退職金の相場はいくら?知らないと損する基本知識
By Oh!Ya編集部
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転職や退職を考えた時、気になるのが退職金はいくらもらえるのかということ。退職金があるかないかでは、その後の生活が大きく変わってきます。
今回は、退職金の相場や計算方法、退職金がもらえない場合の対処法などについて詳しくご紹介していきます。
相場はいくら?勤め先別に見る退職金の目安
まずは退職金の相場を勤め先別に見てみましょう。
大手企業の場合
一般職か総合職、どちらに従事しているかで15〜40%ほど退職金の額に差が出ているようです。
総合職・高校卒の場合 | 自己都合退職…145〜1399万円 会社都合退職…246〜2477万円 |
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総合職・大学卒の場合 | 自己都合退職…191~1970万円 会社都合退職…329~2694万円 |
一般職・高校卒の場合 | 自己都合退職…124〜1241万円 会社都合退職…213〜1902万円 |
一般職・大学卒の場合 | 自己都合退職…152〜1425万円 会社都合退職…234〜1519万円 |
※資本金5億円以上、従業員数1,000人以上の企業規模のモデル ※金額は勤続年数により異なる
参照:退職金制度とは?平均の退職金額や計算方法|転職ならリクナビNEXT
中小企業の場合
大手企業と比べると、退職金でもらえる額には大きな差があります。
高校卒の場合 | 自己都合退職…91〜617万円 会社都合退職…122〜1082万円 |
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大学卒の場合 | 自己都合退職…114〜719万円 会社都合退職…152〜1138万円 |
※従業員数300人未満の企業規模のモデル ※金額は勤続年数により異なる
参照:退職金制度とは?平均の退職金額や計算方法|転職ならリクナビNEXT
公務員の場合
以下は、平成27年度中に退職した国家公務員の退職金の平均データです。
定年退職 | 11,499,000円 |
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応募認定退職 | 28,052,000円 |
自己都合 | 3,513,000円 |
※常勤職員の場合
参照:退職手当の支給状況
押さえておきたい退職金の計算方法
退職金をいくらもらうことができるかは、会社によって様々。しかし、退職金の種類がわかれば自分でざっくり計算することができます。
給付額の計算方法
退職金は法律で義務付けられているものではありません。そのため、企業によって支給される金額は異なります。
退職金の給付額の計算方法は、主に以下の4つです。現在勤めている会社のルールに合わせて計算してみてください。
定額制
定額制の退職金は、受け取っている基本給や会社への貢献度などに関係なく、勤続年数のみを基準に支給されます。一般的には、勤続年数が長ければ長いほど、受け取る金額も増加します。
定額制の場合は、勤続年数ごとに支給額が決まっていることがほとんど。10年だと50万、20年だと100万というように、会社ごとに設定されています。
基本給付連動型
退職時の基本給や勤続年数、退職理由から算出されるのが基本給連動型。一般的には、「退職時の基本給×支給率×退職事由係数」で計算することができます。
支給率とは、勤続年数に応じて会社ごとに設定されているもので、会社によって設定されている割合が異なります。
また、退職事由計数とは、自己都合退職の場合、退職金額を減額するための計数。定年退職や会社都合の退職を100%と考え、それ以下の計数が会社ごとに設定されています。
例えば、基本給30万円、勤続年数5年の場合の支給率4.0、自己都合退職の場合の計数が0.8だった場合。「30万×4.0×0.8」という計算式となり、受け取ることのできる退職金は、96万円となります。
これに加えて、役職などによって金額を加算するという企業もあります。
別テーブル制
基本給連動型と同じく、勤続年数や退職理由から算出する別テーブル制。違うのは、退職時の基本給ではなく、役職や等級によって基礎金額を設定するという点です。
計算方法は、「基礎金額×支給率×退職事由係数」。基礎金額は会社ごとに決められているため、確認が必要です。
ポイント制
企業が従業員に対して付与したポイントで、退職金の金額が決定するのがポイント制。一般的には、勤続年数や会社への貢献度がポイントとして付与されるケースが多いようです。
基本給付連動型、別テーブル制と同じように、退職事由係数も計算式に入ります。
ポイント制の場合の退職金は「付与されたポイント×ポイント単価×退職事由係数」で算出することができます。
例えば、付与されたポイントが100ポイント、ポイント単価が10,000円、退職事由係数が0.8だった場合。計算式は「400×10,000円×0.8」となり、受け取ることのできる退職金は320万円となります。
