メニュー

はじめての不動産投資をOh!Ya(オーヤ)で知る・学ぶ・実践する

資料請求 面談予約

固定資産税とは?不動産投資家が知っておくべき8つのこと

By Oh!Ya編集部

3,220view

固定資産税とは?不動産投資家が知っておくべき8つのこと

不動産投資を検討している人の中には、「固定資産税とはどのような費用か?」と思っている人もいると思います。固定資産税は不動産投資における支出部分なので、不動産投資家なら知っておかなければいけません。

今回は、そんな固定資産税について、不動産投資が知っておくべき8つのことを解説します。固定資産税の算出方法はもちろん、物件取得時にかかる費用なども解説するので、不動産投資を検討している人はぜひ参考にしてください。

1.固定資産税の概要

固定資産税について不動産投資家が知っておくべき1つ目は、固定資産税の概要である以下です。

  • 固定資産税とは?
  • 都市計画税との違い
  • 固定資産税の納付時期
  • 固定資産税額の調べ方

固定資産税とは?

そもそも固定資産税とは、マンション・土地・戸建などの不動産に対して課せられる税金のことです。固定資産税は、1月1日時点でその不動産を所有している人に課せられる税金であり、固定資産税評価額に税率を掛けることで税額を算出します。

固定資産税評価額は各市町村が個別に決めるので、行政の担当者が総務省の定めた「固定資産評価基準」に基づいて算定するという流れです。

固定資産税評価額の細かい算出方法まで知る必要はありませんが、後述する固定資産税の計算方法は理解する必要があります。また、固定資産税評価額は3年に1回のペースで改定される点も覚えておきましょう。

都市計画税との違い

固定資産税と似ている税金に都市計画税があります。固定資産税と都市計画税を合わせて「固都税」と呼ぶこともあり、都市計画税は主に都市計画事業や土地区画整理事業に利用される税金です。

都市計画税は「市街化区域内」の不動産にしか課税されませんが、固定資産税はどの区域であろうと課税されます。

ただ、入居用不動産は市街化区域であることが多いので、不動産を所有したら固定資産税と都市計画税の両方を支払うと認識しておいて問題ないでしょう。

固定資産税の納付時期

固定資産税の納付は、各市町村から毎年4~6月頃に「固定資産税決定通知書」という書面が送られてくるので、その通知書を元に納付するという流れです。

厳密にいうと東京23区内だけ東京都が管轄していますが、いずれにしろ自治体ごとに通知時期などは若干の違いがあります。

たとえば、東京23区の場合には固定資産税の納付時期は以下です。

  • 第1期:6月30日まで
  • 第2期:10月2日まで
  • 第3期:12月27日まで
  • 第4期:2月28日まで

このように、固定資産税は4回に分けて納付期限が決まっています。上記のように4回に分けて支払っても良いですし、一括で支払っても良いです。

2.固定資産税の計算方法

計算

固定資産税の概要が分かったところで、固定資産税について不動産投資家が知っておくべき2つ目である「固定資産税の計算方法」について以下を理解しましょう。

  • 固定資産税の税率
  • 特例が適用されるケース
  • 固定資産税評価額とは?
  • 固定資産税額の調べ方

固定資産税の税率

固定資産税、および都市計画税の税率は以下の通りです。

  • 固定資産税=課税標準額×1.4%
  • 都市計画税=課税標準額×0.3%

課税標準額と固定資産税税評価額は異なる金額です。通常、家屋(建物)の課税標準額は固定資産税評価額と同じですが、土地の場合は住宅用地に対する特例措置や負担調整措置などで調整されるます。

そのため、固定資産税評価額よりも小さくなることがあるため、上記のように固定資産税評価額ではなく「課税標準額」という書き方をします。

特例が適用されるケース

課税標準額は住宅用地に関して以下の特例があります。

  • 住宅用地の特例
  • 新築住宅の建物の特例

中古の区分マンション投資などは、土地を区分所有者全員で共有しています。

そのため、1人1人が所有する土地面積は小さく、土地部分の固定資産税はあまり関係ないので、上記もさほど気にしなくても良いでしょう。

しかし、一棟アパート投資・マンション投資の場合は土地も全部オーナー所有になるので、上記は関係してくるでしょう。

住宅用地の特例

住宅用地には以下の特例があります。

項目固定資産税都市計画税
小規模住宅用地固定資産税評価額×1/6固定資産税評価額×1/3
一般住宅用地固定資産税評価額×1/3固定資産税評価額×2/3

小規模住宅用地とは、住宅1戸あたり200㎡以下の土地のことです。一方、一般住宅用地とは住宅1戸あたり200㎡超、かつ住宅の床面積の10倍までの土地のことです。

事例:住宅用地の特例

たとえば、150㎡のアパート用地(全4戸)を取得した場合で、そのアパート用地の固定資産税評価額が1,500万円だとします。

その場合、小規模住宅用地に該当するので、固定資産税評価額は以下のように軽減されます。

項目固定資産税都市計画税
固定資産税評価額250万円(1,500万円×1/6)500万円(1,500万円×1/3)

