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投資信託で大損した失敗事例とリスクを下げるための5か条

By Oh!Ya編集部

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投資信託で大損した失敗事例とリスクを下げるための5か条

「未経験から投資を始めるなら、低リスクな投資信託が良い」と勧められるケースは多いですが、どの投資信託を選んでも簡単に利益が出るわけではありません。

なかには、投資信託が原因で、大切な資産を大きく減らした投資家もいるのです。こういった失敗事例は、どのような原因によって引き起こされたのでしょうか?

今回は、投資信託で大損してしまった投資家のエピソードをピックアップ。それぞれの失敗を比較することで分かる「NGポイント」を洗い出しました。

低リスクな金融商品として人気の高い「投資信託」とは?

投資信託は、国内外の株式・債券を対象とした金融商品です。

最大の特徴は、資産運用の専門家である「ファンドマネージャー」に、投資先の検討やトレードを一任できる点。金融知識のない投資家であっても、投資信託を利用すればプロレベルの水準で資産運用を始められるのです。

広範囲に投資してリスク分散を行う特性上、短期間での利益獲得には不向きですが、着実に資産拡大を目指す方法として優れています。

投資信託を大損したケースの一例

損 投資信託で大損しないためには、過去に大損した投資家の失敗事例から学ぶことをおすすめします。

比較的リスクが低いとされる投資信託で、なぜ大損してしまったのか。各エピソードを読めば、失敗を招く原因となった共通点が浮かび上がってきます。

ケース1:母から2000万奪った大銀行の"合法手口"

エッセイストの鳥居りんこさんが介護する母親が、銀行員に投資信託の購入を進められて大損したというこのエピソードは、書籍にもなっており話題を呼びました。

鳥居さんの母親は難病を抱えており、亡き夫の退職金で生活していましたが、大手銀行が投資信託の購入を促したことをきっかけに、約3,000万円もの資産を投資に充ててしまったのです。

勧められた投資信託はリスク・リターンが高く、タコ足配当と呼ばれる「毎月分配型」の銘柄でした。これは、分配金を運用利益だけから捻出するのではなく、投資信託の「購入資金を削って分配」される仕組み。

つまり、母親が「純粋な利益」だと思っていた毎月30万円の分配金は、投資したお金が返ってきているに過ぎなかったのです。これを知った鳥居さんは、金融トラブルの救済機関に打開策を求めたものの、母親自身が「騙されていない」と主張するため泣き寝入りすることとなりました。

投資当初に約3,000万円だった資産は、1,000万円以下に落ち込んでしまったそうです。

ケース2:59歳パート、月収9万。投資で2000万の損がでています

当事者のふーさんは、投資信託を運用するパート従業員の女性。先ほどの事例と同様、毎月分配型の投資信託を保有しており、年間400万円の分配金収入があったようです。

しかし、経済情勢の悪化に伴う株安で、運用する投資信託は基準価額が暴落。コツコツと貯蓄・投資してきた4,500万円は元本割れを起こして、運用している資産は2,000万円まで落ちこみました。

サイト内にて歴26年のファイナンシャルプランナーが回答していますが、ここでも毎月分配型のリスクについて触れられており、分配金が多く発生する投資信託から解約することを勧められています。

ケース3:【投資失敗談】わたしが初めて投資信託をみずほ銀行で購入した話

筆者のシロガネさんが語る失敗談は、大学生時代にアルバイト収入を投資に充てようと考えたところから始まります。シロガネさんは投資について書籍やネットで調べることなく、銀行に聞けば良いだろうと金融機関の窓口へ相談に向かったそうです。

若いうちから投資に興味を持っていることを賞賛され、気分を良くしたシロガネさんはオーストラリアを対象とした投資信託を購入。毎月分配型であるため口座には1ヶ月ごとに分配金が振り込まれ、お金持ちになれると思い満足していたそうです。

しかし、1年ほど経過したとき、歴史的な金融恐慌「リーマンショック」が発生したことで基準価額は大暴落しました。シロガネさんは急いで売却を行いましたが、投資に充てたバイト代30万円は10万円にまで減少したそうです。

ブログ内では当時を振り返り、銀行員の意見を鵜呑みにして投資したことや、全ての投資資金をもちいて無計画に売買したことなど、失敗を引き起こしたと思える要因が語られています。