退職金の税金について
退職金を受け取るには税金がかかります。
しかし退職金は長年の勤労に対する感謝の気持ちを込めて支払われるものなので、少しでも税負担を軽くするため、他の所得と分離して課税されたり、退職所得控除が設けられるなど、様々な配慮がされています。
退職所得控除額について
退職所得とは、退職時に特別に受け取ることができる所得のこと。退職金のほか、解雇予告手当や企業が倒産したことによって国から受け取った所得などもこれに分類されます。
課税対象になる退職金は、「退職金-退職所得控除額×1/2」で算出することができます。
この計算をするためには、「退職所得控除額」を出さなければいけません。計算方法は以下の通りです。
- 勤続年数が20年以下の場合…40万円×勤続年数※最低金額は80万円
- 勤続年数が20年超の場合…800万円+70万円×(勤続年数-20年)
例えば、勤続年数が5年だった場合のAさんの控除額は200万円、勤続年数が25年だった場合のBさんの控除額は1,150万円ということになります。
この2人の例を課税対象になる退職金を算出する計算式に当てはめてみましょう。受け取る退職金は、Aさんが500万円、Bさんが1,500万円と仮定します。
- Aさんの場合…500万円-200万円×1/2=400万円
- Bさんの場合…1,500万円-1,150万円×1/2=925万円
それぞれ上記の金額が、課税対象になります。
この計算方法には2つの例外があります。1つは、障害者になったことが直接の原因となり退職した場合。もう1つは、前年以前に退職金を受け取ったことがある、また同じ年に複数の勤務先から退職金を受け取る場合です。
この場合は所得控除額の計算方法が異なるため、注意が必要です。
知っていると得をする退職金の節税
普通退職金には、20.42%の所得税と、10%の住民税がかかります。
少しでも節税するために知っておきたいのが、「退職所得の受給に関する申告書」について。これを提出すれば、所得税の軽減措置を受けることができます。
ただしこの申告書の提出期限は退職金を受け取る前日まで。過ぎてしまうと軽減措置は受けられないので早めに準備しておくようにしましょう。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、会社が所得税額を計算して、退職金支払い時に源泉徴収を行います。そのため、原則として確定申告は必要ありません。
提出していない場合には、確定申告をすることで正しい税率で再計算してもらうことができるため、もし提出をし忘れてしまった場合は、必ず確定申告を行いましょう。
押さえておきたい退職金の基本知識
退職金で損をしないためには、まずどんな制度なのかをしっかり理解しておきましょう。
そもそも退職金とは
読んで字のごとく、会社を退職する際にもらえるお金のことを退職金と言います。入社から退職までの間、会社に貢献したことを讃えて贈られるもの。退職手当や退職慰労金と呼んでいる会社もあります。
企業に給付義務はない
退職金は、法律で定められているものではなく、会社ごとに独自にルールを作っています。
金額に差はあるものの、退職金は必ず受け取ることができるものと思っている方も多いのではないでしょうか。実は、そもそも退職金という制度がないという会社も少なくありません。
とある調査によると、日本の会社の5社に1社は退職金制度がないのだそうです。
勤めている会社に退職金の制度があるか、自分が退職金の支給対象にあたるかは、ぜひ事前に調べておきましょう。
なんらかの理由で懲戒解雇された場合は、原則退職金は支払われません。しかし、退職金はそれまでの勤労に対して支払われるものなので、場合によっては退職金が支払われるという場合もあります。
自社の退職金制度を調べるには
勤めている会社の退職金制度を知るには、就業規則をチェックしましょう。
就業規則の中には「退職金規定」というものがあり、退職金に関する決まりはそこに集約されています。
退職金の規定は、定年制の見直しや厚生年金基金の廃止、iDecoの導入など様々な要因で変化します。そのため入社時はもちろん、何か変更があった際には逐一確認しておくと安心です。
退職金を受け取ることができる勤続年数
退職金の有無やもらえる金額は、その企業でどれくらい働いているのか、いわゆる勤続年数が大きく関係しています。
あるデータによると、会社都合で退職しなければいけなくなってしまった場合、勤続年数が3年未満だったとしても、大手企業なら約8割、中小企業なら約5割の会社が退職金を受け取ることができるということがわかっています。
一方自己都合の場合、大手・中小企業共に3年以上の勤続年数が必要と定めている会社が多いようです。
種類について
退職金には主に以下の4つの種類があります。
内部留保型
退職した時点で支払われる退職金制度のこと。会社の規定によって定められている金額を受け取る、最も一般的な方法です。
社外での積立などは行わず、単純に内部留保で退職金をまかないます。