この金額が上述した「課税標準額」になるというわけです。この金額に税率を掛けて算出した税額は以下の通りです。

  • 固定資産税=250万円×1.4%=3.5万円
  • 都市計画税=500万円×0.3%=1.5万円

新築住宅の建物の特例

新築住宅の場合には、居住床面積120㎡相当分については「固定資産税額×1/2」になるという特例があります。ただし、以下の点は注意しておきましょう。

  • 120㎡を超える部分は減額されない
  • 建物が完成してから3~5年の間のみ
  • 軽減が受けられる条件は床面積が50㎡~280㎡まで

中古物件を取得する場合は関係ありませんが、アパートやマンションを一棟建築する場合には関係してくることです。

3.これから購入する不動産の固定資産税額の調べ方

ここまでで固定資産税の概要や税率、そして特例について理解できたと思います。

次は、固定資産税について不動産投資家が知っておくべき3つ目である「固定資産税がいくらなのか?」を調べる方法について解説します。

固定資産税を調べる方法は以下2通りに分かれます。

  • 中古不動産を購入する場合
  • 新築不動産を購入する場合

固定資産税はその物件を運用する際の支出になるので、物件購入前に必ず確認しておかなければいけません。

中古不動産を購入する場合

中古不動産の場合は、現オーナーが既に固定資産税を支払っています。そのため、現オーナーに納税通知書を見せてもらえれば、固定資産税額が分かります。

納税通知書に「課税明細書」の「価格」という欄があるので、その欄を見れば固定資産税評価額(課税標準額)、および固定資産税額が分かります。

通常は、仲介を担当する不動産会社が売主の納税通知書をチェックし、固定資産税額を物件取得後のランニングコストとして教えてくれます。

ただし、上述のように固定資産税評価額は3年に1回のペースで改定されるので、不動産会社から提示された金額は、将来的に変動する可能性がある点は認識しておきましょう。

新築不動産を購入する場合

このように、中古不動産を購入する場合は固定資産税額が分かりますが、新築不動産を購入する場合には、土地の固定資産税評価額は分かっても建物部分は分かりません。

そのため、その不動産の建築を依頼した投資用不動産会社などが、おおよその固定資産税額を算出してくれます。とはいえ、あくまで予想の域を超えないため、参考程度に認識しておきましょう。

その不動産で収支計算をするときには、投資用不動産会社などに提示された固定資産税額より少し高めにシミュレーションしておくことをおすすめします。

4.固定資産税評価額が変わる要素

変動
固定資産税について不動産投資家が知っておくべき4つ目は、固定資産税評価額が変わる要素を知っておくことです。

固定資産税評価額が変わる要素は、上述した「3年に1回のペースでの改定」以外に、以下3点の要素があります。

  • 立地
  • 構造や建材など

固定資産税評価額が大きく上昇することになれば、固定資産税も上昇します。つまり、それだけ投資物件の支出が上昇するということです。

そのため、不動産投資家であれば固定資産税の上昇要因は頭に入れておきましょう。

立地

固定資産税評価額は、実勢価格の70%程度を目安に算出されます。実勢価格とは、「実際に売却された金額」ということです。

実勢価格が決まる要素としては、どの駅が最寄りか?環境は良いか?などの立地面が大きな要素になるので、言い換えると固定資産税評価額は立地によって大きく変わるということです。

つまり、そのエリアが再開発される…駅が新規改築される…などのときは固定資産税が上昇する可能性があります。

その際は不動産の売却価格も上がっているということですが、不動産投資は家賃収入がメインなので売却価格が上がるメリットよりも、固定資産税が上昇するリスクを重視すべきでしょう。

構造や建材など

次に構造や建材などでも固定資産税評価額は変わります。大まかにいうと、建築コストが高い家ほど固定資産税が高くなる傾向にあります。

また、床面積が同じだとしても、木造よりも鉄骨造、鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造(RC造)の不動産の方が評価額は高くなりやすいです。これは、耐用年数の長さが「RC造>鉄骨造>木造」だからです。

