投資信託とは?初心者のためのやさしい資産運用ガイド
By Oh!Ya編集部
2,145view
「投資信託」という言葉は聞いたことがあっても、実際どんなものかは理解していないという方も多いのではないでしょうか。
一言で言うと、投資信託は、投資初心者の方に最もおすすめな資産運用の方法です。運用に興味はあるけど何から始めたら良いかわからないという方は、まず投資信託の基本的な知識を学んでいきましょう。
投資信託とは
投資信託とは、一言でいえば投資の代行業のこと。ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が、投資家から集めたお金をもとに、株式や債券などに投資をして運用をするという金融商品です。
運用で得た成果は、投資額に応じてそれぞれの投資家に分配されます。
投資信託の投資対象は、1つではありません。複数の銘柄に分散して投資を行うため、万が一ひとつの銘柄の価格が下落してしまったとしても、影響は小さくて済みます。
投資家が自分自身で様々な銘柄を買うには多額の資金が必要となりますが、投資信託なら少ない資金でリスクを分散しながら運用することが可能です。
大まかな仕組み
まずは投資信託について、大まかな仕組みを解説していきます。
大まかなお金の流れ
投資信託には、大きく分けると3つの異なる会社が関わっています。
販売会社
まず、投資信託を募集して販売を行う販売会社。主に証券会社や銀行、郵便局などがこれを担っています。
新しい投資信託の募集や、既存の投資信託の勧誘、商品内容の説明、投資の相談など、いわば投資家の窓口となるところ。売却するときにも販売会社が窓口となり、解約や換金に必要な手続きを行います。
販売会社の種類は、大きく分けると、販売員が担当する対面型と、ネット上で手続きを行うネット型の2つの種類があります。
運用会社
運用会社は、投資信託の企画と運用を担当。調査・分析・運用のプロが集まった、投資の専門会社です。
様々な銘柄や経済状況を調査・分析し、新しい投資信託を企画。販売会社に働きかけて、投資家からの資金を募ります。
投資信託の運用では、資金の管理を行っている管理会社に、投資対象を変更する、資金を増減するなどの指示を出し、投資家の利益を追求します。
また決算期には、運用の状況や今後の方針を文書にまとめて報告を行います。
管理会社
管理会社は、投資家の財産を管理する役割を担っています。投資信託によるお金の動きは、管理会社が全て正確に記録し管理。一般的には、信託銀行が務めることが多い役割です。
また、運用会社の指示に従って、投資家から預かったお金で株式や債券の売買を行うのも管理会社の役目。そのため、運用会社ではなく、管理会社が売買の名義となっています。
管理会社には、投資家から預かっている財産と、管理会社自体の財産を別々に管理する「分別管理」が法律で義務付けられています。
これにより、もし管理会社が破綻してしまったとしても、投資家の資産が差し押さえられるという心配はありません。
メリット
投資信託のメリットは、少額から始められる、リスクが小さい、という2点が挙げられます。
少額から始められる
企業の株式を購入するには、ほとんどの場合数万〜数十万円くらいのまとまったお金が必要となります。
一方投資信託なら、少ない費用でも始められるというところが最大のメリット。商品にもよりますが、最低1万円前後の資金があれば投資信託を始めることができます。
積み立てをしながら購入することができる「投信積立」などのサービスを利用すれば、月々500円や1000円という少ない金額で始めることも可能です。
また大手証券会社の中には、100円から投資信託を買うことができるところも。これは投資信託の販売会社ごとに異なるため、それぞれの公式サイトなどでチェックしてみてください。
リスクが小さい
投資の基本として覚えておきたいのが、資金を複数の商品に分けてリスクを分散させる「分散投資」。倒産や株価の値下がりで、大きな損失を負わないようにするための投資方法です。
しかし個人の投資家がこの分散投資をするためには、たくさんの資金が必要となります。
投資信託は、複数の投資家から資金を集め、それをひとつの大きな資金として運用を行います。
