Jリートで毎月分配型の投資をする方法とポイントを徹底解説
By Oh!Ya編集部
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投資や資産づくりに興味がある人の中で、「投資から毎月収入を得たい」と思っている人もいると思います。そのような人は比較的安定した投資を求めることが多いため、「不動産」という安定資産を運用するREITに興味を持つ人も少なくありません。
そこで今回は、REITを利用して毎月収益をあげるためにはどうすれば良いか?について解説します。具体的な銘柄も紹介していくので、すぐに実践できるはずです。また、さいごの章で毎月収益を上げられる代表格である「不動産投資」との比較もしているので、違いを良く理解しておきましょう。
jリートの概要
まずは、REITの概要である以下を簡単に解説していきます。
- jリートで収益を上げる仕組み
- jリートのメリット
- jリートのデメリット
jリートで収益を上げる仕組み
REITとは「不動産投資信託」のことであり、株式と同じように市場に上場されています。REITは以下のような仕組みです。
- 投資法人(REIT運営会社)が投資家から資金を集める
- 投資家は証券(REIT)を購入することで投資
- 投資法人は集めた資金と借入で不動産を取得
- その不動産から賃料収入を得る
- その収益を投資家へ「分配金」として渡す
このように、投資家はREITという証券を取得することで、間接的に不動産を所有するようなイメージです。その不動産からの賃料収入を、投資法人から「分配金」としてもらうことで投資家は収益を得ます。
また、REITは上場しているので、株式と同じように市場で売買することによって収益を得ることも可能です。つまり、「分配金」と「売買益」の2つが、投資家がREITを取得することで得られる収益になります。
jリートのメリット
次に、REITのメリットである以下を解説します。
- 流動性が高い
- 比較的利回りが高い
- 自然と分散投資をしている
- 運用をプロに任せられる
流動性が高い
間接的に不動産を所有しているとはいえ、REITはあくまで証券を所有しているだけです。さらに、その証券は上場されているので、市場が開いている平日の日中であれば証券会社を通じて自由に売買できます。
もちろん、時価での売却になるので自分の希望額で売買できないこともありますが、それでも瞬時に決済できる流動性の高さはREITの大きなメリットです。
比較的利回りが高い
不動産証券化協会のデータによると、REITの分配利回りは4%前後で推移しています。つまり、500万円投資すれば、年間で20万円の分配金を得られるということです。
たとえば、東証一部の配当金(≒分配金)利回りは平均で2%前後です。この利回りと比べても、REITの利回りは比較的高く、安定した収益を得られやすいという点もメリットです。
自然と分散投資をしている
REITを運営する投資法人は色々な不動産を所有しています。たとえば、株式投資でA社の株を取得した場合、A社の業績悪化やA社の役員の不正などによって株価が暴落するリスクはあります。そのため、分散投資をするなら複数の株式を取得する必要があるのです。
一方、REITの場合は1つの銘柄を取得するだけで、その銘柄の投資法人が複数の物件を取得しています。仮に、1つの物件で空室率が上昇したり、物理的に破損したりしても、ほかの物件でカバーできるということです。この「分散投資」もREITのメリットといえるでしょう。
運用をプロに任せられる
投資法人は、不動産の取得や管理会社の選定をAM(アセット・マネジャー)に任せます。一方、AMは管理会社(PM)を選定し、不動産のPM(プロパティー・マネジャー)に任せます。つまり、不動産の取得から管理・運営までは、全て不動産のプロが行っているということです。
このように、素人である自分自身が不動産を取得し、管理・運営するわけではなくプロに任せられる点も、REITのメリットといえます。
jリートのデメリット
REITには前項のようなメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットもあります。
- 実物の不動産を所有できない
- 色々な場面で手数料を取られている
- 上場廃止・倒産リスク
実物の不動産を所有できない
REITは実物の不動産を所有していないので、前項のように「流動性が高い」というメリットがあります。しかし、実物の不動産を所有していないが故に、その不動産を自分でコントロールできないのも事実です。
たとえば、自分で賃料設定をしたり、リフォームしたり…ということもできません。つまり、完全に第三者に運営を委託しているので、自分の力で改善することはできないのです。もちろん、プロが運営している安心感はありますが、自分でコントロールできる範囲が狭い点はデメリットといえるでしょう。
色々な場面で手数料を取られている
上述のように、REITは投資法人がAMやPMを選定します。当然ながら、AMやPMには手数料を支払っており、その手数料は不動産運営において「支出」です。つまり、回りまわって投資家がもらう分配金に影響するので、手数料の支払いが多いほど投資家にもマイナスということです。
また、REITは市場で売買するので、株式と同じように売買手数料が発生します。この「手数料」はほかの投資商品でも発生しますが、REITはほかの投資と比べても手数料が取られる場面が多いです。
上場廃止・倒産リスク
REITは証券なので上場廃止リスクもあります。証券市場は「上場規定」を設けており、その規定抵触する場合には上場廃止になることもあるのです。上場廃止になればREITの価値は無くなりますし、投資法人が倒産した場合もREIT価格の暴落はあり得ます。
これらのリスクがあるのは「証券」だからこその点なのでREITに限った話ではありませんが、REITにも該当するデメリットになります。
REITのことを詳しく知りたい
今回解説した点はREITのほんの一部です。REITの魅力やREITのリスク、知っておくべき知識などをもっと詳しく知りたい方は以下の記事を確認ください。この記事ではREITの「始め方」も含めて解説しているので、REITの仕組みや概要を熟知することが可能です。
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毎月分配型の投資とは?