そのため、たとえばアパート建築するときには、木造よりも鉄骨造の方が建築費用は高くなり、さらに固定資産税も高くなるという点を忘れないようにしましょう。

その固定資産税が上昇する分、ランニングコストの負担も大きくなるため、収支計算が変わってきてしまいます。

5.固定資産税が発生するタイミングと精算について

固定資産税について不動産投資家が知っておくべき5つ目は、固定資産税が発生するタイミングと精算についてです。

固定資産税の発生タイミングはケースバイケースなので、以下の2つのケースで解説していきます。

  • 建物を新築した場合
  • 中古物件を購入した場合

建物を新築した場合

不動産を新築した場合で、以下のようなケースです。

  • 2018年1月1日に土地を所有
  • 2018年10月1日に建物が竣工&登記

この場合、2018年に発生する固定資産税は「土地」だけであり、2018年1月1日時点で完成していない「建物」に関して固定資産税は発生しません。

つまり、2018年4~6月頃に郵送されてくる「固定資産税決定通知書」では、土地の固定資産税だけ請求されるというわけです。

2019年1月1日時点では建物が竣工して所有権が登記されているので、2019年の「固定資産税決定通知書」には、土地・建物どちらの固定資産税も請求されます。

中古物件を購入した場合

次に、中古物件を購入した場合の固定資産税の発生タイミングも、原則は前項の新築物件取得時と同じです。

たとえば、2018年1月1日に中古マンションの引渡しを受けた場合には、2018年の固定資産税は買主が支払います。

ただ、2018年の6月に中古マンションの引渡しを受けた場合には、2018年1月1日時点の所有者である売主が「2018年の固定資産税」の支払い義務を負います。

6.不動産購入時の固定資産税の支払い

前項で、固定資産税の発生タイミングを理解できたと思います。注意点としては、基本的に固定資産税は売主・買主間で保有期間によって精算するという点です。

ここでは、固定資産税について不動産投資家が知っておくべき6つ目である、「保有期間の精算とは何か?具体的にどのような精算方法になるのか?」について解説してきます。

保有期間によって精算する

たとえば、中古マンションを購入して、その物件の引渡しを2018年7月1日に受けたとします。

その場合、2018年1月1日~6月30日の固定資産税は売主、2018年7月1日~12月31日の固定資産税は買主が支払うのが原則です。

固定資産税の支払い者はその不動産の所有者ですが、その「所有者がどうかの判断」は所有権が登記されているかどうかです。

不動産の登記は引き渡し時に行うので、売買契約から1~2か月後に所有権が移ります。つまり、固定資産税の精算は、売買契約日ではなく引渡し日をベースに精算するというわけです。

固定資産税の精算事例

前項の例で、仮にそのマンションの固定資産税額が年間12万円だったとします。その場合、マンション購入者は「固定資産税精算分」として、6万円(半年分)を売主に支払うのが基本です。

「基本」というのは、そのようなルールが厳格にあるわけではなく、商慣習的に清算するので必ず発生するわけではありません。

とはいえ、大半のケースで固定資産税の支払いは発生するので、諸費用として想定しておいた方が良いでしょう。

7.タワーマンションの固定資産税の注意点

タワーマンション
固定資産税について不動産投資家が知っておくべき7つ目は、タワーマンションの固定資産税についての注意点である以下です。

  • タワーマンション節税とは?
  • タワーマンションの固定資産税は何が変わった?

タワーマンション節税とは?

タワーマンションの固定資産税について知るためには、まずタワーマンションの節税について知る必要があります。というのも、タワーマンション節税があることによって、固定資産税の仕組みが変わったからです。

タワーマンションの価値は上階の方が大きい

たとえば、40階建てのタワーマンションにおいて、同じ70㎡の部屋でも3階住戸は3,000万円で、40階の最上階は4,000万円…くらいの価格差は良くあります。

言い換えると、マンションは一般的に上層階の方が眺望・陽当たりなどの関係で資産価値が高く、将来的に売却する場合でも高く売れやすいということです。

眺望面を売りにするタワーマンションであれば、その価格差は通常のマンションより大きくなります。

固定資産税は同じ

前項のように、資産価値は上階の方が高いものの、実は固定資産税評価額は同じです。つまり、3,000万円の3階住戸も、4,000万円の最上階住戸も、同じ固定資産税評価額ということです。

そのため、最上階の資産価値の高い部屋を購入した方が固定資産税の節税効果は高いため、「タワーマンション節税」といわれているのです。

また、これは相続税の節税にも同じことがいえます。というのも、相続税評価額(建物部分)は固定資産税評価額を参考にするからです。

タワーマンションの固定資産税は何が変わった?

