【必見】不動産投資で人気物件を探すための9つのコツ
By Oh!Ya編集部
1,880view
「不動産投資で成功するためには物件選びが大事」 これは、不動産投資を検討している人にとっては当然かもしれません。しかし、いざ物件を探してみると、どのような物件が良いのか分からなくなる人もいるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件としてのニーズが高い、いわゆる「人気物件」とはどのような物件か?について、ポイントを9つに厳選して解説していきます。また投資物件は、マンションやアパートの集合住宅が多いため、集合住宅に投資する前提で解説しています。
その前に、不動産投資で確実に成功するためには情報収集が大切です。
目次
人気物件に必要な要素とは?
具体的なポイントを解説する前に、そもそも人気物件とはどのような要素を兼ね備えているか?について解説します。人気物件に必要な要素は、立地・商品・価格という3大要素があります。
そして、その中では「立地」の優先順位が高いといえるでしょう。これは、賃貸物件を探している人の気持ちになると分かりやすいです。
立地の重要性
賃貸物件を探している人は、「○○市内」や「△△線沿線」、もしくは「××駅周辺」などのように、ある程度エリアを定めます。立地は通勤や通学の利便性を左右するので、賃貸物件選びにおいて最重要ポイントといえるでしょう。
たとえば、東京都練馬区で物件を探している人は、エリアが全然異なる東京都台東区の物件は検討しません。どんなに良い物件があっても、検索にすら引っかからないでしょう。また、立地という点では「徒歩分数」も立地といえます。
「徒歩5分以内」や「徒歩7分以内」など、徒歩分数で絞るケースが大半です。そのため、どんなに良い物件でも、徒歩分数が希望通りでなかったら検討すらしないケースもあります。つまり、立地は「集客力」に大きな影響を与えるということです。
商品の重要性
賃貸物件において、「商品」というのはその物件自体の魅力です。たとえば、築年数を含めた外観のきれいさや、室内の設備・仕様(建具など)のグレードが商品にあたります。
建具やフローリングなどのグレードが低ければ、検討者は安っぽい印象を受けるでしょう。また、「追い炊きがない」「コンロが1つしかない」という設備のグレードが低い物件も、検討度合いを下げる要因です。立地が集客に影響を与えるなら、商品はどちらかという成約率に影響を与えます。
そして、その立地と商品を加味した上で適正な賃料(価格)設定をすることが、人気物件のポイントになるのです。これより、具体的にポイントを解説していきます。
ポイント1:自分の知っているエリアで探す
1つ目のポイントは、自分の知っているエリアで物件を探すということです。上述したように、人気物件かどうかはエリアが重要ですか、さすがに「エリア」と一言でいっても広すぎます。そのため、検討するエリアを限定するために、自分の知っているエリアにまずは絞りましょう。
たとえば、今住んでいるエリアはもちろん、「昔住んでいた」「遊びに行ったことがある」「会社があるエリア」などでも大丈夫です。「降りたことがある駅」に限定するとエリアが狭すぎるため、「自分の知っている駅の沿線」くらいはエリアを広げても構いません。
想像してもらえると分かりますが、「電車で通ったことがある」というだけでも、何となくその駅の雰囲気は分かるはずです。雰囲気が分かることは物件選びにおいて大きなアドバンテージになるので、それを活かして、自分の知っているエリアに絞りこむと良いでしょう。
ポイント2:人が集まる駅を選ぶ
2つ目のポイントは、人が集まる駅を選ぶということです。前項でエリアを絞ったとはいえ、まだまだエリアは広いです。そのため、次は自分の知っているエリアの中で、どのエリアが人気のエリアになるかの優先順位をつけましょう。
