【初心者必見】不動産投資の物件選定~購入までの6ステップを解説!
By Oh!Ya編集部
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不動産投資を分かりやすく解説した資料は数多くあるものの、「この知識はどの段階で必要なのか」を知らなければ役立てる機会は失われてしまいます。
特に初心者ほど一連の流れを把握できていないケースが多いため、まずは不動産選定~購入までのフローを確認することが欠かせません。
そこで今回は、不動産投資を6ステップに分けて手順を解説していきます。
初心者が知るべき不動産選定~購入までの流れ
局所的な知識を身に付けたとしても、そのノウハウをいつ活かせるか知らなければ本末転倒。初心者がいち早く不動産投資の知識を身に付けるには、不動産選定~購入までの流れを覚えることが大切なのです。
この項を読んで、不動産投資の基本的なフローを一緒に確認していきましょう。
STEP1:不動産投資の成功は1つでないことを知る
たとえば、不動産投資に対して「最初は中古マンションを買うもの」という先入観があれば、不動産選定を始めるときに中古マンションばかりを調査することになります。
しかし、実際の成功事例には数多くのパターンがあり、初心者が必ず選ぶべき不動産というものは存在しません。
- 投資規模
- 投資資金
- 投資エリア
思い描く理想のビジョンから、こういった要素を1つずつ決めていくのです。そのためにも、まずはどういったタイプの不動産があるのか知る必要があります。
投資先となる不動産は4つに大別できる
イレギュラーなものを除けば、投資対象となる不動産は以下の4つに大別されます。
- 区分マンション:利便性の高い駅近エリアに少額から投資できる
- 一棟マンション:高額だが土地を含むため資産価値が下がりづらい
- 一棟アパート:郊外に建設されるため上記と異なる戦略が求められる
- 戸建:土地を含みつつ少額から始められるため初心者に選ばれやすい
投資家目線でこのように考えられ、自己資金のみで購入するなら区分マンションや戸建、融資を利用して購入するなら一棟マンションやアパートが選ばれやすいです。
そして、より利便性の高い駅近エリアのニーズを狙うならマンション、郊外のファミリー層や車保有者を対象に戦略を立てたいならアパート・戸建といった考え方ができます。
この通りに不動産選定を始める必要はありませんが、どのような規模・地域を選ぶのか絞ることで、無数にある投資案件から理想的な不動産を探しやすくなります。
資金と戦略を考えて新築・中古を選ぼう
購入価格は前述した4つのタイプに左右させるほか、新築・中古の違いによっても大きく変動します。
- 新築:価格は割高であるものの、修繕・設備交換は不要で客付けが比較的容易
- 中古:価格は割安であるものの、劣化状態・古臭さによっては修繕工事が必要
築年数により内外装の劣化状態は異なりますが、おおむね上記のようなイメージです。
新築を選ぶ利点と注意すべきポイント
新築であれば「いま需要のある住宅」を建てられるため、中古に比べてニーズに合わせて優れた不動産を用意しやすいです。入居率を維持しやすいという意味合いの「新築プレミアム」といった言葉があることからも分かります。
ただ、この新築プレミアム時は賃料設定を高めに設定できるのですが、一度退去者が出てしまったあとは賃料相場に合わせて家賃を下げる必要があります。新築プレミアムが続く前提で投資プランを立てれば、実際の利益率は予想より大きく下回るため注意しなければなりません。
中古を選ぶ利点と注意すべきポイント
古いから安くなるという理由のほか、中古は所有者が「安くても手放したい」と相場価格より安価で市場に流す可能性があります。そのため、マーケットをこまめにリサーチすれば、優良不動産に出会える確率が高まるという大きなメリットがあります。
ただし、不動産は築年数の経過にともない、内外装のあちらこちらが劣化するもの。見極めが甘ければ購入後に大規模修繕を要するケースもあり、基礎知識を覚えていないまま初心者が中古を選べば、想像を超える修繕工事費に悩まされてしまうのです。
- シロアリ
- 壁のひび割れ
- 設備故障の有無
- 水道・浴室のカビ臭
築古であれば上記のような問題が多く、なかには高額な工事費を必要とする修繕箇所もあります。修繕工事が多いほど利益率は低下するので、知識不足で中古不動産選びに臨むと失敗を招きやすいと覚えておいてください。
