投資不動産探しの決定版!巡回必須の優良ポータルサイト10選
情報化が進み、インターネット上で手軽に投資不動産の情報を収集できるようになりました。
今回は、投資不動産を探す際に活用したい定番ポータルサイトの情報や、物件選びに役立つ基本知識。不動産投資を勉強する上で押さえておくべきポイントなどを解説していきたいと思います。
投資不動産を探すなら!おすすめポータルサイト一覧
インターネットが普及する前は、不動産会社に直接出向いたり、セミナーなどに参加して、人づてで物件を探していました。
しかし現在は、自身の要望に合う物件をネット検索で探し、ある程度情報を仕入れた上で詳細な資料を請求。物件についての諸データを把握した上で不動産会社に赴く場合が多いです。
情報量が多すぎる、というのがデメリットですが、逆にその情報をうまく選り分けることができれば、非常に効率的に投資不動産を探すことができます。
以下に、インターネット上で収益物件を探す際に知っておきたい、定番のポータルサイトを紹介します。
楽待
画像引用元:楽待 - 利用者数No.1 不動産投資の総合情報サイト
<掲載コンテンツの例>
- 不動産投資を始める方へ…不動産投資のメリット・デメリット、流れ、投資家インタビューなど、基本情報の解説コンテンツ。
- 楽待不動産投資新聞…物件購入から融資、管理、出口戦略など、投資不動産に関する諸情報を網羅したウェブ新聞。
- 不動産投資セミナー…日本国内の不動産投資会社が現在開催している不動産投資セミナーの情報一覧。
- 収益物件を種別から探す…物件の種類別に投資不動産を検索できる。
- 全国の収益物件情報…エリア別に国内の投資不動産を検索できる。
楽待は、東証一部上場の大手企業、株式会社ファーストロジックが運営している投資不動産のポータルサイトです。
日本最大級の掲載物件数、利用者数を誇っており、不動産投資の入門書などにおすすめの情報ソースとして採り上げられることも少なくありません。
また、物件情報に限らず、不動産投資に関する幅広い情報を網羅しているのも同サイトの特徴。不動産投資とは、という基本的な知識から、セミナー情報、欲しい物件を募集できるサービス、売却のための一括査定サービス等々、ワンストップで不動産投資におけるさまざまな疑問・悩みに対応しています。
健美家
画像引用元:不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)
<掲載コンテンツの例>
- 収益物件を物件タイプから探す…区分マンション、一棟、賃貸併用等、種類別に投資物件を検索できる。
- 注目の都市から探す…主要都道府県や、規模の大きい市区などから、効率的に投資物件を検索できる。
- 地域で探す…首都圏、関西圏等、より大きなエリア別に投資物件を検索できる。
- 不動産投資を学ぶ…セミナーやコラム、ニュース等の基本情報を参照できる。
- 収益物件を売る…主要な不動産会社に一括査定を依頼できるコンテンツ。
楽待と並んで、投資不動産のポータルサイトとして高い知名度を誇るのが健美家です。運営元は、2004年創業の健美家株式会社。
物件情報以外に、投資不動産について学べる解説コンテンツや、セミナー情報などもまとめられています。2018年12月現在では、月間56万人の投資家がアクセスしているとのことで、多くの投資家から支持を得ていることが伺えます。
また、不動産投資家に対する意識調査なども実施。投資家が感じている融資環境の変化や、自己資金の割合、使われている金融機関の種類など、気になる統計情報が紹介されているのも特徴的です。
不動産投資連合隊
画像引用元:【不動産投資★連合隊】全国の収益・投資物件検索
<掲載コンテンツの例>
- 物件を売りたい・買いたい…物件検索や無料査定、収支シュミュレーション等がまとめられている。
- 不動産を学びたい…セミナー情報の一覧や、学習用のコラム、各種統計情報をまとめたリサーチコンテンツなど。
- 不動産会社・法人の方…物件情報の掲載について、集客用HP制作に関するコンテンツ。
不動産投資連合隊は、株式会社ラルズネットが運営するポータルサイト。「インターネットで不動産住宅情報をコンサルティング」というコンセプトで立ち上げられたもので、オーナーや仲介業者問わず、不動産投資関係者に幅広く役立つコンテンツが網羅されています。
物件検索や利回りランキングといった、投資物件のポータルサイトに求められる基本機能を押さえつつ、掲載物件の利回りの相場情報や、国勢調査報告、累計人口等を参照した統計情報のグラフ化コンテンツ。会員投資家へのインタビュー記事など、ユニークな情報が多数紹介されています。
ノムコム・プロ