その優先順位の上位に来るのが「人が集まる駅」になるのです。これは立地に関連することであり、「最寄り駅」に関することなので、人気物件かどうかに最も影響を与える要素となるでしょう。そんな「人が集まる駅」については、以下の項目をチェックします。
- 乗降客数をチェック
- 都心までの距離をチェック
- 好きな沿線ランキングをチェック
- 駅周辺の施設をチェック
乗降客数をチェック
まずはその駅の乗降客数をチェックしましょう。「駅名 乗降客数」と入れてネットで調べれば出てくるはずです。人気物件は、「利便性の高い駅」が最寄り駅であるケースが多いので、複数路線つかえるターミナル駅が理想です。
ターミナル駅で人気物件になりそうな物件があれば良いですが、ターミナル駅が最寄りの物件は価格が高いのも事実です。そうなると、家賃が高くなりすぎて、立地と家賃のバランスが悪くなるリスクがあります。
そのため、ターミナル駅ではないけれども人気の駅を探す必要があり、それを調べるためには駅の乗降客数を調べるのが最も簡単な方法になります。
都心までの距離をチェック
マンションを売却するときには、土地を購入してマンションを建築し売り出すという順番です。その「土地を購入する」という段階で、「この物件は売れるのか?人気物件になるか?」を検討します。その際、東京駅や新宿駅、渋谷駅など、主要駅までの距離圏や所要時間は必須項目になります。
つまり、「東京駅まで○○km」「新宿駅まで●分」という要素を加味して、土地を購入すべきか判断するというわけです。これは賃貸物件も同様で、人気物件であれば主要駅までの距離圏は重要になります。
好きな沿線ランキングをチェック
次に、好きな沿線ランキングをチェックしましょう。SUUMOをはじめとした、色々なメディアで好きな沿線・好きな街というランキングが発表されています。もちろん、そのランキングに入っているからいって「人気のある沿線」「人気のある街」というわけではありません。
しかし、少なからずそのランキングが検討者の目に触れる可能性があり、参考にする人も多いでしょう。特に、転勤や大学受験に合格して上京する人などは、そのようなランキングを見てエリアを絞る人もいます。
つまり、ランキングに入っているだけで多少は集客しやすい人気物件になりやすいといえます。現に、ポータルサイトなどを見ると、「人気の○○街特集」や「人気の○○沿線特集」のような企画をやっていることもあります。
駅周辺の施設をチェック
その街の人が一番集まる場所は駅です。そのため、駅前に商業施設などの利便施設が集中する傾向にあります。逆にいうと、駅前にしか施設がない街も多いため、駅前にどのような施設があるかはきちんとチェックしましょう。
チェックするのはスーパーやドラッグストアだけではありません。医療施設や金融機関の施設なども含め、生活に関連する施設はきちんと調べましょう。施設が多いな~」や「物足りないな~」と思ったら、そのエリアに賃貸物件を探している人も同じ印象を持ちます。
ポイント3:徒歩距離は競合物件数と深い関係がある
3つ目のポイントは、徒歩距離と競合物件が深い関係にある点を知ることです。人気物件になるためには「エリア選定」も大事になりますが、それ以外にも「競合物件が少ない」ことも大事です。
いくらニーズが高いエリアでも、同じような賃貸物件がたくさんあればターゲットは分散してしまいます。そんな競合物件数を調べる上で重要なのは「駅距離」です。「駅徒歩3分」や「5分」という物件を、単なる駅近物件という認識だけで終わってはいけません。
不動産投資において「駅から近い」というメリットは、「競合物件が減少する」という大きなメリットがあるのです。
駅距離は80mで1分換算する
不動産投資をするなら、不動産の駅距離のルールを知っておきましょう。分数のルールは、80mを1分換算で端数は切り上げます。たとえば、駅から420mの場所に物件があれば、「420m÷80m=5.25分」なので、端数は切り上げて徒歩6分表記になるということです。
