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物件種別とエリア別の不動産利回り平均一覧と成功する投資判断フロー

By Oh!Ya編集部

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物件種別とエリア別の不動産利回り平均一覧と成功する投資判断フロー

不動産投資への参入を検討している方と、すでに投資をしている方で新たな物件購入をお考えの方にとって、購入予定の物件の利回りは最も気になるところです。そしてもうひとつ気になるのが、その物件の利回りが平均と比較してどうなのか、という位置づけです。

不動産には価格だけでなく、利回りにも相場があります。一棟マンション、一棟アパート、区分マンション、そして新築、中古・・・さらに不動産だけにエリアによって相場と平均があります。

不動産投資の投資判断で欠かすことのできない利回りの読み解き方、そして平均との比較方法について解説していきますので、収益物件の検討をされている方はぜひ最後までお読みください。

目次

物件種類別の利回り平均と必要利回りの目安

不動産投資には一棟ものや区分マンションなどさまざまな物件の種類があります。まずは、物件の種類別に利回りの平均的な相場を押さえておきましょう。

一棟マンションの利回り平均と必要利回りの目安

不動産投資の中では最も高額で事業規模が大きい一棟マンションについての利回りは、新築で3%程度、中古で7%程度が平均となります。これは東京など大都市圏での平均値なので全国どこでも一律というわけではありませんが、最低でもこれくらいの利回りが出ていないと厳しいでしょう。

一棟マンションの場合は戸数が多いためリスクは分散されますが、全室が常に埋まっているという状況を作るのは決して簡単ではないので、そのことを考慮した上での平均利回りが目安になります。

一棟アパートの利回り平均と必要利回りの目安

一棟もの投資といえば一棟アパートを連想する方は、とても多いと思います。一棟マンションは高額でリスクも高いため、サラリーマン大家など個人投資家が参入するとなると一棟アパートのほうがはるかに現実的です。

一棟アパートの場合、新築だと7%程度、中古だと9%から11%程度の利回りが平均ゾーンになります。これも一棟マンションと同様、大都市圏の都心からそれほど遠くない物件を前提にした平均値です。

区分マンション(ワンルーム)の利回り平均と必要利回りの目安

区分マンション投資の華、ワンルーム投資。大都市圏で区分マンション投資をしている人の大半は、ワンルーム投資のカテゴリーに含まれると思います。新築区分ワンルームマンションの利回りは東京で3~5%が平均ゾーンとなり、中古だと少し高くなって6~10%程度が平均になります。

中古ワンルームマンションの場合、築年数が利回りに大きく影響を及ぼします。築年数が10年未満だと6%程度ですが、これが築20年以上になると平均値でも10%を超えます。理由は簡単で、物件の取得価格が築年数が経つごとに下がっていくからで、家賃水準があまり変わっていなくても取得価格が低くなる分だけ平均利回りは高くなります。

区分マンション(ファミリータイプ)の利回り平均と必要利回りの目安

マンション投資の中ではそれほどシェアが高いわけではありませんが、ファミリータイプのマンション投資にも利回りの平均相場があります。東京など大都市圏のファミリータイプマンションを想定すると、利回りの平均は新築で2~3%、中古だと4~5%となります。

ここで注目したいのは、ワンルームマンションよりも平均利回りが総じて低いことです。この理由は、ファミリータイプマンションとワンルームマンションの家賃構造を見ると分かります。

例えば3LDKのマンションとワンルームマンションが3戸では、部屋の数は同じです。かなり乱暴な比較ではありますが、単純に広さで比較しても同様でしょう。では、3LDKのマンションでワンルームマンション3戸分の家賃を取れるかというと、そんなことはありません。利回りについても同様で、ワンルームマンション3戸分の収入がないとなると、当然利回りも割安になるということです。

戸建て住宅の利回り平均と必要利回りの目安

次に、戸建て住宅も見てみましょう。戸建て住宅もあまり投資物件になることは少ないですが、相続などで取得した戸建て住宅を貸家にしている人もいるので、そんなケースも含めて平均利回りをご紹介します。

戸建て住宅の場合、新築だと平均利回りは5%前後、中古だと6~8%程度です。新築の利回りというのは「貸家にするために家を建てる」というケースになるわけですが、あまりそのような賃貸経営をする人はいないので、戸建て住宅の場合はほとんどが中古物件ということになるでしょう。

築年数から見る利回り平均と必要利回りの目安

賃貸住宅は、築年数が増えるごとに家賃相場が低下していきます。築10年、築15年、築20年などの節目に家賃相場が下がっていくので、どの時点で物件を購入するかによって平均利回りも影響を受けます。

