバン投資法人
画像引用元:ユナイテッド・アーバン投資法人
ユナイテッドアーバンは、丸紅株式会社がスポンサーとなって設立された、日本で10番目に上場を果たした不動産投資信託です。
中・長期目線で安定的な収益を上げられるよう、投資対象となる物件を、さまざまな用途やエリアに分けて選定しているのが特徴。
2010年末に日本コマーシャル投資法人をM&Aで取得して以降は、資産規模を大きく拡大し、現在に至るまで安定した運用を続けています。
JCRからもAAという格付を取得しており、日本指折りの優良Jリートであると言えるでしょう。
アドバンス・レジデンス投資法人
画像引用元:アドバンス・レジデンス投資法人/REIT(不動産投資信託)
アドバンス・レジデンスは、伊藤忠商事株式会社をスポンサーとする、賃貸住宅に特化した投資法人です。
賃貸住宅の市況に併せた堅実な運用が特徴で、東京23区の物件がポートフォリオの大部分(70〜100%)を占めています。物件の稼働率は、96〜97%という水準をキープ。
JCRからはAA、R&IからはA+という格付けを取得しており、収益の安定性は確かと言えるでしょう。
ちなみに、住宅特化型のJリートの中では、日本で最大規模を誇っています。
森トラスト総合リート投資法人
画像引用元:森トラスト総合リート投資法人
森トラスト総合リートは、その名の通り森トラストグループがスポンサーとなって設立された投資法人です。
中核となる森トラスト株式会社は、不動産事業、ホテル・リゾート事業、投資事業を柱に成長してきた総合デベロッパー。
森トラスト総合リートでは、グループの強みを生かして、保有物件のサステナビリティを確保。収益性の向上を図っています。
ポートフォリオの軸となるのは、東京都心にある大型のオフィスビル。安定性を重視した運用方針を採っており、JCRからの格付けも、最高水準であるAAを取得しています。
フロンティア不動産投資法人
画像引用元:フロンティア不動産投資法人
フロンティア不動産は、三井不動産株式会社がスポンサーの投資法人です。中・長期的な安定収益を目指し、商業施設に特化してポートフォリオを組んでいます。
特徴は、地域の一番店を厳選している点です。三井不動産とSCマネジメント契約を結び、物件の運用を委託することで、盤石な基盤を確立。
例えば物件に入っているテナントは、平均20年間の長期固定契約を結ぶなど、中・長期的に安定収益が見込める体制が整えられています。
また、商業施設という特性上、敷金保証金の額が大きく、それを活用して負債比率を低く抑えているという点も、見逃せない特徴です。
野村不動産マスターファンド投資法人
画像引用元:野村不動産マスターファンド投資法人
野村不動産マスター投資ファンドは、オフィスビルに特化する野村オフィスファンド、商業施設・物流施設に特化する旧野村不動産マスターファンド、住宅に特化する野村不動産レジデンシャル、という3社が合併してできた総合型の投資法人です。
3社はいずれも資産規模5位以下でしたが、合併することで国内2位にまで躍進。景気動向によらず安定収益が見込める商業・物流・住宅用施設と、景気変動によって収益の拡大が見込める商業施設・オフィスへバランスよく投資を行っているのが特徴です。
オリックス不動産投資法人
画像引用元:オリックス不動産投資法人
オリックス不動産は、その名の通りオリックスグループに連なる投資法人です。
同グループがこれまでの事業活動で培ってきた金融・不動産に関する知見を存分に活用し、中・長期的に安定した収益が見込めるポートフォリオを組成しています。
投資対象となる物件は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、宿泊施設等。用途、地域を分散することで、リスクと収益性の理想的なバランスを担保しているのが特徴です。
資金に余裕があるなら不動産オーナーになるのも手
Jリートは少額で手間なく不動産投資が行えるのが魅力の投資商材です。
しかし手元に数百万円単位の資産があるなら、自身が直接不動産オーナーになってしまうのも手。
もちろん相応のリスクや手間は覚悟しなければなりませんが、うまく軌道に乗せることができれば、継続的に安定した収入を得られる他、将来に資産を残すこともできます。
不動産投資の概要
不動産投資は、文字通り不動産を対象とした投資です。