個人がまとまった資金を持っていなくても、集まった資金を複数の商品に分散して投資することができるのが投資信託の魅力のひとつ。リスクの少ない運用ができるというわけです。
デメリット
ここまでの解説で、メリットの多い投資信託に興味が湧いている方も多いのではないでしょうか。しかし、投資信託にも知っておきたいデメリットがいくつかあります。
元本割れのリスクがある
元本割れとは、簡単に言うと、手元に返ってくる金額が、投資した金額(元本)よりも少なくなってしまうこと。つまり赤字の状態ということです。
株式投資やFXなどでは、元本割れのリスクがあるということを認識している方が多いようですが、プロが運用を行う投資信託でも、元本割れのリスクはあります。
しかしリスクがある分、定期預金や個人向け国債などの元本保証の運用方法よりも、高いリターンが期待できるという点は否定できません。
元本割れのリスクを最小限に抑えるためには、投資する商品についての内容をしっかり理解して購入する必要があります。
また、いざという時にすぐ解約することができるのか、解約条件を事前に確認しておくことも大切です。
細々した手数料が掛かる
投資信託では、購入時・運用期間中・換金時に様々な手数料がかかります。主なものは以下の通りです。
販売手数料 | 投資信託を購入する際、販売会社に支払う手数料です。一般的には、基準価額に設定された料率をかけた額を支払います。販売手数料は、金融機関ごとに自由に設定することが可能です。 |
---|---|
信託報酬 | 投資信託の運用や管理にかかる費用のこと。運用会社の事務に対する報酬、販売会社の事務に対する報酬、信託銀行の管理報酬がこれに含まれます。純資産総額に応じて差し引かれます。 |
監査報酬 | 投資信託は、決算ごとに監査法人などから監査を受けなければいけません。その監査費用が諸経費として差し引かれます。 |
組入有価証券の売買手数料 | 投資信託の運用中は、状況に応じて銘柄の入れ替えを行います。その際の売買委託手数料などが純資産総額から差し引かれます。 |
信託財産留保額 | 投資信託を中途解約する際に差し引かれる費用のこと。投資信託によって、徴収される場合とされない場合があります。 |
換金時手数料 | 投資信託を換金する時にかかる手数料です。 |
投資信託の種類
日本国内には、数千以上の投資信託が運用されています。数ある投資信託ですが、どんな種類があるのかをまとめてみたいと思います。
取引する国
投資信託による投資先は、日本国内だけではありません。世界の国々を投資先として分類すると、日本国内・先進国・新興国の3つに分けられます。
1つ目は、文字通り日本国内。日本円で投資をするため為替レートの変動の影響を受けない、政治や経済が安定しているため安全性が高い、金融商品の選択肢が多いなどのメリットがあります。
2つ目は、アメリカ・カナダ・EU諸国などの先進国。日本と同じように安全性が高く、日本では投資できないカジノなどの産業にも投資することができます。
3つ目は、中国・ブラジル・インドなどの新興国。経済の急成長が期待できるため、大きな利益を得るチャンスがあります。しかし政治や経済が不安定、情報公開が不十分など、不安を感じる面もあります。
投資する商品
投資信託の代表的な投資商品は、株式・債券・不動産の3つ。そのほか、金投資信託や不動産投資信託(REIT)、商品先物などに投資をする場合もあります。
株式
株式への投資では、成長の見込める企業に出資し、その利益に応じた配当金を得ることができます。また、株式が値上がりしたタイミングで売却して、値上がり益を受け取ることも可能です。
株価は企業の業績に連動することが多く、比較的値動きが大きいと言われています。その反面、大きく値下がりしてしまうこともあるため、安全性の面では他の商品よりも劣っているでしょう。
多少のリスクを背負っても、積極的に利益を追い求めたいという方におすすめです。
債券
国が発行する国債、企業が発行する社債などの債券で運用を行います。
債券への投資は、保有していることで確実な利回りを得ることができますが、値動きが小さいため株式ほどの値上がり益は期待できません。しかし利益が小さい分、リスクも少ない比較的安全な商品だと言えます。