築年数が10年を超えている中古物件で、平均利回りと購入価値のある物件の目安を見てみましょう。以下は、中古区分ワンルームマンションの場合の目安です。

築年数平均利回り最低欲しい利回り目安
10年6%5.5%
15年7%6%
20年10.5%9%

ここでひとつ、気づいたことがあるかと思います。築年数が経っていくごとに利回りが高くなるという傾向です。「家賃相場が下がっていくのに、なぜ利回りは高くなっていくのか?」と疑問を持たれたことでしょう。

これには物件取得価格の下落が関係しています。築年数が経つごとに家賃相場が下がりますが、それと同時に物件の価格も下落します。しかも築10年や15年、20年といった節目を過ぎるごとに物件価格はどんどん下がっていくので、家賃相場がそれと同じ速度で下がらなければ相対的に利回りは向上します。

築10年の頃に家賃が10万円だった物件が20年の時に8万円になっていたとしたら、家賃は20%の下落です。しかし、物件価格が10年で半値になったとしたら、50%の下落です。家賃の下落幅と比較すると物件価格の下落の方が進んでいるので、30%の差で利回りが向上する計算になります。中古物件ではこの傾向が見られるため、築年数が増えるほど利回りは高くなければ投資価値がないと判断するべきなのです。

地方、エリア別の利回り平均と必要利回りの目安

次に、不動産の利回りを大きく左右するエリア別の傾向と利回り平均を見てみましょう。それぞれのエリアの利回り平均という具体的な数字だけでなく、異なる地域の利回り平均から見て取れる傾向にもご注目ください。

東京23区エリア

日本全国の中でも最も不動産投資が活発で、かつてあった不動産バブルに近いような状況が場所によっては起きているのが、東京23区の特徴です。特に山手線の内側については不動産の資産価値が高く、資産保全のために投資をする人も多くいます。東京23区は「23区」というように少なくとも23もの区があって地価や利回りも異なりますが、その平均値目安は以下のようになります。

物件種別利回り平均の目安
新築区分ワンルーム3%
中古区分ワンルーム4.4%
新築一棟アパート4%
中古一棟アパート5.5%

首都圏主要エリア

東京23区以外にも首都圏には不動産投資が活発なエリアがたくさんあります。東京区部以外や京浜地区などを中心に、利回りの平均目安を見ると以下のようになります。物件供給量を考えると東京23区よりも対象地区が広範囲にあるためエリアによって利回り平均もまちまちですが、投資機会はその分多いという魅力のあるエリアです。

物件種別利回り平均の目安
新築区分ワンルーム3.2%
中古区分ワンルーム5%
新築一棟アパート4.2%
中古一棟アパート6%

大阪、名古屋エリア

東京に次ぐ第2都市として知られる大阪と、同じく第3都市である名古屋。これらの都市は三大都市圏というカテゴリーになるように東京に類似した大都市圏特有の不動産市場が確立しています。特に大阪は近年のインバウンド景気や万博誘致など不動産市場の活性化要因が多く、魅力的な投資先と注目を集めていることから、物件価格の上昇が目立ちます。

物件種別利回り平均の目安
新築区分ワンルーム4.5%
中古区分ワンルーム5.3%
新築一棟アパート5%
中古一棟アパート7%

地方主要都市エリア

大阪と名古屋以外にも、日本全国にはたくさんの政令指定都市があります。特にその中でも五大都市に含まれる札幌と福岡、それに準ずる地方都市として仙台や広島といった地方の主要都市においてもエリアによっては不動産需要の高いところがあるため、不動産投資の候補地として有望です。ただ、やはり地方都市であることからエリアごとの格差が大きく、利回りの平均値や目安を求めるのは少々難しいものがあります。

物件種別利回り平均の目安
新築区分ワンルーム6.5%
中古区分ワンルーム8%
新築一棟アパート7%
中古一棟アパート9%

地方郊外エリア

地方の中でも主要都市の郊外や、工場、大学などがある周辺など特殊な要因で賃貸需要がある地域などにおける不動産投資を想定した利回りの平均目安をご紹介します。ただし地方郊外は空室になりやすいことから投資リスクが高く、以下のように平均利回りは高いですが、それが必ずしも現実になるかどうかは分かりません。

