退職年金とは?退職金の受け取り方による違いと老後資金の蓄え方
By Oh!Ya編集部
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先日、金融庁が発表した資料の中で「老後は2,000万円の資金を確保しておく必要がある」という内容があり、世間を騒がせました。
あの報道を見て、老後資産は自分で作らなければならないと再認識した人も多いでしょう。そして、その中には老後資金の重要な資金源である退職金について気になった方も多いと思います。
そこでこの記事では、退職年金をはじめとした退職金の受け取り方による違いや、老後はいくら必要でどのように蓄えれば良いか?について解説します。
退職金の受け取り方は3つ
まず、退職金は以下3通りの受け取り方があります。
- 年金方式で受け取る(退職年金)
- 一時金で受け取る
- 前払いとして受け取る
この章では、上記3通りの受け取り方の概要を解説していき、次章よりそれぞれの違いを詳しく解説していきます。
年金方式で受け取る
年金方式とは、いわゆる「退職年金」といわれるものです。退職後に、年金のように何年かに渡って受け取る方式で、受け取る年数は会社によって異なります。
また、年金方式で受け取るということは、受け取っていない退職金は会社にストックされている状態です。そのため、会社が運用することもあるので、その際は利息によって退職金が増えることもあります。
一時金で受け取る
この「一時金で受け取る」というのが、いわゆる一般的に「退職金」としてイメージされている受け取り方になります。
退職金は、社員が在職中に企業側がコツコツ積み立てているものです。そもそも退職金制度がない企業もありますが、退職金制度を導入している企業なら、将来的に受け取れる額はある程度分かります。
気になる方は、会社の総務部などに確認してみましょう。
前払いとして受け取る
また、退職金は前払いとして受け取ることもできます。つまり、退職後に年金や一時金方式としてもらうのではなく、在職中に受け取ってしまうということです。
具体的には、月々の給与に上乗せされるか、ボーナスなどと一緒に支給されるです。いずれにしろ、前払いでもらってしまうので、退職時に退職金はもらえません。
違い1:所得の計算方法と控除
では、この章より3つの受け取り方の違いについて解説していきます。1つ目の違いは、所得の計算方法と控除についてです。
受け取り方によって、所得の計算も控除額も異なるためしっかり理解しておきましょう。当然ですが、控除額が大きい方が所得は小さくなるので、税金が安くなりお得です。
3つの受け取り方の違いを先にまとめてしまうと以下の通りです。
比較項目 | 所得 | 控除 | 節税効果 |
---|---|---|---|
退職年金 | 雑所得 | 公的年金等控除 | ○ |
一時金受け取り | 退職所得 | 退職所得控除 | ○ |
前払い退職金 | 給与所得 | 給与所得控除 | △ |
退職年金として受け取る
まずは、退職年金として受け取る場合のポイントをまとめると以下の通りです。
- 所得は雑所得で総合課税
- 控除は公的年金等控除で額は大きい
- 節税効果は高い
退職年金の所得
退職年金の場合には「雑所得」という扱いになり、これは通常の年金である「老齢基礎年金」や「老齢厚生年金」と同じ種類の所得になります。
雑所得は「総合課税」といって、ほかの所得と合算して計算します。たとえば、退職後に副業をして事業所得があるなら、その事業所得と合算して所得が計算されるというわけです。
退職年金の控除額
退職年金は、通常の年金と同じ扱いになるので、控除も通常の年金と同じ公的年金等控除が適用されます。
公的年金控除は、年齢や所得(≒年金額)によって控除額が変わり、以下の(a)×(b)-(c)で控除する金額を計算するという流れです。
<65歳未満>
(a)公的年金等の収入額合計 | (b)割合 | (c)控除額 |
---|---|---|
70万円までは所得額は0円 | - | - |
70万円超~130万円未満 | 100% | 70万円 |
130万円以上410万円未満 | 75% | 37.5万円 |
410万円以上770万円未満 | 85% | 78.5万円 |
770万円以上 | 95% | 155.5万円 |
<65歳以上>
(a)公的年金等の収入額合計 | (b)割合 | (c)控除額 |
---|---|---|
