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提携ローンと金融機関ローンの6つの違いをプロが解説!

By Oh!Ya編集部

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提携ローンと金融機関ローンの6つの違いをプロが解説!

不動産投資を検討していて、すでに色々と勉強している人は、不動産投資にとってローンは非常に重要であることが分かると思います。

ただ、ローンのことを調べていると「提携ローンとは何か?」という疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、提携ローンと金融機関ローンという2種類について詳しく解説していきます。

この記事を読めば、この2つはどのように違うのか?注意点は何か?が分かるはずです。

提携ローンと金融機関ローンの概要

まずは、提携ローンと金融機関ローンの概要である以下の点を解説します。

  • 提携ローンは不動産会社が斡旋する
  • 金融機関ローンは自分で探す
  • 実際に提携ローンはどのくらいあるのか?

前提として、ここでいう金融機関ローンは「プロパーローン」や「非提携ローン」と呼ばれることもありますが、全て同じ種類のローンを指しています。

提携ローンは不動産会社が斡旋する

提携ローンとは、不動産会社が提携している金融機関でローンを組むことです。不動産会社が物件を投資家に紹介したり提案したりするときは、自社で提携している金融機関を紹介することがあります。

というのも、大半の不動産投資はローンを利用するので、自社で金融機関を斡旋できた方が投資家にとっても楽だからです。

ただし、全ての不動産会社に提携している金融機関があるわけではありません。また、提携している金融機関があったとしても、どこの金融機関と提携しているかは不動産会社ごとに異なります

金融機関ローンは自分で探す

金機関ローンは、不動産会社が提携している金融機関ではなく、自分で金融機関を探します。実際に自ら金融機関へ連絡をして、個別に金融機関と審査手続きをする必要があるということです。

「金融機関」とひとくちにいっても、以下のようにたくさんの種類があります。

  • メガバンクや大手銀行
  • 中堅銀行
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • ノンバンク(オリックスなど)
  • 日本政策金融公庫

ただ、「銀行でないとダメ」という制限はなく、基本的にどの金融機関でも問題ありません。要は、金融機関から融資の承認をもらい、該当の不動産を購入できれば問題ないということです。

実際に提携ローンはどのくらいあるのか?

そもそも不動産投資には大きく分けて以下2パターンあります。

  • 不動産会社主導で新築アパートやマンションを建築
  • 中古不動産を仲介してもらう

不動産会社主導で新築アパートやマンションを建築

これは、いわゆる「アパマン経営」といわれる不動産投資方法であり、この場合には提携ローンを利用するケースが大半です。

たとえば、アパートを新築する場合に、プランや施工会社の選定を不動産会社であるA社に依頼したとします。その際は、A社の提携ローンを利用して、アパートの取得費用を支払うということです。

中古不動産を仲介してもらう

一方、たとえば「区分(一室)マンションの購入」や「一棟の中古アパート・マンション」を購入する場合は、個別に物件を探して仲介会社を経由して購入します。

このケースの場合で、仲介会社が個別に提携している金融機関が存在するケースは稀です。そのため、この場合には「物件探し」だけでなく、「金融機関探し」が必要になることもある点は認識しておきましょう。

1.手続きに関する手間

手順

提携ローンと金融機関ローンの概要が分かったところで、この章より2つの違いを解説していきます。1つ目の違いは、手続きに関する以下の違いです。

  • 提携ローン:不動産会社が主導する
  • 金融機関ローン:自分で全てコントロールする

簡単にいうと、提携ローンは不動産会社が主導してくれるので手続きが楽で、金融機関ローンの場合は自ら全ての手続きをする必要があるので面倒です。

不動産投資ローンの手続きとは?

不動産投資ローンの手続きの流れは以下の通りです。

  • 事前審査申込
  • 事前審査に承認
  • 本審査申込
  • 本審査に承認
  • 金銭消費貸借契約(ローンの本契約)

提携ローンであれば、不動産会社が事前審査から金銭消費貸借契約のアポイントまで、全てをコントロールしてくれます。

そのため、スケジュールの漏れなどのリスクも小さく、安心してローン審査から金銭消費貸借契約を結ぶことができるでしょう。

金融機関ローンはスピード勝負

上述したように、金融機関ローンを利用するケースは、中古不動産を購入するケースです。中古不動産を購入する場合は新築時と異なり、競合相手がいるのでスピード勝負になります。

この点に関しては以下を認識しておきましょう。

  • 中古不動産を購入する流れ
  • 売買契約を締結する条件

中古不動産を購入する流れ

中古不動産を購入する流れは以下の通りです。

  • 条件に合う物件を探す
  • 希望する物件に買付を入れる
  • 金融機関で審査をする
  • 審査承認後に売買契約を締結する

買付を入れても必ず購入できるわけではありません。まず、売買金額が売主と合意できていることが条件です。

売買契約を締結する条件

また、ローンを利用して購入するなら、事前審査に承認していないと売買契約を結ぶことができないケースが大半でしょう。

つまり、金融機関ローンを利用するときは、早めに審査をして事前審査の承認を得ないことには、ほかの検討者が先に購入してしまう可能性があるのです。だからこそ、「スピード重視」といえます。

2.融資判断にかかる時間

提携ローンと金融機関ローンの2つ目の違いは融資判断にかかる時間です。

  • 提携ローン:比較的融資判断早い
  • 金融機関ローン:審査が遅い場合がある

不動産投資ローンの審査項目は?