投資信託で大損しないために大切なポイント

間違い 投資信託で大損したエピソードを参照すると、主な原因は以下のような理由であったと分かります。

  • 基準価額の下落率を想定せず大金を運用している
  • 毎月分配型の仕組みを理解しないまま投資している
  • 自身の判断ではなく他人の意見で購入を決めている

こういったポイントは、投資信託に限らず投資全般においてNG。実際の運用は専門家に一任できる投資信託といえども、銘柄選定とリスク管理は自身で行わなければいけないのです。

いきなり大きな投資額を運用しない

金融市場は基本的に細かく上下を続けて成長していきますが、ときにリーマンショックのような金融恐慌を招きます。投資信託の運用中に大暴落が起これば資産はダメージを受けますが、被害規模は投資額の大きさで調節が可能です。

暴落率30%の場合資産へのダメージ
投資額100万円30万円
投資額1,000万円300万円

単純な理屈ではあるものの、上記のように投資額に比例してダメージは増減。いきなり投資資金全てを運用に充てるより、余力を残しつつ一部を投資に回す方が大損のリスクは小さいのです。

運用する投資信託の特性をチェックする

投資信託と一言でいっても特徴はさまざま。基本的に長期運用に適した堅実な商品であるものの、なかには資産形成に不向きな投資信託があります。

  • 運用実績が伸び続けていないアクティブファンド
  • 元本返却によって分配金を捻出している毎月分配型の銘柄

これらのポイントを満たしているほど、大切な資産の預入先としては相応しくありません。それぞれ、どういった理由が資産形成に適していないのか解説していきます。

堅実に資産拡大を目指すなら「インデックスファンド」

投資信託は、ファンドマネージャーが利益追求を目指す「アクティブファンド」と、日経平均株価やTOPIXに連動するよう設計されている「インデックスファンド」に大別されます。

これらを比較すれば、投資に積極的なアクティブファンドが優れていると思いがちです。しかし、ニューヨークに本部を構える市場調査会社「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス」によれば、長期運用になるほどインデックスファンドが好成績を残すと分かっています。

この傾向はアメリカだけでなく日本の金融市場でも確認されており、投資家のあいだでは常識として定着しつつあるほど。短期的な勝ちではなく、長期的にコツコツと資産を増やし続けたい場合は、インデックスファンドをおすすめします。

毎月分配型はトータルの利益が小さくなりがち

どの失敗談にも登場する「毎月分配型の投資信託」は、名前の通り1ヶ月ごとに分配金が還元されます。しかし、これらは運用資金の取り崩しにより捻出されており、過去には分配金の大部分が元本返却であるケースもありました。

運用資金が取り崩されるということは、ファンドマネージャーの投資規模が小さくなるということです。そのため、投資信託を購入する投資家が増えても純資産総額は増えず、運用利益のスケールはいつまでも変わりません。

これらのことから、一見素晴らしい商品に見える毎月分配型は、実際のところ利益追求には不向きであると分かります。

目先の還元率ではなく長期的な資産形成を考えるのであれば、分配で運用資金を減少させることのない「無分配型」や「年1回分配型」といった投資信託がおすすめです。

投資信託を購入するタイミングは分散する

運用資金を一度に投資へ充てることは、リスク管理の観点でいえば避けるべきです。なぜなら、購入以降にズルズルと値下げした場合、資金の余力がないために対処法が限定されるからです。

そのため、投資信託への投資は「ドルコスト平均法」のように、購入するタイミングを分散させることをおすすめします。

ドルコスト平均法は、「同じ金額で同じ商品を一定のスパンで買い続ける」という手法。これは、投資初心者も取り組みやすいリスク管理方法で、以下のような手順で容易に再現できます。

ドルコスト平均法の手順具体例
年間投資額を決める年間120万円を投資する
購入する時期を決める毎月25日に購入する
購入する投資信託を決める投資信託A
年間投資額を分割して投資毎月25日に10万円分、投資信託Aを購入する

購入直後に大きな値動きが起きても、同じ商品を買い続けるあいだに取得価格が平均化されていきます。こうして運用資金を分割しつつ、余力を残しながらの投資を心がければ大損の可能性は激減します。

事前に「損切り」のラインを決めておく

行動経済学で証明されている心理作用の1つに、投資家に不利な状況をもたらす「プロスペクト理論」と呼ばれるものがあります。これは、損失が関わる条件において、人間は合理的な判断ができないことを証明しました。

