初心者必見!ファンド型クラウドファンディングの全て
By Oh!Ya編集部
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投資の中ではあまりメジャーではありませんが、「ファンド型クラウドファンディング」という投資法があります。
ファンド型クラウドファンディングは、ほかでは投資できない事業にも投資できるので、興味を持っている方もいるでしょう。ただ、結論からいうと「資産をつくる」という目的には沿わない投資です。
また、以下の記事ではクラウドファンディングの勝ちパターンについて徹底分析し、実際の成功事例も掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。 【成功例9選】クラウドファンディングの勝ちパターンを分析
ファンド型クラウドファンディングの概要
まずは、ファンド型クラウドファンディングの概要である以下を解説していきます。
- ファンド型クラウドファンディングの仕組み
- ファンド型クラウドファンディングの事例
ファンド型クラウドファンディングの仕組み
ファンド型クラウドファンディングとは、特定の事業に投資することで、その事業から得る利益を分配金として還元してもらう投資になります。
イメージとしては、上場株式を保有することで得られる「配当金」と似ています。配当金も、企業が株主に「配当金」として利益を還元するという仕組みであり、ファンド型クラウドファンディングも同じ仕組みです。
ファンド型クラウドファンディングの事例
例として、ファンド型クラウドファンディングを展開しているプラットフォーム、および実際のプロジェクトを紹介します。
- セキュリテ
- KAIKA
実際のプロジェクトを見ることで、ファンド型クラウドファンディングのイメージが湧くでしょう。
セキュリテ
セキュリテは地域が抱える環境や貧困などの社会課題をテーマにしている事業(ファンド)を取り扱っています。たとえば、以下のような事業に投資可能です。
- 日比谷音楽祭プロジェクト
- 旧奈良監獄保存プロジェクト
日比谷音楽祭プロジェクトは、フリーで参加できる音楽祭であり、主に子供が音楽に触れることを目的にしています。出資したリターンはステッカーなどのギフトです。
旧奈良監獄保存プロジェクトは、重要文化財である旧奈良監獄の保存を目的にしています。リターンは旧奈良監獄の「特別見学会」になります。
KAIKA
KAIKAは、山口・福岡・広島など西日本のプロジェクトが中心のファンド型クラウドファンディングのプラットフォームです。特徴は以下のように地域に根差した事業が多い点です。
- 三段峡美人の湯ファンド
- 広島ドラゴンフライズ B.LEAGUE 開幕戦ファンド
三段峡美人の湯ファンドは、広島で有名な湯治効果のある温泉の活性化を目的としてプロジェクトです。リターンは入湯券になります。
広島ドラゴンフライズ B.LEAGUE 開幕戦ファンドは、広島のプロバスケットボールチームである「広島ドラゴンフライズ」のコミュニティ普及を目的としたプロジェクトです。リターンはサイン色紙などのグッズになります。
ファンド型クラウドファンディングのメリット
次に、ファンド型クラウドファンディングのメリットである以下を解説していきます。
- 通常だと出資できないプロジェクトに出資可能
- 社会貢献や地域貢献につながる
- 投資先の企業は開示義務がある
- 新商品を得られることもある
通常だと出資できないプロジェクトに出資可能
ファンド型クラウドファンディングの大きなメリットは、通常だと出資できないプロジェクトに出資可能という点です。
たとえば、上述したように「プロバスケットチーム」や「重要文化財(旧奈良監獄)」へ出資するのは、個人投資家の力だけでは難しいでしょう。
ファンド型クラウドファンディングを通して、そのようなプロジェクトに出資できる点は大きなメリットといえます。
社会貢献や地域貢献につながる
また、ファンド型クラウドファンディングの場合は、地域に密着していたり、文化を守ったりするプロジェクトが多いです。
そのため、ファンド型クラウドファンディングを通じて、自分が住んでいる地域や興味のある文化・コミュニティなどに貢献できる点もメリットといえるでしょう。
投資先の企業は開示義務がある
ファンド型クラウドファンディングの場合は、投資先の企業に開示義務があるので、自分が投資している企業(プロジェクト)の詳細情報が分かります。
