初心者向けに徹底解説!投資物件の種類と探し方【完全版】
資産形成をしたい人の中では、不動産投資に注目している人もいるでしょう。不動産は誰しもが住んでいる生活必需品なので、株やFXなどの投資よりも馴染み深いものです。
また、不動産投資は知識を得ることでリスクヘッジができ、比較的低いリスクで安定した収益を得られる投資でもあります。
一方、不動産投資は「1か月で資産が倍になる」などの投機的な側面は小さいので、その点からも初心者に向いている投資と言えるでしょう。今回は、そんな堅実な投資と言える不動産投資について、初心者の方がリスクを抑えるための知っておくべき知識を解説していきます。
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物件の選び方
まずは、投資用物件の選び方を解説します。選ぶべきポイントを解説し、その点を踏まえながら「選んではいけない要注意物件」を紹介します。そして、逆にどのような物件が「穴場物件」かという点を解説するという流れです。
重視するポイント
投資用物件を選ぶときは、以下4点を重視しましょう。
- 立地
- 築年数
- 利回り
- 法令の遵守
上記4点は一見すると当たり前かもしれませんが、投資用物件は入居用物件とは別の視点が必要です。それを踏まえ、以下より読み進めてみてください。
立地
立地とは具体的には以下の要素です。
- 駅からの徒歩分数
- 周辺環境
- 室内環境
- 設備・仕様
上記に関しては、自分が賃貸物件を探すときを想像してみると分かりやすいです。その状態を想像すれば、いかに、投資物件選びにおいて立地が重要なのかが分かってきます。また、自分が住むのではなく、あくまで「投資用物件である」という点は頭に入れておきましょう。
駅からの徒歩分数
駅からの距離で考えるべきは「競合物件の数」です。この点は、入居用物件では考える必要はないので、投資用物件ならではの視点と言えるでしょう。不動産の表記ルールにおいて、駅からの徒歩分数は1分80m換算(切り上げ)です。そのため、たとえば駅から330mの場合は駅徒歩5分の表記になります。
徒歩5分ということは、駅を中心にして半径400m以内の物件が該当※するので、面積に換算すると16万π㎡内の物件が徒歩5分の物件です。一方、徒歩10分の場合は半径800mなので、面積は64万π㎡です。
つまり、駅からの徒歩分数は5分→10分と2倍ですが、面積は4倍になるというわけです。そうなると、競合する物件も4倍になります。このように、投資物件の場合は、駅距離は競合物件の数と比例するという点は頭に入れておきましょう。
※実際は直線距離ではありませんが、今回はイメージのため直線距離としています。
周辺環境
周辺環境は以下の点がポイントとなります。
- 施設の利便性
- 騒音や排ガスなど
- 治安
全てに共通して言えることですが、このような要素はターゲット選定が重要になります。たとえば、エリア的に「単身の若い男性」がターゲットであれば、上記のうち「商業利便性」は重視するものの、「静かさ」の優先順位は低いかもしれません。
もちろん、上記の要素は全て兼ね備えているに越したことはありません。しかし、投資物件選びにおいて大事なのは、「どの要素を優先すべきか?」という点になります。
室内環境
室内環境のポイントは「陽当たり」と「開放感」です。陽当たりについては、物件の午前の時間帯も午後の時間帯も見ておくと良いでしょう。特に、西向きの場合は午後にどのくらい西日が入るか、東側の場合は午前にどのくらい明るいかは重要になります。
また、開放感は「将来目の前に建物が建つリスク」も踏まえ検討しましょう。いずれにしろ大事なのは、時間帯を変えて室内のチェックをすることです。手間はかかりますが、投資用物件選びは、足をつかって調査しなければいけません。
自分ではなく第三者が住むので、色々なことをイメージして、時間を惜しまず現地をチェックしましょう。
設備・仕様
設備とは、キッチンのコンロやシンクの設備、床暖房や食器洗い機の有無などのことです。仕様とは、建具のグレードや、デザイン面を総称して言います。設備・仕様がハイグレードかどうかを判断するのは難しいので、競合物件と比較すると良いでしょう。
同じような立地条件、築年数の物件をいくつかピックアップし、その物件を実際に見学して設備・仕様をチェックしましょう。要は、賃貸希望者が見そうな物件と比較し、自分の希望する物件の設備・仕様の印象を確かめるというわけです。
