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スルガ銀行で不動産投資ローンを借りる!知っておくべき4のこと

By Oh!Ya編集部

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スルガ銀行で不動産投資ローンを借りる!知っておくべき4のこと

今や「スマートデイズ事件」のおかげで何かと話題に挙がるスルガ銀行ですが、事件前は個人向けの不動産投資ローンでは有名な銀行でした。

そのため、不動産投資を検討している人の中には、スルガ銀行でローンを組もうと検討していた人もいるでしょう。しかし、スルガ銀行は行政処分を受けている現状なので、悩んでいる人もいると思います。

この記事では、そんな状況を踏まえ、スルガ銀行が行った不正、今後の動向、そして不動産投資ローンの概要について詳しく解説していきます。

1.スマートデイズ事件について

スルガ銀行で不動産投資ローンを組むか?を考える上で大事なのは、スルガ銀行が関係する「スマートデイズ事件」について知っておくことです。

というのも、冒頭のように行政処分を受けるほどの不正を行った金融機関から借り入れることになれば、今後の不動産投資に影響する部分があるからです。

そのため、まずはスマートデイズ事件について以下を解説していきます。

  • スマートデイズとは?
  • スルガ銀行との関係性
  • スルガ銀行に下った行政処分

スマートデイズとは?

そもそも、スマートデイズとは不動産投資会社のことであり、「かぼちゃの馬車」というシェアハウスを展開している会社です。

そのため、この事件は「かぼちゃの馬車事件」とも呼ばれていますが、同じ事件のことを指します。

スマートデイズの事業

スマートデイズが展開する事業は、以下の流れで行うサブリース事業です。

  • 投資家にシェアハウス(かぼちゃの馬車)を建築してもらう
  • そのシェアハウスをスマートデイズが一括借り上げ(サブリース)する
  • 賃料を投資家に支払う
  • スマートデイズは借り上げたシェアハウスを第三者に又貸しする
  • 又貸しした賃借人から賃料を得て収益を上げる

このような事業を展開していたスマートデイズですが、結果的に賃付けができなくなり最終的に倒産します。

投資家への影響

スマートデイズが倒産に至るまでに、スマートデイズは賃付けできなかった期間があるので収入がありません。そのため、投資家へ支払うべき賃料も未払いの状態になっていました。

しかし、投資家はローンを組んでシェアハウスを建築しているので、賃料ゼロだとローン返済ができません。

その結果、自己破産に追い込まれた投資家も出てきてしまった…というのが、この事件によって投資家が受けた被害です。

自己破産は免れたものの、数か月分の賃料は未払いのまま赤字運営になった…という投資家も多数います。

スルガ銀行との関係性

そして、そのシェアハウスに融資をしていた金融機関が、主にスルガ銀行だったのです。ただ、当然ながらその融資が通常の融資であれば問題はありませんでした。

仮に通常の融資であったのならば、スルガ銀行からすれば「融資をしたものの、融資した物件のサブリースをしていた不動産投資会社が破綻した…」だけの話です。

しかし、融資内容を精査していくうちに、銀行内の審査に多数の不正が見受けられました。たとえば、投資家の保有資産を水増ししたり、預金残高を水増ししたり…という内容です。

つまり、本来否決になる人の融資審査をスルガ銀行が不正を働き、無理やり承諾(融資)していたということになります。

スルガ銀行に下った行政処分

このような事態を重くとらえた金融庁は、立ち入り調査を実施します。

そして、スルガ銀行に投資向けローンを一定期間制限するなどの行政処分を下すことなるのです。

その後も、株価の暴落…スルガ銀行の創業者が一時退陣…保有株を巡る争い…などがあり、社内のガバナンスが整うには時間がかかるでしょう。

スルガ銀行で融資を受ける上での注意点

さて、前項まででスマートデイズ事件の概要が分かったと思います。その上で、不動産投資家がスルガ銀行で融資を受ける際に注意すべき点は以下です。

  • 全体的に不動産投資ローンの審査は厳しくなる
  • 自分で返済シミュレーションを立てる
  • 規模拡大するときは継続性に注意する
  • 金融機関が破綻したときはどうなるか?を知る