また、駅からの道のりは「歩ける道」を辿る必要があるので、横断歩道や信号があるルートを通ることになります。そして、スタート地点である駅は、駅の庇が切れるとこから計測し、地下鉄であれば出入口をスタート地点にするというルールです。
昔は、住宅地図といわれる大きな地図で計測していましたが、今はPCなどのアプリやソフトをつかって計測するのが主流です。
徒歩5分と10分は競合物件数が4倍違う
さて、駅距離と徒歩分数のルールが分かったところで、本題である駅距離による競合物件の違いについて解説していきます。仮に、同じ駅から徒歩5分と10分の物件を比較してみます。結論からいうと、徒歩5分と徒歩10分は徒歩分数こそ2倍ですが、競合物件は4倍もの違いになるのです。
駅から円を描く
まず、駅を中心に円を描きます。1つは半径400m(徒歩5分以内)の円で、もう1つは半径800m(徒歩10分以内)の円です。
上述したように、徒歩分数を計測するときは実際に歩ける道なので、単純に円を描いても徒歩5分・10分かを正確には計測できません。ただ、ここでは競合物件の数を比べたいので、形式的に直線距離で測っています。
駅距離と競合物件の数
前項で描いた円の面積は、それぞれ以下のようになります。
- 半径400m(徒歩5分):16万π㎡
- 半径800m(徒歩10分):64万π㎡
このように、徒歩5分の円よりも徒歩10分の円の方が、面積は4倍になるのです。そのため、仮に均等に賃貸物件があるとすれば、競合する物件数が徒歩10分の物件は徒歩5分よりも4倍になるというわけです。
賃借人の物件選びを考える
賃貸を探している人の大半が「駅徒歩●分以内」と物件を絞り込みます。前項の結果から単純に考えると、駅から5分と絞るよりも駅から10分と絞った方が、ラインナップされる物件は4倍になるということです。もちろん、それはエリアによっても検索する時期によっても異なるでしょう。
しかし、「駅から近い」というメリットは、競合物件の数を大幅に減らすことができるのは事実であるため、その点も加味して物件の立地を選ぶことは重要です。
少なくとも、駅から近い物件は「利便性が高い」というメリット以外にも、「競合物件が少ない」というメリットがある点は認識して物件選びをすべきです。
ポイント4:現地確認は最低2回は行う
4つ目のポイントは、現地確認は最低でも2回行うということです。前項までで、自分の知っているエリアをピックアップし、そのピックアップしたエリアの駅を比較して、どのエリアで物件を探すかはある程度絞れたと思います。
その後、さらに予算や広さなどの細かい条件で絞り込むと、物件がいくつかピックアップできるはずです。その次のステップは、入念な現地確認になります。最低でも2回は現地確認すべきですが、そのときは以下の点を頭に入れておきましょう。
- 注意すべき物件
- 時間帯と曜日を変えて確認する理由
- 現地確認するポイント
注意すべき物件
まず、現地調査するときに注意すべきは以下のような物件です。
- 地下鉄のターミナル駅が最寄りの物件
- 大通りが近い物件
これは、前項の「駅距離」に付随することになります。
地下鉄の駅が最寄りの物件
注意すべきは地下鉄の駅です。特にターミナル駅で物件を探している場合は、きちんと「改札までの距離」を確認しましょう。といのも、ターミナル駅は広いので、駅によっては改札から数百メートル離れた場所に出入口があります。
ただ、上述したように駅徒歩分数を測るときは、改札ではなく出入口をスタート地点にしているのです。そのため、駅徒歩5分と表記していても、改札から出入口が遠ければ、実際には7~8分以上かかることもあります。
そうなると、物件を探している方も物件を見学するときは、肌感覚で駅の遠さを感じ「駅5分表記だけど実際は遠いな・・・」と思うはずです。そのため、物件を選ぶときは単純な駅距離表示だけでなく、改札までの距離間を確認しましょう。
大通りが近い物件