物件種別利回り平均の目安
新築区分ワンルーム7%
中古区分ワンルーム10%
新築一棟アパート8%
中古一棟アパート12%

大都市ほど利回りが低く地方ほど高い理由

この章では冒頭に個別の利回り平均だけを見るのではなく、それぞれのエリア別に数値にどのような傾向が出ているかにも注目していただきたいと述べました。実際にご覧になってお気づきの傾向は、ひとつだと思います。

それは、東京23区が最も利回りの平均が低く、地方郊外にいくにつれて利回りの平均が高くなっていくという傾向です。東京23区が最も家賃相場が高いはずですが、実際にはこのような傾向になるのは物件の価格が高いからです。

不動産投資の常識として、利回りが低い物件が低リスクで、その逆に利回りが高い物件ほどリスクが高くなっていくとされています。ここまでご紹介してきたエリア別の利回り平均を見ると、この常識が当たっていることがお分かりいただけると思います。

東京23区は最も入居者を集めやすく、それでいて家賃を高く設定することができます。それだけ低リスクなのですが、それゆえに物件価格も高くなります。それが地方郊外物件にいくにつれて入居者を集めにくくなるものの、物件価格は安くなります。つまり、入居者さえあれば利回りはとても高くなりますが、それが現実になるかどうか、満室経営になるかどうかは不透明なので、リスクが高くなります。

不動産投資の利回りから、このようにリスクの高低が分かります。エリア別の利回りを知ることで、こうした利回りの法則をしっかりと身につけてください。

なぜ不動産投資では利回りの平均と相場を知る必要があるのか

物件種別やエリア別の利回り平均を見ていただいたところで、ある程度の相場観をつかむことができたと思います。それでは次に、なぜこのように相場観をつかむ必要があるのかについて解説したいと思います。利回りを知るだけでなく、利回りの「平均」を知る意義がご理解いただけると思います。

不動産市場に利回りの平均値がある理由

そもそもなぜ、不動産市場には利回りの平均値という概念があるのでしょうか。これもそもそも論になりますが、なぜあなたがこの記事をお読みになっているのかという点にも重なります。

不動産投資は失敗が大きなダメージになるだけに、失敗したくないという心理は他の投資よりも強く働きます。そこで投資対象の物件情報を見た時に利回りを見て、果たしてその利回りが平均と比べてどうなのかを知りたくなります。

平均と比べてどうなのかを知ることで、その物件に投資する価値があるのかどうかを判断する材料にしたいと考える人は多く、そんな人のために利回り平均が活用されています。

もちろんこれはあなただけではなく、ほとんどの不動産投資家が強く意識しています。そのため、利回り平均との兼ね合いは不動産価格にも影響を及ぼします。

名言「不動産に掘り出し物なし」

古くから不動産業界にある名言に、「不動産に掘り出し物なし」というものがあります。不動産市場では需要と供給のバランスによって価格が決まり、その相場は厳然たるものであるという意味です。つまり、相場から大きく逸脱するような価格の物件があったとしても、そこには必ず何かあるというわけです。

特に相場より大幅に安い物件は要注意です。表に出ていない問題があったり、実際に現地を見てみると到底買う気がしないような問題があったりするもので、これだけしっかりと相場が確立している業界だけに、利回りについても平均値を知っておくことが重要になります。

利回りが平均値や相場よりも大幅に高いような物件があったとして、その高い利回りだけで飛びついてしまったら、後になってとんでもない問題が発覚するかも知れません。利回りの平均を知ることは、物件がまともなものであるかを知るための物差しでもあるのです。

そもそも日本の大都市圏は利回りの平均値が高い

不動産投資は世界中にある普遍的なビジネスですが、世界的に見ても日本の大都市圏は利回りの平均値が高いことをご存じでしょうか。不動産需要が旺盛で、しかも治安が安定しているため不動産を持つことに対する安心感が大きく、世界中の投資家が東京をはじめとする日本の不動産に関心を抱いています。

単純な利回り平均だけを見ると、東京は世界で第3位にランクインします。それ以外にも大阪など他の大都市においても上位にランクインする地区がたくさんあるため、日本は不動産投資国としても世界的な地位を確保しているのです。

これはあまり日本人としては知らないことですが、それだけ世界から投資マネーが流入することは不動産価格の安定化と利回りの安定化につながるため、地の利をいかせる日本人投資家にとってはとても魅力的な投資国に住んでいることを認識するべきでしょう。

利回り平均を物件種別で比較する

実際に収益物件を購入して不動産投資に参入する際には、どの種類の物件に投資するのかを検討することになります。一棟マンションは購入できる人が限られてしまいますが、一棟アパートと区分マンションであれば、いわゆるサラリーマン大家と呼ばれる人たちであっても十分手が届きます。