STEP2:資料請求やネット検索で不動産を探す
タイプ・築年数からイメージを掴めるようになれば、資料請求やネット検索から得られる不動産情報に理解が深まります。
優良不動産はあっという間に成約してしまうため、理想的な不動産を見つけたときは早く行動するほど有利です。つぎのような順番で、不動産購入に向けて動きましょう。
1.目星を付けた不動産の周辺エリアの分析
2.目星を付けた不動産を扱う業者へ「買付申込書」を提出
早いほど有利ではあるものの、不動産や不動産が属するエリア分析は成功・失敗を分ける重要なプロセス。特に経験の浅い初心者のうちは、急ぎ足になって調査不足のまま買付を出さないよう注意が必要です。
対象地域の賃料相場や賃貸需要を調査する
いくら不動産そのものが住居として優れていても、賃料設定が許容できないほど高かったり、過疎化の激しいエリアだったりすれば投資対象としての魅力は半減します。
そこで、まずは不動産情報サイトを利用して、目星を付けた不動産と「似た条件を持っている周辺物件」を検索。同程度の間取り・築年数・立地であるにもかかわらず、賃料設定の差に大きな開きがないかチェックしてください。
もしも、賃料設定が周辺物件より高額であれば、いずれ適正価格に引き戻されて利回りが低下すると考えられます。また、不動産投資は入居者がいて成立する事業であるため、賃貸需要はシビアにリサーチすべきです。
賃貸需要は2プロセスでリサーチ
賃貸需要の調査には、LIFULL HOME’Sが配信している「見える!賃貸経営」の利用をおすすめします。これは総務省のデータをもとに空室率を可視化し、賃貸用住宅の総数に対する空き家のパーセンテージを算出したもの。
都道府県だけでなく、市町村レベルの細かいデータを一目で確認できるため、ざっくりとした情報収集に最適です。
そして、こういったツールでおおよその空室率を調べたあとは、不動産会社を訪ねたり周辺物件の洗濯物・カーテンの有無を見たりして、実際に現地調査を進めることをおすすめします。
このように2段階でリサーチを行うことで、不用意に労力と時間を浪費しなくて済むのです。
買付申込書は希望購入価格を記入する
入念な分析調査の結果、目星を付けた不動産の購入を決意したなら「買付申込書」を提出することになります。
これは不動産を購入したいという意思を、現所有者に対して伝えるための申込書。売り出し価格をそのまま記入する必要はなく、基本的には自身が希望する購入価格を書き入れるものです。
ただし、大幅に値切る形で希望価格を伝えれば、現所有者に不快感を与えるため交渉に繋がりません。買付申込書に法的拘束力はないため自由に撤回できるものの、現所有者や仲介業者に嫌がられないよう配慮する姿勢は必要です。
STEP3:融資を受けられるよう金融機関に相談する
自己資金のみで購入できない場合は、融資を受けるため金融機関に相談しなければなりません。このとき金融機関は、仲介を担当する不動産会社に紹介してもらう、または自身で金融機関にアプローチするといった2つの方法があります。
このうち、どちらかの方法で融資審査を取り付けられれば、つぎは金融機関の融資担当者との面談です。都市銀行・地方銀行・信用金庫など金融機関は数多くありますが、基本的には申請者の経済能力や事業者としての素質を判断されます。
- なぜ不動産賃貸業を始めたいと思ったのか
- 空室が発生したとき対処はどのように行うのか
- 収支シミュレーションは再現性のあるものなのか
基本的な知識だけでは十分な受け答えはできないため、ここで賃料相場や賃貸需要をリサーチした経験が活きてきます。その地域を入念に調査したからこそ分かる特性をもとに、どのようなニーズを満たすことで安定運用ができそうかアピールするのです。
STEP4:売買契約を結び手付金を払う
買付申込書と異なり、売買契約は法的拘束力を持った契約です。このとき同時に手付金を支払い、買主側が契約を破棄した場合には手付金没収、売主側が契約を破棄した場合には手付金の倍額を買主に支払う義務があります。
ただし、融資の審査中であれば、融資特約(ローン特約)と呼ばれる「融資が非承認だったとき売買契約を解除できる」といった趣旨の特約により、手付金を没収されることなく不成立とすることが可能です。
また、売買契約時における仲介手数料の支払い義務もなくなり、この段階で渡していた仲介手数料は全額返還されます。