大通りが近くにある物件も要注意です。というのも、大通りが近くにあるということは、信号待ちが長かったり歩道橋を渡る必要があったりするからです。仮に、歩道橋を渡るアプローチだとしても、駅距離を計測するときには階段は加味しません。
また、信号待ちが長ければ、前項と同じく体感距離は徒歩分数以上になるでしょう。この点から考えると、地下鉄が最寄り、そして大通りが近い物件は現地確認を入念に行う必要があります。
「徒歩3分の駅近物件=人気物件」というわけではなく、改札から出口が近く、信号待ちなども少ない物件が人気物件となり得るのです。
現地確認するポイント
そもそも、現地確認を「最低でも2回」といっている理由は、平日と土日に分けて確認すべきだからです。その理由は、以下を確認するのが現地確認のポイントだからです。
- 平日夜の駅前の雰囲気
- 平日夜の物件までのアプローチ
- 休日の街の雰囲気
- 主要施設までのアプローチ
平日夜の駅前の雰囲気
平日の夜の駅前の雰囲気は、平日の昼間と違う街もたくさんあります。特に、駅前に飲み屋が多い場合などは、平日の夜は賑わっていることが多いです。
もちろん、良い意味で賑わっているのであれば問題ないですが、喧騒という意味で賑わっていればあまり良い街とはいえません。特に、そのような喧騒を通り抜ける立地の場合には、あまり良い印象を持たれないでしょう。
平日夜の物件までのアプローチ
また、平日の夜には、必ず物件から駅までの道を歩いてみた方が良いです。というのも、賃貸物件のメインターゲットは単身の会社員の方になるので、平日の夜の駅から物件までの道は会社からの帰り道になるからです。
前項とは逆に、静かすぎる街の雰囲気で、電灯も少なければ怖いと思う人も多いです。特に、女性の検討者はこの点を気にする人が多いので、昼間だけでなく平日の夜もきちんと確認しましょう。オーバーにいうと、閑静な住宅街と思っていても、本当は人通りの少ない怖い街かもしれません。
休日の街の雰囲気
一方、平日だけでなく休日の街の雰囲気も重要になります。たとえば、大きな球場が近くにあったり、大きな公園や商業施設が近くにあったりと、人が集まる施設が近くにある場合は注意しましょう。というのも、休日になるとその施設に人が集まる可能性があるため、人が極端に増える場合があるからです。
駅までの道に人がたくさん歩いており、車は渋滞・・・駅前の店も人でいっぱいという状況では、その街に住もうとしている人の印象は悪くなるでしょう。それを確かめるために、休日の街の雰囲気も必ずチェックすることが重要です。
主要施設までのアプローチ
次に、主要施設までのアプローチの確認です。これは、上述した「駅までのアプローチ」と一緒で、実際にその施設までどのくらいの時間がかかるかを検証しましょう。というのも、物件によっては「大型商業移設まで○○分」「大型公園まで○○分」というのを売りにしている物件があるからです。
確かに、前項の事情をクリアすれば、商業施設や公園が近いのは入居者にとってプラスなので、人気物件になりやすいのは事実です。しかし、物件から大型商業施設まで徒歩5分だとしても、そこまでのアプローチが急な坂道だったり、信号待ちが長かったり・・・という状況はあり得る話です。
あまりおすすめはしませんが、その物件の最大のメリットが「その施設が近い」という点であれば、実際に確認しないと大失敗するケースもあります。そのため、駅だけなく主要施設も歩いてみて、入念に現地確認をしましょう。
ポイント5:物件の第一印象は外観で決まる
5つ目のポイントは、物件の第一印象は外観で決まるという点を理解することです。人気物件というのは集客力があり成約率が高い物件です。そんな人気物件になるためには外観が重要ですので、以下の点を理解しておきましょう。
- 外観の重要性
- シンプルなデザインを選ぶ
- マンションの裏側と共用部もチェックする
- 外観がきれい=管理が良い
外観の重要性とは?