これに該当しているのが退職一時金制度。退職一時金のメリットは、大きな税制優遇があるということ。優遇措置によって受け取った退職金の多くが非課税となります。
また、退職一時金制度のほか、退職金保険などがこれに該当します。
確定給付型(企業年金)
会社と従業員の間に設立した企業年金制度に積み立てられた資金から、退職金が支払われます。別名確定給付型とも言われます。
この名称の由来は、企業が定めた給付金額が必ず支払われるということにあります。例え企業が運用に失敗しても、当初の額になるよう企業が補填して退職金を支給してくれます。
つまり、退職金の給付額について企業側が責任を持ってくれる企業年金制度と言えるでしょう。
これに該当するのは、厚生年金基金や確定給付企業年金です。
共済型
大まかな仕組みは企業年金型と同じ。独立した企業年金を設立・運営することが難しい中小企業が、公的な団体によって設立された共済制度を活用することで、退職金のための資金の積立を行います。
これに該当するのが独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)「中小企業退職金共済制度」。
中小企業退職金共済制度は、中小企業退職金共済法に基づいて作られた、中小企業の従業員のための退職金制度です。
事業主が中退共と契約して月々の掛け金を負担することで、従業員が退職した際には、中退共から退職者本人に直接退職金が支払われます。
本人の希望に応じて、一括で受け取るほかに、全額あるいは一部を年金として受け取ることも可能です。
確定拠出型
確定拠出型は、企業版の確定拠出年金です。
積み立てた金額をどう運用するかは自分次第。会社が用意した投資商品のラインナップの中から運用する商品を選んでいくという制限はありますが、基本的にはお金をどう増やすかは自分次第です。
投資に関する相応の知識は必要ですが、人任せにせず自分の手で運用することで、様々なシチュエーションに応じて、自身が最善と思う形にポートフォリオを調整できます。
この制度を導入しているうちの8割は中小企業。2001年からスタートした、比較的新しい退職金の運用制度です。
退職金制度に関する今後の見通し
古くは年功序列だった退職金制度ですが、終身雇用が崩壊して久しい昨今では、実力主義に即した形で給付を行う企業が増えてきました。
簡単に言えば、会社の利益に貢献した人ほど優遇される、成果報酬タイプが主流です。このタイプでは、具体的な退職金額を確定せず、各人の能力、社内での立ち位置などによって掛け金を設定して、適宜積み立てていくのが代表的なスタイル。
勤務年数が長いほどもらえる退職金が多かった昔と比べて、社内できちんと実績を残せば社歴が短くとも相応の退職金が期待できるわけです。反対に、たとえ勤務年数が長くとも実績がなければ、退職金の額は目減りすることに。
社員全員が幸せになる制度というわけではありませんが、今後はこういった、実力を重視する形の退職金制度が主流となっていくことが見込まれています。
退職金の金額がもらえない・少ない時の対処法
会社の規則では退職金がもらえることになっているのにもらえなかった、思っていたよりも少なかったというトラブルが発生することもあります。
退職金を受け取ることができるかどうかは大きな問題。いち早くトラブルを解決するためには、弁護士に相談をするのが賢いやり方です。
証拠を揃える
会社に退職金を請求するためには、きちんと証拠を揃えておく必要があります。
まず必ず必要なのが、就業規則と退職金規定。退職金に関するルールはこちらに全て記載されているので、1番大切な資料となります。手元に用意できなくても、弁護士を通じて開示請求することが可能です。
また、退職金についての事項が記載されている雇用契約書、退職金が支給されることを示した書面・メール・録音データなど、退職金が支払われる旨が記載されている求人情報なども、提示できる証拠となります。
弁護士に相談する
退職金がもらえるかどうかは、法的な見解が必要となるため、自分だけで判断せず弁護士に相談してください。
弁護士に相談した場合、会社との交渉、裁判官を交えて行われる労働審判が行われます。
弁護士は退職した本人に代わって、直接会社と交渉を行います。悪質な会社は、個人が相手だとうまくはぐらかそうとしたり、交渉に応じなかったりする場合がありますが、弁護士が相手となると途端に態度を変えるということも多いようです。
交渉で解決しなかった場合は、労働審判を行います。これは専門家が裁判官と一緒に、労働問題の解決を図るための制度。3回以内に終わるため、裁判よりも時間をかけずに解決を目指すことができます。
それでも決着がつかない場合は、裁判となります。裁判になると判決まで数年かかってしまう場合も。退職金は支給日から5年で時効となってしまうため、早めの相談が大切です。
退職金を増やすには
安心して老後の生活を送るためには、退職金をどう運用して貯蓄を増やしていくかが鍵となります。