REITの概要やメリット・デメリットが分かったところで、次に毎月分配型投資について以下を解説します。
- 毎月分配型とは?
- 毎月分配型の投資にする方法
- 毎月分配型の投資にするメリット
毎月分配型とは?
毎月分配型とは、読んで字のごとく分配金を毎月もらうことです。REITの銘柄にもよりますが、分配金をもらうタイミングは年に2回というケースが多いです。それを「毎月」にするというのが、毎月分配型になります。
毎月分配型の投資にする方法
分配金をもらうタイミングは投資家が決めるのではなく投資法人が決めます。そのため、毎月分配型にするためには、決算期が異なる銘柄を複数組み合わせて、分配金が毎月手元に入るように自分でポートフォリオを組むということです。
多くの銘柄で決算期の3か月後に分配金が支払われます。つまり、9月末の決算であれば12月中に分配金をもらうということです。また、分配金をもらう権利は、決算期の3営業前までにREITを保有することなので、ずっとREITを保有し続ける必要もありません。
J-REITは1月・7月決算と、2月・8月決算の銘柄が多いですが、最近では決算期を1・2・7・8月以外に設定している銘柄も多いため、その組み合わせによって毎月分配型にすることが可能というわけです。
毎月分配型の投資にするメリット
毎月分配型の投資にするメリットは以下の点です。
- キャッシュフローが安定する
- さらにリスク分散できる
キャッシュフローが安定する
まずはキャッシュフローが安定するという点です。投資の本質は収益をあげることですが、配当金や分配金は年に1~2回のタイミングです。そのため、投資をしていても収益を上げるタイミングは少なく、収益を上げるとなると取得した銘柄を売却しなければいけません。
一方、毎月分配型にすることで毎月収益が発生するので、キャッシュフローが安定し、さらにその取得した分配金で再投資することも可能です。この点が、毎月分配型にする最も大きなメリットといえるでしょう。
さらにリスク分散できる
上述したように、REITは複数の物件を所有しているのでリスク分散できています。しかし、毎月分配型にするということは複数の銘柄を所有するということなので、さらにリスク分散ができるということです。
1つのREIT価額が暴落してもほかの銘柄でカバーできますし、分配金が予想より下回ってもほかの銘柄でカバーできるかもしれません。この「リスク分散」も毎月分配型のポートフォリオを組むメリットといえます。
少額で毎月分配型のポートフォリオをつくる
では、具体的に毎月分配型のポートフォリオを作る方法を解説します。まずは、「少額」でポートフォリオを作る方法です。
具体的には、以下の銘柄を取得することで、少額で毎月分配型のポートフォリオをつくることができます。
- 日本ロジスティクスファンドの特徴
- 森トラスト・ホテルリートの特徴
- 森トラスト総合リートの特徴
- 投資法人みらいの特徴
- 阪急阪神リートの特徴
- 日本リートの特徴
以下より、上記の銘柄の概要や特徴を解説していきます。毎月分配型が理想なものの、一旦は「毎月ではなくても2か月に1回収入があれば良い」という人もいるでしょう。そんな方は、以下で解説する各銘柄の特徴を理解し、独自にポートフォリオを組んでみましょう。
また、記載の現在値・利回りに関しては、2019年3月26日時点の値になります。購入時に改めて価額と利回りは確認しましょう。
日本ロジスティクスファンドの特徴
日本ロジスティクスファンドの概要は以下の通りです。
- 現在値:236,400円(1口)
- 上場日:2005/05/09
- 決算日:07/31
- 分配金対象月:1月、7月
- 利回り:3.78%
日本ロジスティクスファンド投資法人の投資対象地域は、首都圏・近畿地域・中部地域・九州地域と幅広いです。物件は、清須物流センター、門真物流センター、小牧物流センターなど、物流系をメインに展開している銘柄になります。
森トラスト・ホテルリートの特徴
森トラスト・ホテルリートの概要は以下の通りです
- 現在値:134,900円
- 上場日:2017/02/07
- 決算日:02/28
- 分配金対象月:2月、8月
- 配当利回り:4.56%
森トラスト・ホテルリート投資法人は、その名の通りホテル特化型のREITです。主に、都心一等地及び日本の主要リゾート地にあるホテルに対して投資しています。ホテル事業は市況の波を受けやすいですが、訪日観光客が増えている現状では良好で低リスクといえます。
森トラスト総合リートの特徴
森トラスト総合リートの概要は以下の通りです。
- 現在値:174,700円
- 上場日:2004/02/13
