メニュー

はじめての不動産投資をOh!Ya(オーヤ)で知る・学ぶ・実践する

資料請求 面談予約

買い時を見極めろ!90年代~これからのマンション価格推移を分析

By Oh!Ya編集部

13,602view

買い時を見極めろ!90年代~これからのマンション価格推移を分析

不動産投資の儲けは主に家賃収入ですが、見逃してはいけないのが初期コストとなる物件購入費です。

家賃がいくら高くても、物件購入費が高くては利回りが下がってしまいます。また、いくら家賃収入が得られると言っても、売却時に思惑通りの価格がキープされているとも限りません。

ここでは、そうした不安材料を払拭する手がかりとして、日本のマンション価格の推移について見ていきましょう。

1970年代から2000年代までのマンション価格の推移

マンション価格の推移

画像引用元:『全国マンション市場40年史』

上記は、1973年までから2012年までのマンションの価格推移のグラフです。

1973年から1980年代後半までは右肩上がり、そこから不動産バブルによってマンション価格の高騰がはじまり、1990年代の頭にバブル崩壊。

2000年頃までは下落基調でしたが、徐々に横ばい、そして緩やかな右肩上がりへとシフトしていることがわかります。

1970~1980年代の概要

この間に日本に起こったこととして、まず日本列島改造ブームがあります。1972年に田中角栄氏が発表した日本列島改造論を下地として、高速道路、新幹線といった大規模交通網の構築や、地方の工業化が推し進められました。

その際に開発の候補地としてピックアップされたエリアは、目端の利く投資家の買い占めによって地価が急上昇。それに伴うインフレまでが発生し、社会問題となる事態に。

政府が物価上昇の対応に追われている最中、今度は第1次オイルショックが発生し、日本経済は大混乱に陥りました。

ただ、その後の第二次オイルショックでは、日本銀行の金融引き締めや、労働組合・企業が一丸となった賃上げの抑制等が奏功し、日本経済は安定期に入ります。

そして1980年代後半、悪名高いバブル景気が到来し、有り余る資本力が都心の再開発を後押し。このとき、優良エリアには借地借家が入り乱れていたため、大規模開発のために恐喝紛いの行為をする地上げが横行しました。

また、地価の急激な上昇に伴い、それまでは住宅購入に向かっていた一般消費者の資金が贅沢品・嗜好品に向くことで、前代未聞の消費ブームが到来することに。

1990~2000年代の概要

しかし1990年、土地関連融資の抑制や金融引き締めを背景に、融資条件が急激に厳しくなります。バブル景気の抑制策が裏目に出て、日本経済はその後20年にわたり続く不況に突入しました。

不況の引き金となったのは、やはり不動産です。大蔵省による総量規制(土地関連融資の抑制)によって融資条件が厳しくなり、地価が暴落。それまで上り一辺倒だった公示地価は、2005年まで下がり続けることとなりました。

不幸だったのは、バブル直前の不動産価格が高騰しているタイミングで住宅を購入してしまった人たちです。資産としての価値は大幅に下がったのに、固定資産税は据え置き。

また、ローンをより金利の低いものに借り換えようとしても、担保が弱いために断られてしまうケースも少なくありませんでした。

バブル崩壊後、購入したマンションの別室が格安で売りに出されることを知り、訴訟を起こすなどのケースも見られましたが、結局は自己責任ということで補償されることはなかったと言います。

2000~2010年代の概要

バブル崩壊後、都心の物件価格が下落する中で、それまで郊外で物件を探していた新規住宅購入者層が、都内に戻ってきました。

戸建てよりマンションの方が手頃な価格帯でしたし、また住宅ローンの金利も下がりましたから、それまで賃貸に住んでいた人がマンションを検討するようにもなりました。

1900年代の中頃から2000年代の初頭までこの傾向が続き、この間、都心に大規模なマンションが続々と建てられることに。

次いで、2000年代初頭からは、ファンドバブルと呼ばれる小さな不動産バブルが起きました。

バブル崩壊の影響が一通り落ち着き、日本の金融機関は手持ちの不良債権をどうにか処理する必要に迫られました。そこで登場するのが、ハゲタカ・ファンドとも呼ばれる海外ファンドです。