退職金を増やすためには、「私的年金」「資産運用」という、大きく分けて2つの選択肢があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
私的年金制度を活用する
私的年金制度とは、政府以外の組織が運営している制度のこと。加入することで、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せして給付されることを保障してくれます。
運営している組織によって、制度の内容や商品は様々ですが、その中から自分にあったものを選択することができます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、加入者が自ら掛け金を負担し、自分で選んだ投資信託や定期預金などの金融商品を運用するという仕組みです。
iDeCoに加入できるのは、自営業者や一部の会社員に限定されていましたが、平成29年1月、公的年金制度に加入している20歳以上60歳未満の全ての方の加入が認められました。
給付額は、掛け金と運用して得た利益の合計額から算出されます。原則、60歳以降になれば年金もしくは一時金として受け取ることができます。
掛け金は、毎月5,000円から1,000円単位での積み立てが可能。上限金額は、公務員なら月12,000円、専業主婦(夫)なら月23,000円など、職種や条件によって違います。
手続きを行えば休止・再開は自由ですが、金額の変更は年に1回のみ。途中で解約することができないという点も頭に入れておきたいポイントです。
個人年金保険
個人年金保険とは、貯蓄型の保険のこと。契約時に決めた年齢まで保険料の積み立てを行い、その後年金として受け取ることができます。
個人年金保険のメリットは、所得控除を受けられると言う点。口座に貯金しておく場合と違い、個人年金保険に加入することで節税に繋がります。
加入しやすいという点も魅力のひとつ。20歳以上60歳未満なら誰でも加入することができます。
ただし、公的年金とは異なり販売元の会社が倒産してしまうというリスクもあります。そのため契約会社の見極めは慎重に行わなければいけません。
個人年金保険には、それぞれ受け取り期間や積み立て方法の違う4つの種類があります。
終身年金
被保険者が一生涯年金を受け取ることができるのが終身年金です。支払う保険料は高額ですが、亡くなるまでは無期限に一定の額の年金を受け取ることができます。
もし年金を受け取り始めてから早い段階で死亡してしまった場合、受け取った金額よりも支払った金額の方多い元本割れの状態になってしまうことも。そのリスクを防ぐために、保証期間をつけるという方法があります。
設定した保証期間中は年金が給付されるため、もし亡くなってしまった後でもこの保証期間内であれば遺族が年金を受け取ることができます。保証期間には5年・10年・15年などの種類があります。
確定年金
被保険者の生死に関わらず、一定期間年金を受け取ることができる確定年金。契約時に確定した期間内であれば、被保険者が亡くなってしまった場合でも、遺族が年金を受け取ることができます。
決まった額を決まった期間受け取ることができるので、元本割れのリスクがないという点が1番のメリットです。また、終身年金よりも保険料が安いという魅力もあります。
ただし、終身年金と違うのは生涯給付ではないということ。被保険者の生死に関わらず、期限が訪れれば、年金の需給は終了してしまいます。
変額年金
定額年金に分類される終身年金・確定年金に対して、保険料の運用実績によって受け取る年金の額が増減するのが変額年金です。
変額年金では、一時払保険料を株式や債券などで運用し、その成果に応じて受け取る金額が決定します。
年金の額や解約時の返戻金額は運用実績によって変動しますが、死亡給付金額については、最初に支払う一時払保険料以上の額が保証されます。
契約者自身が運用商品を自由に選択できる一方、そのリスクも全て負わなければいけません。
外貨建て年金
外貨建て年金は、運営に外貨を活用する個人年金保険です。
積立金の給付や運用に使われるのは、米ドルや豪ドル、ユーロなどの契約通貨。為替が関係することから、変額年金よりもハイリスク・ハイリターンだと言われています。
上手く運用するためには、海外の為替相場や経済状態をチェックが必要なので、これまで外貨の運用の経験があるという方でないと難しいかもしれません。
給付額を外貨のまま受け取れば為替リスクを減らすことができるため、老後は海外で過ごそうと計画している方にもおすすめです。
資産運用を行う
資産運用をして老後に備えようと考えている方も多いのではないでしょうか。退職金を利用した資産運用の方法について、それぞれ特徴を解説していきます。
金投資
金は古くからその価値が認められているもの。その美しさと希少性が世界でも認められ、世界共通の通貨として使われています。
金投資は、毎日価格が変動する金を売り買いして利益を得るという投資方法です。
金投資には、「純金積立」「金ETF・投資信託」「金地金」「金先物取引」などの種類があり、それぞれ違う特徴があります。