築年数
築年数については、以下の点をチェックしておきましょう。
- 劣化具合
- リフォームの有無
- セキュリティ面
賃借人が築年数で最も気にする点は、劣化具合でしょう。逆にいうと、築年数がある程度経過していても、外観がきれいであれば賃借人は付きやすいと言えます。部屋探しをするときにはネットで検索することがほとんどなので、きれいな外観であれば写真付きで紹介すれば集客力は上がるでしょう。
劣化具合は、外観以外に内装部分も気になるポイントなので、廊下・壁紙・天井と隈なくチェックしておきましょう。また、リフォーム済みがどうかも重要です。リフォームしたときは「きれいになっている」という前提ですが、リフォーム済みだと、広告に「○○年リフォーム済み」という文言が入るので集客力は上がります。
そして、築年数が古いと、セキュリティ面も甘いと思われがちです。そのため、築古物件を取得するときには、オートロックや二重ロック、ディンプルキー(ピッキング不可の鍵)など、セキュリティで売りになるポイントがあるかどうかは必ずチェックしておきましょう。
利回り
入居用物件と投資用物件を選ぶときに最も違う点は、この利回りという考え方になります。利回りについては「表面利回りと実質利回りの違い」、および「経費の種類」を理解しておきましょう。
表面利回りと実質利回りの違い
表面利回りと実質利回りの違いは、以下の計算式の違いを見れば分かりやすいです。
- 表面利回り=年間賃料収入÷物件取得費用
- 実質利回り=(年間賃料収入-年間経費)÷物件取得価格
どちらも、物件取得費用が何年間で回収できるかという指標になります。利回りが5%であれば回収期間は20年(100%÷5%)ですし、利回りが10%であれば回収期間は10年(100%÷10%)となります。
上記の通り、表面利回りは年間経費を加味せずに、実質利回りは年間経費を加味します。そのため、実質利回りの方が、現実的な利回りを算出することができるというわけです。
経費の種類
さて、前項で解説した「経費」とはどのような項目なのでしょうか?経費は、投資物件の運営全般に関わる以下のような費用を指します。
- ローン支払利息
- 保険料(火災保険や地震保険)
- 管理費・修繕積立金(区分物件所有時)
- 管理委託費用(賃貸管理を依頼した場合)
- 固定資産税(毎年発生)
- 不動産取得税(物件取得時に一回だけ発生)
- 部屋の補修費用(賃借人の退去時)
- 外観の補修費用(一棟の物件保有時)
上記のように、投資用物件の種類によっても経費の項目は変わってきます。このような経費の項目、費用については事前に知っておく必要があります。
なぜなら、経費を知らないと前項の実質利回りが正確に計算できないからです。経費項目と金額については仲介会社や管理会社が提示してくれますが、抜け漏れがないように自分でも認識しておきましょう。
法令の遵守
投資物件を選ぶときには、法令の遵守も欠かせません。結論からいうと、法令を遵守しているかどうかは素人では判断が難しいので、信頼のおける仲介会社を見つけることが重要になります。不動産は、建築基準法をはじめとした色々な法令が関係します。
法令を遵守していない物件とは、たとえば以下のような物件です。
- 違法な増築をしている
- 隣家との境界が不明確になっている
- シェアハウスなのに建築用途を寄宿舎としていない
たとえば、アパートを一棟取得するとします。そのアパートは、前の所有者が建築した建物であり、建築後に地域の法令が変わりました。法令が変わったことで、新しい法令を適用するとそのアパートは違法建築になってしまうと仮定します。
その場合でも、既に建築済みの物件は取り壊しや改修の必要はありません。ただ、そのアパートを取得後に建て替えるときなどには同じ規模の建物は建築できません。このような点を知らずにアパートを取得して、増築や建て替えをしようと思っても、同じ規模の建物はNGなので収益計算に狂いが生じるということです。
選んではいけない要注意物件
投資用物件選びのポイントが分かったところで、次にその点を踏まえて「選んではいけない要注意物件」を紹介します。具体的に、要注意物件は以下のような物件です。
- 人が住みたがらない立地
- 耐震基準が古い
- 空室率が高い