そこで検討時に必要なのが、それぞれの物件種別における利回りの平均値です。どれくらいの利回りを確保したいのかという戦略を立てる際には種類別の平均利回りを参考にすることになりますし、平均値との比較で投資判断をすることにもあります。

これらどの場面においても利回りの平均値を知ることはとても重要であり、そのこともあって当記事では平均利回りの目安を冒頭でご紹介しました。もちろんこれらの数値は今後変化していきますが、投資の健全性を判断する物差しとして利用してください。

利回り平均をエリア別に比較する

投資先のエリアごとに利回りが大きく異なるのは、不動産投資の大きな特徴です。東京23区と地方郊外の比較だと数倍の差があるので、同じ不動産投資といってもそれだけ見えている世界が違うということです。

以前であれば、不動産投資はお住まいの地域でやるものというイメージが強かったのですが、今は違います。東京に住んでいる人が地方都市に物件を買うことができますし、その逆に地方に住んでいる人が東京で不動産投資をすることも珍しくありません。先ほど述べたように世界的にも魅力的な日本の不動産市場なので、海外から日本の不動産を購入する勢力もあります。

どこに住んでいても魅力的な物件に出会うことができれば不動産投資が可能な今、エリアごとの利回り平均を知っておくことは遠隔地の不動産を購入する際に重要な物差しとなります。

少々リスクはあっても高い利回りを目指して地方の物件を買いたいという個人投資家も多くなっているので、このように自分の投資方針に沿って利回り平均を比較した上で投資対象を選ぶのが今どきの不動産投資です。

不動産投資の利回り平均を活用する方法

ここでは、利回り平均を知った上でそのデータをどのように役立てるべきなのかという活用法の解説をしたいと思います。すでに解説したこともありますが、利回り平均を知ったら次に何をするべきかという行動の参考にしてください。

利回りの平均から分かること

利回り平均は、文字通り対象となる属性の不動産で出ている利回りの平均値です。「少なくともこれだけの利回りは欲しい」という目安になりますし、逆に平均を下回っている物件であれば投資価値がないと判断するか、平均の利回りになるように値引き交渉の材料にもなります。

このように役立つ場面が多いことから、多くの不動産投資家が利回りの平均値を意識しています。それだけ意識している人が多い世界において、利回りが平均より高いのに売れ残っている物件があったとしたら、すぐに買おうとは思いませんね。このような判断ができるのも、利回り平均の活用方法を知っているからこそです。

利回り平均を上回っているかをチェックしよう

購入を検討している物件に投資価値があるかどうかを知る目安として、利回り平均を使うことができます。使い方はとてもシンプルで、該当する属性の不動産物件、エリアにおいて平均値となっている利回りを、対象物件が上回っているどうかを見ます。

これは第一前提ではありますが、もちろん他の不動産投資家も同様の投資判断をします。そのため、利回り平均を上回っているような魅力的な物件はすぐに売れてしまう、もしくは市場に流通する前に内々で売れてしまいます。

こういった事情のため該当する物件がゴロゴロとあるわけではありませんが、まずは気になった物件で利回りが平均値を上回っているかどうかという初動判断をすることを習慣づけてください。

利回り平均を上回っていれば安全か

対象物件の利回りが平均値を上回っているかについては第一前提になると述べました。それでは平均値を上回る利回りが表示されていれば安全かというと、そうとは限りません。

最大の理由は、そこで表示されている利回りが表面利回りだからです。表面利回りはあくまでも目安となるものであり、不動産投資を始めた時の実際の収支を示しているわけではありません。

数字のマジックと呼べるようなからくりが潜んでいることも多々あるので、あくまでも実質利回り、そして投資家の手残りであるキャッシュフローを重視して物件選びをしてください。

利回り平均はあくまでも参考データである

利回り平均を上回っていることは第一前提であるものの、平均値というのはあくまでも参考データであると認識しましょう。不動産の大きな特徴として、1つとして同じものがないという点があります。このことを考えると、平均値にあまりこだわりすぎると投資のチャンスを逃してしまう可能性があります。

不動産にはそれぞれ特有の事情や経緯があるので、平均という外的なデータよりもその不動産にある特有の事情を優先した方が優良物件に出会える可能性は高いと思います。

大切なのは、それぞれの物件がどれだけ利益を上げてくれるのか、その利益がどれだけ続くのか、そして誰もが欲しいと思える物件、誰もが住みたいと思える物件なのかどうかという極めてシンプルな思考です。