危ない橋を渡ることなく、堅実に運用をしていきたいという方におすすめです。
不動産(REIT)
不動産に投資する投資信託のことを「REIT」と言います。
これは、マンションやビル、倉庫などの不動産を、他の人と共同で運用するというイメージ。家賃収入や不動産の売買益などが、投資家に分配されます。
一般的な不動産投資ではまとまった金額が必要になりますが、REITなら少ない資金でも投資を行うことができます。
安定した配当が期待できる投資先ですが、金利の変動、災害や老朽化による物件の価値の低下などによって、得られる分配金が変動する可能性があります。
その他
金や通貨などへの投資は、世界的にも盛んに行われています。また、原油やゴム、トウモロコシなどの商品も商品先物取引として、投資の対象となります。
これらの日常生活に必要な資源や商品のことを「コモディティ」と言います。
また、「ETF」などの上場投資信託、「MRF」や「MMF」などの公社債投資信託なども、投資信託の投資商品としてあげられます。
運用方針
投資信託は、運用の目安として「ベンチマーク」を使っています。ベンチマークとは、その投資信託が運用の目安として定めている指標のこと。
投資商品が株式の場合、TOPIX(東証株価指数)、日経平均株価などの指数が指標として用いられます。
このベンチマークに対して、どのような動きを目指すのかを表しているのが運用方針です。投資信託の運用方針は大きく2つに分けられます。
パッシブ運用
1つ目がパッシブ運用。ベンチマークに沿った動きを目指す=安定を目指す運用方針です。
基準価額が、ベンチマークの値動きとぴったり連動することを目指す運用で、パッシブ運用を採用する投資信託を「インデックスファンド(インデックス型)」と呼びます。
安定した運用が期待でき、損失のリスクが少ないという特徴があります。また、アクティブ運用に比べると、手数料が安いという点もメリットとしてあげられるでしょう。
しかし、ベンチマークを上回ることは目指していないため、景気がすこぶる良い状況でも、大きなリターンは望めません。
また基本的には、ベンチマークを構成している銘柄に投資を行うため、運用できる銘柄が限られるという場合もあります。
パッシブ投資は、いわば守りの投資。リスクを避け、着実に利益を出していきたいという方におすすめのタイプです。
アクティブ運用
2つ目は、アクティブ運用。ベンチマークを上回る運用成績を目指す=利益を目指す運用方針です。
例えば株式の場合、今後の株価の上昇率が、日経平均などの平均株価の上昇率を上回ると予想される銘柄に投資を行います。
このようなアクティブ運用を行う投資信託を、「アクティブファンド(アクティブ型)」と呼びます。
より多くのリターンを目指すこの方針では、パッシブ運用よりも多くの利益を得られる可能性があります。また、投資対象が豊富という点も魅力のひとつと言えるでしょう。
しかし、大きな利益を狙うにはリスクがつきもの。大きな損失を出してしまう可能性もあります。また、パッシブ運用と比べて手数料は高くなります。
アクティブ投資は、リスクを背負って多くのリターンを目指す、攻めのタイプ。より大きな利益を望むという方には、アクティブ投資がおすすめです。
利益について
1番気になるのが、どれくらいの利益が得られるのかというところ。投資信託で得られる利益とその種類などについて解説していきます。
利益の種類
投資信託で得られる利益は、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つに分けられます。それぞれどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。
キャピタルゲイン
投資信託の買い付け価格と、売却もしくは解約した時点の差額分が利益となります。いわゆる値上がり益と呼ばれているものです。
その価格差に持っている投資信託の口数を掛ければ、利益の総額を算出することができます。
例えば、一口10,000円の投資信託を1,000口購入したとします。解約した時に購入した投資信託の価格が10,500円に上昇していれば、500円×1,000口で、500,000円のキャピタルゲインが得られるということになります。