総じて言えるのが、賃借人が住むのを嫌がる、もしくは何かしらの不安がある物件です。上記のような物件は、人気がないため価格が安いです。
価格が安いということは、利回りは高くなりやすいですが、その利回りは空室になればすぐに崩れる利回りです。そのため、いくら物件価格が安くても、上記の物件は要注意です。
人が住みたがらない立地条件はNG
人が住みたがらない立地とは以下のような立地のことです。
- 駅から遠い物件
- 商業施設が遠い
- 都心から遠い
駅から遠い物件
駅は毎日利用する人も多いので、駅から遠いというだけ大きなデメリットになります。基本的に車で移動するエリアであれば良いですが、そのようなエリアはごく一部でしょう。また、上述したように駅から遠いほど競合物件が多くなるので、投資用物件としてはマイナスです。
商業施設が遠い
商業施設が遠いと人が住みたがらない理由は、どのターゲットだとしても商業施設は必要だからです。たとえば、自然環境や公園という施設は、ファミリーの方は必要な施設かもしれません。しかし、単身の若い男性などは自然環境や公園は必要ないと思う人も多いでしょう。
一方、性別・年齢・家族形態に関係なく買い物はするので、重要度に違いはありますが、商業施設は全ターゲットで必須と言えます。そのため、商業施設から遠いと賃借人が付きにくいというわけです。
都心から遠い
都心から遠いということは、物件のニーズが低い可能性があります。賃貸物件に住む人は、定年退職をして悠々自適に過ごしている人より、今も働いている人の方が圧倒的に多いです。そして、そのような人達は都心外で働く人よりも、都心で働いている人の方が圧倒的に多くなります。
たとえば、都心3区と呼ばれている、千代田区・中央区・港区で働いている人の数は、平成28年時点で280万人を超します。一方、八王子市や立川市などを含め、28の市からなる東京市部は、28の市全部で154万人ほどです。これだけでも、都心ニーズが分かると思います。
つまり、都心から遠いということは、「都心に勤務している」という圧倒的母数の人達を取り込むのが難しいということです。言い換えると、都心に遠いと需要がブレやすく、空室率や家賃下落リスクが高くなるというわけです。
新耐震基準前の物件は要注意
建築基準法は時代に合わせて変わっていき、耐震についての基準も変わっています。その中で、1981年6月の改正は、耐震について非常に大きな改正であったため、それを境に旧耐震と新耐震という言い方をしています。
賃貸物件を探している人も耐震性を気にする人が多いです。今ではネットで検索すれば耐震性についてすぐ調べられるため、旧耐震・新耐震という言葉を知っている人は多いです。
そのため、たった1年築年月が違うだけで旧耐震になっている物件は、賃借人の評価は大きく下がるでしょう。また、仮に賃借人が気にしなかったとしても、旧耐震はリスクが多いため転売しにくいというデメリットもあります。
空室率が高い地域は避ける
不動産投資における最も大きなリスクは、家賃収入がゼロになってしまう「空室」の状態です。そのため、空室率の高い地域は、いくら利回りが良くても、いくら物件価格が安くても避けましょう。空室状態になれば収益はゼロなので、利回りの高さや物件価格の安さは意味がなくなってしまうからです。
地域の空室率のデータを見る方法としては、HOME’Sが提供する賃貸経営者向けのサイトが良いでしょう。こちらの空室率のデータを参考にしながら、近隣や都道府県ごとの違いをチェックしましょう。
見つけたらラッキーな穴場物件
一方、逆に見つけたらラッキーな穴場物件は以下のような物件です。
- 複数路線が交差している駅
- 大型商業地域ができる
- 主要駅から数駅離れている
上記の穴場物件に総じて言えることは、「人の流入が多い」ということです。つまり、需要が多いエリアになるので、賃借人が付きやすいというわけです。
複数の路線が交差している駅
いわゆるターミナル駅はニーズが高い駅なので、賃借人が付きやすいです。なぜなら、基本的な移動手段が電車という人が大半であり、ターミナル駅であれば色々な方向に行きやすいからです。そのため、転勤が多かったり、色々な場所に出かけたりする人のニーズにも応えられます。
また、路線が配線になることは稀です。つまり、ターミナル駅の路線が廃止になり単線の駅になるリスクは非常に小さく、それ故にターミナル駅の価値は落ちにくいというわけです。