全体的に不動産投資ローンの審査は厳しくなる

野村アーバンネットが実施した不動産投資に関する意識調査(第10回)によると、投資家はローンについて以下のように回答しています。

  • ローン状況に関して変化を感じる:52.8%がYSE
  • 上記のうち「審査が厳しくなった」:87.7%がYES

このように、全体の半数近くが「ローンの審査は厳しくなった」と回答しています。この調査はスマートデイズ事件が起こった後に行った調査であり、スルガ銀行の件が深く関係しているでしょう。

自分で返済シミュレーションを立てる

前項のような背景から、そもそも金融機関全体として不動産投資ローンの審査は厳しくなると考えられます。

ただ、審査が厳しくなるとはいえ、やはり一度は不正な審査で無理やり融資している銀行なので、スルガ銀行でローンを組むときは注意が必要です。

具体的には、スルガ銀行で不動産投資ローンを組む場合には、必ず自分で綿密な返済シミュレーションを立てましょう。

そうすれば、そもそもスルガ銀行に審査する前に、「●%以上の金利で承諾されてもキャッシュフローが悪いから融資は受けないでおこう」と自分のラインを決めることができます。

規模拡大するときは継続性に注意する

また、不動産投資は規模拡大(物件を増やしていく)することも多く、その際は同じ金融機関に借りつづけることもあります。

というのも、過去の実績があった方が審査に通りやすいですし、金利優遇なども期待できるからです。

しかし、スルガ銀行は前項の通りの状況なので、今後どうなるかは不透明です。そのため、規模拡大を想定しているなら、スルガ銀行の継続性も踏まえて判断する必要があります。

金融機関が破綻したときはどうなるか?を知る

仮に、スルガ銀行で不動産投資ローンを組んだとして、スルガ銀行が破綻したとします。そのようなときは、一般的に別の金融機関に同条件でローンが引き継がれます。

不動産投資ローンではなく住宅ローンですが、2002年にシティバンク銀行が一部を除いて住宅ローン事業から撤退した際には、条件変更なしに三菱UFJ銀行が引き継ぎました。

スルガ銀行から融資を受ける際は、このような破綻時の対応に関しても知っておきましょう。

2.今後のスルガ銀行について

ローン

スルガ銀行で不動産投資ローンを借りる際に知っておくべき2つ目は、今後のスルガ銀行に関する以下の動きです。

  • ノジマとの提携
  • 新生銀行との提携

前項の事件を受けて、現在スルガ銀行がどのような状況かを把握しておきましょう。それは、スルガ銀行で不動産投資ローンを組むかどうかの判断材料になります。

ノジマとの提携

2019年5月に家電量販店大手であるノジマと業務提携を発表しました。ノジマとは、クレジットカードなどの面で提携するメリットがあると判断したとのことです。

ノジマは傘下にネット関連事業のニフティを抱えているので、ネットを駆使した個人融資に力を入れているスルガ銀行と相性が良いようです。

新生銀行との提携

一方、新生銀行とも2019年5月に業務提携を発表し、主に住宅ローンの分野で協業します。というのも、スルガ銀行は外国人などにも積極的に融資するので、独自の審査モデルがあるからです。

つまり、新生銀行が受け皿としてもっていない顧客を、スルガ銀行が受け皿として登場できます。

スルガ銀行で不動産投資ローンを借りるなら、特にローン分野で協業する新生銀行との動向については注視しておくべきでしょう。

3.アセットプランについて

スルガ銀行で不動産投資ローンを借りる際に知っておくべき3つ目は、以下のアセットプランに関することです。

アセットプランの概要

アセットプランとは、いわゆる「フリーローン」のことです。ローンというのは、たとえば住宅ローンなら自宅購入、カーローンなら車の購入と、その融資の使い道が決まっています。

一方、フリーローンは基本的には用途自由で、教育資金でも他社ローンとの借り換えにも利用可能です。

2019年7月時点で、スルガ銀行で不動産投資ローンを組むなら、このアセットプラン(フリーローン)になります。

金利や金利種類などについて

次に、金利や金利種類について以下を知っておきましょう。

  • 変動金利とは?
  • 固定金利選択型とは?
  • 全期間固定金利とは?