まず物件を購入し、それを賃貸することで継続的に家賃収入を得ていきます。
リフォームやリノベーションをしながら30〜40年の長期スパンで運用するのもいいですし、ある程度利益が出たタイミングで売却し、ローンをまとめて返済してしまう、というのも良いでしょう。
大きな初期費用が必要、という印象がありますが、最近はある程度の社会的信用があれば全額ローンで購入することも不可能ではありません。
物件購入費のほとんどをローンで賄い、家賃収入が返済分を上回るようにきちんと事前準備を行えば、手元に残った資金でさらに別の資産運用をすることも可能。
投資効率を高める意味でも、有用な投資商材であると言えるでしょう。
必要な元手
不動産の価格は、その物件の状況により様々です。たとえば形や築年数が全く同じ物件であっても、立地が違えば価格は大幅に変わってきます。
そのため、必要な元手を具体的にいくら、と明言するのは難しいものがあります。
ただ、安い物件であれば、400〜500万円の貯蓄があれば、金融機関から融資してもらえる可能性は十分にあると言えるでしょう。
もちろん、就いている職業や年齢、購入しようとしている物件の収益性なども融資審査の対象となりますから、確実に融資が受けられるかどうかはわかりません。
間に入ってくれる不動産会社の信用なども関わってきますから、自身の信用力に不安があるなら、融資付けが得意な会社をパートナーに選ばれることをお勧めします。
得られるリターンの目安
こちらも物件により幅がありますが、物件価格の5〜10%程度が相場と言えるでしょう。
ただ注意したいのが、投資物件の利回りは表面利回りで表されるという点です。掛かる経費や運用における空室リスクなどは考慮されていない、ということは、ぜひ知っておいてください。
たとえば、新築物件よりも中古物件の方が利回りが高いことが多いです。利回りは、物件価格に対する年間収入の割合ですから、利回りが高い=物件価格が安いということを意味します。
魅力的に思えるかもしれませんが、物件価格が低いのは、価格を下げないと買い手がつかないということです。
相応の戦略があって購入するなら問題ありませんが、利回りだけを重視して物件を選ぶと痛い目に会う可能性がある、ということは、知っておくと良いでしょう。
考えられるリスク
不動産投資の最も大きなリスクは、空室が出てしまうことです。
家賃収入が収益の柱となりますから、入居者がいなければ返済分をそのままオーナーが被らなければならなくなってしまいます。
物件を運用する際は、多少の空室が出てもマイナスにならない程度の返済額を設定するよう、毎月のお金の動きをしっかり検討しておくことが大切と言えます。
また、返済額についてだけでなく、そもそも購入物件に普遍的な魅力があるかどうか、という点もしっかり吟味しておくことが重要。
たとえば新築というだけの物件は、5年もすれば魅力を失うでしょう。
駅から近かったり、コンビニやスーパーが近くにあったり、バリアフリーだったり、入居者によって、何かしら他の物件にないメリットのある物件を厳選することが、不動産投資の成否の分かれ道となります。
運用の大まかな流れ
不動産投資は、概ね以下のような流れで行われます。
- ネットや不動産会社などを通して購入物件を選定。
- 売主に購入の打診と、金融機関へ融資の打診(不動産会社を通すケースもよくある)。
- 家賃の検討や物件のメンテナンス等についての事業計画の立案。
- 物件の購入。
- 運用開始(ほとんどの場合、管理は専門業者に委託する)。
- メンテナンスをしつつ長期運用。
- 売却やリフォーム、リノベーション等の検討。
その時々で家賃の調整を行ったり、空室を埋めるための戦略を練ったり、修繕のタイミング等を検討したり、ということもあります。
出口戦略について
出口戦略とは、手持ちの資産をどのタイミングで現金化するかを考えることです。
不動産は、流動性の乏しい(現金化しづらい)投資商材です。
売り始めてから買い手がつくまでに数ヶ月掛かることも少なくありません。必要な資金を必要なタイミングで手に入れるためにも、早め早めに、できれば運用を始める段階から検討されておくことをおすすめします。
指数連動型のETFに投資するメリット
ETFは、Exchange Traded Fundsの頭文字を取ったもの。日本語では上場投資信託を指します。