大型商業地域ができる予定の地域
上述したように、商業施設というのはどのようなターゲットからもニーズが高いです。そのため、大型商業施設の誘致が予定されているエリアなどは、ニーズが一層高まるという期待が持てます。また、大型商業施設ができるということは、そのエリアに人が流入してくるため、ほかの商業・医療などの施設も増えます。
さらに、大型商業施設は前項の「路線の廃止」ほどではありませんが、移転したり廃業したりすることは少ないです。もちろん、そのリスクはありますが、それ以上に大型商業施設があることで受けられる恩恵の方が大きいでしょう。
主要駅から数駅離れた小さな駅
意外と穴場なのは、主要駅から数駅離れた小さな駅です。その理由は、主要駅まで出れば利便性は高いので意外と便利なものの、主要駅ではなく小さい駅なので物件価格が安いからです。上述したターミナル駅最寄りの物件などは、利便性は高くニーズも高いですが、どうしても物件価格が高くなります。
一方、そのような主要駅から数駅離れた小さな駅は、その駅自体に魅力は少ないですが「電車に乗れば数駅で主要駅につける」という強みはあります。もちろん、その小さな駅にも最低限の商業施設などはある前提ですが、意外と穴場物件です。
初心者にありがちなミス
さて、物件選びで重視するポイント、および注意物件・穴場物件が分かったところで、不動産投資初心者にありがちなミスを紹介していきます。このミスを事前に理解しておくことで、物件選びをミスするリスクヘッジをしておきましょう。
自分が住みたい物件を選びがち
まず、最も多いミスが、先ほども少し触れた「自分が住む」という前提で物件を選んでしまうことです。投資物件を選ぶときには、以下の要素を意識しましょう。
- ターゲット選定
- 何を重視するか?
- 長い期間住まない場合もある
ターゲット選定
まず、自分以外の第三者が住むので、ターゲットを選定しましょう。順番は以下です。
- 家族数
- 家族形態
- 嗜好性
まずは、単身なのか2人暮らしなのか、ファミリーなのかという家族数です。次に、共働きなのか専業主婦なのか、子供が就学児童なのか、働いているのかという家族形態になります。これらを想定するには、競合物件と周辺環境を見ましょう。
競合物件に1Rなどのコンパクトな部屋が多いエリアであれば、恐らく単身者が多いエリアです。たとえば、世田谷区の閑静な住宅街よりも、ターミナル駅近の雑然としたエリアの方が1Rは多いはずです。それは、周辺環境的に「静かさ」を求めるか「利便性」を求めるかで決まります。
また、同じ家族数・家族形態でも嗜好性は異なります。たとえば、東京都練馬駅と東京都渋谷駅では、街の印象は全然違います。練馬駅は、居住性を求めている人が多く、渋谷駅は利便性を求めている人が多いです。
初心者の方は自分が住む前提で考えがちなので、このようにターゲットを明確にして、どのような人が住むか?をイメージしましょう。
何を重視するか?
たとえば、あなたが男性であれば、女性単身の方とは重視するポイントは違います。性別ではっきり分かれるわけではありませんが、女性単身の方が「治安面」「住環境」「防犯面」などを重視するケースが多いでしょう。その視点がないと、女性単身がメインのエリアなのに「防犯性が低い物件」を選びかねません。
そうなると、その物件の利回りがいくら高くても、空室率の高い物件になってしまいます。これは逆のパターンもあり、男性単身がメインなのに、防犯面は無駄に強化しているせいで価格の高い物件を買っても、あまり費用対効果はありません。
長い期間住まない場合もある
そして、「自分で住む」という視点かつ、「購入する」という視点は一番避けなくてはいけません。分譲マンションや一戸建てを購入したことがある人が陥りがちですが、その人は「永住する」前提で考えることが多いです。しかし、投資用物件ということは賃貸物件なので、そこに永住する想定の人は少ないでしょう。
永住前提で考えてしまうと、「階数」や「眺望」「築年数」などにこだわりを持ちすぎてしまいますが、賃貸を探している人はさほど重要視していないかもしれません。そのため、自分が住むわけではなく、かつ「賃貸する」という視点で物件探しをしなければならないのです。
表面利回りに惑わされがち
