老後の生活が不安?今から資産形成すべき4つの理由と資産の作り方
By Oh!Ya編集部
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今や大企業のトップが「終身雇用を維持するのが厳しい」という時代です。今後は、現在の収入がどうなるかも分かりませんし、年金がどうなるかも分かりません。
そんな状況だからこそ、老後の生活が不安で今から資産をつくるべきか?と思っている人もいるでしょう。
この記事では、そんな方に向けて老後の生活を見据えて今から資産をつくっておくべき理由と、資産のつくり方について解説していきます。
目次
理由1:老後はお金がかかるから
老後の生活のために今から資産をつくっておくべき1つ目の理由は、老後はお金がかかるからです。この点に関しては以下を知っておきましょう。
- 日本人の平均寿命
- 夫婦世帯で老後に必要な収入とは?
日本人の平均寿命
厚生労働省が出典してる資料によると、日本人の平均寿命は以下の通りです。
- 男性:81.09歳
- 女性:87.26歳
日本は、女性の平均寿命は世界で2位、男性の平均寿命は世界で3位という長寿国です。
仮に、定年を65歳までと仮定し、平均寿命まで生きるとします。その場合、男性で16年、女性だと22年間という期間、勤務先からの収入がない状態で生活するということです。
夫婦世帯で老後に必要な収入とは?
老後の生活費がいくらか?という点に関しては、一律で「○○万円必要」ということはできません。というのも、人によって住んでいる場所も生活スタイルも異なるからです。
ただ、参考までに生命保険文化センターが行った意識調査の結果は以下です。これは、どちらも夫婦2人の生活を想定しています。
- 最低日常生活費:月額22万円(年間264万円)
- ゆとりある老後の生活:月額34.9万円(年間418.8万円)
次項で解説しますが、この金額を年金だけで賄うのは簡単ではありません。だからこそ、自分で資産をつくっておく必要があるのです。
理由2:年金で老後の生活資金を賄えるか分からないから
老後の生活のために今から資産をつくっておくべき2つ目の理由は、年金がいくらもらえるか不透明だからです。この点に関しては以下を知っておきましょう。
- 年金の仕組み
- 年金額
- 年金額を増やす方法
年金の仕組み
そもそも年金をいくらもらえるか?を知っておけば、前項で解説した「老後の生活を賄える収入」を自分は得られるか?が分かります。
そのため、以下職業別に老後もらえる年金の種類を簡単に解説していきます。
- 自営業者やフリーターなど
- 会社員や公務員
- 専業主婦(夫)
自営業者やフリーターなど
自営業者やフリーター、学生などで20歳以上の方は第1号被保険者に該当します。第1号被保険者は、国民年金が適用されるので国民年金の一種である「老齢基礎年金」を受給することができます。
逆にいうと、第1号被保険者は基本的に老齢基礎年金しか受給できないので、次項で解説する会社員や公務員よりは年金制度は手薄です。
保険料(毎月納める金額)は、収入に関係なく1か月16,410円(年間196,920円)です。
会社員や公務員
会社員や公務員は第2号被保険者といわれます。第2号被保険者は、前項の第1号被保険者と同様に老齢基礎年金を受給でき、さらに厚生年金の一種である老齢厚生年金を受給できます。
つまり、老齢基礎年金に加えて「老齢厚生年金」も受給できるので、第2号被保険者は第1号被保険者よりも手厚い年金制度なのです。
老齢厚生年金の保険料は老齢基礎年金と違い、収入によって異なります。要は、収入が高いほど納める保険料も高くなるというわけです。
専業主婦(夫)
第2号被保険者を夫に持つ専業主婦(夫)は、第3号被保険者になります。受給できる年金は第1号被保険者と同じ老齢基礎年金ですが、第3号被保険者は保険料を支払う必要はありません。
一方、夫が第1号被保険者の場合は、同じ専業主婦(夫)であっても第1号被保険者になるので、保険料は自分で納めます。
年金額
さて、前項までで自分が受給できる年金の種類が分かったと思います。次に、以下2種類の受給額を解説します。