画像引用元:不動産投資・収益物件、投資用不動産ならノムコム・プロby野村不動産アーバンネット
<掲載コンテンツの例>
- 収益物件検索…物件の種類別に投資不動産を検索できる。
- おすすめ情報…査定・売却サービスのページや提携投資ローンの紹介ページ。ほか、コラムや意識調査など。
野村不動産アーバンネット株式会社が運営する、投資不動産の情報ポータルサイトです。姉妹サイトに、総合不動産情報ポータルサイトの「ノムコム」、事業用不動産に特化した「ノムコムBIZ」があります。
ノムコム・プロの特徴は、物件紹介に留まらない、きめ細かいサービス。
たとえば資産運用&相続コンシェルジュでは、同社の資産コンサルティング部門が、豊富な不動産売買実務経験に基づいて、利用者一人ひとりのシチュエーションに合わせて最適な資産運用方法を提案。
不動産投資の初心者はもちろん、すでに運用中の物件がある場合でも、キャッシュフローを改善するための効果的なコンサルティングを実施してくれます。
アットホーム投資
画像引用元:不動産投資・投資物件サイト「アットホーム 投資」
<掲載コンテンツの例>
- 投資向け物件を探す…物件の種類別に、投資不動産を検索できる。
- 投資コラム…不動産投資に関するよくある疑問や、投資事例などがまとめられている。
- 不動産一括査定依頼…アットホーム投資が提携する5社に一括査定が依頼できる。
1967年に創業し、現在では主に賃貸・売買に強い総合不動産会社として不動の地域を獲得しているアットホーム。その投資部門のポータルサイトが、アットホーム投資です。
賃貸版のサイトと比べると情報量は少ないですが、利回り15%以上の物件特集や、ファイナンシャルプランナーが解説する不動産投資のハウツー情報など、要注目なコンテンツを無数に用意。
ほか、用語集や不動産資金計算シミュレーション・ツールなど、これから不動産投資をはじめようと考えている人に役立ちそうなページが完備されています。
東急リバブル投資用
画像引用元:【東急リバブル】不動産投資・投資用物件の購入
<掲載コンテンツの例>
- 建物検索/土地検索…投資用物件が検索できる。
- 当社オリジナルブランド…東急リバブルの自社ブランドマンションの紹介。
- あんしんのワンストップサービス…東急リバブルの賃貸管理サービスの紹介。
- おすすめサービス…投資家向けの各種支援サービスの紹介。
不動産賃貸の大手、東急リバブルが運営する投資不動産のポータルサイトです。
オリジナルブランドのマンションをはじめ、多種多様な居住用不動産、事業用不動産の情報を網羅。利回り別ランキングや、初心者向けの不動産投資ガイド。収益シミュレーションなど、お役立ちコンテンツが多数用意されています。
賃貸大手だけあって、賃貸管理サービスを提供しているのも特徴。首都圏に築いた盤石な仲介ネットワークをベースに、効率的に入居者を募集。初心者向けの空室賃料保証サービスなども用意し、利用者一人ひとりのニーズに合わせたきめ細かいサポートを提供しています。
住友不動産販売
画像引用元:不動産投資|投資用不動産、収益物件なら住友不動産販売へ
<掲載コンテンツの例>
- 投資用物件を探す…エリアから投資物件を絞り込める。
- 物件特集…利回り10%以上や、築5年以内等、さまざまな切り口の物件特集。
- 新着の投資用物件…市場に出回って間もない投資物件の紹介ページ。
- 不動産投資に関するお役立ちコンテンツ…不動産投資のメリットや、専門家によるコラム等がまとまったコンテンツ。
住友不動産販売の、投資用不動産ページです。種類・地域・価格・利回りの4つの項目から物件を絞り込んで検索することができます。
業者横断型の物件情報サイトと比べると紹介物件数は少ないですが、住友不動産販売自身がプレイヤーである分、ワンストップで賃貸サービスやコンサルティングサービスを受けられるというメリットも。
また、解説されている不動産投資情報の質も高く、物件探しだけでなく勉強のためにも、定期的に覗いておきたいサイトの1つです。
LIFULL HOME’S 不動産投資
画像引用元:不動産投資[マンション経営・アパート経営]で資産運用【LIFULL HOME’S 不動産投資】
<掲載コンテンツの例>
- 収益物件を探す…さまざまな切り口で物件情報を検索できる。
- 不動産投資セミナーを探す…物件タイプやテーマからセミナー情報を検索できる。
- LIFULL HOME'S 不動産投資のサービス…LIFULL HOME’Sが手掛ける不動産投資サービスの紹介。
賃貸物件の大手情報サイト、ライフルホームズの投資版です。
諸条件を細分化して物件情報を紹介しており、検索性の高さに要注目。また、投資セミナーの一覧や、賃貸経営に関する基礎コンテンツが充実している点も、同サイトの特徴です。