海外ファンドは不良債権を格安でまとめ買いし、その中に含まれていた、通常ファンドが手を出さないような小ぶりの居住用物件を次々と売却。ゆるやかな不動産投資ブームが生まれました。

その後、金融機関が不動産投資への融資に積極的になったこともあり、リーマンショックの起きる2008年までマンション価格は緩やかに上昇していくこととなります。

ここ10年のマンション価格推移

ここ10年のマンション価格推移

画像引用元:不動産価格指数(平成30年8月・第2四半期分)の好評)

長らく横ばい、ないしゆるやかな右肩上がりで推移してきたマンション価格ですが、2013年初頭から明らかに上昇を始めています。

グラフを見てみると、土地や戸建住宅とは明らかに異なる動きをしていることがわかりますね。

2013年は、日銀が異次元緩和をはじめた年です。異次元緩和とは、日銀がこれまでになく大規模に国債等を購入し、およそ2年で物価を2%上昇させることを目標とした金融政策。

中央銀行が消費の活性化に向け前代未聞の取り組みを始めたことで、民間の金融機関も社会にお金を回すために融資を積極化。やがてそのお金が投資用不動産に流れ込みはじめた、という形が分析されます。

また、日銀は金融緩和にとどまらず、2016年には金融機関の日銀当座預金の超過準備に-0.1%の金利を設定する、マイナス金利政策を採用。それまで以上に融資を推し進めるよう発破を掛けます。

おそらくこうした背景が、2013年からのマンション価格の右肩上がりの根拠になっているのではないかと思われます。

市場は加熱傾向にあるが…

事実、以前は融資を受けるのに頭金の3割が必要とされていたものが、現在では頭金ゼロでも審査に通るケースが少なくありません。個人の属性や資産の多寡にもよりますが、一昔前より審査が緩くなっている傾向にあることは確かです。

ただ、これが不動産バブルなのかどうかは、はっきり断言できません。不動産価格が加熱傾向にあることは間違いありませんが、しかし経済全体が上向いていることもあり、バブルと言い切れるほど実態と乖離しているかどうかは、判断の分かれるところです。

年代別に見るマンションの価格推移予測

現在、右肩上がりから横ばいへとシフトしつつあるマンション価格。

気になるのは、ここから更に上がるのか、それともしばらく現状維持なのか。また、現状維持の場合、下がるとしたら度のタイミングなのか、ということですよね。

予言することはできませんが、ここでは一般に言われている予測を、各年代別にまとめてみました。

2019年

2019年問題という言葉があります。誰が言い出したのかは定かではありませんが、2019年には、マンション価格に影響を与える要因が集中している、というのです。

たとえば、2019年がオリンピックの前年であるということ。根拠となるデータは見つけられませんでしたが、これまでの開催国の不動産市場を確認すると、オリンピック前年に不動産価格がピークを迎える傾向にあるようです。

また、これまで積極的に物件を購入していた外国人投資家の勢いが衰えを見せており、とくに都心を中心に、2019年以降に不動産価格が下落するのではないかと見られています。

ほか、2019年10月には消費税の増税が控えている、というのも懸念材料。当年には駆け込み需要から価格が上昇する可能性がありますが、その反動で翌年以降に物件価格が下落することも見込まれます。

2020年

投資の世界には、あるサインが出たときに市場が決まった動きをする、というような、根拠の示せない経験則があります。

もちろん100%当たるわけではありませんが、多くの人が信じているからこそ、市場が反応してしまう、という考え方も可能。

不動産投資におけるそういった経験則の1つに、日本の地価公示価格は7年周期でピークを迎える、というものがあります。

たとえば2000年初頭から上がり始めた不動産価格は2008年に下落に転じ、2013年頃から再び上昇し始めました。多少期間はズレているものの、確かに7年前後でピークを迎えています。