差額分が利益となるため、買い付け価格よりも価格が上がっていなければ利益は出ません。下落してしまっている場合は、「キャピタルロス(値下がり損)」、つまり損失が発生しているということになります。
インカムゲイン
投資信託から定期的に支払われる分配金などの利益を、インカムゲインと言います。
分配金は、投資信託の元本とは別に支払われます。購入した投資信託を持ち続けている間は、定期的に得られる利益と考えて良いでしょう。
インカムゲインが得られるのは、株式の配当金、国債などの債券の利息、不動産投資の家賃収入など。ただし全ての商品で元本が保証されているというわけではないので、注意が必要です。
インカムゲインの場合、キャピタルゲインと比較すると、利益の額は少なくなることがほとんど。しかし、資産を持ち続けていれば、価格の変動とは関係なく安定した利益を得ることができます。
また、たとえ価格が下落したとしても、キャピタルロスのように損失が出ることはありません。
平均的な利回り
利回りとは、投資した金額に対して、どれくらいの収益が得られるかを、1年あたりの平均に直した数字のこと。銀行でいう利率のようなものです。
投資信託の平均利回りは、4〜6%と言われていますが、利回りはどんな商品に投資をするかで異なります。高すぎる利回りは、その分リスクが大きいということも覚えておかなければいけません。
投資信託でお金を増やしたい場合、目標は「◯%の利回り」というのではなく、「いつまでにいくら欲しいから◯%の利回りが必要」というように、逆算して考えるようにすると良いでしょう。
また分配金を再投資せず受け取る場合や、売却して利益を得る場合には税金が発生します。そのため目標を立てる際には、税金で引かれる分も考慮しておく必要があります。
知っておきたい複利効果
複利とは預金や投資から得た利息を、元本に組み入れて再計算することで得られる利益のこと。
例えば、元金が100万円で年利が3%だった場合、1年間預金すると103万円になります。さらに、この103万円を年利3%で1年間預金すると、1年後には106万900円となります。
このように、利子分も元金に組み入れて運用し、雪だるま式に資金を増やすことを複利効果といいます。
投資信託の場合、分配金を再び同じ投資信託に投資する「再投資」が有効。再投資して投資元本を増やすことで、次に受け取る分配金も増えていきます。
ただし、解約や売却をしない限り、利益を受け取ることができません。また、再投資の場合でも、分配金は一度受け取ったという扱いになるため、その都度税金が差し引かれるというデメリットもあります。
初めから複利効果で利益を増やしていきたいと決めている場合は、分配金支払い回数(決算頻度)が少ない投資信託を選ぶと良いでしょう。
コストについて
次は、投資信託で利益を得るために、気をつけなければいけないコストについて。銀行で預金をするのにお金はかかりませんが、投資信託では必要に応じた手数料を支払わなければいけません。
何にどんなお金がかかるのか、詳しく見ていきましょう。
手数料の種類
投資信託で運用をするには、主に「購入時手数料」「運用管理費」「信託財産留保額」という3種類の手数料がかかります。
購入時手数料
まず投資信託を購入する時に支払わなければいけないのが「購入時手数料」。証券会社や銀行などの販売会社に支払う費用です。
購入手数料は、「購入額に対して何%」という形で支払います。何%支払うかは、投資信託の商品、または販売会社ごとに決まっていますが、一般的には、**購入金額の1〜3%**ということが多いようです。
この購入時手数料の支払いは、資金の都合によって調整することが可能。購入額に購入時手数料+税金を上乗せして支払う方法が一般的ですが、指定した金額から購入時手数料+税金を差し引いた金額分の投資信託を購入するという方法もあります。
どちらの方法をとるかは、販売会社と相談して決定するようにしましょう。
また、最近はネット証券などを中心に、購入時手数料が無料の投資信託(ノーロード投資信託)も増えてきました。
