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融資型クラウドファンディングのメリット・デメリットを解説

By Oh!Ya編集部

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融資型クラウドファンディングのメリット・デメリットを解説

融資型クラウドファンディングという投資方法をご存知でしょうか?あまり一般的な投資ではありませんが、融資型クラウドファンディングでしか投資できない事業先もあるので注目されている投資法です。

この記事では、そんな融資型クラウドファンディングについて、概要やメリット・デメリットを解説します。

また、以下の記事ではクラウドファンディングの勝ちパターンについて徹底分析し、実際の成功事例も掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。 【成功例9選】クラウドファンディングの勝ちパターンを分析

融資型クラウドファンディングの概要

まずは、融資型クラウドファンディングの概要に関して以下を知っておきましょう。

  • 融資型クラウドファンディングの仕組み
  • 融資型クラウドファンディングを行う流れ
  • 融資型クラウドファンディングを介入する理由

融資型クラウドファンディングの仕組み

融資型クラウドファンディングは、「ソーシャルレンディング」「貸し付け型クラウドファンディング」ともいわれます。

仕組みとしては、「お金を借りたい企業やプロジェクトとお金を貸したい投資家をマッチングさせる」サービスのことです。

具体的には、オーナーズブックタテルファンヂングSBIソーシャルレンディングなどのプラットフォームがあります。

これらのプラットフォームを通じて企業やプロジェクトにお金を貸し、利息を上乗せしたリターン(分配金)をもらうことで利益を上げるのが、融資型クラウドファンディングの仕組みになります。

もちろん、そのプロジェクトの進捗状況によっては、予定していた利回りを下回ることがある点は認識しておきましょう。

融資型クラウドファンディングを行う流れ

このように、融資型クラウドファンディングは、投資家が金融機関のような役割を担える投資です。具体的に融資型クラウドファンディングを行う流れをみてみましょう。

以下はオーナーズブックで投資する流れです。

  • オーナーズ物件に登録
  • 案件のチェック
  • 利回りなどを見極め投資案件を選定
  • リターンをもらう

ほかの融資型クラウドファンディングも概ね同じ流れになります。では、具体的にオーナーズブックではどのような案件があるかを紹介します。

江東区マンション第1号ファンド第2回

江東区マンション第1号ファンド第2回の概要は以下の通りです。

  • 募集総額:3,000万円
  • 予定利回り4.5%
  • 運用期間:25か月
  • リターン毎四半期(元本は25か月後に一括返済)

この案件は、マンション一棟を購入するために資金を集める案件です。投資家は事業者にお金を貸し付けることで、このマンションの運営で得られる利益を分配金という形で受け取れます。

江東区商業ビル第1号ファンド第1回

江東区商業ビル第1号ファンド第1回の概要は以下の通りです。

  • 対象不動産:商業ビルとマンションの一室
  • 募集総額:8,010万円
  • 運用期間:20カ月
  • 予定利回り:5.0%
  • リターン:毎四半期(元本は20か月後に一括完済)

このように、マンションなどの住宅用物件ではなく、商業ビルなども対象となっています。前項の事例もそうですが、リターンは毎四半期で元本は運用期間(≒貸付期間)が終わった後に返還されます。

この案件であれば利回りは5%なので、仮に200万円貸し付ければ年間で25万円のリターンが得られるということです。

融資型クラウドファンディングを介入する理由

融資型クラウドファンディングは、上記のようなプラットフォームを通じてお金を貸し付けますが、その際にプラットフォームは手数料を徴収しています。

そのため、「プロジェクトに直接貸し付けた方が良い」と思う人もいるかもしれませんが、特定の人物や事業者が継続的に他人に金銭を貸し付けるには、「貸金業法」の免許が必要になります。

そのため、免許を持っていない投資家は、手数料を支払うことになるもののプラットフォームを介して貸し付ける必要があるのです。

融資型クラウドファンディングのメリット

融資 前項までで融資型クラウドファンディングの仕組みが分かったと思います。次に、融資型クラウドファンディングのメリットである以下を解説していきます。

  • 色々な事業に投資可能
  • 案件によってはリターンが大きい
  • 少額からはじめることができる
  • 投資先の状況は開示されている

色々な事業に投資可能

融資型クラウドファンディング1つ目のメリットは、色々な事業に投資可能という点です。

上述したような不動産系以外にも、たとえばSBIソーシャルレンディングには以下のような案件があります。

  • カンボジア事業等を営む事業者への貸付
  • 太陽光発電事業者への貸付
  • 特定金銭債権の管理及び回収事業を遂行する事業者への貸付
  • バイオマス発電事業者向けの貸付