結論から言うと、スルガ銀行の不動産投資ローン(アセットプラン)は変動金利しかありません。そのため、変動金利以外の方が良いと判断すれば、ほかの金融機関でローンを組むことになります。

変動金利とは?

変動金利とは以下のような金利タイプです。

  • 半年に1回金利を見直し
  • 上記を5年に1回返済額に反映
  • 基本的には最も低金利

つまり、5年に1回返済額が変動するリスクはあるものの、3種類の金利タイプの中では最も低金利というのが変動金利です。

固定金利選択型とは?

固定金利選択型とは「3年固定」や「5年固定」などの金利タイプであり、以下のような特徴があります。

  • 期間満了後は金利を切り替える
  • 固定期間中は金利が変わらない
  • 金利水準は中間

たとえば、3年固定であれば3年経過後に変動金利に切り替えるか、再度固定金利選択型のプランを選ぶかを選びます。

全期間固定金利とは?

全期間固定金利は、その名の通り借入期間中ずっと金利が変わらないプランです。返済額の変動リスクがない分、金利は最も高めの水準になります。

このように、固定金利に魅力を感じるなら、スルガ銀行のアセットプランでは実現不可能なので他行で検討すべきでしょう。

種類ごとの金利と返済額の差

次に、金利による返済額の差を頭に入れておきましょう。仮に、借入期間25年、借入期間3,000万円、元利均等返済でローンを組んだ場合の金利別返済額は以下の通りです。

金利総返済額月々返済額
1.5%35,994,148円119,980円
2.0%38,146,723円127,156円
2.5%40,375,309円134,585円
3.0%42,678,858円142,263円

他行と比較するときに、金利による返済額差は非常に重要なので、必ずシミュレーションした上で金融機関を判断しましょう。

融資期間と融資額について

次に、融資期間や融資額について解説していきます。

なお、以下よりアセットプランとアセットプランプラスという2つのタイプが出てきます。借入者の属性(年収や勤務先など)によって、どちらのプランになるかはスルガ銀行が判断します。

融資額について

スルガ銀行の不動産投資ローンの融資額は以下の通りです。

  • アセットプラン:最高2,000万円まで(100万円以上10万円単位)
  • アセットプランプラス:最高1億円まで(2,000万円以上10万円単位)

また、借入者の年収に占める割合、および目安の最大借入額は以下の通りです。

年収割合最大借入額(目安)
250万円未満25%約1,250万円
400万円未満30%約2,400万円
500万円未満35%約3,400万円
500万円以上40%約3,900万円※500万円想定

最大借入額は金利3%、借入期間30年を想定しています。あくまで参考として認識ください。

融資期間について

スルガ銀行の不動産投資ローンの融資期間は以下の通りです。

  • 融資金額が2,000万円以内:20年以内(1年単位)
  • 融資金額が2,000万円超:30年以内(1年単位) このように、融資金額によって借入期間に差があります。

期間と金額による返済額の違い

借入期間に差があるので、借入期間による返済額の違いをみていきましょう。

借入期間総返済額月々返済額
30年39,918,769円110,885円
25年38,146,723円127,156円
20年36,423,456円151,765円
15年34,749,375円193,052円