同じ投資信託でも、証券会社や銀行の窓口に比べて、ネット証券の方が購入時手数料が低い傾向にあるようです。少しでも購入時手数料を抑えたいという方は、ネット証券での購入がおすすめです。
運用管理費
投資信託を持っている期間中、預けた資産にかかる手数料です。保有している投資信託ごとに異なりますが、大体年率0.05〜3%くらいと言われています。
支払いは、投資信託に預けている資産から自動的に差し引かれます。販売会社・運用会社・管理会社にそれぞれ分配されますが、最も受け取る額が多いのは、主に運用に関わる運用会社です。
投資信託の中でも、安定を重視するインデックスファンドは運用管理費用が低く、利益を積極的に追求するアクティブファンドは高い傾向にあるようです。
これは、インデックスファンドに比べてアクティブファンドは銘柄のリサーチや組み換えにコストがかかることが理由です。
信託財産留保額
投資信託を解約し、換金する時にかかる費用のことです。
投資信託は、株や債券など様々な商品に投資を行っており、換金にはそれぞれ費用がかかります。
しかしその費用を、投資信託を持ち続けている人だけで負担するのは不公平になってしまうため、解約する人にもその一部を負担してもらうよう、資産の一部を留保するという制度です。
信託財産留保額は、解約する際、解約代金から差し引かれます。差し引かれた金額は、販売会社・運用会社・管理会社が受け取るのではなく、様々な手数料などの支払いを補填するために使われます。
これも投資信託ごとに「解約代金の◯%」と決まっていることがほとんど。大体0.5%ほどかかることが多いようですが、中には支払わなくても良い投資信託もあります。
税金
投資信託では、得た利益にのみ税金がかかります。そのため、投資信託を購入しただけでは利益はかかりません。また売却した場合でも、利益が出ていなければ税金を支払う必要はないのです。
値上がり益はもちろん、分配金にも税金がかかります。ただし投資信託の利益から支払われる普通分配金は課税対象ですが、元本が取り崩されて支払われる特別分配金は課税の対象にはなりません。
利益に対してかかる税金は、**一律20%**です。しかし2014年から始まったNISA(ニーサ)を使うと、非課税となります。
これには様々な条件があるため、あらかじめ条件に当てはまっているかを確認しておきましょう。
投資信託を購入するまでの流れ
投資信託を購入するまでの流れをわかりやすく解説していきます。
投資信託の販売業者を選ぶ
投資信託の販売会社は、主に以下の4つの種類に分類できます。
店舗証券会社
金融商品全般を取り扱う、証券会社運営の営業店舗。資産運用に関する知識や経験が豊富なので、初心者の方の相談先としておすすめです。ただし対面型のため、手数料が高くなります。
運用会社のネット販売
運用会社が販売会社も兼ねて、ネット販売を行っています。販売会社を通さないため、購入時手数料や信託報酬が安くなります。しかし、その運用会社の投資信託しか買うことができないため、投資したい商品があるかは確認しておく必要があります。
銀行、郵便局、保険会社
身近な存在で相談しやすいというメリットがありますが、購入時手数料が高いところが難点。
また、同じく対面型の店舗証券会社と比べると、商品の品揃えも限られています。
ネット証券会社
パソコンやスマートフォンを使って、いつでもどこでも取引ができます。購入時手数料が安く、無料の投資信託も揃っています。
しかし、無料相談には応じてもらえないため、自分自身で調べて取引をしなければいけません。
業者を選ぶコツ
販売会社を選ぶ際は、「信頼できるかどうか」「手数料の安さ」「自分に適したサービスが受けられるか」の3つを総合的に判断することが重要です。
手数料が安いことももちろん大切ですが、信頼に値する会社がどうかを見極めるようにしましょう。過去には、手数料が格安でも数年で倒産してしまった会社もあります。
また、店舗を構える対面型の販売会社は頼りになりますが、その分手数料が高いところがネック。自分で情報を集めて投資信託を選ぶことができるのであれば、手数料の安いネット証券会社を選ぶのもおすすめです。
売買用の口座を作る
口座を開設するには、申込書類もしくはネット上で必要事項を記入して、販売会社に申し込むという方法があります。