人気物件になるために外観が重要なのは、第一印象が決まるという以外にも、広告効果という点もあります。つまり、集客にも成約率にも影響する点ということです。
第一印象が決まる
賃貸物件を見学しにいったとき、外観の劣化が激しい物件であればどう思うでしょうか?仮に、築年数を「10年以内」など比較的築浅物件に絞っている場合、その物件がきれいであることが賃貸の条件になっています。
しかし、築10年内でも外観が劣化している物件はあり、そのような物件の第一印象は悪くなります。特に、築浅物件の場合には「期待」と「現実」のギャップが大きくなり、成約率の低下に直結します。
よく、「外観が劣化していても室内がきれいであれば良い」という人もいますが、それは築年数が古い物件の話であり、全物件にいえることではありません。
広告効果も変わってくる
賃貸の広告を出すときは、特にネット広告は外観写真をほぼ必ず掲載します。そのとき、写真でもわかるくらいの外観の劣化具合であれば、それだけで検討度合いは下がる可能性があります。そのため、いくら設備・仕様、そして立地が良くても、外観の見栄えが悪いと集客に影響が出ることもあるのです。
シンプルなデザインを選ぶ
また、外観が劣化していなくても、奇抜なデザインの物件は避けた方が良いです。たとえば、門構えが中世の西洋風であったり、コンクリート打ちっぱなしでお洒落に見えたりする物件です。確かに、そのような「デザイナーズマンション」と呼ばれる物件を好きな人がいるのも事実です。
しかし、安定して家賃収入を得られる人気物件に投資したいのであれば、そのような奇抜なデザインではなくシンプルなデザインを選ぶべきです。
デザイナーズマンションは特定の層に人気があり賃料も高く設定できる傾向がありますが、無難なデザインの方が万人受けするのでターゲットが広がるからです。
マンションの裏側と共用部もチェックする
外観をチェックするときに、エントランス側から見た外観だけではなく、裏側からもきちんとチェックしましょう。というのも、エントランス側(表側)はタイルをきれいに貼っているものの、裏側は塗装の吹付だけで終わっている物件は多いからです。また、それは共用廊下の壁部分にも同じことがいえます。
全面タイル張りにするとコストもかかりますし修繕も大変なので、裏側や共用部の壁部分が吹付でも問題はありません。しかし、吹付だとタイル貼りよりも劣化しやすいため、吹付部分が劣化していたり汚れたりしてやすく、古臭い物件に見えやすいのです。
この点は、賃貸の検討者が見学したときも、同じようなことを感じるでしょう。そのため、エントランス側の外観だけでなく、物件の裏側と共用部の壁部分も、劣化具合をきちんとチェックすることが重要です。
外観がきれい=管理が良い
また、管理会社の見極め方は後述しますが、外観がきれいということは管理の良さと直結します。なぜなら、共用部の修繕計画は管理会社が策定していますし、共用部の清掃も管理会社が行っているからです。
そのため、外観の劣化が少なかったり、きれいに掃除されたりしている物件は、管理会社の質が良い可能性が高いです。
ポイント6:セキュリティは要チェック事項
6つ目のポイントは、セキュリティ面は要チェック事項であると理解することです。その理由は以下の点になります。
- セキュリティは女性が気にするポイント
- セキュリティが△なら現地調査は入念に
セキュリティは女性が気にするポイント
繰り返しますが、人気物件とは集客力があり成約率の高い物件のことです。そのような物件は、上述した「シンプルなデザイン」のように万人受けする物件であり、ターゲットが幅広い物件になります。その観点でいうと、セキュリティは女性が非常に気にするポイントです。
たとえば、賃貸マンションであればオートロックは必須であり、アパートでも二重ロックやディンプルキー(ピッキング不可能な鍵)など、防犯面を強化しているアパートが必須という人は女性には特に多いです。
全国賃貸住宅新聞社の「入居者に人気の設備ランキング2017」では、単身者向けで「オートロック」は2位、「ホームセキュリティ」は4位、「防犯カメラ」が9位とセキュリティに関連する設備は上位でした。この点からも、セキュリティは重要であり、ターゲットを広げるためには必須といえます。