単純な投資ノウハウにとどまらず、パートナー企業の特集や、成功している投資家の体験談、プロ目線から分析した今後の不動産投資市場の動向など、読み応え十分なコンテンツが豊富に用意されています。
ほか、ライフルホームズが手掛ける各種サービス(仲介・売却・建築・リノベーション等)についても併せて紹介されており、基本知識を踏まえた上で、自身に最適なサポートを選ぶことができます。
三井不動産リアルティ
画像引用元:不動産投資・収益物件・投資用不動産 | 三井不動産リアルティ
<掲載コンテンツの例>
- 買いたい/売りたい…物件検索や購入・売却のサービス紹介ページ。
- コンサルティング・メニュー…資産の組み換えや相続対策サポート等のコンサルティングサービスの紹介ページ。
- 価格査定…売却査定や価格シミュレーションサービスの紹介ページ。
- お役立ち情報…不動産投資に関する基本知識やセミナー情報等の紹介ページ。
総合不動産会社、三井不動産リアルティ株式会社が運営するサイトです。
一棟マンション、一棟アパートなど、比較的規模の大きい物件を中心に取り扱っています。やはり物件数は少ないですが、総合不動産会社だけあって、物件選びから管理・運営までをワンストップで依頼できるのが強み。
また、不動産投資に留まらず、相続対策や資産の組み換え、家族信託・後見人サポートなどなど、関連する幅広い悩みにトータルで応えてくれる点にも要注目でしょう。
ケン・コーポレーション
画像引用元:事業用・投資不動産|事業用・投資不動産・オフィス|KEN ケン・コーポレーション
<掲載コンテンツの例>
- 事業用・投資物件を探す…投資不動産の一覧ページ。
- 賃貸中の投資用物件特集…すでに部屋が埋まっている投資不動産の特集。
- KENのワンストップソリューション…同社のサービス紹介。
- 不動産コラム…主に横浜にフォーカスした不動産コラム。
ケン・コーポレーションは、東京・横浜を中心に、高級不動産を取り扱っている不動産会社。紹介されている物件も最低1億円前後で、富裕層に特化したサービスを提供しています。
都内で1万3,000戸以上、80棟以上のレジデンス、150棟以上のオフィスビルを管理する総合不動産会社で、その豊富なノウハウをベースに、質の高い不動産経営をプランニングしてもらうことができます。
投資不動産の特徴と選び方のコツ
一口に投資不動産と言っても、その種類は多種多様。基本的な知識を持っていないと、どれを選んだからいいのか迷ってしまうことでしょう。
以下に、投資不動産を選ぶ際に知っておきたい物件の特徴をまとめてみました。これから不動産投資を始めようと考えている方は、ぜひ参考に目を通してみてください。
所有形態
所有形態とは、文字通りその不動産をどういう形式で持つのか、ということ。大きく分けると、マンションやアパートの一室を購入して所有する区分と、一棟まるごとを購入する一棟物の2パターンがあります。
区分(ワンルーム)
区分の特徴は、初期コストを押さえられるということ。中古であれば、100万円ほどの自己資金があれば、フルローンで不動産投資を始めることができます。
また、オーナーの権利が及ぶのは室内(壁の内側)のみ。建物全体の管理等に掛かるコストは、その建物に部屋を持つオーナー全員で折半という形になります。一棟に比べると、運用に掛かるコストも低く抑えられます。
売却する場合も、物件価格が低い分、買い手が付きやすいなど、さまざまな点で初心者向きの特徴を持っています。
一棟
一棟物件を運用する場合、初期コストが大きくなりますが、その分得られる家賃収入が大きくなるというのがメリット。
また、キャッシュフローが見込める物件であれば融資を受けやすく、自己資金が少なくとも、レバレッジを効かせた運用を行うことができます。
建物に関する自由度も高いため、自分なりの不動産投資に関するノウハウを落とし込み、バリューアップを図ることも可能。相応の知見と覚悟を求められますが、不動産投資の醍醐味を味わうことができます。
構造
投資不動産の代表的な構造は、木造、鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)の3つです。構造の種類によって、物件の価値や取るべき投資戦略が変わってきますから、それぞれの違いについてもぜひ押さえておきたいところです。
木造
木造のメリットは、建築コストが低い分、物件価格もリーズナブルである点。また、加工しやすいため、後から間取りに手を入れる場合の自由度も高くなります。
ただ、鉄骨やRCに比べて劣化しやすいため、20~30年以上のスパンで運用していくつもりなら、相応のメンテナンスコストは覚悟する必要があるでしょう。