個人投資家という立場では、このような事業への貸し付けは難しいです。そのため、普段は投資できない事業へ投資(貸付)できる点は、融資型クラウドファンディングのメリットといえます。

案件によってはリターンが大きい

融資型クラウドファンディング2つ目のメリットは、案件によっては大きなリターンが期待できるという点です。

前項と同様にSBIソーシャルレンディングの案件を見てみると、利回り10%を超える案件もあり、平均でも5%~8%と高利回りです。

不動産証券化協会のデータを見る限り、たとえば東証一部の配当利回りで2%、REITでも4%前後なので、融資型クラウドファンディングは比較的リーンが大きいといえるでしょう。

ただし、リスクとリターンは連動するので、リターンが多い案件はリスクが高い可能性もあるため、案件の内容はきちんと見極める必要があります。

少額からはじめることができる

融資型クラウドファンディング3つ目のメリットは、少額からはじめることができる点です。というのも、融資型クラウドファンディングは最低出資額を1万円からに設定している案件が多いです。

つまり、「1万円を貸し出す」ということも可能な投資なので、はじめるハードルは低いといえます。また、少額からはじめることができる投資なので、色々な案件に投資(融資)することができます。

そうすることで、1つの案件が上手くいかなくてもほかの案件でカバーできるので、リスク分散になるというメリットにつながるのです。

投資先の状況は開示されている

融資型クラウドファンディング4つ目のメリットは、投資先の状況は開示されているという点です。投資先の情報が開示されているということは、投資先を選ぶときにメリットとなります。

たとえば、種類の違う以下3つの案件はどのような情報が開示されているか見てみましょう。

  • 新宿区商業ビル第1号第3回
  • SBISLカンボジア・マイクロファイナンスローンファンド1号
  • SBISLメガソーラーブリッジローンファンド22号

新宿区商業ビル第1号第3回

新宿区商業ビル第1号第3回の情報は以下の通りです。

  • ロケーションは「新宿区四谷)のためリスク小
  • 現在の稼働率は100%のためリスク小
  • 1974年8月に開発された物件
  • 2016年に大規模修繕済み
  • このビルのテナント詳細情報
  • テナントの賃料詳細と相場
  • 物件の担保情報と保障内容

このように、不動産事業に融資する場合には、不動産投資並みの情報を得てから判断することが可能です。

SBISLカンボジア・マイクロファイナンスローンファンド1号

SBISLカンボジア・マイクロファイナンスローンファンド1号の情報は以下の通りです。

  • 営業者の詳細な財務状況
  • ファンドのコンセプト(カンボジア支援に関すること)
  • 資金用途
  • 資金をどのように利用するか?(スケジュール含む)

このように、営業者の財務状況の確認もできますし、スケジュールを含んだ資金の流れも明確なので融資するかどうかの判断がしやすいのです。

SBISLメガソーラーブリッジローンファンド22号

SBISLメガソーラーブリッジローンファンド22号の情報は以下の通りです。

  • ファンドのコンセプト(太陽光発電事業の概要)
  • 資金の詳しい流れ
  • 売電価格を含めた収益を上げる仕組み
  • 管轄電力会社名
  • 貸し手や保証についての詳細

このように、太陽光発電に関する知識がなかったとしても、収益を上げる仕組みなど「概要」が分かるので投資判断がしやすいです。

融資型クラウドファンディングは、このように全く知らない分野でも投資先の情報が詳細に分かるため、判断しやすいというメリットがあります。

融資型クラウドファンディングのデメリット・リスク

一方、融資型クラウドファンディングには以下のデメリット・リスクもあります。

  • 運営会社の倒産リスク
  • 元本割れや貸し倒れリスク
  • 流動性の低さ

また、それぞれのデメリットやリスクへの対策を解説するので、合わせてご確認ください。

運営会社の倒産リスク

融資型クラウドファンディング1つ目のデメリットは、運営会社が倒産するリスクです。この点については以下を知っておきましょう。

  • 運営会社の倒産リスクとは?
  • 倒産リスクへの対策

運営会社の倒産リスクとは?