たとえば、「広島ドラゴンフライズ B.LEAGUE 開幕戦ファンド」であれば、出資したお金の具体的な使い道はもちろん、チームの歴史・成績・所属スタッフや選手・担当者などの情報が分かります。
そのため、投資家の立場からも安心して出資できるというわけです。
新商品を得られることもある
上述したように、ファンド型クラウドファンディングの場合は、プロジェクトに投資する代わりに分配金をもらうことができます。
しかし、分配金だけでなく、その事業を通して生み出されたモノやサービスがもらえることも多いです。たとえば、日本酒醸造のプロジェクトやご当地のお菓子のプロジェクトなどは、リターンとして商品がもらえます。
そのため、自分が「欲しい」と思った商品に投資して、新商品をもらう…ということも可能です。
ファンド型クラウドファンディングのデメリット
一方、ファンド型クラウドファンディングのデメリットは以下の点です。
- リターンが小さい
- リターンが不安定
- 元本は全く保証されていない
- 事業者が少ない
結論からいうと、ファンド型クラウドファンディングはリターンが小さく不安定なので、地域貢献や社会貢献を目的にしている人に向いている投資です。
言い換えると、「資産を増やす」「儲ける」ことを目的にしている人には適さない投資といえるでしょう。
リターンが不安定
ファンド型クラウドファンディングは分配金や新商品などがリターンですが、そのリターン内容はプロジェクトの進捗で変わってきます。
仮に、分配金がリターンとして設定されていたとしても、そのプロジェクトが予定通り進まなければリターンの金額が変わる可能性もあります。
また、たとえば「日本酒の醸造プロジェクト」が失敗したときは、新商品を受け取れないこともあるでしょう。このように、ファンド型クラウドファンディングも投資の一種なのでリターンが不安定な点はデメリットといえます。
元本は全く保証されていない
また、ファンド型クラウドファンディングは、仮にプロジェクトが予定通り進まなくても、その事業者が投資家に資金を返金する義務はありません。
さらに、プロジェクトが進捗したとしても、事業者が予想していた利益を得られなければ予定リターンは変更になることもあります。
事業者が少ない
ファンド型クラウドファンディングは、社会貢献的な側面も強いため、「投資」としての盛り上がりはほかのクラウドファンディングに比べて弱いといえます。
現に、上述したセキュリテとKAIKAくらいしか大きなプラットフォームはないので、投資家が選べるプロジェクトが少ないという点もデメリットです。
ファンド型クラウドファンディングが合わないと思った人へ
このように、ファンド型クラウドファンディングは地域貢献や社会貢献を目的に置いているプロジェクトが多いため、資産をつくることを目的に置いている人には合わない投資です。
そのため、「資産をつくりたい」と思っている人におすすめする、以下の投資について解説していきます。
- 不動産投資
- 投資信託
- REIT
不動産投資
不動産投資は、ファンド型クラウドファンディングと違い以下のような投資です。
- 収益性が高い
- 収益が安定している
- 実物資産である
そもそも不動産投資とは、区分(一室)マンションや一棟のアパート・マンションなどを保有し、そこの賃料収入を収益とする投資のことです。
収益性が高い
まず、不動産投資は収益性が高いです。というのも、不動産投資はローンを組めるので、少ない自己資金で高額な資産を取得できるからです。
借入額は人によりますが、自己資金の10倍以上の物件(資産)を取得することもできます。
仮に、不動産投資の返済後(手取り)利回りが2.5%、ファンド型クラウドファンディングの分配金利回りが4%の場合で、自己資金が200万円のときに収益がどのくらいかを比較してみましょう。
- 不動産投資:200万円×ローン10倍×2.5%=年間50万円
- ファンド型クラウドファンディング:200万円×4%=年間8万円
このように、ローンを利用することで収益性は大きく上昇します。
収益が安定している
また、不動産投資は家賃収入がメインであり、家賃収入は比較的安定しています。というのも、家賃収入が短期間で暴落するリスクは小さいからです。
たとえば、株価が半年で半値になることはあっても、家賃が半年で半値になることはほぼあり得ません。そのため、不動産投資はファンド型クラウドファンディングのように、収益性が不安定でない投資といえます。
実物資産である