具体的には「損失を確定する恐怖から目を背けて、価格の盛り返しに賭ける」という意思決定を助長します。そのため、一度損切りをして「暴落が止まるのを待つ」のが低リスクだと思われる場面でも、売らずに持ち続けるという危ない選択をしてしまうのです。

これを阻止するには、あらかじめ損切りを行うラインを決めるほかありません。プロスペクト理論による「不合理な意思決定」に抗えないと分かっているからこそ、冷静な状態のうちに対策を立てておくことが重要です。

そして、実際に損切りのラインを下回ったときには、迷わずに売却できるメンタルが備わってこそ、成功投資家への道が開けるといえます。

利害関係にある相手の言葉は鵜呑みにしない

ご紹介した投資信託の失敗談は、どれも金融機関に勧められた商品が原因となっています。これは、「母から2000万奪った大銀行の"合法手口"」に記載されているように、銀行にとって都合の良い投資信託を購入するよう誘導されるからです。

ひと昔前とは異なり、業界が縮小しつつある銀行は「手数料が多く取れる商品」を積極的に勧める傾向があるため、説明される内容を無条件で信頼するのは禁物。利害関係にある全ての相手が、投資家の利益追求を親身に考えてくれるとは考えられません。

中立な立場から発言している専門家や投資家の意見にアンテナを張り、「自身で投資先を判断する」というマインドを持つことが重要です。

少しでも利益を伸ばすために意識すべきポイント

チェック 前述した「大損しないために大切なポイント」から分かるように、投資で成績をあげるには小手先のテクニックより基礎部分への理解が重要。金融商品の「表面的なメリット」しか知らないままでは、運良くプラスになっても2度,3度と再現し続けられないため注意しましょう。

この項では「大損しないために大切なポイント」を押さえている前提で、さらに利益を伸ばすための方法をご説明します。

購入・運用コストは入念に比較する

投資信託の購入には「購入時手数料」、運用中は「信託報酬(運用コスト)」がかかります。これらのコストが大きいほど手残りは少なくなるため、利益を伸ばしたいと考えるのであれば、それぞれの費用をシビアに管理しなければなりません。

特に信託報酬は、投資信託を保有しているあいだ毎日発生します。現在はコスト競争により、各投資信託が信託報酬の引き下げに注力しているため、多数の類似銘柄を比較したうえで最も低コストなものを探すべきです。

インデックスファンドであれば、信託報酬の年率が0.1%台のものも珍しくないため、焦って高コストな投資信託を購入しないよう注意しましょう。

初心者は上昇トレンドに乗る「順張り」を意識

投資信託が対抗指標とする「インデックス」が、右肩上がりである状態を上昇トレンド、右肩下がりである状態を下降トレンドと呼びます。

そして、上昇トレンドに乗って投資することを「順張り」、下降トレンドからの反転を狙った投資を「逆張り」と呼ぶのですが、価格が下げ止まるタイミングを見極めるのはベテラン投資家でも困難。

そのため、投資経験が少ない投資家であれば、上昇トレンドに乗って投資信託を購入する順張りがおすすめです。

非課税制度「NISA」を活用して投資を効率化する

購入時手数料や信託報酬は、より低コストな投資信託を探せば軽減できるものの、どの銘柄であっても課税義務は発生します。投資信託であれば利益に20.315%の税率が課せられるため、思うように利益を伸ばせないのです。

そこで活用すべきなのが、条件付きの非課税制度「NISA」および「つみたてNISA」。これらは、以下の規定内であれば「運用利益が課税対象外」になり、投資家の負担を大きく軽減する効果があります。

制度名非課税枠非課税期間
NISA年間120万円最大5年間
つみたてNISA年間40万円最大20年間

非課税枠を使って購入した投資信託は、非課税期間のあいだに得た売却益・分配益が全て非課税になります。それぞれのNISAは無料で利用できるため、コストカットを考えるなら活用すべき制度です。

なお、つみたてNISAに限り、利用可能な投資信託が「金融庁の規定をクリアしたもの」に限られるため、投資先が少ないことに注意が必要です。

まとめ

相談 今回ご紹介した失敗事例のように、低リスクな投資信託でも大損するケースはあります。しかし経緯を確認すれば、どの大損も事前準備の不足が原因だと分かりました。

  • 基準価額の下落率を想定せず大金を運用している
  • 毎月分配型の仕組みを理解しないまま投資している
  • 自身の判断ではなく他人の意見で購入を決めている

まずは、失敗の直接的な原因となったこれらのポイントに注意し、細く長く利益を重ね続けることが大切です。

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