次に多いミスが、表面利回りに惑わされがちという点です。上述したように、表面利回りとは「年間賃料収入÷物件取得費用」で計算しました。表面利回りの問題点は、年間の経費(支出)を加味していないという点でしたね。しかし、この利回りは以下の要素で、いとも簡単に崩れます。
- 空室
- 家賃下落
- 経費のブレ
もちろん、上記の要素は年間経費(支出)を加味した実質利回りにも同じことが言えます。ただし、実質利回りはまだ年間経費を想定しているので、上記3点が起きたときもブレが小さいです。
しかし、表面利回りだとブレが大きくなるので、物件選びのときには表面利回りの数字に惑わされないようにしましょう。投資物件は表面利回りを表記していることが多いですが、表面利回りは見なくても良いくらいの指標です。
物件の種類
さて、ここまである程度投資用物件の選び方が分かったと思います。とはいえ、投資用物件には色々種類があるので、物件選びのポイントは分かっても、どの種類の物件に投資すべきかが分からない人も多いです。そのため、次は物件の種類と、その特徴について解説していきます。
区分所有か一棟物件か
まずは、区分所有するか、一棟物件を所有するかの二択で考えましょう。どちらが良いというよりは、それぞれの特徴を理解し、どちらが自分に向いているかで考えることが重要です。
区分所有
区分所有とは、たとえば「マンションの一室」や「アパートの一室」など、集合住宅の一室を所有することです。区分所有は比較的初心者向けの投資と言えますが、リスクもあるので注意しましょう。
安くて始めやすいがリスクもある
区分所有は、一棟ではなく一室を所有するので、価格が安く投資を始めるハードルは低いと言えます。一方、以下の点がリスクと言えるでしょう。
- 空室がダイレクトに影響する
- 修繕計画が自由に行えない
まず、区分所有は一室しか所有しませんので、その部屋が空室になった時点で家賃収入はゼロです。この「リスク分散ができない」という点が、区分所有で不動産投資するリスクになります。
また、区分所有ということは、そのマンション自体の修繕計画は予め決まっています。企業や個人がオーナーの物件なら、その個人やオーナーが修繕計画を決めるので、内容や修繕費用に口出しはできません。新築マンションなども管理組合が主導するので、個人の意見は反映されにくいのです。
このように、区分所有は小さな投資なので始めるハードルは低いですが、建物自体を保有しているわけではない点はデメリットと言えるでしょう。
ワンルームは特に安いが物件選びの失敗が命取り
最も始めるハードルが低い投資は、ワンルームの区分所有でしょう。理由は、最も価格が安い物件だからです。都内の駅近物件だとしても、ワンルームなら1,000万円を切る物件はザラにあります。しかし、そのようなワンルームマンションは、収益が低いという点に注意しましょう。
もちろん、取得費用も低いので収益が低い点は当たり前です。しかし、収益が低いということは、赤字転落しやすいということでもあります。たとえば、700万円のワンルームを購入して「年間家賃120万円(月10万円)-年間経費80万円」で、税引前の利益が40万円だとします。
この場合、利回りは5.7%(40万円÷700万円)なので悪くない数字と言えます。しかし、2カ月空室が続いただけで収益は半減しますし、経費が+20万円かかっても収益は半減します。
つまり、収益額が低い分、空室や経費増額をすると、すぐに低収益物件、もしくは赤字物件になってしまうというわけです。仮に、年間収益が20万円なら、利回りは2.8%という低さです。
ファミリータイプはターゲットが幅広い
一方、ファミリータイプをターゲットにした物件は、幅広いターゲット層になります。たとえば、2LDKは3人家族にも対応できますし、子供が小さければ4人家族にもニーズがあるでしょう。また、広々とした部屋が好きな夫婦や、近い将来子供を作ろうとしている夫婦もターゲットになります。
ワンルームだと、ターゲットは単身者だけになりますが、ファミリータイプの場合はこのようにターゲットの幅が広くなるのです。
一棟物件
次に一棟物件の解説をします。一棟物件とは、区分ではなく建物ごと一棟で所有することです。最もメジャーな一棟物件は「アパート経営」が挙げられるでしょう。ほかにも、小規模なマンション経営なども一棟物件になります。
高額だが資産形成には早道
一棟物件は区分物件よりも高額になります。一棟物件の場合は、自分で建築する方法もありますが、それよりも中古の一棟物件を購入する方が低額です。いずれにしろ区分物件よりは高額になりますが、以下の理由で資産形成はしやすいと言えます。