- 老齢基礎年金(国民年金)の受給額
- 老齢厚生年金(厚生年金)の受給額
実際に自分が受給できるであろう年金額を知りたい場合は、ねんきんネットに問い合わせることで分かるので活用してみましょう。
老齢基礎年金(国民年金)の受給額
老齢基礎年金の保険料は一律なので、受給額は保険料を納めている期間に連動します。
20歳から60歳まできちんと保険料を支払いつづければ、満額である780,100円(年間)が原則65歳から受給可能です。
老齢厚生年金(厚生年金)の受給額
一方、老齢厚生年金の保険料は収入によって異なり、受給額は保険料に連動するので人によって金額は異なります。
ただ、参考までに厚生労働省のデータによると、厚生年金の月額の平均受給額は以下の通りです。
- 全体平均:年額1,764,612円、月額147,051円
- 男性平均:年額2,000,016円、月額166,668円
- 女性平均:年額1,236,312円、月額103,026円
また、受給できる年齢は老齢基礎年金と同じく、原則65歳からになります。
年金額を増やす方法
年金額を増やす方法として以下が挙げられます。
- 国民年金基金:国民年金の掛け金(≒保険料)を増やし年金を上乗せ
- 厚生年金:厚生年金の掛け金(≒保険料)を増やし年金を上乗せ
- 私的年金:国民年金と厚生年金とは別に個人的に年金を上乗せ
このように色々な方法がありますが、代表的な方法としてはiDeCoや確定拠出年金(DC)などが挙げられます。
これらは、自己責任で掛け金を投下し、投資によって年金受給額を上乗せするという方法です。
いずれにしろ、人によって年金受給額は違い、人によっては年金だけでは老後の生活に支障を来す人はいるでしょう。だからこそ、資産形成をして年金受給額を上乗せしておく必要があるのです。
理由3:実際に老後破産している人がいるから
老後の生活のために今から資産をつくっておくべき3つ目の理由は、実際に老後破産している人がいるからです。この点に関しては以下を知っておきましょう。
- 老後破産とは?
- データで見る老後破産
- 年金受給額から考える老後破産
老後破産とは?
老後破産とは、主に独身老人が貧困によって破産状態に陥ってしまうことです。具体的には、生活保護の基準よりも低い収入で生活している高齢者のことであり、年収160万円以下の人を指します。
老後破産してしまう理由は色々とありますが、多い理由としては以下が挙げられるでしょう。
- そもそも年金受給額が少ない
- 親の介護費用がかかる
- 病気による高額な医療費負担
- 予想していた退職金がもらえない
データで見る老後破産
厚生労働省のデータによると、老後破産に関連するデータは以下の通りです。
- 一人暮らしの高齢者は600万人以上
- 生活保護を受けている高齢者は約96万人
- 200万人が老後破産している状態
このように、老後破産は他人事ではなく、誰にでも起こり得るほどの人数といえます。
年金受給額から考える老後破産
次に、上述した年金受給額から老後破産を考えてみましょう。具体的に、以下の事例でいくらの受給額か?を考えてみます。
- 第1号被保険者の夫と専業主婦の妻
- 第2号被保険者の夫と専業主婦の妻
第1号被保険者の夫と専業主婦(夫)の妻
仮に、夫が第1号被保険者であれば、上述のように妻が専業主婦であれば妻も第1号被保険者です。
その場合、老齢基礎年金以外に年金を積み立てていなければ、夫婦2人で年金の受給額は約156万円です。つまり、年収160万円以下という老後破産の定義に当てはまってしまうのです。
しかも、年金受給額が約156万円というのは、前提としてこの夫婦は40年間きちんと保険料を支払いつづけていました。
それでも、このように老後破産の水準になってしまうからこそ、上述のように老後破産者の数は多いのでしょう。
第2号被保険者の夫と専業主婦(夫)の妻
第2号被保険者の夫と専業主婦の妻の場合、年金の受給額は以下の通りです。
- 夫:老齢基礎年金が約78万円+老齢厚生年金が約200万円(平均)
- 妻:老齢基礎年金が約78万円
このようなケースは比較的多く、上記のように年金受給額は合計で約356万円です。この状態であれば老後破産の心配はないといえるでしょう。