セキュリティが△なら現地調査は入念に
上述したように駅距離は近い方が良いですが、色々検討した結果、駅から遠い物件を選んだとします。その場合、選んだ物件のセキュリティがイマイチであれば、駅近物件に負ける可能性はさらに高くなるのです。というのも、セキュリティを気にする人は室内だけでなく、駅からのアプローチも気にするからです。
仮に、オートロック・防犯カメラ・二重ロック・ディンプルキーを搭載している物件でも、駅から遠ければ駅までの帰り道に不安を感じます。そうなると、駅近物件に負ける要素が増えてしまうのです。
そのため、セキュリティがイマイチな物件であれば、上述した現地調査はより入念に行うべきでしょう。特に、夜のアプローチの調査は、このセキュリティの観点を加味して調査しなければいけません。
ポイント7:向きと階数はこだわり過ぎない
7つ目のポイントは、向きと階数にこだわりすぎないということです。「人気物件」といえば、需要の高いターミナル駅でその駅からも近く、セキュリティも充実して間取りも良く・・・というパーフェクトな物件をイメージしがちです。そんな物件が安価であればパーフェクトといえるでしょう。
しかし、そのような物件は価格が高いので賃料も高くなり、結果的に人気物件になりにくいのです。そして、価格を左右する要素として「向き」と「階数」がありますが、賃貸物件ではそれほどこだわらなくて良いです。以下より、その理由も含め解説していきます。
向きと階数による価格の違い
まずは、向きと階数による購入価格の違いを見ていきましょう。もちろん、物件によっても向きと階数による価格差は違いますが、向きや階数によって大きな価格差が出るケースは多いです。
たとえば、同じ階数で同じ広さの部屋でも、北側と南側では20%ほどの価格差が出るケースは少なくありません。また、同じ条件の部屋でも1階と最上階でも数%~10%以上の価格差がある物件も存在します。しかし、賃料はその価格差より小さくなるケースが多いです。
つまり、「人気物件は条件が良い部屋だ」と勘違いし、とにかく上昇階で南向きの物件を探していると、割高な物件をつかまされるケースもあるというわけです。そうなると、条件は良いものの家賃が高い物件になり、人気物件とはほど遠い物件になる可能性があります。
賃貸に永住志向の人は少ない
さて、前項のように向きと階数にこだわりすぎると割高な物件をつかむことになります。その大きな理由は上述した「賃料は物件価格ほど階数や向きで差が付かない」という理由ですが、それは賃貸物件を永住志向で探す人が少ないからです。
分譲マンションとは考えが異なる
もちろん、上層階かつ南向きが良いという人もいますが、その希望が強い人は分譲マンションの購入者です。なぜなら、分譲マンションであれば永住志向で物件を選ぶため、やはり割高でも条件が良い部屋を選びやすいからです。しかし、賃貸物件を探すときに永住志向で物件を探す人は少ないでしょう。
そのため、向きや階数の優先順位が低い人が多いといえます。たとえば、子供が2人いるファミリーの方が物件を探すときは、陽当たりや眺望の優先順位は高いかもしれません。理由は、家族と一緒に室内で過ごす時間が長く、大切な時間だからです。
しかし、賃貸物件のターゲットは主に単身者です。そのため、陽当たり(向き)や眺望(階数)をそれほど求めない傾向にあるのです。
賃貸物件選びは必ず妥協する
「理想の賃貸物件を正直にいってみてください」と言われたら、○○駅から徒歩3分以内、家賃××万円以内、築3年以内の1LDK45㎡以上で・・・と、存在しない物件になる人がほとんどでしょう。その中から妥協できる範囲を探し、物件を絞り込んでいく作業が物件選びです。
その中で、駅距離、築年数、家賃、広さあたりは、優先順位が高くなります。一方、階数や向きについては優先順位が低く、最初に妥協されるポイントです。たとえば「家賃10万円以内」を妥協して「家賃12万円にする」というパターンはあまりないでしょう。