株を始めとする金融商品は、長い目で見れば価値が右肩上がりで成長していくものです。少なくとも、そう期待されています。
もちろん、すべての投資商材が右肩上がりで成長するわけではありません。しかし基本的には、価値の上昇を目指して用意されるのが投資商材です。
単一銘柄ではリスクが大きいですが、全体の平均値に連動する形を目指せば、低リスクで一定のパフォーマンスが上げられる可能性が高まります。
大まかに言えば、こうした平均値(日経平均株価等)に連動する形で運用を目指すのが、ETFです。
まず押さえておきたいETFの基本
始めに、ETFの基本的な知識を解説します。
ETFのメリット
ETFは、他の証券と同じように証券市場で売買することができます。以下に、ETFの特徴をまとめますので、それぞれチェックしてみてください。
保有コストが小さい
まず上げられるのが、保有コストの小さい投資信託であるということ。
一般に投資信託には、信託報酬として運用コストが、また、手数料として売買コストが発生します。しかしETFの場合、これらはいずれも投資信託の中では抑えめです。
ちなみに、証券市場に上場していない投資信託の場合は、信託銀行が投資家の資金を扱うコストや、販売を代行する会社に掛かるコストなどが信託報酬に上乗せされるため、ETFより割高となることが多いとされています。
信託報酬は、毎日所定の割合が資産から差し引かれる形で徴収されます。一度運用を始めてしまうと、ほとんど意識しないうちに支払っていくことになるわけです。
投資信託に限った話ではありませんが、継続費用となる運用コストについては、妥協なくチェックしておきたいところです。
分散投資が可能
ETFは、投資家から集めたお金を元手に、何らかの経済指標と連動する形になるよう、幅広い銘柄に分散投資を行うという投資商材です。
つまり、ETFを購入するだけで、分散投資ができるわけです。
投資で相応のパフォーマンスを出すためには、各銘柄に関する深い知識が必要。ETFの場合は、その道のプロが銘柄選びの判断を代行してくれるため、指標に関する知識があれば十分です。
投資初心者でも低リスク、ミドルリターンの資産運用が手軽に行うことができます。
流動性が高い
ETFは証券市場に上場していますから、開場していれば好きな時に売買ができます。株のように指値注文もできますから、希望の価格で売買することももちろん可能。
普通の投資信託では、価格変動は1日1回。一方のETFは、リアルタイムの需給が価格に反映され、売りたい時に売り、買いたい時に買える、という流動性の高さが特徴です。
リスクについて
ETFのリスクとしては、運用成績が悪く、元本割れする可能性がある、という点がまず考えられます。
これは投資信託と共通するリスクですが、信託期間が満期になるのを待たずに償還されることもある、ということはぜひ知っておくとよいでしょう。
ちなみに繰上償還となるのは、多くの場合投資家を集められない、魅力に乏しい銘柄です。人気のない銘柄は、時々極端な値動きを見せますが、多くの場合値動きに乏しく、投資商材としてあまり旨味がありません。
ETFに限った話ではありませんが、銘柄を選ぶ際は、ある程度出来高の多いもの(頻繁に取引されているもの)を中心にピックアップされることをおすすめします。
JリートとETFの違い
続いて、JリートとETFの違いを見ていきましょう。
Jリートは、不動産版の投資信託です。投資家は、特定の方針を持って不動産を運用する投資信託(=Jリート)を購入することとなります。
一方、ETFは、指数に連動する方針を持って各種投資商材を運用する投資信託です。Jリートとは、投資対象も、ポートフォリオの組成も大きく異なるわけです。
ちなみに、Jリートの指数に連動するように組まれたETFもあります。いわば、ETFのJリート版です。投資信託の不動産版がJリートでしたが、ETFのJリート版は、REIT-ETFと呼ばれます。
REIT-ETF(Jリート指数連動型ETF)と個別リート銘柄の違い
REIT-ETFと個別のETF銘柄との違いについてですが、購入方法等に大きな違いはありません。
両方とも、同じように証券市場で購入でき、また売却することができます。信託報酬が発生する点も変わりません。
ただ、分配金については、個別ETF銘柄の方が高い傾向にあります。
これはリスクとのトレードオフですので、どちらを魅力的ととるかは、資産運用の方針によって違ってくることでしょう。