ただし、それでも上述した「ゆとりある老後の生活:年間418.8万円」は賄えません。
このように、年金受給額だけで老後の生活を過ごすのは簡単ではないからこそ、老後の生活のために資産づくりが重要なのです。
理由4:資産は雪だるま式に増えていくから
老後の生活のために今から資産をつくっておくべき4つ目の理由は、資産は雪だるま式に増えていくからです。この点に関しては以下を知っておきましょう。
- 複利の力は大きい
- 複利VS単利のシミュレーション
- 年齢別の複利のシミュレーション
複利の力は大きい
まずは、複利の力は大きいということです。複利とは、「投資で得た利益を再投資すること」になります。たとえば、元本500万円の投資をして年間利回り5%(年間25万円の収益)の収入を得るとします。
複利の場合は、「元本500万円+25万円の収益」を再度投資して、その投下資金で再度利回り5%の収益を得て、その収益をさらに投資に回す…ということを繰り返します。
一方、単利の場合はどんなに期間を経過しても、「元本500万円×利回り5%=25万円」の収益が積み重なるだけです。
このように、複利は収益を再投資するので、長期スパンでは単利に比べると収益額が大きく跳ね上がります。
複利VS単利のシミュレーション
では、実際に元本500万円で利回り5%の投資をしたときの、複利と単利の収益差を比較してみましょう。
経過年数 | 複利 | 単利 | 差額 |
---|---|---|---|
1年後 | 525万円 | 525万円 | 0万円 |
2年後 | 551万円 | 525万円 | 26万円 |
3年後 | 579万円 | 550万円 | 29万円 |
4年後 | 608万円 | 575万円 | 33万円 |
5年後 | 638万円 | 600万円 | 38万円 |
10年後 | 814万円 | 725万円 | 89万円 |
15年後 | 1,039万円 | 850万円 | 189万円 |
20年後 | 1,327万円 | 975万円 | 352万円 |
25年後 | 1,693万円 | 1,100万円 | 593万円 |
30年後 | 2,161万円 | 1,225万円 | 936万円 |
上記のように、10年後で89万円、20年後で352万円、30年後だと936万円もの差になります。
さらに、たとえば「年間30万円ずつ投資資金を上乗せ」した場合には、収益差はもっと広がっていきます。
年齢別の複利のシミュレーション
前項のように、複利の力を利用するほど資産は雪だるま式に増えていきます。
仮に、25歳、35歳、45歳、55歳から前項の投資をはじめた場合に、65歳までで投資によって手元に残る資金がいくらかを計算してみます。
年齢 | 複利 | 単利 | 運用期間 |
---|---|---|---|
25歳 | 3,520万円 | 1,475万円 | 40年 |
35歳 | 2,161万円 | 1,225万円 | 30年 |
45歳 | 1,327万円 | 975万円 | 20年 |
55歳 | 814万円 | 725万円 | 10年 |
もちろん、上記は投資で利益を出しつづける前提なので、ここまで上手く運用できるかは分かりません。
しかし、複利と単利の違い、そして若いうちから資産をつくることで、複利効果を存分に発揮できることが分かります。だからこそ、今のうち…厳密にいうと「なるべく早い時期」から資産をつくるべきなのです。
資産のつくり方
ここまでで、老後の生活のために今から資産をつくっておくべき理由が分かったと思います。さいごに、そんな「資産づくり」におすすめは不動産投資について以下の点を解説します。
- 基本は長期投資で考える
- 資産形成はなるべく手間をかけない
- 収益性の高い投資を選ぶべき
- 資産規模の拡大のしやすさも重要
不動産投資とは、区分(一室)マンションやアパートなどの不動産を保有し、そこから賃料収入を得る投資のことです。
基本は長期投資で考える
老後の生活を考えた資産形成をするには、以下の理由で長期投資が適しています。
- 複利の力を存分に利用できる