- 決算日:09/30
- 分配金対象月:3月・9月
- 配当利回り:4.18%
森トラスト総合リートは、その名の通り「総合型」のREITになります。つまり、投資対象とする不動産はオフィス・商業施設・ホテル・住宅など多種にわたるというわけです。森トラスト総合リートに限った話ではありませんが、総合型はさらにリスク分散できます。
というのも、オフィス需要が低調しているときは、ほかのホテル事業や住宅事業でカバーでき、その逆もあり得るからです。ただ、総合型とはいえオフィスビルを中核的な投資対象としており、資産総額の70~90%を目途に投資しているので、通常の総合型よりはリスクが高いでしょう。
投資法人みらいの特徴
投資法人みらいの概要は以下の通りです。
- 現在値:197,600円(1口)
- 上場日:2016/12/16
- 決算日:10/31
- 分配金対象月:4月・10月
- 配当利回り:5.81%
上記のように、投資法人みらいは比較的新しいREITです。投資法人みらいは、品川シーサイドパークタワー、川崎テックセンター、新宿イーストサイドスクエアなどの、オフィスビル・商業施設を投資対象にしたREITになります。
阪急阪神リートの特徴
阪急阪神リートの概要は以下の通りです。
- 現在値:147,500円
- 上場日:2005/10/26
- 決算日:11/30
- 分配金対象月:5月・11月
- 配当利回り:4.11%
阪急阪神リートは、複合型と呼ばれるREITであり、投資対象エリアは首都圏や全国の政令指定都市になります。ただ、そのエリアの中でも関西圏に重点を置いているのが特徴です。複合型とは、オフィスビルと商業施設など、2つの組み合わせで展開するREITのことです。
総合型よりは分散投資できませんが、ある事業が好調のときは総合型よりも収益を上げやすい特徴があります。たとえばオフィスビルとホテル事業の複合型であれば、「ホテル事業が好調」のときの収益は、総合型ほど不動産種類を分散していないので、総合型よりも高くなります。
日本リートの特徴
日本リートの概要は以下の通りです。
- 現在値:421,000円
- 上場日:2014/04/24
- 決算日:06/30
- 分配金対象月:6月・12月
- 配当利回り:4.21%
日本リート投資法人は、オフィスビル特化型でありFORECAST西新宿、日本橋プラヤビル、FORECAST三田などを所有しています。オフィスビルは不動産の中でも比較的安定しているのが特徴ですが、複合型や総合型よりもリスク分散性は弱いです。
実際の収益額のシミュレーション
では、上記の6銘柄全てを1口ずつ取得したときに、どのくらいの収益になるかをシミュレーションしてみます。
月 | 銘柄 | 予想分配金 |
---|---|---|
1月 | 日本ロジスティクスファンド | 4,467円 |
2月 | 森トラスト・ホテルリート | 3,075円 |
3月 | 森トラスト総合リート | 3,651円 |
4月 | 投資法人みらい | 5,740円 |
5月 | 阪急阪神リート | 3,031円 |
6月 | 日本リート | 8,862円 |
7月 | 日本ロジスティクスファンド | 4,467円 |
8月 | 森トラスト・ホテルリート | 3,075円 |
9月 | 森トラスト総合リート | 3,651円 |
10月 | 投資法人みらい | 5,740円 |
11月 | 阪急阪神リート | 3,031円 |
12月 | 日本リート | 8,862円 |
年間 | 全銘柄合計 | 57,652円 |
上記は1口当たりの分配金なので、10口取得すれば10倍になります。この収益額は、現在値、および現在の利回りで計算しているので、実際に上記のような収益になるとは限りません。また、この表は「対象月」を明示しているので、実際に分配金をもらえる月とは別です。
とはいえ、現時点での情報を基にした収益額になるのは事実なので、このまま順調に各REITが推移すれば似たような収益をもらえるでしょう。上記を参考に、自分なりのポートフォリオを組んでみてください。
低リスクで毎月分配型のポートフォリオをつくる
次に、低リスクで毎月分配型のポートフォリオを作る場合は、以下のような銘柄を取得します。
- 日本ロジスティクスファンドの特徴
- 大和ハウスリートの特徴の特徴
- グローバル・ワン不動産の特徴
- 星野リゾート・リートの特徴
- ユナイテッド・アーバンの特徴
- フロンティア不動産の特徴
「低リスク」とは、運営会社の規模や取得不動産の種類などを加味した、主観的な意味での低リスクです。上記の銘柄でなくても、自分が「安定している」銘柄に入れ替えることで、低リスクのポートフォリオが完成します。