120万円までは所得額は0円 | - | - |
120万円超~330万円未満 | 100% | 120万円 |
330万円以上から410万円未満 | 75% | 37.5万円 |
410万円以上から770万円未満 | 85% | 78.5万円 |
770万円以上 | 95% | 155.5万円 |
退職所得の計算例
たとえば、67歳の方が退職年金として年間200万円受け取っている場合、以下の流れで退職所得を計算します。
- 退職所得:200万円×割合100%-控除額120万円=80万円
この80万円に税金がかかってくるというわけです。なお、税金の計算については後述するので、この章では「所得の計算方法」を理解しましょう。
一時金方式
次に、退職金を一時金として受け取る場合のポイントは以下の通りです。
- 所得は退職所得で分離課税
- 控除は退職所得控除で額は大きい
- 節税効果は高い
一時金の所得
退職金を一時金として受け取るときの計算式は以下の通りです。
- 退職所得(一時金)=(収入金額※源泉徴収前-退職所得控除額)×1/2
また、退職所得は分離課税になるので、ほかの所得とは合算せずに単体で計算します。
一時金の控除額
次に、一時金の退職所得控除額は以下のように、勤続年数によって異なります。
勤続年数 | 退職所得の控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円未満の場合は80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
一時金の計算例
仮に、一時金として2,000万円の退職金を受け取ったとき、勤続30年の場合は以下が退職所得になります。
- 退職金2,000万円-{800万円+70万円×(30年-20年)}=500万円
このように、退職金を一時金として受け取ったときも、退職年金と同様に控除額は大きいといえるでしょう。
前払い方式
次に、退職金を前払い方式として受け取る場合のポイントをまとめると以下の通りです。
- 所得は給与所得で総合課税
- 控除は公的年金等控除
- 節税効果は低い
前払い方式の所得
上述のように、前払い方式の場合は毎月の給与やボーナスに上乗せされるので、その所得は「給与所得」となります。
たとえば、給与所得が年間450万円の人が、前払い退職金として年間30万円もらっていたとすれば、 単純にその人の所得が480万円(450万円+30万円)になるだけです。
また、給与所得は総合課税なので、ほかの所得…たとえば不動産所得(家賃収入)などと合算して計算されます。
前払い方式の控除額
前払い方式の控除は、以下の給与所得控除が適用されます。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40%※65万円未満は65万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+180,000円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+540,000円 |
660万円超~1,000万円以下 | 収入金額×10%+1,200,000円 |
1,000万円超 | 2,200,000円(上限) |
前払い方式の所得計算例
たとえば、源泉徴収に記載されて支払い額(=額面の年収)が500万円で、それとは別に年間30万円の前払い退職金をもらっていれば、所得は控除額を加味して以下になります。
- 収入500万円+退職金30万円-給与控除(530万円×20%+54万円)=370万円
一見、控除額が大きいように見えますが、気を付けて欲しいのはあくまで年収の500万円あるからこその控除額です。
30万円増えたことに関しては、単に「30万円×20%=6万円」しか控除額は上がっていません。
退職所得の比較
前項までを踏まえ、まとめると以下のような控除です。
- 退職年金:年間240万円→120万円(50%減額)
- 一時金方式:退職金2,000万円→500万円(75%減額)
- 前払い方式:年間30万円→6万円(20%減額)
上記はあくまで一例であり、条件によって減額率は異なります。ただ、1つ言えるのは前払い退職金が、最も節税効果が低いということです。
とはいえ、前払い退職金をもらうことで若いうちから給与が増えるので、自己投資を含めて自由に使える点はメリットです。
違い2:税金の種類