- 比較的安定した投資である
- インカムゲインをつくることができる
複利の力を存分に利用できる
まずは、上述した複利の力を存分に利用できるからです。詳しくは割愛しますが、前項の通り複利の力は投資期間が長期にわたるほど効果は大きくなります。
比較的安定した投資である
長期投資の場合は、比較的安定した投資になります。たとえば、不動産投資であれば「家賃収入」が収益源であり、家賃収入は投資で得る収入の中で比較的安定しているといえます。
仮に、短期スパンで投資を考えると、不動産投資は不動産の売買益、株式投資なら株式の売買益が収益源です。
しかし、このような「資産の売買益」はリスクが高く安定していないので、老後の生活のための資産形成には向いていません。
インカムゲインをつくることができる
前項のように、家賃のような「資産を保有することで継続的に得られる収益」をインカムゲイン、売買益のように「資産を処分(売却)することで一時的に得る収益」をキャピタルゲインといいます。
老後の生活のためには「定期的に得られる」インカムゲインが望ましいので、毎月家賃収入を得られる不動産投資は理想といえます。
資産形成はなるべく手間をかけない
老後の生活のための資産形成は、なるべく手間をかけないで行いたいです。というのも、長期間投資をしつづけてコツコツと資産を増やしていくので、手間がかかると継続できないからです。
不動産投資をすると、資産運用の期間中は以下のような業務があります。
- 入居者の募集
- 家賃の徴収や滞納時の対応
- 共用部の掃除や修繕(一棟投資時)
- 退去時の立ち合いや修繕作業
ただ、不動産投資の場合はこれらの業務を管理会社に委託できるので、資産運用中の手間はかからないのです。
収益性の高い投資を選ぶべき
上述のように、老後の生活のために資産を形成するときには、年金の足しにする必要があります。そのため、収益性の高い投資を選ぶ必要があります。
年金がいくら必要か?
たとえば、夫婦ともに第1号被保険者の場合は、上述のように年金受給額は夫婦で年間約156万円(月々13万円)でした。しかし、老後の生活を送るためには月々22万円が必要です。
もし、この金額を目指すなら月々9万円、年間で108万円の収益を生み出す資産形成が必要になります。
仮に、ゆとりのある老後の生活を目指すなら月々34.9万円必要です。このように、決して低くない収益を生み出す必要があるからこそ、収益性は重要になります。
不動産投資は収益性が高い
不動産投資はローンを組むことができるので、レバレッジ効果が高く収益性が高い投資です。
たとえば、利回り5%で、自己資金300万円で投資する際、ローンを利用し資産額を10倍にしたときと自己資金300万円のままで投資したときの収益を比較してみます。
- 300万円×ローン10倍×利回り5%=年間150万円の収益
- 300万円×利回り5%=年間15万円の収益
もちろん、ローンを組むことで支出が増えるので、その点は加味しなければいけません。しかし、レバレッジ効果が高いことで保有資産額が上がるので、収益性が高くなりやすいのは事実です。
資産規模の拡大のしやすさも重要
また、保有資産額を増やす方法として、物件をどんどん増やして規模を拡大するという方法があります。ローンを新たに組むのは簡単ではありませんが、1つの物件の運用に成功していれば次の借入はしやすいです。
仮に、収益を積み立てて、それを頭金にしてローンを借り入れる…ということを繰り返せばローンはさらに組みやすいといえるでしょう。
また、収益を全額別の投資に回すこともでき、いずれの方法でも「収益を再投資」することで複利効果と近い効果が得られます。
上述した理由によって、不動産投資は老後の生活のための資産形成に向いています。
まとめ
このように、老後の生活に必要な資金を年金で賄うのは簡単なことではありません。また、資産形成は早い段階から始めた方が、複利の力のおかげで効率の良い資産形成ができます。
まずは、老後の生活に必要な資金と、自分が受給できるであろう年金額を確認しましょう。その上で、どのくらいの資産形成が必要か?を考えた後、実際に資産をつくる方法を検討すると良いです。