融資型クラウドファンディングは、特定の企業やファンドに融資するため、その企業が倒産すれば投資(融資)したお金が戻ってこない可能性があります。

金融機関のように、「不動産投資ローンを融資するときは不動産を担保にする」など、個別に担保設定しているわけではないので、リターンはおろか元本が戻ってこない可能性もあります。

倒産リスクへの対策

このリスクへの対策は、運営会社が「分配管理」を行っているかどうかを確認することです。分配管理とは、資金管理方法の一つで、投資家から受けた融資金額を運営費と別に管理することです。

融資を受けた資金を別に管理することで、仮に運営会社が倒産しても投資家のお金はある程度確保されているため、倒産時の被害を最小限に抑えることができます。

元本割れや貸し倒れリスク

融資型クラウドファンディング2つ目のデメリットは、元本割れや貸し倒れリスクがある点です。前項と似ているリスクですが、要は想定のリターンを下回る可能性があるということです。

この「元本割れや貸し倒れリスク」への対策は以下の通りです。

  • 分散投資
  • 高利回りファンドには要注意

分散投資

まずは分散投資することです。1社に大金を融資すると、その1社の事業が上手くいかなかったときのリスクが非常に大きくなります。

そのため、上述した融資型クラウドファンディングのメリットである「少額投資が可能」という点を活かし、分散投資することでリスクを抑えましょう。

高利回りファンドには要注意

また、利回りが高いファンドには注意することも重要です。利回りが高いとリスクも高いので、たとえば利回りが高い事業への投資金額は低くする…などのリスクヘッジが重要になります。

流動性の低さ

融資型クラウドファンディング3つ目のデメリットは流動性の低さです。この点については以下を知っておきましょう。

  • 流動性が低いとは?
  • 流動性の低さへの対策

流動性が低いとは?

流動性が低いとは、簡単にいうと「換金性が低い」ということです。というのも、融資型クラウドファンディングで投資した場合、期間満了まで元本は戻ってきません。

その期間も「25か月」など2年以上の案件が多いため、突発的な支出が発生して現金が必要なときなどはデメリットといえるでしょう。

流動性の低さへの対策

流動性の低さへの対策は以下の通りです。

  • 期間満了時期をずらす
  • 短い期間と長い期間をバランス良く投資

要は、元本が戻ってくるタイミングをずらすことで、長期間元本が拘束されないように工夫するということです。

ただ、どうしても年単位で元本が拘束されるタイミングは出てくるので、その点を加味して融資先を決めましょう。

融資型クラウドファンディングに似ている投資

お金 前項までで融資型クラウドファンディングの概要やメリット・デメリットが分かったと思います。

ただ、特に融資型クラウドファンディングのデメリットやリスクに関して嫌だな…と感じる方は、ほかに投資方法はないか?と思っている人もいるでしょう。

そこで、さいごに融資型クラウドファンディングと似ているところはあるものの、別の魅力がある投資方法である以下を解説していきます。

  • 不動産投資
  • REIT少額から可能
  • 投資信託

不動産投資

融資型クラウドファンディングは、「不動産の購入」を目的に置いている場合が多いため、不動産投資は親和性が高い投資といえます。

ただし、不動産投資と融資型クラウドファンディングでは以下の点に違いがあります。

  • レバレッジ効果
  • 収益性
  • 初期費用
  • ランニングコスト

融資型クラウドファンディングで不動産投資案件をチェックしたものの、もっと収益性の高い投資が良いと思っている人は自ら不動産投資することをおすすめします。

レバレッジ効果

レバレッジ効果とは、小さい資金で大きな資産を取得することです。不動産投資の場合はローンを組んで物件を購入できるので、レバレッジ効果が高い投資になります。

たとえば、自己資金200万円を物件購入時の諸費用に充て、3,000万円のローンを組んで物件を購入することも可能です。

もちろん、借入者によってローンを組める金額は異なりますが、自己資金の10倍以上の資産を保有できる例も少なくありません。

収益性

投資の収益性は「保有資産額×利回り」で算出することができ、前項のように不動産投資はレバレッジ効果が高いので、「保有資産額」が高額になりやすいのです。

仮に、自己資金300万円で返済後(手取り)利回り2.5%の不動産投資と、利回り5%の融資型クラウドファンディングの投資を比較してみます。

  • 不動産投資:300万円×ローン10倍×2.5%=年間75万円
  • 融資型クラウドファンディング:300万円×5%=年間15万円

このように、レバレッジ効果によって収益性に大きな違いが出てきます。

初期費用

ただし、不動産投資には以下の初期費用(物件購入費用)がかかります。

  • ローン関係費用
  • 登記関係費用
  • 仲介手数料(中古購入時)
  • 保険料(火災保険など)
  • 固定資産税精算分
  • 不動産取得税

新築物件購入時は物件価格の4%~5%ほど、中古物件は7%~8%ほどの初期費用がかかります。

ランニングコスト

また、物件運営中は以下のランニングコストがかかります

  • ローン返済額
  • 固定資産税* 都市計画税
  • 退去時の原状回復費用
  • 管理委託手数料
  • 火災保険料や地震保険料
  • 管理費* 修繕積立金(区分所有)
  • 共用部の修繕費用(一棟投資)
  • 税理士への報酬(確定申告を依頼する場合)
  • その他経費(物件運営のための交通費など)

