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ソーシャルレンディングをはじめる前に知っておくべき12個のリスク

By Oh!Ya編集部

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ソーシャルレンディングをはじめる前に知っておくべき12個のリスク

投資を検討しており、色々と投資について調べた人の中には「ソーシャルレンディング」という投資方法に興味を持った人もいると思います。ソーシャルレンディングは最近よく話題になる投資方法であり、特に動画サイトなどで積極的に広告展開している投資方法です。

しかし、不動産投資や株式投資と比べるとまだメジャーな投資とはいえないので、イマイチ理解しきれていない人もいるでしょう。そこで今回は、ソーシャルレンディングをはじめる前に知っておくべき12このリスクを解説します。

この記事を読むことで、ソーシャルレンディングのリスクとその対策を知ることができ、ソーシャルレンディングの仕組みも頭に入るでしょう。

目次

ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディングとは、お金を借りたいと思っている借り手(企業)と、お金を貸したい(運用したい)と思っている投資家をマッチングするサービスです。ソーシャルレンディングはネット上で行われ、投資家は1万円から企業に融資することができます。

たとえばSBIソーシャルレンディングというサービスがあり、このサービスはSBIホールディングスが運営しています。そのサイトを介して以下の流れで借り手と貸し手をマッチングするという仕組みです。

  • 無料で投資家として登録する
  • 投資家が投資先の企業を選ぶ
  • 投資家が資金を口座に入れて融資する
  • 投資先の企業から分配金を得ることで投資家が収益を上げる

投資先は実にたくさんの企業があり、太陽光関連企業もありますし、不動産ファンドなどもあります。自分が投資したいと企業の業績を信じ、リターンを狙って投資をするという流れです。

リスク1:ほかの投資とリスクとリターンの考え方が違う

利回り では、これよりソーシャルレンディングのリスクについて解説していきます。1つ目のリスクは、ほかの投資とリスクとリターンの考え方が違うという点です。

一般的な投資の利回り

一般的な投資は、「投資金額×利回り」で計算される額が、投資家が得らえる収益(リターン)になります。たとえば、「利回り4%」の商品に300万円投資したら、「300万円×4%=12万円」を投資家は収益として得ることができます。

基本的に利回りは年利で考えるので、年間で12万円の収益を得らえるという計算です。そして、投資のリスクとリターンは連動しているので、リスクが大きいほどリターンも大きく、リスクが小さいほどリターンも小さいというのが一般的な考え方です。

ソーシャルレンディングのリスクとリターン

ソーシャルレンディングの場合には、リスクとリターンが連動していない場合があります。というのも、ソーシャルレンディングはサービスを運営している会社が、企業に手数料を乗せて貸し付けているからです。たとえば、A社が運営するソーシャルレンディングサービスAを介して、Z社に貸付けたとします。

Z社からするとAを通じてお金を借りるということであり、Aからすると投資家から集めたお金をZ社に貸すということです。このとき、Aは自社の利益を得るために、集めたお金に金利を乗せて貸し付けます。そして、その金利は基本的には公開されません。

仮に、この案件が利回り5%だったとしても、Aが2%の金利で貸し付けているのか、4%の金利で貸し付けているのかでリスクは変わってきます。当然、4%の金利で貸し付けている方がZ社の負担は大きくなるのでリスクは上がりますが、どちらもリターンは変わらず5%です。

リスクを減らすための方法は案件選び

このように、ソーシャルレンディングの運営会社によって貸し付ける金利が異なるので、リスクとリターンは必ずしも連動しません。そのため、「ハイリスク・ローリターン」などの案件が存在している可能性もあります。

このリスクを減らす方法は、きちんと事業に注目することです。利回りももちろん参考にしますが、貸し付ける企業が何のサービス・商品をつくり売り出すか?という点に注目して案件は選びましょう。

リスク2:デフォルトのリスクがある

2つ目のリスクはデフォルトのリスクがあるという点です。ソーシャルレンディングもほかの投資と同じく、あくまで自己責任であり、融資先の企業を信じる投資です。そのため、元本保証ではなく、投資した金額がゼロになるリスクが付きまとう点は理解しなければいけません。

デフォルトになると元本回収もできない

そもそもデフォルトとは「債務不履行」という意味で、金融機関の世界で良く聞かれる言葉です。たとえば、A銀行がX社に融資を行ったものの、X社の業績が悪く貸したお金が返ってこない状態です。