以下に、前項と同じくそれぞれの銘柄の特徴を紹介しますが、日本ロジスティクスファンドの特徴は前項で紹介したので割愛します。
大和ハウスリートの特徴
大和ハウスリートの概要は以下の通りです。
- 現在値:244,300円
- 上場日:2006/02/06
- 決算日:08/31
- 分配金対象月:2月・8月
- 配当利回り:4.21%
大和ハウスリートは、居住施設を中心としてREITです。いわゆる「住居系」REITであり、住居系REITは比較的低リスクといわれます。というのも、市況が落ち込んだときも「賃料を下げるために自宅を引っ越す」人は多くないからです。
また、人が住み続ける限り賃料の下落がない点も低リスクの理由といえます。この点が、低リスクの毎月分配型のポートフォリオに組み込まれている理由です。
グローバル・ワン不動産の特徴
グローバル・ワン不動産の概要は以下の通りです。
- 現在値:134,400円
- 上場日:2003/09/25
- 決算日:09/30
- 分配金対象月:3月・9月
- 配当利回り:3.11%
グローバル・ワン不動産の投資対象地域は、主として東京都とその他3大都市圏です。また、大手町ファーストスクエア、平河町森タワー、アルカセントラル及び横浜プラザビルなど、所有不動産はオフィスビルが中心のREITになります。
都心と三大都市圏を中心として不動産を取得しているので、需要は比較的高いため低リスクといわれています。
星野リゾート・リートの特徴
星野リゾート・リートの概要は以下の通りです。
- 現在値:544,000円
- 上場日:2013/07/12
- 決算日:10/31
- 分配金対象月:4月・10月
- 配当利回り:4.63%
星野リゾート・リートは、その名の通りホテルや旅館及び付帯施設(スキー場、ゴルフ場、プール、物販店舗などの大型施設)をメインに展開しています。
現在の日本は、民泊を本格展開するほど宿泊施設が足りてない現状なので、ホテル業の将来性は高いと考えられます。そのため、「低リスク」の一角を担っているというわけです。
ユナイテッド・アーバンの特徴
ユナイテッド・アーバンの概要は以下の通りです。
- 現在値:174,200円
- 上場日:2003/12/22
- 決算日:11/30
- 分配金対象月:5月・11月
- 配当利回り:4.03%
ユナイテッド・アーバンは、主に首都圏と政令指定都市などの主要都市圏に展開するREITです。いわゆる総合型と呼ばれるREITで、商業施設・オフィスビル・ホテル・住居など多数の不動産種類を組み込んでいます。この点が低リスクの理由です。
フロンティア不動産の特徴
フロンティア不動産の概要は以下の通りです。
- 現在値:464,500円
- 上場日:2004/08/09
- 決算日:12/31
- 分配金対象月:6月・12月
- 配当利回り:4.42%
フロンティア不動産は、主として郊外型商業施設及び都心型商業店舗ビルなどを中心に展開しています。具体的には、イオンモールナゴヤドーム前、イオンスタイル品川シーサイド、イオン茨木ショッピングセンターなどを所有しています。
このように、全国的にも有名な商業施設を展開しており、三井不動産がスポンサーとなっているためフロンティア不動産は低リスクなのです。
実際の収益額のシミュレーション
では、上記の6銘柄全てを1口ずつ取得したときに、どのくらいの収益になるかをシミュレーションしてみます。
月 | 銘柄 | 予想分配金 |
---|---|---|
1月 | 日本ロジスティクスファンド | 4,467円 |
2月 | 大和ハウスリート | 5,142円 |
3月 | グローバル・ワン不動産 | 2,089円 |
4月 | 星野リゾート・リート | 12,593円 |
5月 | ユナイテッド・アーバン | 3,510円 |
6月 | フロンティア不動産 | 10,265円 |
7月 | 日本ロジスティクスファンド | 4,467円 |
8月 | 大和ハウスリート | 5,142円 |
9月 | グローバル・ワン不動産 | 2,089円 |
10月 | 星野リゾート・リート | 12,593円 |
11月 | ユナイテッド・アーバン | 3,510円 |
12月 | フロンティア不動産 | 10,265円 |
年間 | 全銘柄合計 | 76,132円 |
前項と同様、上記は1口当たりの分配金なので、10口取得すれば10倍になります。また、こちらも前項と同様に、あくまで現在値と過去の利回りを参考にしていてる点は認識しておきましょう。
不動産投資との違いは?
