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ズバリ中小企業の退職金はいくら?老後の金銭事情も徹底解説!

By Oh!Ya編集部

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ズバリ中小企業の退職金はいくら?老後の金銭事情も徹底解説!

いまや20代から50代まで、年代を問わず将来を不安視する声があがっています。退職金や公的年金の支給額が気になる人も多いでしょう。

特に中小企業に勤めているサラリーマンの中には、「退職金はどのくらい貰えるのだろうか?」「退職金だけで老後の生活費は足りるのだろうか?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

メディアが取り上げるのは大企業の退職金ばかりで、中小企業に勤める大多数のサラリーマンは置き去り。年金減額や開始年齢の引き上げに不安が募るなか、焦りだけが大きくなっていきます。

そこで今回は、中小企業における勤続年数ごとの退職金を解説。統計データや国内情勢から、充実した老後生活を送るための重要点をご説明します。

中小企業における退職金の平均はいくら?

握手

中小企業に勤めるサラリーマンにとって、退職金は老後資金の中核といえます。

将来設計を立てるうえで「退職金の平均額」を知ることは重要。将来に向けてどの程度の資金が必要になるのか、ライフプランニングを進めるなら欠かせない情報です。

しかし、企業の統計情報は厚生労働省や総務省などが発表しているものの、中小企業だけをフォーカスした情報は多くありません。

そのようななか、社員10~300人未満の中小企業へ調査をおこなっている「東京都産業労働局」は、中小企業の実情を知るうえで欠かせない情報を公開しています。

最終学歴後すぐに入社した場合の退職金モデル

退職時期大学卒高専・短大卒高校卒
勤続10年114.8万円95.9万円91.2万円
勤続20年380.5万円313万円298.2万円
勤続30年749万円635.7万円617.1万円
定年退職1,138.9万円1,030.5万円1,082.9万円

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出典:(東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成28年版)」を抜粋・改編)

上記の数値は一般的な成績の社員をモデルとして、自己都合による早期退職と定年退職の差を比較したものです。995社の回答をもとに作成されているため、中央値を求める統計として信頼性の高いデータだといえるでしょう。

このデータを基準としつつ、必要な老後資金と公的年金の支給額を確認していきましょう。

退職後に必要な平均生活費

ドキュメント

老後生活の必要費用を調査した「家計調査報告」によれば、平成29年度の高齢者世帯における平均消費支出は「1ヶ月あたり約23.5万円」でした。

1年を通じて同額で生活を送った場合、年間生活費は以下の通りです。

高齢者世帯における1年間の出費
23.5万円×12ヶ月=282万円

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くわえて簡易生命表の統計結果にて、男女の平均余命が81~87歳前後となっていることから、定年後の老後生活は少なくとも約20年であると想定しなければなりません。

つぎの計算式から、最低必要額として5,640万円ほど準備する必要があると分かります。

老後生活を約20年としたモデルの必要資金
282万円×20年=5,640万円

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中小企業の退職金に関する統計では、定年退職時の給付額は1,000万円前後でした。この結果だけ見れば、年金と貯金をあわせて5,000万円ほど用意することで「不自由のない老後生活」を送れると想像してしまいます。

しかし、実際に高齢者世帯へ意識調査をおこなったデータによると、この見積もりが楽観的であることが分かります。

老後生活が苦しいと感じる高齢者世帯の割合

厚生労働省がおこなった意識調査*¹によれば、高齢者世帯の54.2%は「生活が苦しい」と回答しています。

同様に老後生活の調査をおこなう生活保険文化センター*²も、最低限の平均生活費を22万円と算出しており、充実した老後生活には平均34.9万円ほど必要であると発表しました。

これを考慮すれば、前述した必要資金では足りないことが分かります。

充実した老後生活に必要な資金
1年間の出費総額34.9万円×12ヶ月=418.8万円
20年間の出費総額418.8万円×20年間=8,376万円

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充実した老後生活には3,000万円近く上乗せが必要となり、退職金を1,000万円前後と想定したときには、年金と貯金をあわせて7~8,000万円ほどの準備が求められます。

この結果に公的年金の支給額を照らしあわせることで、貯金額として必要な老後資金が分かります。

*¹ 引用:(厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査の概況」

*² 引用:(生活保険文化センター「平成28年度生活保障に関する調査」

公的年金の支給額はいくら?

平成30年度の厚生労働省が発表した「平成30年度の年金額改定について」によれば、夫婦2人分の標準的な年金支給額は「1ヶ月あたり約22.1万円」です。

これを参考に「1年間の年金支給額」および「20年間の年金支給額」を算出すると、以下のような金額が求められます。

公的年金の支給額
1年間の年金支給額22.1万円×12ヶ月=265.2万円
20年間の年金支給額265.2万円×20年間=5,304万円

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公的年金と退職金とあわせれば平均的な生活費には届くものの、充実した老後生活と定義される水準には及びませんでした。平均余命が上昇しつつあることも考慮すれば、老後生活が20年にとどまらない可能性を考慮する必要もあるでしょう。

退職金の給付率低下とその背景

グラフ

厚生労働省は5年に1度、「退職給付(一時金・年金)の支給実態」と呼ばれる調査をおこなっており、平成30年度の統計データによると退職金給付率は77.8%でした。この結果は、直近のピークである平成5年度の給付率と比較して14.2%下回っている数値です。

企業の短命化が進んでいるといわれる昨今、5年後や10年後も給付率が上昇していくといった楽観視は禁物。むしろ、大手企業ですら人員削減をおこなう現状を見れば、退職金の減額や給付率低下の可能性は高いといえます。