- 賃料が高い
- リスク分散できる
まず、一棟だと複数の部屋を所有するので、賃料の総額は区分所有よりも高くなることがほとんどです。また、空室になってもほかの部屋の賃料収入でカバーできます。仮に、同じ賃料の部屋を10部屋運営していて、仮に1部屋空室になっても売り上げが10%落ちるにすぎません。
そのため、上述したように区分所有のリスクである、「空室」「経費増額」時の大幅な収益下落というリスクが小さいのです。
木造は低額で小規模投資が可能
小規模のアパートであれば、木造建築でも可能です。不動産には、大きく分けてSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、RC造(鉄筋コンクリート造)、S造(鉄骨造)、木造の4種類があり、木造が最も定額になります。
木造は耐久性の問題で小規模の物件しかできないため、木造の一棟物件を選べば、必然的に低額な小規模投資になるというわけです。この点は、区分所有よりは金額が上がるものの、なるべく費用を抑えることができるので、初心者にも向いていると言えるでしょう。
耐用年数が長い鉄筋コンクリート造は長期借入がしやすい
一方、RC造(鉄筋コンクリート造)は主にマンションで利用されます。マンションになるので取得金額も上がりますが、以下のように耐用年数が長いので、RC造の方が借入しやすくなります。
- 木造:20年
- S造:19~34年(鉄骨の厚さによる)
- RC造・SR造:47年
上記のように、鉄筋コンクリート造は圧倒的に耐用年数が長いので、融資する側の金融機関からの担保評価が高くなります。そのため、長期借入もしやすいですし、借入額も高額にできるというメリットがあります。
中古か新築か
さて、次に中古か新築かという点です。これも一長一短なので、どちらが良いというよりは、どちらが自分の投資スタイルに合っているかで判断しましょう。
中古物件
中古物件の特徴は、新築よりも利回りが高くなりやすいという点です。この点はメリットになりますが、逆にデメリットとしては「室内の確認ができない」という点が挙げられるでしょう。
新築よりも利回りが高くなる
中古の方が新築よりも利回りが高くなりやすい理由は、新築は価格が高いからです。新築マンションは、「住んだ瞬間価値が10%落ちる」と言われるほど、プレミアム価格が上乗せされています。しかし、賃貸の場合には、新築だからいって大して家賃を高く設定できません。
たとえば、築1年の物件と新築物件があったとします。仮に、この2つの物件が全く同じ条件であれば、家賃はどのくらい違うでしょうか?もし、この物件の取得価格に10%の違いあった場合には、賃料も10%違わないと採算が合いません。
しかし、築1年の物件の家賃が12万円で、新築が10%アップの13.2万円であれば、築1年の方を選ぶ人が多いのではないでしょうか?10%高い新築に住んでも、次の年には築1年になります。そして、賃料は基本的にしばらく変わらないので、5年住めば5年間10%高い家賃を支払い続けます。
金額にしたら、5年間でなんと72万円です。このように、新築と中古は取得価格が大きく異なるものの、投資物件で見たときにその差を賃料に反映させるのは難しいのです。その結果、中古物件の方が利回りは高くなりやすいというわけです。
室内を直接確認できない場合も。物件状況に要注意
一方、中古物件ということは、既に入居者がいるケースが多いです。入居者がいる状態では、基本的に室内の確認をせずに売買契約を交わします。そのため、「予想以上に室内が劣化している」などのケースが考えられ、その場合は物件価格に見合わない買い物になってしまうリスクがあるのです。
この点は、中古物件のリスクとして受け入れ、補修費用高めに見積もっておくなどで対策しておきましょう。逆に、入居者がいないということは、室内の確認はできるものの「空室の状態」を引き継ぐことになります。空室がしばらく続けば収益はゼロなので、むしろそのケースの方がリスクは高いと言えるでしょう。
新築物件
一方、新築物件は「融資が通りやすい」というメリットがあり、不動産会社が「瑕疵担保責任を負う」という点も安心できる材料と言えるでしょう。
利回りが低くても融資の審査が通りやすい