そもそも、不動産投資ローンの場合は以下が審査項目になります。

  • 借入者の年収や自己資金率
  • 借入者の勤務先や会社規模、雇用形態
  • 借入者の信用情報(過去の延滞歴など)
  • 所有する不動産の収益性や担保価値

提携ローンの審査が早い理由

提携ローンの審査が比較的早い理由は、前項の項目のうち「不動産の収益性や担保価値」の信用性が高いからです。

この点については以下を知っておきましょう。

  • 資料の作成
  • 信頼性

資料の作成

たとえば、不動産会社であるA社に主導してもらい、新築アパート経営をはじめるとします。

その場合、不動産の担保価値や収益性などに関する資料は、A社に用意してもらい金融機関へ提出するのが一般的な流れです。

A社にはノウハウがあるので、精度の高い資料が作成できますし、A社に実績があれば金融機関はその資料を信用しやすいといえます。

信頼性

また、提携ローンの場合には、金融機関は過去にA社から紹介された人に融資した実績があるケースも多いでしょう。

つまり、「提携しているA社からの紹介案件」になるので、実績のない個人が審査する金融機関ローンよりも信用性は高いのです。

このような事情から、金融機関にとっては提携ローンの方が信用性は高いので、審査がスムーズに進み結果も比較的早く出るのです。

金融機関ローンは借入者による

金融機関ローンは借入者によって審査スピードは全く違います。たとえば、以下のようなケースの場合で審査スピードはどのように違うでしょうか?

1.既に3物件の運用実績があり同じ金融機関で審査
2.高年収の公務員が少額の借入を行う
3.低年収の個人事業主が高額な借り入れを行う

この場合は、1.2のケースの方が信頼性は高くなるので、比較的審査結果が早く出るケースが多いでしょう。一方、3の場合はたとえば「支店長との面談が必要…」など、時間がかかるケースが多いです。

3.融資特約が付けられるかどうか

特別
提携ローンと金融機関ローンの3つ目の違いは、融資特約が付けられるかどうかの違いです。

提携ローンは融資特約が付けられますが、金融機関ローンの場合には基本的に融資特約は付けられません。この「融資特約」に関しては以下を知っておきましょう。

  • 融資特約とは
  • 融資特約がつけられないリスク
  • 提携ローンでも注意

融資特約とは

融資特約とは、事前審査で承認をもらっていたものの、本審査で非承認になった場合に白紙解約になる特約です。

事前審査は支店レベルで行い本審査は本店で行うので、「事前審査OK→本審査NG」という可能性はゼロではありません。もし非承認になれば物件の購入はできないので、売買契約をキャンセルになります。

本来であれば、買主都合の売買契約キャンセルは、買主が売買契約時に売主へ預けている手付金が没収になります。

しかし、本審査で非承認になったことに関して、買主に非がない場合には、「どうしようもなかった」ということで、売買契約は手付金返還の白紙解約になるのです。これが融資特約になります。

融資特約がつけられないリスク

前項のような融資特約は、基本的に提携ローンでしか設定できません。

というのも、売主からすると提携ローンは不動産会社主導しているので信用度は高いですが、金融機関ローンは売主が個別に手続きしているからです。

そのため、一般的には金融機関ローンで融資特約は付けず、もし本審査で非承認になった場合には手付金は没収の売買契約キャンセルとなります。

提携ローンでも注意

ただし、提携ローンでも以下のように買主の責任による本審査の非承認の場合は、融資特約は適用されずに手付金没収の売買契約キャンセルになります。

  • 転職して勤務先が変わった
  • 別のローンを組んでしまった
  • 既存のローンで延滞してしまった

物件の引渡しを受けた後は転職しても新たにローンを組んでも構いませんが、引渡しまでは事前審査時のプロフィールと変わらないことが条件です。

4.選べる金融機関

提携ローンと金融機関ローンの4つ目の違いは、選べる金融機関の種類になります。

  • 提携ローン:限られる
  • 金融機関ローン:交渉できる機関は多数ある

提携ローンは不動産会社にとって異なる

提携ローンは不動産会社によって提携している金融機関が異なるので、逆にいうと自分で金融機関を選べないということです。

たとえば、「定期預金をA銀行で組んでいるのでA銀行の審査が通りやすいのでは?」と思っても、不動産会社がA銀行と提携していなければ、「提携ローン」として融資を受けることはできません。