しかし、そうはいっても不動産投資は数字が支配する世界です。利回り平均だけでは見えてこない不動産投資の分析力を高めるために重要な知識を、次章で解説します。

不動産投資の現実をより正確にシミュレーションする方法

不動産投資が実際のところどのように展開し、収益はどうなるのか?といった真の姿を知るには、利回り平均との比較だけでは不足です。ここでは、利回り平均に加えて不動産投資の投資判断に役立つ数字の世界をご紹介します。

利回り平均との比較は目安である

購入を検討している物件に投資価値があるのかどうかを知る手段として、利回り平均との比較方法を解説してきました。これは第一前提ではありますが、目安のひとつにすぎません。

まずは第一関門として、検討する価値のある物件かどうかを知る上では有効ですが、利回り平均との比較だけで投資判断をするのはリスクが高すぎます。

そこで、次項でご紹介する「キャッシュフローROI」と「イールドギャップ」の活用を強くおすすめします。

不動産投資の実際を知るために有効な指標

不動産投資の真の姿を知ることができる指標として、キャッシュフローROIとイールドギャップは極めて重要です。いずれも利回り表示よりさらに不動産投資の姿をリアルに浮かび上がらせてくれるので、利回り平均との比較と併せてぜひ知っておいてください。

①キャッシュフローROI
単純に年間の家賃収入を購入価格で割ったものを、表面利回りといいます。ここには必要経費などが全く考慮されていないため、不動産投資の現実を知るためというより、単なる他の物件との比較や平均値との比較に用いる目安でしかありません。

そこで、不動産投資の真の姿に近づくことができる指標として実質利回りがあります。こちらは物件を維持するための必要経費が加味されているので現実に近くなりますが、それよりもさらに現実に即しているのが「キャッシュフローROI」です。

実質利回りよりもさらに、空室率やローン返済を考慮することで、最終的に投資家の手残りはいくらになるのかを示しているのがキャッシュフローROIなので、すべての不動産投資家はキャッシュフローROIがどれだけになるのかを最終的に知った上で投資判断をしなければなりません。

②イールドギャップ
イールドというのは利回りや利率という意味で、ギャップは差です。イールドギャップとは実質利回りとローンを借り入れた時の金利の差を示す指標で、イールドギャップが何%になるかで投資家の手残りが何%になるのかが分かります。キャッシュフローROIと似た性質の指標で、最終的に投資家の手残りがいくらになるのかを知るために、極めて重要です。

キャッシュフローROIの平均値を知ることはできない

先ほどの解説を読むと、利回りを平均と比較するのではなく、もっと現実に即したキャッシュフローROIの平均値を知って、それと比較したほうが正確ではないかとお考えになるでしょう。

確かにそれは正解なのですが、キャッシュフローROIを知るにはローン金利を知らなければなりません。ローンの金利がどれだけになるのかについては融資を利用する人の属性や信用によっても変動するため、平均値を割り出すことができません。そのため、あくまでも目安として表面利回りを使って平均値との比較を行っているわけです。

これはキャッシュフローROIだけでなく、イールドギャップについても同様です。ローン金利が確定しない以上、平均値との比較はできないからです。

不動産投資の真の姿を知って的確な投資判断を

表面利回りにおける平均との比較、そしてキャッシュフローROIやイールドギャップを使った正確性の高い不動産投資のシミュレーション。数字に強くなって成功する不動産投資家を目指すには、この両者をうまく自分のものにする必要があります。そこでおすすめの投資判断フローは、以下のようになります。

①対象物件の利回りを平均値と比較する
②実質利回りを算出して投資価値を判断する
③キャッシュフローROIとイールドギャップを試算して正確な収支を把握する
④最終的にキャッシュフローROIがプラスになることを確認したら投資する

ここまで入念な投資判断をすることで、未来の不動産投資はより成功に近づくことでしょう。重要なのは、表面利回りだけで比較をして投資判断をしてしまわないことです。

まとめ

不動産の利回り平均ってどのくらい?という疑問からこの記事をお読みになった方は多いと思いますが、最後までお読みになると利回り平均の活用法や、それだけでは足りないという真実もご理解いただけたのではないかと思います。不動産投資は投資判断の段階で成否がほぼ決まってしまうだけに、購入の前にこれらの平均値や指標などをフルに活用して失敗を回避し、安定的な利益が長期にわたって続く投資生活を手に入れてください。

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