また、そうした経験則に加え、2020年にはオリンピックが控えています。1つの節目と捉え、手持ちのマンションの売却を考える投資家が増える可能性も考えられます。

2022年

2022年に起こりうるマンション価格に影響しそうな事柄としては、生産地緑地問題が挙げられます。

生産緑地とは、農地であることを条件に、固定資産税の減額や相続税の納税猶予が受けられる、500平方メートル以上の土地のこと。

この生産緑地、制度が適用されてから30年間は任意に売却できないのですが、実は2022年がその30年目に当たります。したがって2022年には生産緑地が大量に売りに出され、新築の戸建てやアパート、マンションなどが急増する可能性が。

そうなると、投資マンションも資産価値の下落や空室率の増加が見込まれ、不動産市況が冷え込んでしまうことが考えられるのです。

もっとも、生産緑地は概ね郊外にありますし、そもそもデベロッパーも、後先考えずにアパートやマンションを乱立させることはしないでしょう。

2023年

国立社会保障・人口問題研究所が発表している日本の世帯数の将来推計(全国推計)によると、2023年前後で日本の世帯数はピークを迎え、後は減少の一途を辿るという分析がなされています。

また、野村総合研究所が発表している予測では、同年に空き家率が21.1%に達するとの見通しが。

もちろんこれは全国的な話で、都心の人口はまだしばらく増え続けるでしょうし、単身世帯の割合が増加する見込みもあり、ファミリー層をターゲットとした物件を除き、マンション価格にすぐに目立った影響は出てこないでしょう。

しかしいずれにせよ、早いうちから市況の動向をチェックし、先回りして対応策を検討しておくことが肝心です。

2025年

内閣府が発表している平成29年版高齢社会白書(全体版)によると、2025年に人口の3割が65歳以上になる見込みです。

外国人労働者を増やすことで労働力を補おうとしていますが、このままでは高い確率で日本の国力は衰退します。将来への不安から現役世代は消費を控えるでしょうし、不動産のように大きな買い物も難しくなってしまう可能性があります。

もちろんあくまで可能性の話ですが、手持ちの物件に入居してもらうにせよ、売却するにせよ、そうした時代がやってくることも想定して、運用戦略を考えて置かれることをおすすめします。

2030年

2030年には、人口が今より1,000万人減り、3人に1人が65歳以上の高齢者となる見込みです。高齢化が進み続けるだけに、マンション価格の下落を懸念する分析が多くなされています。

下落率が高いと想定されるのは、やはり地方。たとえば青森などでは、50%以上地価が下落するエリアも出てくるでしょう。

もちろん、下落率こそ地方より小さいとはいえ、都心部も安心して入られません。東京や大阪、名古屋といった大都市圏でも、エリアに寄っては20~30%地価が下落する、という説もあるくらいです。

とはいえ、物件やエリアによっては、逆に値上がりすると考える向きも。今後は、二人世帯、三人世帯の増加が見込まれます。たとえばこれまでよりもコンパクトで、かつ住みやすい土地にある物件であれば、需要が加熱する可能性もあり得るでしょう。

2040年

前述の通り、2023年をピークに世帯数は減り続ける、という予測があります。一方で増え続けるのが、単身世帯。一説には、2040年には全世帯の4割が単身世帯になるとも言われています。

現在、単身世帯の7割は賃貸住宅に住んでいる、という統計もあり、もし2040年にも同様のことが言えるなら、都市部の単身向け賃貸マンションに限って言えば、ある程度の需要が期待できるでしょう。

また、暗い話ですが、この時代には若年層の社会保障負担がかなりのものとなっていることが見込まれます。不動産を購入できるほどの蓄えがなく、賃貸に住み続けるしかない人が多数派である可能性も。

10年先、20年先を見通すのは困難ですが、幅広いリスクを想定し、それを都度都度見直していけば、少なくとも想定外の事態に陥る確率は減ります。

日本の先行きは不透明ですが、現在政府が力を入れている移民政策が身を結めば、ここで紹介した予測とは全く違う未来が開けているかもしれません。可能な限り視野を広く持って、先の先を取る資産運用を心がけてみてください。