ただ、銀行の場合は不動産などを担保に融資しているケースが多いので、仮にデフォルトになっても担保に取っている資産を処分することで補填できます。

ソーシャルレンディングで不動産事業に貸し付ける場合には、「貸付型案件」といって担保を取っているケースもあります。しかし、それでも担保を処分して資金を全額回収できるか分かりませんし、担保を取っていない案件であれば資金は返ってこないです。

デフォルトリスクを減らす方法は運営会社のチェック

ソーシャルレンディングの運営会社は、融資先企業を以下のような要素で独自にジャッジしています。

  • 財務諸表による審査(貸借対照表・損益計算書・CF計算書)
  • 経営者の経歴など
  • 事業の業界調査
  • 事業の実態確認
  • 返済原資の確認
  • 外部調査会社による調査

融資先の案件のチェックも大事ではありますが、たとえば上記の財務諸表のチェックなどは、基本的に運営会社に頼ることになります。つまり、ソーシャルレンディングを運営している会社の調査能力によって、融資先の企業の信用度は左右されます。

そのため、ソーシャルレンディングの運営会社の過去の実績などをチェックすることで、そもそもデフォルトリスクの小さい融資先をラインナップしているかどうかが分かり、それがデフォルトリスクの回避につながります。

リスク3:流動性は低い

流動性

3つ目のリスクは、流動性が低いという点です。流動性とは「売りやすさ」「処分のしやすさ」のことです。

ソーシャルレンディングの流動性

ソーシャルレンディングでいう流動性とは、「貸したお金を回収する」ということですが、基本的に一度投資をすると満期まで投資したお金は回収できません。というのも、借りた企業からすると、突然「お金を返して欲しい」と言われても困ってしまうからです。

後述しますが、3種類の方式で収益が分配されるので、少しずつお金が返金される方式もありますが、「今すぐ一括で返して欲しい」という要望は通りません。

たとえば、株式投資であれば証券市場が開いていれば売買できますし、時間はかかりますが不動産も売却することはいつでも可能です。この「流動性が低い」という点は、ソーシャルレンディングの大きなデメリットになるでしょう。

リスクを減らすための方法は投下資金のコントロール

そもそも流動性が低いことのリスクは、「資金を回収できない」ということです。つまり、突発的に資金が必要になったり、ほかの投資に資金を回したりということができなくなります。

そのリスクを回避する方法は、投下する金額を考えることです。投下金額は、突発的な支出に対応できるくらいの金額にしておき、余裕資金の一部をソーシャルレンディングに投下した方が良いでしょう。

リスク4:早期返済されるケースもある

4つ目のリスクは、早期返済されるケースもあるということです。これは投資家が金銭的なリスクを被るというよりは、「予定と違う」という点に関してのリスクです。

早期返済とは?

ソーシャルレンディングは、案件によって運用期間が決まっています。そして、上述のように運用期間が満了するまで、基本的に投資した金額は返還されません。しかし、以下のケースで融資先の企業が早期返済するケースもあります。

  • 予想よりも事業展開のスピードが早い
  • 金利の低い新たな借入先が見つかった

この場合は、企業は借りているお金を返済する方がメリットはあるので、早期返済となることもあります。投資家は金銭的に損するわけではありませんが、期待していた利回り&期待していた期間での運用ができなくなります。

リスクを減らす方法は新たな投資先のチェック

このリスクを減らす方法は、単純に新たな投資先を常にチェックしておくことです。金銭的なリスクはないので、むしろ「短期間で投資金額が増えて戻ってきた」と考えるべきです。その投資金額で新たな投資をすれば問題ないので、常に投資先をウォッチしておきましょう。

リスク5:情報開示に差がある

情報

5つ目のリスクは、情報開示に差があるという点です。情報開示がされているほど、投資家は融資先の企業を選別できるので有利といえます。

情報開示が解禁になった

そもそも、2018年6月頃までは、ソーシャルレンディングは情報開示ができませんでした。融資先の情報を公開することで、その企業の情報が漏れることを恐れていたのが理由です。

しかし、投資家からすると情報開示されていない企業に融資するのはリスクが高いので、2018年6月頃に融資先の情報開示が解禁になりました。ただし、情報開示はソーシャルレンディングの運営会社によって異なります。