割高な手付金は契約破棄の抑止力になる
手付金の相場価格は「不動産価格の1割ほど」といわれていますが、売買契約の破棄を避けたい場合は手付金を多めに出すケースがあります。誰しも高額な手付金の倍額を支払いたくはないため、心変わりによる契約取り止めの抑止力として機能するのです。
STEP5:金融機関と金銭消費貸借契約を締結
申し込んでいた融資が希望条件で決まれば、金融機関と融資契約を確定するために「金銭消費貸借契約(通称:きんしょう)」を交わします。
- 実印
- 銀行印
- 住民票
- 印鑑登録証明書
- 本人確認書類
- 所得証明書
- 健康保険証
- 売買契約書
基本的にこれらの準備物が必要になりますが、金融機関によって必要書類は増減します。必ずしもこの通りではないため、融資を利用する金融機関の解説はきちんと確認しておくことが大切です。
STEP6:不動産の決済と引き渡し
不動産を決済して引き渡すときには、不動産会社・買主・売主・司法書士の立会いのもと、金融機関の担当者をまえに引き渡しが行われます。
融資や仲介の有無によって一部流れは異なるものの、これら一連のフローが不動産選定~購入までの流れです。これさえ覚えておけば、情報収集により得られる不動産投資の知識が、どのシーンに活かせるものなのか理解が深まります。
理想的な不動産を見つけたとき素早く対応するためにも、しっかりと頭に叩き入れておくべき内容だといえるでしょう。
不動産投資を始めるまえに初心者が意識すべきポイント
一連の流れを覚えたあと情報収集をすることになりますが、より良質な知識を蓄えるために欠かせないポイントがあります。この項では、情報収集のときに意識すべき3つのポイントを解説していきます。
勉強のための経費を惜しまない
インターネットの普及により、良質な情報の多くが無料で手に入ります。当メディアでも「不動産投資とは?超初心者が知っておくべき5つのこと」の記事をはじめ、多くの初心者向け無料コンテンツを配信してきました。
しかし、書籍やセミナーなどの有料教材と比べたとき、インターネットが全ての点で勝っているわけではありません。自身に似た境遇の不動産投資家が書いた書籍、特定の地域にフォーカスしたセミナーなど、よりニッチな領域を解説するコンテンツは有料教材に多いのです。
自身の力で成功を勝ち取りたいと思っていながら、わずかなお金を出し渋って情報不足となり、後手に回り続けるのは望ましくないはず。不動産投資を成功させれば勉強代は回収できるので、成功のための投資は積極的に行うことをおすすめします。
1つの情報源だけを信用するのは禁物
ためになる書籍やありふれた内容の書籍、面白いセミナーやテンポの悪いセミナーなど、前述した有料コンテンツは教材としての品質がバラバラ。いつも使った経費に見合う学びがあるとは限りません。
だからといって、自身が興味のある投資家の話だけ聞き入れるのは危険です。なぜなら、初心者が初めての投資を成功させるとき、最も重要なのは「多角的な判断能力」だからです。
ベテラン投資家が輝かしい投資家生活を送っている裏では、実際に数々の失敗者が破産したり借金返済に追われたりしています。それほどまでに成功の再現性のない世界であり、偏った知識だけでは対処できない問題も多くあるのです。
いくらベテラン投資家といえども、投資家1人が持てる知識・経験には限度があります。ですから、できる限り知らない情報に触れられるよう、より多くの情報源から知識を吸収することをおすすめします。
情報収集をするだけではなく行動を起こす
情報収集は成功を掴むための過程であり、学習そのものがゴールではありません。つまり、情報収集した量だけ行動を起こすことで、初めて学習で得た知識を活かせているといえるのです。
ノウハウコレクターのままで財を成すことはできないので、インプットのあとはアクションに繋げることをおすすめします。
まとめ
不動産選定~購入までのプロセスに対する理解度は、情報の吸収力に多大な影響を与えます。
聞きなれない名前の契約が頻出するので、一度や二度読むだけで覚えることは難しいです。しかし、いつ訪れるか分からないチャンスを逃さないためにも、時間をかけて覚えることをおすすめします。
そして、一連のフローを理解したあとは、後半で解説した3つのポイントを意識しながら情報収集を繰り返してください。満遍なく身に付いた知識は、あなたが不動産投資を始めるときに必ず役立つはずです。