エリア別の地価動向について

グラフ

続いて、日本不動産研究所が発表している市街地価格指数(2018年9月末)から、全国の地価動向をチェックしてみましょう。

三大都市

まず東京、大阪、名古屋の動向ですが、最高価格地の推移は、東京で前期比3.6%の上昇。次いで大阪が2.2%、名古屋が1.0%と、いずれも上昇。堅調な動きを見せています。

また、三都市ともに、商業エリアでのオフィス需要が高く、空室の割合も低水準。住宅エリアでも、アクセスの良好な土地をはじめ、全体的に上昇傾向が継続しています。

ちなみに、工業用地の地価も上昇傾向。インターネット通販の隆盛によって、物流施設への投資が活発となったことが、その要因と考察されています。

総じて、直近の不動産市場は堅調に推移していると言えそうです。

地方

一部ではまだ下落基調が見られますが、地方についても地価の上昇傾向が見られます。

各エリア別の傾向は、以下の通りです。

  • 北海道…観光客の数が増えており、店舗やホテル用地の需要が高まっています。
  • 関東地方…オフィス需要が高まっており、また観光地、工業地でも地価の上昇傾向が見られます。
  • 東北地方…交通の利便性が高い仙台をはじめ、住みやすい住宅地で地価の上昇が見られます。
  • 中部・東海…堅調なエリアと、下落が続くエリアが入り混じっており、地価は横ばい傾向です。
  • 中国地方…商業エリア、住宅エリア、工業エリア、ともに上昇傾向が見られます。
  • 北陸・四国地方…下落傾向ですが、下げ止まったエリアもあり、今後の上昇が期待されます。

マンションの価格相場を左右する要因

矢印

マンションや地価の価格推移についての情報をまとめてきました。

明るい見通し、暗い見通しが入り乱れていますが、果たしてマンションの価格というのは、具体的にどういう要因で上下するのでしょうか。

ここでは、価格に影響を与えるさまざまな要因について解説してみたいと思います。

上がる理由

まずは、マンションの価格が上がる理由についてです。

マンションもほかの消費財と同じ要因で価格が上がります。需要、またはコストの増加です。

購入者の増加

2013年以降、それまで横ばいに近かったマンションの価格が明らかに上昇を始めました。

これは、購入者が増加したことがその要因と考えられます。

もちろん、居住用ではなく、投資目的の購入です。この傾向は、都心以外の地方にも見られました。

金融緩和により、銀行に対する融資の圧力が高まり、比較的簡単にローンが組めるようになった、ということが大きいでしょう。またほかに、外国人観光客の増加も、マンション価格の上昇に一役買っていることが想像されます。

観光客が増えると、それに対応するために雇用が増えます。雇用が増えれば人が集まり、そこには賃貸需要が生まれることとなります。将来的な賃貸需要や地価の上昇が見込めるのであれば、そのエリアは投資家にとって魅力的な投資先となります。

国内の投資家はもちろん、オリンピックに伴う地価の上昇を当て込んだ外国人投資家の資金が流入したことで、日本の不動産価格の上昇傾向が形成されたと考えられます。

建設コストの増加

製造コストが上がれば、よほど利幅を取っている商材でない限り、価格も上がります。マンションにとっての製造コストは、建物の建築を担う建設業者の人件費や資材費です。

たとえばここ数年、景気が緩やかな回復傾向にあり、多くの業界で人手不足が顕在化しつつあります。

建設業でももちろんその傾向があるのですが、それに加えてオリンピックや震災復興、円安などが重なり、人件費、建築資材費ともに上昇。建設コストが増加した分がマンション価格に上乗せされて、以前より割高な価格となっています。

また、土地の需要の高まりも、建設コストを押し上げる要因の1つ。

近年は観光客の増加を見込んで、ホテル事業者も立地に優れた土地の購入を進めています。そういった土地はマンションを建てるにも魅力的であることが多く、不動産業者と競合することも。