さいごに、REITを検討している方の多くが気になる、不動産投資との比較を解説します。投資で得る収益を毎月分配型にしたい人は、「毎月」安定した収益が欲しい人です。
それは不動産投資の特徴でもある上に、REITと同じく不動産関係の投資になるので、この2つの投資の違いはしっかりと認識しておきましょう。
項目 | REIT | 不動産投資 |
---|---|---|
収益性 | △ | ○ |
初期費用 | ○ | △ |
リスク分散 | ○ | △ |
流動性 | ○ | △ |
結論からいうと、分散投資でリスクヘッジするならREITがおすすめで、資産をつくりたいのであれば不動産投資がおすすめです。
収益性
項目 | REIT | 不動産投資 |
---|---|---|
収益性 | △ | ○ |
収益性でいうと、やはり不動産投資の方が高くなるケースが多いです。もちろん物件によって収益は異なりますが、ローンの支払い額を加味した利回りが2.5%~3%程度になる物件はたくさんあります。これだけみると、上述したREITの利回り(4%)より低いですが、不動産投資はローンが組めます。
仮に、300万円の初期費用でローンを組み、ローンを利用して3,000万円の不動産を取得したとしましょう。この場合、利回りが3%でも年間90万円の収益です。仮に、利回り4%のREITで年間90万円を実現するなら、2,250万円を投資する必要があります。
この収益性の違いが大きいので、上述したように「資産をつくるなら不動産投資」をおすすめしているというわけです。
初期費用
項目 | REIT | 不動産投資 |
---|---|---|
初期費用 | ○ | △ |
初期費用に関しては、REITはREITを取得する費用は以外にはほとんど費用はかかりません。強いていえば証券会社に支払う手数料くらいですが、ネット証券を利用すれば微々たるものです。
一方、不動産投資の場合には、物件取得費用として以下の項目に費用が発生します。
- 仲介手数料(中古の場合)
- 登記関係比喩
- ローン関係費用
物件によって初期費用は異なりますが、物件価格の5%~8%の初期費用がかかります。
リスク分散
項目 | REIT | 不動産投資 |
---|---|---|
リスク分散 | ○ | △ |
REITの場合は、上述のように投資法人が複数の不動産を所有するので、自然とリスク分散できています。一方、不動産投資でリスク分散する場合は、複数の物件を所有する必要があります。
アパート投資など、複数の部屋を所有することでリスク分散できますが、REITのように物件(≒建物)自体を複数所有しているわけではないので、リスク分散の観点からいうとREITが一枚上手です。これが、「リスク分散するならREIT」をおすすめしている理由になります。
流動性
項目 | REIT | 不動産投資 |
---|---|---|
流動性 | ○ | △ |
上述のようにREITの売買は即時決済できますが、不動産の売買は以下の手順を踏みます。
- 不動産の査定
- 不動産会社との媒介契約
- 売却活動
- 申込&契約
- 物件の引渡し
売却期間は物件によりますが、査定~売却完了まで半年程度かかる例も少なくありません。そのため、流動性に関してはREITの方が上といえます。
まとめ
このように、REITも銘柄を組み合わせることで毎月収益を上げることは可能です。ただし、REIT価額は常に変動しますし、分配金額もそのREITの業績によって異なります。そのため、毎月分配されるか?という視点以上に、きちんとした銘柄選定が重要になります。
まずは、上述した銘柄の特徴を参考にしながら、どのような不動産を所有しているのか?どのような会社が運営しているのか?をきちんと見極めましょう。また、毎月分配型の代表格である不動産投資との違いも理解し、どちらが自分の目的に合った投資か?を検証することも大切です。