その場合は、提携ローンがあるものの、個別にA銀行と交渉して審査手続きをする金融機関ローンになります。

ただし、不動産会社によっては「提携ローンで物件を購入すること」を条件にしていることもあるので、その場合には提携している金融機関から選ぶ必要があります。

金融機関ローンは自由度が高い

一方、金融機関ローンは手続きを全て自力で行う必要があるので、逆にいうと金融機関を自由に選ぶことができます。

そのため、昔から付き合いのある金融機関でローンを組んだり、支店が自宅近くにある金融機関でローンを組んだりと、自分の都合に合わせて金融機関を選べます。

5.事務手数料

手数料
提携ローンと金融機関ローンの5つ目の違いは、事務手数料になります。

  • 提携ローン:数万円発生する場合がある
  • 金融機関ローン:不動産会社に支払う手数料なし

ローン組む際の諸費用

そもそも、不動産投資ローンを組んだときに、金融機関に支払う諸費用は以下の通りです。

  • 不動産投資ローン事務手数料
  • 不動産投資ローン保証料
  • 印紙代

ローン事務手数料とは、金融機関へ事務手数料として支払う費用です。保証料とは、借入者が延滞したときや返済不能になったとき、代わりに残債を支払ってくれる保証会社へ支払う費用です。

印紙代は、金銭消費貸借契約を結ぶ際に必要な費用になります。これらの費用は、基本的に提携ローンでも金融機関ローンでも、どちらもでも発生する費用です。

提携ローンは不動産会社に手数料を支払う場合がある

提携ローンの場合は、上述したように不動産会社が主導して手続きをします。つまり、金融機関とのやり取りや、書類の受け渡しなどは不動産会社が行うということです。

そのため、不動産会社によっては「ローン事務取次手数料」などの名目で、数万円の費用がかかる場合があります。これらの費用は「諸費用概算表」などの記載があるので、必ず確認しておきましょう。

一方、金融機関ローンの場合は自分で手続きするので、この費用はありません。

不動産投資ローンは粘り強く交渉する

このように、提携ローンと金融機関ローンには5つの違いがあります。ただ、どちらのローンを選ぶにしても、不動産投資にとってローンは非常に重要な役割を持ちます。

特に、金融機関ローンは自分の粘り次第で以下の条件が大きく変わることもあるので、その点を認識した上で粘り強く交渉しましょう。

  • 金利
  • 返済期間

金利

不動産投資ローンは住宅ローンと違い、たとえば「1.89%~2.87%」などのように金利の幅が広いです。これは、借入者のプロフィールや物件によって、適用金利が異なることを意味しています。

以下のように金利による返済額の差は大きいので、粘り強く交渉して少しでも低金利で組める金融機関を探しましょう。

金利総返済額月々返済額
1.5%35,994,148円119,980円
2.0%38,146,723円127,156円
2.5%40,375,309円134,585円
3.0%42,678,858円142,263円

※借入金額3,000万円、借入期間25年、元利均等返済

返済期間

また、金利だけでなく返済期間も借入者によります。一般的には、信用度の高い人ほど長い期間で借入可能であり、借入期間による返済額の違いは以下の通りです。

借入期間総返済額月々返済額
30年39,918,769円110,885円
25年38,146,723円127,156円
20年36,423,456円151,765円
15年34,749,375円193,052円

こちらも前項と同じ、借入金額3,000万円、借入期間25年、元利均等返済です。

借入期間が短い方が総返済額は低くなりますが、月々返済額は高くなります。一方、借入期間が長いと総返済額は高くなりますが、月々返済額は低いです。

つまり、返済期間を自由に選べるということは、月々返済額を自分の都合に合わせた金額にできるということです。

スマートデイズ事件による引き締めに注意

2018年に世間を騒がせた不動投資のニュースといえば、スマートデイズ事件でしょう。スマートデイズ事件とは、シェアハウス運営業者であるスマートデイズが倒産したことによって起きた事件です。

スマートデイズ事件の概要

簡単にいうと、スマートデイズが借り上げていたシェアハウスに賃付けできず、資金繰りが悪化してスマートデイズが倒産した事件です。

スマートデイズが借り上げていたので、そのシェアハウスのオーナーはスマートデイズから賃料をもらいます。

しかし、賃付けできずに資金繰りが悪化していたので、スマートデイズから賃料がもらえない期間があったようです。その未払い賃料を残したまま、倒産してしまったというわけです。

また、この事件では、スルガ銀行が「借入者の預金水増し」など、虚偽の報告をして審査を通していたことが問題になっています。

今後の不動産投資ローンへの影響

これら一連の事件によって、金融庁はスルガ銀行に行政処分を下すなどの処置をしています。

このような背景があったので、この事件をきっかけに不動産投資ローンの審査は厳しくなったといわれています。

現に、野村不動産アーバンネットのアンケート調査によると、多くの投資家が金融機関の審査が厳しくなったと回答しています。

ただし、金融機関の審査が厳しいということは、投資用物件を購入できる人が減る可能性があり、需給バランス的に一時的に物件価格は落ちる可能性があります。

これらのことから、金融機関への交渉は粘り強く行うことができれば、低価格で不動産を取得できるチャンスかもしれないということです。

まとめ

このように、提携ローンと金融機関ローンは、同じ不動産投資ローンではありますが違う点が多くあります。重要なのは、それぞれの特徴を理解することです。

そして、実際にどちらかのローンを組むときは、両方の特徴を踏まえた上で金融機関を選びましょう。特に、金融機関ローンを組む場合は、粘り強く交渉が必要な点は認識しておきましょう。

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