前項までで、退職年金・一時金方式・前払い退職金の所得の計算方法が分かったと思います。次は、実際にその所得にかかる税金の計算方法について、具体例を踏まえて解説していきます。
全て所得税率が課せられる
退職年金も一時金方式も前払い退職金も、全て「所得」であることは変わりないので、以下の所得税率が課せられます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
それぞれの税金の比較
仮に、以下の条件で税金額を比較してみましょう。
- 年齢:65歳
- 勤続:30年で退職
- 退職金一時金なら:2,250万円
- 退職年金なら:年間150万円×15年間
- 前払い退職金なら:年間59万円×38年間
- 公的年金額:年間270万円(会社員の平均※後述)
- 退職時の給与所得:年間580万円
- 平均給与所得:430万円※国税庁
上記は仮定の話なので、あくまで3つの受け取り方でどのくらい税額が異なるのか?を理解するための参考と認識ください。
また、平均寿命を加味して後15年間生き続ける…つまり年金をもらい続けると仮定します。
結論からいうと、支払う税額は以下の通りです。
受け取り方式 | 税額(15年間の年金による税額含む) |
---|---|
退職年金 | 106.125万円 |
一時金 | 139.75万円 |
前払い退職金 | 275.7万円 |
退職年金の税金
退職年金の税額は以下の通りです。
- 年間総収入:退職年金150万円+公的年金270万円=420万円
- 控除額:420万円×割合85%-78.5万円=278.5万円
- 所得税額:(420万円-278.5万円)×5%=7.075万円
つまり、今後15年間で支払う所得税額は「7.075万円×15年間=106.125万円」です。
一時金の税金
一時金の税額は以下の通りです。
- 控除額:800万円+70万円×(勤続年数30年-20年)=1,500万円
- 退職所得:(退職金2,200万円-1,500万円)×1/2=350万円
- 所得税額:350万円×20%-42.75万円=27.25万円
このように、退職金を一時金として受け取ったときの所得税額は、27.25万円になります。ただし、公的年金を年間270万円もらっているので、その税額は年間7.5万円です。
つまり、今後15年間で支払う所得税額は「27.25万円+7.5万円×15年=139.75万円」です。
このように、控除額自体は最も大きいのですが、年金額によっては退職年金で受け取った方が税金は安くなります。年金額や退職金額によっては逆転するので、個々でシミュレーションして確認しましょう。
前払い退職金の税額
前払い退職金の場合は、年収の変動で税率が変わるので正確には算出できませんが、仮にずっと平均である430万円の年収だったと仮定します。
<年収430万円にかかる税額>
- (430万円-給与控除140万円)×10%-9.75万円=19.25万円
<前払い退職金を足した場合の税額>
- (430万円+59万円-給与控除151.8万円)×20%-42.75万円=24.69万円
つまり、前払い退職金をもらったことで毎年5.44万円税額が増えています。これを30年間支払いつづけるので、30年間で163.2万円です。
そして、退職後は年金の「7.5万円×15年間=112.5万円」が加算され、275.7万円が税額になります。このように、前払い退職金が最も高額な税金になるのです。
老後資金は足りるのか?
前項までで、退職金の受け取り方は3通りあり、それぞれの所得や税金について分かったと思います。次に、退職金をもらったものの、そもそも老後資金は足りるのか?に関して以下を解説します。
- 退職金の平均受給額とは?
- 年金の平均受給額とは?
- 老後に必要な資金は?
というのも、退職金の受け取り方を把握し税額を把握しても、老後資金はいくら必要で現時点でどのくらい不足しているかが分からないと、老後までにいくら貯めておくべきかが分からないからです。
退職金の平均受給額とは?
厚生労働省のデータによると、退職金の平均受給額は以下の通りです。
大学・大学院卒 | 高校卒(管理・事務・技術) | 高校卒(現業) |
---|---|---|
1,983万円 | 1,618万円 | 1,159万円 |
まずは、今勤めている会社に退職金はあるか?一時金・退職金・前払いと選べるか?退職予定額はいくらか?を確認すると良いでしょう。
年金の平均受給額とは?