リスクを減らす方法はサービスの比較

この時のリスクは、情報開示があまりされていないサービスを利用することで、企業をあまり知らないまま融資するということです。リスクを減らす方法としては、色々なサービスを見比べて、情報開示を積極的に行われているサービスを利用することです。

リスク6:分配方法に違いがある

6つ目のリスクは、分配方法に違いがあるという点です。ソーシャルレンディングの分配金は、大きく分けて以下3種類に分かれます。

  • 元本一括返済
  • 元利均等返済
  • 満期一括返済

先にいっておくと、リスクを減らすための方法は上記3つの分配方法をきちんと理解しておくことです。

元本一括返済

元本一括返済とは、運用開始(融資開始)後にリターンが毎月支払われ、運用期間が終われば元本を一括で返済する方法です。ただ、毎月ではなく3か月に1回や1年に1回など、案件によって頻度に違いある点は注意が必要です。

融資を受けた企業からすると、元本は運用終了まで返還しなくて良く、毎月発生する支出は分配金(利回り分のリターン)だけです。そのため、借りたお金を効率よく運用できるので、リターンも大きくなるので、投資家にとってもメリットがあります。

一方、元本は運用終了まで戻ってこないので、途中でデフォルトになったときのリスクは高いです。

元利均等返済

元利均等返済とは、リターンと元本が毎月投資家に分配される方式です。運用開始の最初の月から最後の月まで、同額のリターンを得らえるのが特徴といえます。元本一括返済と違い、融資を受けた企業からすると、毎月元本とリターンのどちらも返済する必要があります。

そのため、元本一括返済よりは融資されたお金を効率的に使えないので、元本一括返済よりは利回りは落ちやすいです。一方、投資家にとっては分配金の中には元本を含まれているので、途中でデフォルトしても元本の一部は返還されています。

満期一括返済

満期一括返済とは、満期まで元本もリターンも支払わないということです。たとえば、利回り10%で12か月の運用期間という案件があり、その案件に100万円投下したとします。利回り10%なので、年間で10万円、毎月約8,333円という計算です。

仮に、元本一括返済の場合は、毎月8,333円の分配金が支払われ、12か月後に投下した100万円が返ってきます。一方、満期一括返済の場合は毎月の分配金はなく、12か月後に110万円が返還されるという仕組みです。

毎月分配金がもらえないのがデメリットですが、融資先が最も効率より借りたお金を運用できるので、利回りは最も高くなりやすいです。

リスク7:複利効果が働かないケースもある

複利

7つ目のリスクは、複利効果が働かないケースもあるということです。このリスクは、「流動性が低い」というリスクにもつながるリスクです。

複利効果とは?

複利効果とは、儲けたお金を含めて再投資することで、雪だるま式に収益を増やす方法です。たとえば、年利10%の金融商品に100万円投下したとします。そうすれば、1年後に110万円(+10万円)になって戻ってきて、この110万円を再投資すれば121万円(+11万円)になります。

このように、儲けたお金を再投資することで、収益額を増やしどんどん資産を増やしていくのが複利効果になります。

ソーシャルレンディングで複利効果を得る方法

そもそもソーシャルレンディングで複利効果が働かないケースは、運用期間が長い案件かつ満期一括返済の案件です。この場合、運用期間満了までは投資資金を再投資することができませんので、複利効果という意味では非効率的な投資になります。

リスクへの対策は割り切ること

対策としては、運用期間の長い案件かつ満期一括返済の場合は、割り切って複利効果を考えないことです。もしくは、複利効果を得たいのであれば、運用期間が短い案件を選ぶか、元利均等返済を選択するのが最も良い方法でしょう。

リスク8:投資資金には前払いと後払いの2パターンある

8つ目のリスクは、投資資金には前払いと後払いの2パターンあるという点です。大半のソーシャルレンディングは、投資家が預託口座へ振り込むことで融資するという前払い方式を採用しています。つまり、その預託口座に入っているお金が投資金額です。

しかし、後払い方式を採用しているサービスで、案件を選択する前に預託口座へ入金してしまうと、返金手続きをしてから改めて案件ごとに入金することになります。その場合、返金手続きが面倒な場合があるので、投資資金の支払い方式は必ず確認しましょう。

リスク9:投資中の案件には信託保全がない

保全 9つ目のリスクは、投資中の案件には信託保全がないという点です。

信託保全とは?