その際、選ばなければいけないのが「特定口座」か「一般口座」のどちらにするか。
特定口座なら、販売会社が税金の計算を行ってくれるため、投資家自身が面倒な計算をする手間を省くことができます。一方、一般口座は、投資家自身が利益の計算をして確定申告をする必要があります。
そのほか、投資金額100万円までが非課税となるNISA口座を選ぶことも可能。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ご自身にあった口座を選んでみてください。
投資する商材を選ぶ
販売会社ごとに扱っている投資信託は異なります。販売会社を決定したら、パンフレットやサイトを見て、どの投資信託を購入するか比較検討してみましょう。
まずは運用の目的に合わせて、インデックス型にするか、アクティブ型にするか、国内型にするか、海外型にするかなど、大まかに絞り込みましょう。さらに特徴を見比べて、目的に適した商品を決定します。
ここで注意したいのが、運用実績は一番最後にチェックするということ。数字に惑わされてしまっては、本当に運用目的に適したものを選ぶことはできません。
運用実績は、参考にする程度に留めておくのがベターです。
投資信託の買い方について
投資信託の買い方には、2つの種類があります。
スポット買い
好きなタイミングで好きな数だけ買うことができるのがスポット買いです。
例えば、基準価額が値下がりした時を見計らって買い増しをしておけば、基準価額が値上がりした時に、得られる値上がり益が大きくなります。
積立買いに比べるとリスクは高くなりますが、その分より大きなリターンが見込める方法です。
積立買い
毎月決まった日に、決まった金額ずつ購入するという方法です。積立預金の投資信託版と考えるとわかりやすいでしょう。
毎月購入する金額が決まっているため、基準価額が低い時には多くの口数を買い、基準価額が高い時には少ない口数を買うことになります。そのため、積立の回数が増えれば増えるほど、口数あたりの平均買付金額を下げることができます。
そうすると、多少基準価額が下落したとしても、利益が得られるようになるため、長い目で見ると着実に資産を増やしていくことができます。
投資信託を購入する
いよいよ、投資信託の購入です。投資信託を購入するには、事前に代金を販売会社の口座に入金しておく必要があります。
ネット証券会社の場合、選んだ投資信託と口数、分配金の受け取り方法などを入力するだけで、簡単に申し込みを行うことができます。
しかし注意しなければいけないのが、目論見書について。投資信託を申し込む際には、事前に目論見書(交付目論見書)を確認することが法律で義務付けられています。
ネットで申し込む場合はチェック欄がありますので、きちんと確認して、チェックを入れるようにしましょう。
損をしないためのポイント
最後に、投資信託で損をしないためのポイントについて解説していきます。
目標金額を決める
まず1番大切なのが、目標となる金額を決めること。お金に関する状況や考え方は人によって違うため、自分自身の目標を明確に設定することが大切です。
起業のための資金が欲しいのか、将来のんびり過ごすための資金が欲しいのかなど、目標によって運用のスタイルは大きく変わってきます。
また損をしないためには、どれくらいの利益が欲しいのかはもちろん、どれくらいのリスクなら許容できるのかもはっきり決めておくと良いでしょう。
取引コストを抑える
他の投資商品と比べると、投資信託はかかるコストが大きいと言われています。
このコストをどれだけ抑えることができるかが、成功の鍵といっても過言ではありません。購入時の手数料が無料のノーロードなど、コスト削減につながる方法を模索してみましょう。
分散投資を意識する
複数の値動きの違う投資商品を組み合わせて投資することで、リスクを軽減する投資手法を分散投資といいます。
分散の方法には、債券と株式など特性の異なる資産に分散する「資産の分散」と、国内と先進国など国や地域を分散する「地域の分散」があります。
1つの資産、1つの地域にだけ投資するのは、いざという時に大きな損失を被ることになってしまう危険な方法です。損をしないためにも、分散して投資することを意識するようにしましょう。