先ほど言ったように、中古に比べると新築は利回りが低くなりがちです。しかし、新築の方が担保評価は高くなるので、融資の審査が通りやすいというメリットがあります。
融資の審査が通りやすければ、借入額も高額にできるのでレバレッジ効果が得られやすいです。つまり、新築物件の方が少ない初期費用で、資産価値の高い不動産を取得できるというわけです。
不動産会社が責任を負うので安心
新築物件は、宅建免許を取得している不動産会社が売主になります。不動産会社が売主の場合には瑕疵担保責任を不動産会社が負います。瑕疵担保責任とは、建物に欠陥があったときに、補修などの義務を負うことです。
中古物件の場合にも瑕疵担保責任はありますが、売主保護の観点から「引渡しから1年間」など期限を決める場合がほとんどです。一方、新築物件であれば床や屋根など主要構造部分は10年、さらに設備も不動産会社が各々設定した期間で責任を負ってくれます。
物件の探し方
最後に、物件を具体的に探す方法として、以下の方法を解説していきます。
- 自分で探す
- ネットの不動産サイトの利用
- 折り込み広告や雑誌を活用する
不動産投資は物件選びが重要であり、その物件選びは情報量が大事になります。そのため、上述した点を押さえながら、以下の方法でたくさんの情報を集めましょう。
自分で探す
自分で探すとは、不動産会社が開催するセミナーに参加するなどのことです。また、エリアが決まっているのであれば、そのエリアの土地を歩いてみるのも良いでしょう。たとえば、駐車場があり、その土地にアパートを建築したいと思ったとします。
その場合は、その駐車場を管理している不動産会社に連絡をして、仮にそのオーナーが売りたいと思っていたら売買が成立するかもしれません。このようなことは少ないですが、ネットやチラシにはない自分で探した情報は貴重です。
インターネットの不動産サイトを活用する
次に、インターネットの不動産サイトで物件探しをする方法です。ネットの不動産サイトには情報が豊富にありますし、エリアや利回り、価格で検索することができます。そのため、物件「量」としては、一番効率の良い情報収集方法と言えるでしょう。
インターネットで物件探しをするときは、とにかく多くの情報に触れることをおすすめします。というのも、地域や物件種類で絞り、その地域の物件を見ていると、何となく相場観が養えるからです。
また、異常に利回りが高い物件や、極端に価格が安い物件は詳細を見てみましょう。そうすれば、なぜ利回りが高いか、なぜ安いかが分かってきます。
新聞の折り込み広告や、不動産雑誌を活用する
また、新聞の折り込みや投函チラシ、不動産雑誌なども良い情報収集のツールです。ネットの不動産サイトでは多くの物件が掲載していますが、物件掲載は有料であることが多いので全ての物件が掲載されているわけではありません。
特に、たくさんの不動産を所有している地主などは、懇意にしている不動産会社だけに仲介を依頼するケースが多いです。その場合、ネットなどには露出せず、地元の不動産会社経由で集客を図るというパターンもあります。
そのような物件はチラシや雑誌でしか発見できず、意外と掘り出し物件が掲載していることがあるのです。また、地元に投函されるチラシなどを毎回見ることで、価格の変化や設備・仕様の傾向なども、段々と頭に入ってきます。
不動産会社から紹介してもらう
ほかにも、不動産会社に問い合わせて、直接物件を紹介してもらうこともできます。ある程度、エリアや物件種類に目星がついたら連絡してみると良いでしょう。不動産会社に直接問い合わせることで、ネットやチラシに掲載される前の情報を知ることもできます。
ただし、そのためには不動産投資に対しての本気度が高まっている必要があるので、上述した手段で情報収集してから問い合わせた方が良いでしょう。そこから、不動産会社と信頼関係を築くことができれば、いち早く物件情報を回してもらえるかもしれません。
まとめ
このように、投資物件には色々と注意点もあり、物件選ぶ際のポイントもあります。また、不動産投資といっても、物件種類によっても特徴があり、自分の投資スタイルに合わせた投資をしなければいけません。ぜひ上述した点を踏まえ、物件種類を選定して情報収集をしてみくてださい。
最後に、初心者が不動産投資について学ぶには情報収集が大切です。
たった1分の申し込みで複数社の比較ができるOh!Yaの一括資料請求を是非活用しましょう。