信託保全とは、ソーシャルレンディング事業者が投資家から預かった資産を、外部の信託銀行などに預けることです。外部に預けることで、仮にソーシャルレンディングの事業者が破綻しても、投資家から募った資金を保護することができます。

株式投資や投資信託の場合には、証券会社が信託保全するので安心です。FX事業者も、同じく信託保全している事業者が大半です。

ソーシャルレンディングは信託保全がない

一方、ソーシャルレンディングは大半の事業者が信託保全をしていません。これは、まだまだソーシャルレンディングの歴史が浅く、未整備な部分が多いことが原因でしょう。

ソーシャルレンディング事業者の口座とは分けて管理されていますが、単に分別管理しているに過ぎず、外部に預けて保護しているわけではありません。

リスクへの対策は事業者を選ぶこと

リスクへの対策はやはり事業者を選ぶことでしょう。どの案件に融資するか?だけでなく、ソーシャルレンディング事業者の規模や財務状況などを良くチェックして、どのソーシャルレンディング事業者を選ぶか?を考えましょう。

リスク10:投資申請のキャンセルは自由にできない

10個目のリスクは、投資申請のキャンセルは自由にできないという点です。投資を申し込むときは、どのソーシャルレンディングでも同じですが、キャンセルのタイミングは異なります。たとえば、案件の募集までキャンセルが自由なこともあれば、一度申し込んだからキャンセル不可の場合もあります。

また、オンラインでキャンセルできることもあれば、電話でないとキャンセルを受け付けないこともあります。いずれにしろ、対策としてはキャンセル時の対応を調べてから投資することです。

リスク11:資産運用されない期間もある

11個目のリスクは、資産運用されない期間もあるという点です。ソーシャルレンディングでは、融資先から返却された資金が、ソーシャルレンディング事業者から投資家へ返還されるまでに時間がかかります。理由は、事業者内でさまざまな手続きがあるからです。

特に、運用期間が短い案件ほど、資産運用されない期間の割合は大きくなります。たとえば、3か月の運用期間の案件と、2年間の運用期間の案件があります。ソーシャルレンディング事業者から投資家へ返還される期間は、どちらも似たようなものなので仮に1か月だとしましょう。

そうなると、「運用3か月+非運用1か月」「運用2年+非運用1か月」と前者の方が効率の悪い投資になります。そのため、運用されない期間も調べた上で投資を行うことが重要です。

リスク12:レバレッジ効果はない

12個目のリスクは、レバレッジ効果がないという点です。これは、金銭的なリスクではありませんが、「資産を増やしたい」と思って投資をはじめても、意外と資産は増えない…という結果になり得るリスクです。上述した通りソーシャルレンディングは流動性が低いので、途中でやめることもできません。

レバレッジ効果とは?

レバレッジ効果とは、たとえば現物不動産投資でいう「融資」です。要は、小さな資金で大きな資産を手に入れることであり、レバレッジ効果は収益と直結します。たとえば、「利回り10%」の案件があったとして、レバレッジ効果がある場合とない場合を比較してみます。

仮に、300万円投資をすれば、レバレッジ効果がなければ年間で30万円の収益です。一方、レバレッジ効果が10倍あれば、3,000万円の資産に利回り10%の収益なので、年間で300万円の収益になります。

もちろん、融資を受けるので金利の支払いなどが発生するため、まるまる300万円が利益になるわけではありません。しかし、少なくともレバレッジ効果によって収益を飛躍的に増やすことは可能です。

リスクへの対策は「知ること」

対策としては、まず前項のレバレッジ効果を知ることです。仮に、資産を作りたいと思っているならば、不動産投資のようにレバレッジ効果が高い投資をしないと、中々資産は増えてくれません。

反対に、資産をつくるというよりは、資産を守りながら少しずつ資産を増やしたいのであれば、レバレッジ効果はなくても構わないでしょう。いずれにしろ、レバレッジ効果を知り、自分が投資をする目的を明確にすることが重要です。

まとめ

このように、ソーシャルレンディングは新たな投資方法であり、不動産投資や株式投資などとは根本的に仕組みが異なります。まだまだ情報も多くない中なので、上述したリスクはきちんと理解した上で投資しましょう。

特に、ソーシャルレンディング事業者選び、そして案件選びは重要です。リスクへの対策をしっかり確認し、効率の良い投資を目指しましょう。また、資産を作るという意味では、レバレッジ効果の高い投資を選択することをおすすめします。

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