中でも、初心者の方におすすめなのは純金積立。月々1,000円から購入可能で、リターンはあまり多くはありませんが、その分リスクも低いというメリットがあります。
一方金には元本保証はありません。常に価格が変動しているため、金の価格が下がれば元本割れしてしまう可能性もあります。
株式投資
企業が発行する株式を売り買いして利益を得る資産運用方法です。購入した株の価格が上がれば、値上がりした分の利益を得ることができます。
また、株式を長期保有することで配当金を得たり、株主優待制度が受けられる場合もあります。
株式投資をして企業の株式を保有するということは、その会社の経営に参加できるということ。株主総会の決議に参加できる権利が与えられます。
株主総会では運営方針や資産の活用など、企業運営上の重要事項が話し合われます。株主総会に出席することは、株式を保有するべきか否かの判断材料にもなります。
仕組みは単純ですが、初心者の方の場合は株式投資で十分な利益を得るのは難しいかもしれません。また、所有している株式会社が倒産してしまうというリスクも考えられます。
債券投資
債券とは、投資家からお金を借りるために、国や地方公共団体、企業などが発行する有価証券のこと。債券の発行者は投資家に対して利子を支払い、満期になると元本が返還されます。
満期になるまで定期的に利息を受け取ることができるところが最大のメリット。途中で売却して換金することもできます。
債券の発行者は政府から民間企業まで様々ありますが、信頼できる発行者であればリスクは比較的低い投資方法です。
ただし債券の価格は金利の動向や経済環境の変化によって変動するため、途中売却することで損失が出てしまうという場合もあります。
また利息や償還金が外国の通貨で支払われる債券を選ぶと、為替相場の影響を受けるということも頭に入れておきましょう。
投資信託
投資信託は、複数の投資家からお金を集めて、運用のプロであるファンドマネージャーが代わりに運用を行うという投資方法。
株式や不動産、債券など色々な投資商品に投資を行い、そこで得た利益が投資家に分配されるという仕組みです。
どんな商品を、いつどれくらい買うかを判断するのは投資の専門家。そのため投資初心者の方でも安心して任せることができます。
さらに少額でできるというメリットもあります。ネット証券を利用すれば、100円から始められることもあるので、まずは少額からスタートしたいという方にもおすすめです。
J-REIT
REITは「Real Estate Investment Trust」の略語で、アメリカで生まれた投資商品です。日本ではJAPANの「J」をつけて、J-REITと呼ばれています。
投資信託と似た仕組みで、複数の投資家から資金を集め、オフィスビル、商業施設、マンションなどの複数の不動産を購入し、そこで得た利益を投資家に分配するというものです。
少額からスタートできることや、分散投資ができることが魅力的です。
しかし投資信託の一種であるJ-REITは、日々価格が変動するため、元本割れのリスクがあります。また、分配金は主に賃貸収入によるものなので、空室などの影響によって分配金が減ったり、元本から取り崩して支払われるということもあります。
不動産投資
不動産を対象に投資を行う不動産投資。不動産を売却することで得られる売却益、不動産を貸し出すことで得られる家賃収入が主な収益となります。
不動産投資は、他の投資方法と比べると初期投資額が多いため、少しハードルが高いと思われる方も多いでしょう。
しかし、家賃収入など長期的に安定した収入を得られる点や、生命保険としても活用できるというメリットがあり、老後の資産運用にもぴったり。また将来自宅用として使用することもできます。
考えなければいけないのは、J-REITと同じく空室のリスクについて。住宅需要の多い立地を選ぶことや、相場と時期に合わせた家賃設定をする、リノベーションを行うなど、工夫をすることで空室のリスクを下げることが可能です。
海外不動産投資
海外の不動産を対象に行う投資方法。国内の不動産投資と同じように、不動産の売却や家賃収入で利益を得ることができますが、海外不動産投資の方がより大きなリターンが期待できます。
というのもアジアなどの新興国では、先進国と比べて不動産価格が安く、賃貸物件の需要も高まっているため、より効率良く利益を得ることができるのです。
しかし損失を出さないためには、海外の経済情報を日々チェックしなければいけません。そのためには、情報を入手するリサーチ力と英語のスキルが必要となります。
また、海外不動産の場合は信頼できる管理会社を探すことができるかが鍵。客付けのスキルが低い管理会社を選んでしまうと、家賃収入を得ることができなくなってしまいます。
まとめ
退職金があるのか、いくらもらえるのかということは、退職後の生活に大きく関わる問題です。
退職までまだ時間があるという方も、現在勤めている会社の退職金制度についてしっかり確認しておきましょう。
また、退職金をどのように使うかも考えておきたいポイント。特に定年退職をされる方の場合は、それをどう運用していくのか、ぜひこの機械に考えてみてください。