退職金さえも期待できない時代が到来しつつあり、蓄えるべき必要資金はますます増えていくと考えるのが賢明でしょう。

十分な老後資金を準備するために必要な意識

「景気の変動で貨幣価値が変わる」という意識をもち、資産形成を進める日本人は決して多くありません。これは、経済に関する学習時間の乏しい日本特有の傾向です。

たとえば、日本経済にインフレが訪れれば商品・サービスの価格は上昇。従来であれば1,000円で買えていたものが、1,100円や1,200円と多額になります。つまり、現状では8,000万円弱で「充実した老後生活」を送れたとしても、数十年後には8,000万円弱で「最低限の老後生活」しか過ごせない可能性があるのです。

日本のインフレ率は現在停滞しているものの、政府はいまなお物価上昇に向けて政策を進めています。

仮にインフレが訪れたとき、私たちが資産形成を目指して取るべき行動は「定期預金」ではなく「投資」です。ところが、「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」でも明らかとなったように、将来に不安を抱いても投資への恐怖から資産形成に臨めない人たちが大多数。

政府は十数年間「貯蓄から投資へ」をスローガンに投資を推奨してきましたが、その効果はごくわずかでした。

しかし、2019年10月からは消費税改定がおこなわれることもあり、各世帯の出費はさらに増えます。各人の経済的負担が増えるなか、微々たる利息しか得られない定期預金では増税への対策としては力不足。

いまこそ将来に対する危機感を強め、資産形成を考える必要があるのです。

本業と並行して取り組める資産運用

クラウド

投資を始めるといっても金融商品は数多くあり、知識がない状態では損失を計上するのが怖いものです。さらに、サラリーマンは活動時間が限られており、時間を割けないのが現実。

この項では、本業と並行して少ない手間で取り組める、サラリーマンにおすすめの運用方法をご紹介します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

定期預金か投資信託を選択し、節税しつつ老後資金を形成できる私的年金制度の1つ。

選択肢として用意されている「投資信託」は、利用者の資産をファンドマネージャーが運用する金融商品です。投資信託により発生した利益は、通常であれば約20%課税されたのちに投資家に還元されますが、iDeCoを通じて生じた利益はすべて非課税。

さらに、所得税や住民税を控除できるため、早い段階から利用することで大きな節税効果が期待できます。ただし年金制度であるため、60歳まで資産の引き出しできない点には注意が必要です。

定期預金でも所得税や住民税の控除はあるものの、積極的な資産形成を目指すのであれば投資信託の選択をおすすめします。

つみたてNISA

つみたてNISAは、投資信託やETFを対象とした非課税制度。

証券会社を通じて投資信託やETFを購入したとき、通常であれば運用利益に約20%の税金が課せられます。しかし、つみたてNISAを利用することで「年間40万円以下」であれば、購入した商品による売買益・分配金が非課税となるのです。

通常、投資信託やETFは膨大な銘柄数があるものの、つみたてNISAを通じて投資できるのは「金融庁の審査に通過した投資先」のみに限定されます。これにより少数の比較対象から投資先を決められることは、時間の少ないサラリーマンにとってメリット。

当然ながら金融庁の審査は元本保証ではないため、投資により損失を計上するリスクはあります。しかし、市場に出回る銘柄のなかでも「堅実な価格変動」を期待されるものが選ばれているため、投資経験の少ない人にとっては手堅い投資先としておすすめできる制度です。

不動産投資

不動産投資は多額の初期費用を必要とするものの、歴史の長い堅実な投資手段として知られています。サラリーマン大家として活動する投資家も多く、老後の年金補助やセミリタイアに向けた副業として選ばれてきました。

実物資産であるため運用の手間がかかるものの、投資家自身の努力次第で利益がコントロールできる希少な投資手段。マーケットの流動性が緩やかであるため、一昼夜で資産価格が大きく変動することはありません。

最大の特徴は、融資を利用して多額の投資資金を運用できることです。特に安定的な収入のあるサラリーマンは融資を取り付けやすく、自己資金の数倍~十数倍の借入金を運用するサラリーマン大家も珍しくありません。

メジャーな投資である株式投資やFXは融資を受けられないため、不動産投資は自己資金に対して投資効率を最大化できる投資だといえるでしょう。

個人年金保険

個人年金保険は、公的年金の補助として利用される私的年金制度。

個人年金保険は「円建て年金」と「外貨建て年金」、そして保険会社が株式や債券を運用する「変額個人年金」に大別されます。円建て年金はさらに3つに分類され、それぞれ以下のような特徴をもちます。

円建て年金
確定年金本人の存命中はずっと支給される
終身年金本人の存命中、契約で定められた期間だけ支給される
有期年金生死にかかわらず、契約で定められた期間だけ支給される

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これらの円建て年金は、途中解約や契約者が早期に亡くなる場合を除けば、契約時に定められた支給額が保証されるケースがほとんど。指定口座から定期的に引落されるため、金銭管理が苦手な人に適した制度です。

しかし、つぎに紹介する2つの年金は、景気や保険会社によって支給額が左右されます。契約者の存命にかかわらず元本割れのリスクがあるため、まったく内容の異なる制度だと考えた方が良いでしょう。

支給額が変動する個人年金保険
外貨建て年金外貨で運用され、為替の上下で支給額が変動する
変額個人年金保険会社の資産運用成績により支給額が変動する

※横スクロールできます。

個人年金保険を利用する契約者は、所得税と住民税の控除が受けられるものの、今回ご紹介したなかでは投資効果が小さい選択肢です。

まとめ

建物

退職金の実情や年金支給額、高齢者世帯の統計から「充実した老後生活」に求められるポイントをご説明しました。

これまで国民や社員を守ってきた国や企業は、徐々に経済力を失いつつあります。今後はそれぞれが自力で「将来への不安」を解消する必要があるため、金銭問題への意識を一層高めつつ資産形成に取り組む姿勢が求められるのです。

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