いずれにせよ、自身の投資スタイルや、手持ちの運用資産とのバランスを鑑みて、柔軟な投資判断を下していくことが大切です。
Jリート指数連動型の人気ETF7選
参考までに、人気の高いJリート指数連動型のETFを7つ紹介します。
ローリスク、ローリターン(またはミドルリターン)の投資方法を探している方は、ぜひ参考にチェックされてみてください。
NEXT FUNDDS 東証REIT指数連動型上場投信
※画像引用元:野村のETF<NEXT FUNDS> | 野村アセットマネジメント
NEXT FUNDSは、野村アセットマネジメントが運用しているETFシリーズの名前です。
シリーズの公式サイトも存在し、ETFの基本や投資術、豆知識についてなど、さまざまな情報を発信しています。
NEXT FUNDDS 東証REIT指数連動型上場投信は、そんなNEXT FUNDSの代表的な商品の1つ。信託報酬は0.32%で、取引単位は10口。分配金の支払いは年に4回(2月、5月、8月、11月)となっています。
ちなみに直近2年(2017〜2018年)の分配金は、100口あたりで1回1500〜1700円ほどとなっています。
ダイワ上場投信-東証REIT指数
※画像引用元:ETF(上場投資信託)専用サイト / 大和証券投資信託委託株式会社のETF / 大和証券投資信託委託株式会社
ダイワ上場投信-東証REIT指数は、大和投資信託がラインナップするETFの1つです。
東証REIT指数と名称に入っている通り、1口当たりの純資産を、Jリートの変動と連動させることを目的に、全Jリート銘柄に投資を行っています。
2016年に上場し、信託期間は無期限。信託報酬は、信託財産の純資産額に年率0.1674%以下の数字を乗じた金額と、信託財産に属する株式の貸付けにかかる品貸料に54%以下の数字を乗じた金額をプラスしたもの、とされています。
また、分配金は年に4回、3月、6月、9月、12月に分配されます。
MAXIS Jリート上場投信
※画像引用元:投資信託なら三菱UFJ国際投信
MAXISは、三菱UFJ国際投資が運用しているETFシリーズです。
ちなみにMAXISというのは、最高を意味するMAXと、軸を意味するAXISを組み合わせた造語とのこと。「最高の品質」で「お客様の投資の軸になる」という強い信念が込められています。
MAXIS Jリート上場投信は、そんなMAXISにラインナップされる17本(2019年2月現在)のうちの1つ。
信託報酬は0.25%以内で、売買単位は10口。分配のタイミングは、3月、6月、9月、12月の、年4回となっています。
SMAM 東証REIT指数上場投信
※画像引用元:投資信託・投資顧問の三井住友アセットマネジメント
SMAM 東証REIT指数上場投信は、三井住友アセットマネジメントが提供している上場投信です。ちなみにSMAMは、社名を英語表記(Sumitomo Mitui Asset Management)にした時の頭文字。
他のJリート連動銘柄と同じように、1口あたりの資産変動率がJリート指数と連動するように、全Jリートを投資対象としています。
売買単位は10口からで、分配は3月、6月、9月、12月の年4回。信託報酬は0.22%となっています。
NZAM 上場投信 東証REIT指数
※画像引用元:農林中金全共連アセットマネジメント
NZAM(エヌザム)は、農林中金全共連アセットマネジメント株式会社の略。
同社は1985年に農林中央金庫やJA共済の機関投資家によって設立された資産運用会社で、以来30年以上にわたり、着実に実績を積み重ねている老舗です。
NZAM 上場投信 東証REIT指数は、そんなNZAMが提供するJリート指数連動銘柄の1つ。
売買単位は10口からで、分配は1月、4月、7月、10月の年4回。信託報酬は0.248%以内となっています。
まとめ
Jリート指数は、日経平均株価のJリート版。より正確に言えば、東証に上場している全リート銘柄の時価総額の加重平均です。
不動産市況の見通しを立てる上でも、非常に重要な指標と言えます。
上場投資信託の中には、Jリートに連動してポートフォリオを組成している、REIT-ETFというジャンルの銘柄も。リスクを抑えて、効率的にJリート銘柄に分散投資したい場合は、こちらを選ぶのもおすすめです。