前項の初期費用と上記のランニングコストを加味し、長期的な収支シミュレーションが必要です。

とはいえ、収益性は融資型クラウドファンディングより高くなりやすいため、収益を求めるなら不動産投資の方が良いでしょう。

REIT

次に紹介するのはREITです。REITは、「投資することで間接的に不動産を保有する」という点においては、融資型クラウドファンディングで不動産事業に融資する投資と似ています。

そんなREITと融資型クラウドファンディングの違いは以下です。

  • 安定性
  • 流動性
  • 利回り
  • 収入の種類

REITとは、REITを取得することでファンドに出資し、そのファンドは集めたお金で不動産投資をします。

そして、その不動産から得た収益の一部を分配金として受け取ることで、投資家は収益をあげるという仕組みです。

安定性

安定性はREITの方が高いといえます。というのも、REITはファンドが複数の物件を保有しますが、融資型クラウドファンディングの場合は1~2物件しか保有しないからです。

つまり、REITの場合は「ある物件の運用に上手くいかなくても、ほかの物件の収益でカバーする」ということが可能です。そのため、1つの銘柄に高額な投資をしてもリスクは小さいといえます。

融資型クラウドファンディングも、上述した「分散投資」することでリスクヘッジは可能ですが、自分が投資したい案件に高額な投資ができない点はREITとの違いです。

流動性

また、REITは株式と同じように市場に上場されているので、市場が開いている平日の日中なら時価で即決済可能です。

一方、融資型クラウドファンディングは期間満了時しか元本を受け取れないので、流動性はREITの方が上といえます。

融資型クラウドファンディングの「流動性の低さ」を大きなデメリットと感じている方は、流動性の高いREITの方が向いているでしょう

利回り

利回りについては融資型クラウドファンディングの方が上です。というのも、不動産証券化協会によるとREITの利回りは4%前後ですが、融資型クラウドファンディングは5%~8%が相場だからです。

収入の種類

ただし、REITは換金性が高いので、分配金収入だけでなくREITの売却益も収入源となります。要は、分配金収入をメインに置きながら、REIT価格が上昇したときは売却益も得ることが可能です。

そのため、利回りは融資型クラウドファンディングの方が高いものの、収益を上げるタイミングはREITの方が多いので、投資に成功すればREITの方が収益性は高いでしょう。

投資信託

次に紹介するのは投資信託です。融資型クラウドファンディングは「融資先」にお金を貸しますが、投資信託も自分のお金の運用をファンドに任せるので、「融資先」が「ファンド」に置き換わったようなイメージです。

そんな投資信託と融資型クラウドファンディングの違いは以下の点になります。

  • 金融商品の種類
  • 流動性

特定の事業ではなく、株式や債券など金融商品を運用しているファンドに投資したい人は、融資型クラウドファンディングよりも投資信託の方が良いでしょう。

金融商品の種類

融資型クラウドファンディングは特定の事業に融資しますが、投資信託の場合はファンドが以下のような色々な金融商品を組み合わせます。

  • 先進国や成長国の株式
  • 社債
  • 国債
  • REIT

株式といっても大型株や成長株など、色々な種類の金融商品があり、投資信託はたくさんの金融商品を保有します。そのため、投資信託に投資することでリスク分散できているということです。

また、融資型クラウドファンディング以上に利回りに差があり、20%を超えるような投資信託もあるので、自分が求めるリスクとリターンの商品を選びやすいのも特徴です。

流動性

投資信託も融資型クラウドファンディングよりは流動性が高いです。ただし、上場している投資信託もあれば、上場しておらずファンドと直接やり取りする投資信託もあります。

後者の場合など、ファンドに買取請求をしてから数日~1週間での返金になるので、上場商品よりは流動性が落ちる点は認識しておきましょう。

まとめ

融資型クラウドファンディングは、ほかの方法では投資できない事業者に投資できたり、少額から投資可能だったりという特徴があります。

一方、流動性の低さをはじめとしたデメリットもあるので、まずはきちんとメリット・デメリットを見極めましょう。

その上で、融資型クラウドファンディングに向いていないと思えば、上述したほかの投資の検討をおすすめします。

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