前項のような状況を受けて、国税庁は財産評価基本通達6項を適用するとしました。

財産評価基本通達6項を適用するとは、簡単にいうと「評価額が著しく不適用な場合は否認する」というものです。

言い換えると「明らかにおかしな評価額で税金を算出した場合には、固定資産税評価額の見直しを求める場合がある」ということです。

この通達を受けて、タワーマンションでも階層ごとに固定資産税評価額を変えることになり、節税効果は小さくなりました。

特にタワーマンションを購入する場合には、このタワーマンション節税に関してルール改正された点は認識しておきましょう。

8.不動産投資の「支出」を知っておこう

固定資産税について知っておくべきことの8つ目は、不動産投資の支出全般についてです。

というのも、固定資産税は不動産投資の支出に関わることなので、固定資産税以外にも必要な支出を知っておくべきだからです。

とはいえ、本記事のメインは固定資産税なので、以下のそのほか支出については概要だけ簡単に解説します。

  • ローン返済額
  • 退去時の原状回復費用
  • 管理委託手数料
  • 火災保険料や地震保険料
  • 管理費、修繕積立金(区分所有)
  • 共用部の修繕費用(一棟投資)
  • 税理士への報酬(確定申告への依頼時)
  • その他経費(物件運営のための交通費など)

ローン返済額

不動産投資で物件を取得するときは、不動産投資ローンを組んで取得することが大半です。そのローン返済額も支出になり、一般的にローン支払い額は不動産投資の中で最も大きな支出になります。

退去時の原状回復費用

一般的に、賃借人が退去するときには、管理会者経由で原状回復の立ち合いを依頼します。

原状回復の費用負担は、賃借人の故意過失以外は原則オーナー負担になるので、その原状回復費用も支出となります。具体的には、クロスの補修費用やフローリングの張替え費用などです。

管理委託手数料

不動産投資には以下の業務が発生しますが、通常は管理会社に以下の業務をすべて委託します。

  • 賃借人の募集や契約業務
  • 家賃回収や滞納時の連絡
  • 賃借人からの問い合わせ回答
  • 原状回復業務
  • 教養部の清掃や管理(一棟投資のみ)

その際、家賃の3~5%程度の管理委託手数料がかかります。手数料率は、管理会社やプラン(どこまで任せるか)によって異なります。

火災保険料や地震保険料

物件ごとに加入する火災保険と地震保険も所有者が負担します。ローンを組むと火災保険は必須加入なので、火災保険に関する支出は必須でかかると思っておきましょう。

地震保険は任意で加入しますが、火災保険よりも高額です。加入するかどうかは、そのエリアの地震リスクを検証してから判断することをおすすめします。

管理費、修繕積立金(区分所有)

区分所有の場合には、管理費と修繕積立金が徴収されます。区分所有の場合は、外壁や外部廊下などの「共用部」に関する管理・修繕は、その金額から賄います。

逆にいうと、区分所有の場合は個別に建物の管理や修繕を行うわけではなく、月々の管理費・修繕積立金を支払っておけば勝手にやってくれるともいえます。

共用部の修繕費用(一棟投資)

アパート投資やマンション投資の場合には、区分所有ではなく一棟所有になります。そのため、区分所有とは違い入居者から毎月もらう「家賃+共益費」を自分でプールしておく必要があります。

つまり、管理費・修繕積立金として強制的に徴収されるわけではありませんが、将来的にかかる費用のために別口座にプールしておいた方が良いということです。

税理士への報酬(確定申告への依頼時)

仮に、不動産投資における確定申告を税理士に依頼する場合には、税理士への報酬も支出になります。

確定申告は自分で行うこともできますので、保有している不動産の規模や税理士に支払う報酬金額料によって判断すると良いでしょう。

その他経費(物件運営のための交通費など)

そのほかにも、不動産投資には以下のような支出が発生します。

  • 物件をチェックするために使った交通費
  • 物件運営に関する書籍代
  • 物件運営に関するセミナー代

まとめ

このように、固定資産税は土地や物件の種類によって評価額が異なり、タワーマンションに関する改正など覚えておくべきこともあります。今回解説した「そのほかの支出」も含め理解しておくと良いでしょう。

それらが理解できれば、不動産投資の支出が分かっているということなので、精度の高い収支計算ができます。

関連記事