また、不動産投資は物件を実際に保有するので、「実物資産」を保有できる投資です。実物資産を保有する投資には以下のメリットがあるのです。
- 資産を売却することでも利益を得られる
- 担保として利用できる
- 資産価格自体も暴落しにくい
ファンド型クラウドファンディングの場合は、やはりどうしてもリターンが不安定だったり、そもそも金銭的なメリットがなかったりするリターンもあります。
その点、実物資産を保有するということはその資産自体に価値があるので、資産性が高い投資といえるのです。
投資信託
次に、投資信託を紹介します。というのも、投資信託にはファンド型クラウドファンディングにはない以下のメリットがあるからです。
- プロに運用を任せられる
- 売却して利益を得ることも可能
- 商品の種類が豊富
ファンド型クラウドファンディングの「リターンの不安定さ」に不安を感じ、かつ「商品(プロジェクト)の種類が少ない」点も大きなデメリットに感じる方は、投資信託の方が向いているでしょう。
プロに運用を任せられる
投資信託は、「資産運用のプロであるファンドにお金を預けて自分の代わりに運用してもらう」というイメージです。投資信託は、以下のように色々な金融商品がパッケージ化されています。
- 投資信託A:国内の大型株中心
- 投資信託B:先進国の債券と国内の成長株中心
- 投資信託C:成長国の小型株式中心
このように、投資信託によってパッケージ化されている商品が異なり、その商品の種類を見て投資家は投資信託を選びます。
そして、集めたお金でファンドが上記の金融商品を運用して、その利益の一部を分配金として受け取るのが投資信託の仕組みです。
売却して利益を得ることも可能
投資信託には、大きく分けて以下3つの種類があります。
- 上場投資信託(ETF):株式のように上場している
- 非上場だが証券会社経由で取得できる投資信託
- 非上場でファンドに直接問い合わせて売買する投資信託
ETFは上場されているので、株式と同じように売買することが可能です。また、ほか2つの投資信託もETFほどのスピード感はありませんが、売却(買取請求)することができます。
仮に、保有している投資信託のニーズが上がっていれば価額も上がっているので、売却益を得ることもできる投資ということです。この点も、ファンド型クラウドファンディングと違う点になります。
商品の種類が豊富
また、投資信託は非常に多くの種類があります。たとえば、マネックス証券だけで、取り扱い投資信託数は1,000銘柄を超えます。
これに、ほかの「証券会社の商品」「ETF」「ファンドと直接売買する投資信託」などが加わるので、非常に多くの種類の投資信託から、自分に合った商品を選べるのです。
さらに、商品の数が多いとはいえ、投資信託は特徴がはっきりしているので銘柄選びはさほど難しくありません。
REIT
さいごにREITを紹介します。REITの基本的性質は投資信託と同じなので、ファンド型クラウドファンディングより収益性が高いといえます。また、REITにはほかにも以下のような特徴があります。
- 不動産投資×投資信託
- 安定性が高い
- 流動性が高い
一言でいうと「不動産投資と投資信託を掛け合わせたような商品」がREITです。
不動産投資×投資信託
REITは上場されている投資信託です。ただし、前項で解説した一般的な投資信託が「色々な金融商品をパッケージ化した商品」であるのに対して、REITは実物不動産のみを対象にします。
つまり、ファンドは実物不動産を取得して、その家賃収入の一部を投資家へ分配金として還元する仕組みです。
安定性が高い
このように、REITを取得することで、間接的に賃貸用不動産を取得しているようなイメージになります。
そのため、上述した不動産投資と同じく、「家賃」という安定している収入源なので、REITは比較的安定性の高い投資なのです。
流動性が高い
また、REITはETFや株式と同じように上場されているので流動性が高い…言い換えると換金性が高い商品です。
市場が空いている平日日中で、かつ時価であれば即決済可能なので、この点はファンド型クラウドファンディングとの大きな違いでしょう。
まとめ
このように、ファンド型クラウドファンディングは「地域や社会貢献につながる」という点が、ほかの投資とは大きく異なる点です。ただし、その反面「収益性が低い」という点はデメリットといえるでしょう。
そのため、資産をつくりたかったり、投資で収益を得たかったりする人は、上述したほかの投資をおすすめします。