このように総返済額・月々返済額に差があるので、特に月々返済額に注意してキャッシュフローが回るような借入期間を設定しましょう。

利用者・返済方法や費用に関すること

次に、以下について解説していきます。

  • 利用者
  • 返済方法
  • 諸費用など

利用者

スルガ銀行の不動産投資ローンを利用できる人は原則個人で、以下の条件を満たす人です。

  • 借入時点の年齢が20歳以上65歳未満
  • 最終返済時の年齢が76歳未満
  • 団体信用生命保険に加入できる人
  • 保証会社の保証が受けられる人

上記は、他行と比べても通常の条件といえます。

返済方法

スルガ銀行の不動産投資ローンの返済方法は以下の通りです。

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

元利均等返済は、金利が変わらない限り毎月一定額の支払いになります。ただし、最初は返済額に占める利息部分の割合が大きいので、総返済額は多くなります。

一方、元金均等返済は毎月の支払い額に占める元金の割合が一定です。そのため、最初の月々返済額は大きくなり徐々に減額していくという仕組みです。総返済額は元利均等返済より少額になります。

借り入れる際の諸費用やその他手数料

借り入れる際には以下の諸費用がかかります。

  • 手数料:100,000円(税別)
  • 保証料:借入者や物件による

保証料は数千円~数万円ほどですが、金額は借入者や物件によります。そのため、詳細はスルガ銀行のホームページを参照ください。

その他の概要

アセットプランについて、さいごに以下の「その他概要」に関することを解説していきます。

  • 団体信用生命保険
  • 担保と保証人

団体信用生命保険

スルガ銀行は団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。団信とは、借入者が亡くなったり、高度障害になったりしたときに、その時点の残債が補填される保険です。

団信も生命保険なので、健康状態によっては加入できない…つまりローンを組めないので注意しましょう。

他行では、団信加入により金利上乗せや別途費用がかかることもありますが、スルガ銀行では団信加入によるマイナス面はありません。

担保と保証人

担保の保証人については以下の通りです。

  • 担保:購入する不動産に抵当権を設定
  • 保証人は原則不要

ただし、年収合算者または担保物件に共有者がいる場合、もしくは保証会社が保証人を必要と認めた場合には保証人が必要になります。

4.シニア向けセカンドハウス・リゾートローンについて

ローン2
前項のアセットプラン(プラス)が、2019年7月時点でスルガ銀行から不動産投資に関する融資を受けるスタンダードな方法です。

ただ、もう1つシニア向けセカンドハウスローンである、リゾートローンもあるので以下について解説していきます。

  • シニア向けローンの概要や特徴
  • その他の概要

大筋は、前項のアセットプランと同じです。

シニア向けローンの概要や特徴

リゾートローンは、基本的に別荘などのセカンドハウス向けローンではありますが、不動産投資にも利用できるローンです。

ただ、利用できる人は、個人で以下に該当する人です。

  • 借入時点の年齢が50歳以上
  • 最終返済時の年齢が82歳未満
  • 安定収入または一定の資産から安定的な返済が可能である
  • 現在までの人生を堅実に過ごされている方
  • 一定の社会的責任を果たされてきたと判断できる人

このように、あくまで「シニア向け」のローンとなっているので、50歳以上の方が不動産投資をはじめるときに利用できます。

その他の概要

また、その他の概要に関しては以下の通りです。

  • 融資金額:10万円以上1億円以内(10万円単位)
  • 融資期間:1年以上30年以内
  • 金利:変動金利
  • 返済方法:元利均等返済or元金均等返済
  • 保証人や担保:アセットプランと同じ
  • 団体信用生命保険:アセットプランと同じ
  • 手数料など:アセットプランと同じ

特に金利面は借入者によるので、他行と比較しながら検討することをおすすめします。

まとめ

スルガ銀行は現在世間からの評価が厳しい状況です。ただ、ローンを借りるという意味では、世間からの評価が厳しかろうと、そこまで関係ありません。

とはいえ、破綻リスクなどは規模拡大のとき不利に働くので、上述した点は認識しておきましょう。大事ことは、金融機関それぞれの概要や特徴を知った上で金融機関を判断することです。

その「比較」が、最終的に自分に合った金融機関選びにつながります。

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