次に年金の平均受給額を以下3パターンで解説します。
- 自営業者の夫と専業主婦
- 会社員の夫婦
- 会社員の夫と専業主婦
自営業者の夫と専業主婦(夫)
自営業者は第1号被保険者となり、自営業者を夫(妻)に持つ専業主婦(夫)も第1号被保険者になります。
第1号被保険者は老齢基礎年金の受給者であり、20歳から60歳まできちんと保険料を支払いつづければ、満額である780,100円(年間)が、原則65歳から支給されます。
つまり、受給できる年金額は「自営業者の夫780,100円+専業主婦780,100円=年間1,560,200円」になるということです。
会社員の夫婦
会社員の場合は第2号被保険者となり、前項で解説した老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受給できます。
老齢厚生年金は支払った保険料(年収)によって受給額が異なりますが、厚生労働省のデータによると、平均支給額は以下の通りです。
- 全体平均:年額1,764,612円、月額147,051円
- 男性平均:年額2,000,016円、月額166,668円
- 女性平均:年額1,236,312円、月額103,026円
この金額に前項の老齢基礎年金を足すと、夫は2,780,116円、妻は2,016,412円、合計で4,796,528円が平均年金支給額になります。
会社員の夫と専業主婦
会社員の夫は第2号被保険者で、専業主婦は第3号被保険者です。第3号被保険者は第1号被保険者と同じく、老齢基礎年金のみ受給になります。
そのため、会社員の夫と専業主婦の場合の年金受給額は「夫2,780,116円+妻780,100円=3,560,216円」です。
老後に必要な資金は?
退職金と年金受給額のイメージができたところで、次は老後に必要な資金を解説します。
老後に必要なお金は生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人で「最低日常生活費」を送れる金額は、月額で平均22万円(年間264万円)です。
また、「ゆとりある老後生活」は平均34.9万円(年間418.8万円)必要になります。この点を踏まえ、前項の3パターンに落とし込むと以下の通りの不足額となります。
項目 | 年金受給額 | 不足金額(最低限の日常生活) | 不足金額(ゆとりある生活) |
---|---|---|---|
自営業者の夫と専業主婦 | 約156万円 | 約108万円 | 約262万円 |
会社員の夫婦 | 約479万円 | 足りている | 足りている |
会社員の夫と専業主婦約 | 約356万円 | 足りている | 約65万円 |
老後資金のつくり方
このように、年金だけでは最低限の日常生活にも満たない方も出てきますし、ゆとりある生活ができる方は多くないです。
そんなときに退職金を充てる方も多いですが、上述したように退職金額は人によって異なります。前項までで、「退職年金を足しても生活費が足りないかも…」と思った人もいるでしょう。
さいごに、そんな方へ向けておすすめの老後資金のつくり方である、以下を解説していきます。
- 老後だけが心配ならiDeCo
- 資産をしっかりつくるなら不動産投資
- 少額投資ならNISA
老後だけが心配ならiDeCo
老後だけが心配…ということはiDeCoが向いています。というのも、iDeCoは以下の特徴があるからです。
- コツコツ積み立てる投資
- 所得控除がある
- 受け取り時も節税できる
コツコツ積み立てる投資
そもそもiDeCoとは、証券会社にiDeCoの口座をつくり、その口座から「掛け金(投資額)を毎月○○万円」と決めて行う投資です。
仮に月々1万円であれば、年間12万円分の金融資産を取得し、主に投資信託をコツコツと積み立てるというイメージです。
iDeCoは「私的年金制度」というくらいなので、基本的には60歳になるまで引き出せません。そのため、「老後の資金」だけにフォーカスを当てている人に向いているのです。
所得控除がある
iDeCoで投資信託を取得しなくても、普通の証券口座で投資信託は取得できます。しかし、iDeCoで投資した掛け金は、そのまま所得控除となるのです。
給与所得が500万円でiDeCoの掛け金が年間12万円であれば、給与所得は488万円に減額されます。そうなれば税金が安くなるので節税効果あるのです。