前述の通り、購入者が多ければモノの価格は上がりますから、その分がマンションの価格に転化されることになります。

下がる理由

続いて、マンションの価格が下がる要因について見ていきましょう。

購入者の減少

モノの価格は、購入者が少ないと下がるのが一般的です。

不動産にも同様のことが言えます。不動産は、所有しているだけでも管理費や税金などでお金を消費していくものです。多くの場合、金融機関から融資を受けて土地の購入や建物の建設を行いますから、その分の返済も考えなければいけません。

現在の日本では建物の価値は完成した瞬間から下がっていきますから、価値が上がるまで持ち続ける、という方針もナンセンスでしょう。

そのため、多少利益は減ってでも、価格を落として売却を急ぐことになります。

また、気をつけたいのが、購入者の絶対的な母数が減っていないパターンもあるということ。購入者数に変化がなくとも、マンションの供給が過剰になれば、相対的に購入者の割合は減ることとなります。

たとえば、不動産市場全体では好調なのに、一部の人気エリアではマンション供給が過剰になって価格の下落が起こる、というチグハグな事態も想定できるわけです。

金利の引き上げ

不動産を購入する場合、数千万円~数億円のお金が必要となります。

自己資金で賄える人は少数派ですし、仮に資金に余裕があっても、運用効率を考えて借り入れをする人がほとんどです。

金融機関から借り入れをする場合、大きな検討材料となるのが金利です。

金利は、返済期間に応じて借りたお金に上乗せされる手数料のようなもの。金利が低ければ、お金を借りようとする人は多くなります。

また、反対に高いほど、金利負担を最小限に抑えるために自己資金を増やして、返済期間を短くしようと考えます。

現在の日本は、景気刺激策のために低金利が根付いており、比較的お金を借りやすい状況にあります。

お金を借りやすい状況のとき、不動産は魅力的な投資先となります。

金融機関から借りたお金で不動産を運用し、家賃収入の一部を返済に充当。そして残った資金で別の運用をすれば、本来持っていた元手よりはるかに効率的に資産形成をすることができるからです。

金利が上がってしまうと、こうした旨味も縮小。不動産が売れなくなり、ひいては価格の下落につながることになります。

行き過ぎた価格の高騰

購入者が減少して価格が下落することの変則的なケースとして、行き過ぎた価格の高騰が挙げられます。

建設コストの増加などを背景に、マンションの価格が上がりすぎると、購入したくとも購入できない、というケースが増えていきます。こうなると、デベロッパーは売りたい値段でいつまでもマンションを売ることができなくなり、やがて価格の下落が始まることに。

近年、とくに都心においてこうした新築マンションの価格高騰が懸念されており、近いうちに何らかのネガティブな動きがあるのではないかと警鐘を鳴らす専門家もいます。

押さえておきたい4象限モデル

不動産市場の動きを把握するための方法として、4象限モデルというものがあります。

これは、賃料、物件の価格評価、着工数、ストック調整、という4つの要因によって不動産市場の動向を把握しようというもの。

以下に、それぞれの概要を解説します。

賃貸市場:賃料決定

4象限モデルの第一象限(右上)は、賃料がどのように決定されるかを示します。

一般的な消費財は、需要と供給のバランスによって価格が決定されます。

不動産における供給は、物件のストック量(着工面積で表します)。一方の需要は、経済状況や人口などの要因が絡まって決定されます。家賃は、これらのバランスで決まる、というわけです。

第一象限では、X軸に物件のストック量、Y軸に賃料を取ります。

資産市場:価格評価

第2象限(左上)は、賃料と不動産価格の関係を示す領域です。

不動産価格は、賃料と、それ以外の要因(たとえば収益性など)によって決定されます。そのため第2象限では、X軸に物件価格、Y軸に賃料を取ります。

資産市場:建築着工

第3象限(左下)は、物件価格と供給量の関係性を示します。

建築着工面積は、不動産の建築費と、第2象限の資産価格とのバランスによって決定されます。仮に高い収益性が期待できても、建築費が高ければ建築着工面積は減る、という具合です。