しかし、「7階以上の部屋が良かったけど1階以外ならどこでも良い」や、「南向きが良かったけど北向き以外なら何でも良い」という妥協は十分考えられます。つまり、向きや階数は物件価格ほど賃貸時に評価されず、費用対効果の悪い要素になるというわけです。
ポイント8:室内の設備は慎重に見極める
8つ目のポイントは、室内の設備は慎重に見極めるという点です。その点に関しては以下を理解しておきましょう。
- 優先順位は高くない
- 条件が似ている競合物件をチェック
- 人気の設備ランキングをチェック
優先順位は高くない
冒頭でいったように、人気物件とは立地・商品と賃料(価格)のバランスが良い物件になります。仮に、立地と設備を比べると、優先順位は立地の方が高いです。これは前項の「向きと階数」と同じことがいえ、立地は妥協できなくても設備は妥協できるからです。
上述したように、東京都練馬区で物件を探している人が、東京都台東区の物件を検討することはないでしょう。一方、「食洗器とディポーザーが欲しい」と希望していた人が、その設備のない物件を検討することは十分にあり得ます。
当然ながら設備が良い物件の方が需要は高いですが、やはり賃料が高くなってしまいます。そのため、大事なのは「必要かどうか?」を見極めことであり、費用対効果の高い設備があるかどうかを確認することです。
条件が似ている競合物件をチェック
費用対効果の高い設備を選ぶためには、条件が似ている競合物件をチェックすることです。というのも、賃貸物件を探している人は、競合となる「同じような条件の物件」を内見して住む物件を決めます。逆に言うと、その競合物件と遜色ない設備であれば問題ないということです。
そのため、設備が無駄に豪華で価格も高い物件は、過剰な設備であり賃貸検討者もそこまで求めていないかもしれません。もちろん、賃料が同じであれば設備の良い物件を選ぶと思いますが、設備の良い物件は価格が高いので賃料も上がります。
このように、無駄な設備かどうかを判断するためには、競合物件の設備をチェックしましょう。そうすれば、最低限付けておくべき設備と不要な設備が分かってきます。
人気の設備ランキングをチェック
費用対効果の高い設備を確認するほかの方法としては、セキュリティの項目で解説した、以下の「設備ランキング」をチェックすることです。
- 1位:インターネット無料
- 2位:エントランスのオートロック
- 3位:宅配ボックス
- 4位:ホームセキュリティー
- 5位:ウォークインクローゼット
- 5位(同率):浴室換気乾燥機
- 7位:TVモニター付インターホン
- 7位(同率):独立洗面化粧台
- 9位:防犯カメラ
- 9位(同率):システムキッチン
設備とは、何も室内設備に限りません。物件全体の設備も重要なポイントなので、このランキングと前項の競合物件のチェックで、費用対効果の高い設備を見極めましょう。
ポイント9:管理会社を見極める
9つ目のポイントは、管理会社を見極めることです。そのために以下の点を理解しましょう。
- 管理会社が重要な理由
- 共用部のチェック
- 修繕計画のチェック
ただ、管理会社の優先順位は立地や商品に比べると高いとはいえません。そのため、立地と商品は○で、管理会社が△であっても、立地と商品を優先させても問題ないです。前項までの基準で物件を絞り込んだものの、最終的に物件を決めきれないときなどに活用ください。
管理会社が重要な理由
「マンションは管理を買え」という言葉があります。これは、それほどマンション(集合住宅)には管理が大切であるということを端的に示した言葉です。賃貸物件を探している人にとっては、どこの会社が管理しているか?はそれほど重要ではないでしょう。
しかし、賃貸物件のオーナーの立場からは、管理会社の質はその物件の資産価値の維持、退去率の低さにつながってくる重要なポイントなのです。わき役であるはずの管理会社ですが、現に「管理会社ランキング」は定期的に記事になっているほどです。
管理会社によって、上述した修繕や清掃の精度が違い、それは物件の劣化具合に反映されます。当然ながら、劣化が激しい物件は人気物件とはいえないでしょう。
共用部のチェック
さて、具体的に管理会社をチェックする方法は、まず管理会社自体ではなく共用部の以下の点をチェックすることです。
- 状態はキレイか?