iDeCo以外で金融商品を取得しても所得控除はないので、この点はiDeCoのメリットといえます。
収益は非課税
さらに、iDeCoで投資をして収益が出ても非課税です。iDeCo以外で金融商品を取得し収益が出れば、20.315%もの税率が課せられます。
しかし、iDeCoは税金がゼロ円なので、効率良く資産を増やすことができます。
受け取り時も節税できる
また、受け取りは退職金のように年金方式と一時金方式を選びます。さらに、年金方式だと退職年金と同じ控除が受けられ、一時金方式だと退職金一時金方式と同じ控除が受けられます。
退職年金と退職一時金の控除は、上述した通り節税効果が大きいのです。
資産をしっかりつくるなら不動産投資
次に、資産をしっかりつくるなら不動産投資が適しているでしょう。というのも、不動産投資は以下のような特徴があるからです。
- レバレッジ効果が高い
- 利回りと合わせた収益性が高い
- 比較的安定している
不動産投資とは、区分(一室)のマンションや一棟アパート・マンションを購入し、そこに賃付けすることで収益を得る投資です。
レバレッジ効果が高い
不動産投資はローンを組んで物件を購入できるので、小さい資金で高額な資産を購入できる…つまりレバレッジ効果が高いです。
投資においての収益は「保有資産額×利回り」なので、保有資産額を高額にできる不動産投資は収益性も高くなりやすいです。
ローンを組めば、「自己資金の10倍」というレバレッジ効果も可能であり、投資の中でもトップクラスといえるでしょう。
利回りと合わせた収益性が高い
不動産投資は個人で行っている人が多く、自分が保有している物件の利回りを公開しているわけではありません。
そのため、正確な利回りは分かりませんが、たとえば都心で不動産投資をして上手く運用できれば、返済後(手取り)利回りは2.5%~3%程度といわれています。
仮に、自己資金300万円でレバレッジ効果10倍の不動産投資と、レバレッジ効果なしの場合の収益額は以下の通りです。
- 不動産投資:300万円×ローン10倍×3%=年間90万円
- レバレッジ効果なし:300万円×3%=年間9万円
もちろん、ローンを組むことでリスクもありますが、レバレッジ効果の高さと利回りの高さによって、不動産投資の収益性は高いといえます。
比較的安定している
不動産投資のメインは家賃収入であり、家賃は大きく下落することは少ないです。たとえば、株価であれば「半年で半値になる」ことはあり得ても、家賃ではほぼないでしょう。
また、不動産の売却価格自体も同じように、短期間で半値になる…ということは極めて稀です。つまり、不動産は収益性が高いながらも安定性も高いので、資産をしっかり作りたい人に向いているのです。
少額投資ならNISA
さいごに、少額投資ならNISAがおすすめです。その理由は以下になります。
- 年間120万円までなら5年間非課税
- NISAなら自由に金融資産を取得できる
年間120万円までなら5年間非課税
そもそもNISAとは、証券会社にNISA口座をつくり、その口座で株式や投資信託を売買することです。
NISAで投資するメリットは、年間120万円までの取引なら、利益が出ても取得して5年以内の売買なら非課税という点です。
そのため、iDeCoと同じく「収益×20.315%」の税金がかからないので、効率良く資産形成できるというメリットがあります。
NISAなら自由に金融資産を取得できる
また、iDeCoは取得できる金融商品が限られますが、NISAは通常の証券口座と同じように取得できる金融商品は幅広いです。
もちろん、好きなときに売買できるので流動性も高く、その点もiDeCoとの違いになります。
ただ、iDeCoのように所得控除などがないので、老後資金を貯めるならiDeCo…ある程度自由に売買したいならNISAと使い分けると良いでしょう。
まとめ
このように、退職金には退職年金・一時金方式・前払い方式の3通りあります。前払い方式を選択できる会社は少ないので、多くは退職年金か一時金方式でしょう。
大事なのは、それぞれの所得や税額を知った上で、老後資金がどのくらい必要かを予想することです。その点を踏まえ「老後資金が足りない」状況であれば、上述した投資を検討することをおすすめします。