第3象限では、X軸に不動産価格、Y軸に建築着工面積を取ります。

賃貸市場:ストック調整

第4象限(右下)は、物件の量を表します。

第3象限の建築着工面積は、新たに建設された物件の量。これから、古くなり、壊された分を差し引いてストック量を示すわけです。

第4象限では、X軸にストック量、Y軸に建築着工面積を取ります。

この第4象限で決定したストック量が、第1象限の家賃決定に影響し、以降サイクルが回っていく、というのが第4象限モデルの骨子です。

価値が下がらないマンションの条件とは

白い家

経済状況によりマンション価格が上下するのは、仕方のないことです。しかし物件によって、経済状況の影響を受けやすいものと、そうでないものがあります。

経済状況の影響を受けづらい、つまり、価値が下がりづらいマンションの特徴を知っておくことは、今後不動産投資を行う上できっと役に立つはずです。

立地

マンションの価格が下がる、というのは、究極的に言えば住む人がいなくなってしまうことが要因です。

つまり、価値の下がりづらいマンションは、常に一定の賃貸需要が見込める物件、と考えることができます。

入居者が入りやすいかどうかを大きく左右するのは、やはり立地。築年数が経過しようと、人口が減ろうと、一定の耐久性が見込め、かつアクセスに優れる物件であれば、空室が出る可能性も低くなるでしょう。

立地というのは、購入後にはどうにもできない条件です。逆に言えば、いくら時間が経っても劣化しない魅力であるとも言えます。

もちろん周辺環境の変化によっては、好立地というアドバンテージを失わないとも限りません。しかし、事前に該当エリアについて丁寧にリサーチすれば、そうしたリスクも軽減できるでしょう。

住みやすさ

住みやすさ、というと定義が幅広いですが、要は、住む人にとっての生活利便性が高い物件です。

たとえばセキュリティに優れていたり、バリアフリーだったり、一部の入居者が魅力に思う要素を備えている物件は、特徴のないその他の物件よりも選ばれやすい傾向があります。

安全性・耐久性

物件の価値は、完成と同時に目減りしていきます。しかしどの物件も同じように価値が下がるかと言うと、そういうわけでもありません。たとえば構造で言えば、木造よりも鉄骨、鉄骨よりもRC造の方が、資産価値が長持ちします。

また、築年数が古くなればなるほど、耐久性に不安が出てきます。たとえば木造アパートで築20年の物件と、RC造のマンションで築20年の物件だったら、多くの人がRC造を選択することでしょう。

賃料の高低よりも、建物としての信頼性の方が重視される傾向にあるはずです。

築年数

築年数も、賃貸需要を左右する大きな要因。賃貸物件を探すとき、まず築浅で希望家賃の物件を探し、見つからなければ徐々に検索範囲を広げていく、という流れを追うことは、想像に難くありません。

築年数については対策のしようがありませんから、ほかの諸条件で戦えるように、購入の段階から時間が経っても色あせない付加価値のある物件を選んでおくことが大切です。

番外・購入時より高くなる物件とは

物件自体の価値は下がっていきますが、場合によっては購入時より価格が高くなるマンションも存在します。

それはどういうケースかと言うと、購入したタイミングよりも、そのエリアの地価が上昇した場合。

たとえばそのエリアに人を呼び寄せる魅力的な何かが存在し、不動産会社を始めとする大資本を持ったプレイヤーが競って土地を購入するような状況になった場合、同じエリアにあるマンションの価格も上昇する可能性があります。

まとめ

2013年以降、安定して右肩上がりで推移してきたマンション価格ですが、ここに来て横ばいの動きを見せています。

現在は、まだ上昇傾向であることは間違いありません。しかし、2019年に増税、2020年にオリンピックと、大きなイベントが控えています。

また、中国とアメリカの貿易戦争による影響も読みきれません。これから投資マンションの売買を検討している方は、手広く情報収集を行い、慎重に投資判断を下されることをおすすめします。

関連記事