- 正しい使い方をしているか?
外部廊下の劣化が激しかったり、ゴミ置き場から異臭がしたりすると、賃貸検討者にとっては大きなマイナスです。また、たとえば駐輪場の使われ方が悪く、いたるところに自転車が放置されていれば、同じく賃貸検討者の印象は悪くなります。
共用部の使われ方が悪いときには、管理会社が張り紙で注意したり、自転車に警告を貼ったりという対応をします。それができていないからこそ、正しい使われ方をしていなということです。そのため、まずは上記の共用部をチェックをしましょう。
修繕計画のチェック
次に、修繕計画のチェックをします。集合住宅の外観や共用部の修繕は、修繕積立金や共益費から補います。その金額は管理会社が策定する長期修繕計画が基になっているので、その計画に関して以下をチェックしましょう。
- 何年スパンで策定しているか
- 細かい項目を決めているか
- 修繕積立金の上昇はどのくらいか?
なお、アパート経営など自ら建物を保有する不動産投資の場合、この修繕計画は管理会社と話し合って決めます。その意味では、アパート経営の場合は管理会社選定のときに上記は重要になるでしょう。
何年スパンで策定しているか
長期修繕計画は、できれば30年スパン、短くても25年スパンで策定しているのが望ましいです。なぜなら、築25年~30年の段階ではエレベーター入れ替え工事や機械式駐車場の入れ替え工事が出てくるので、高額な修繕費用が必要になるからです。
そのため、20年スパンなどの短い計画だと、その設備入れ替え工事の費用は加味されていないことになります。そうなると、結局修繕金が足りなくなったり、修繕金が上昇したりするリスクにつながるのです。
細かい項目を決めているか
次に、共用部や外観の細かい部分まで計画に盛り込まれているかを確認します。これは、複数の物件の修繕計画をチェックするしか方法はないので、検討物件の修繕計画書を見せてもらいましょう。
3~4物件ほど比較すれば、管理会社による項目の違いが分かってきます。なるべく細かい項目に分けて計画している方が、計画の精度は高いといえます。
修繕積立金の上昇はどのくらいか?
さいごに、修繕積立金の上昇率をチェックします。賃貸物件も分譲物件と同じように、修繕積立金は上昇する前提で策定されていることが多いです。そして、「段階積み上げ方式」を採用している物件が多く、そうなると「○年後に△%上昇する」と、上昇率が決まっています。
その上昇率を事前にチェックしておきまよう。その物件の修繕積立金はオーナーが支払うので、それも加味して家賃を設定します。賃貸期間中に家賃を増額するのは非常に難しいので、修繕積立金が上昇すればそれだけ収益が下がるということです。
まとめ
このように、不動産投資で人気物件を取得するためには、まずエリア選定をしましょう。自分の知っているエリアに絞り、駅の需要度でさらにエリアを絞ります。そして、現地確認を入念に行い、設備などの商品面をチェックするという流れです。
とにかく、まずは立地を選定して、その後に商品面に移ります。その上で、賃料とのバランスを考慮すれば、人気物件の見極めはしやすくなるでしょう。
最後に、不動産投資で確実に成功するためには情報収集が大切です。 Oh!Yaの一括資料請求なら、手軽かつ効率的に不動産投資の情報が集められます。