鉄骨
鉄骨のメリットは、強度が高いという点。また、窓や空間を広く取ることができるため、開放的な内装を実現できるという点などが挙げられます。
一方のデメリットは、自由度の低さ。仮に後からリノベーションを施したくなったとしても、実現できる間取りはある程度制限されていまいます。
RC
RCのメリットは、耐久性の高さ。風雨はもちろん、火災にも強く、時を経ても資産価値が減りづらいという特徴があります。また、防音・断熱に優れるほか、自由度の高い設計が可能であるため、デザイン性に優れる建物が多い点にも要注目です。
デメリットとしては、物件価格が高い点。また、最初に大きい空間を取った間取りでないと、リフォームやリノベーションをする際の自由度が低いことなどが挙げられます。
築年数
賃貸物件を探す際、築年数を重視するという人は少なくありません。空室対策において、築年数は非常に重要な要素の1つと言えます。
しかし気をつけたいのが、一概に新築の物件を選ぶべきというわけではないということ。場合によっては、中古の方が割の良い投資となることもあります。以下に、新築・築古・中古、それぞれの特徴をまとめます。
新築
新築=空室が埋まりやすい、という傾向があることは間違いありません。ただ気をつけたいのが、利回りです。
たしかに部屋は埋まりやすいかもしれませんが、新築物件の場合、集客するためのコストが物件価格に上乗せされます。中古物件の場合は、間に仲介会社が入っているとはいえ、売り主は一般の投資家であることがほとんど。
一方、新築物件の場合は、デベロッパーが売り主です。自社で営業を掛けるにせよ、営業専門会社に委託するにせよ、物件価格に相応の利益を載せなければ商売になりません。
そのため、一般に中古より新築の方が、割高である傾向にあります。きちんとキャッシュフローをシミュレーションしておかないと、手取りが極端に少なくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
中古(築古)
投資物件というのは、一般に中古ほど利回りが大きくなる傾向にあります。
利回りを算出する数式は、「1年分の家賃収入÷物件価格」。ほとんどの場合、家賃の下落幅より物件価格の下落幅のほうが大きくなります。相対的に分母が小さくなるわけですから、新築よりも利回りが高くなる、というわけです。
気をつけたいのが、表に出ている利回りは簡便のために経費を考慮していないという点。また、空室リスクなども想定していないため、期待した利回りが確実に得られるわけではない、ということです。
築20年以上の一棟アパートを購入し、リフォームしてバリューアップ。高利回りで運用して初期投資分を回収する、というような戦略を採る投資家もいますが、これには相応のノウハウが必要です。
初心者のうちは、新築、ないし築浅の物件を購入し、不動産投資のイロハを掴むのがおすすめです。
エリア
日本では、今後も高い確率で人口減少が続きます。人口と賃貸需要には相関関係がありますから、これから投資不動産の購入を考えるなら、人口が増え続けているエリアを中心に物件を探すのがおすすめです。
大都市
日本の人口は減少の一途ですが、東京をはじめとする大都市の主要な市区の中には、人口を増やしているところが少なくありません。
そのため、そういった大都市にある賃貸需要の見込めるエリアから物件をピックアップしていけば、人口減による空室リスクを抑えることができます。
注意点は、やみくもに人気エリアを選ばないということ。人気エリアに住みたい若い層は、不況下で育ったこともあり、お金を使いたがらない傾向にあります。たとえ当人が住みたくとも、家賃と折り合いがつかなければ、諦められてしまいます。
そうなると、それまで人気エリアに物件を持っていたオーナーは、家賃を抑えてでも空室を埋めようとするでしょう。結果的に該当エリアの家賃相場が下がり、想定以上に利回りが小さくなってしまう可能性が考えられます。
空室対策を重視するあまり、手取り額が小さくならないよう注意が必要です。
地方
人口減少の背景がある以上、地方での不動産投資における空室リスクは、今後高まり続けることが予想されます。
しかし、エリアを吟味すれば、そうしたリスクを逆手に取った高利回りの不動産投資を行うことも可能。
賃貸需要が限られる地方では、優良物件とそうでない物件の差が顕著に出ます。隣接しているアパートがあったとして、片方は満室、片方は空室だらけ、というケースも少なくないのです。
事前にリサーチを綿密に行い、競合の中でも一際潜在的な魅力を持つ物件を見つけることができれば、高リスクがゆえの高利回りを存分に享受できる可能性があります。
あくまでも可能性の話ですが、いずれにせよ、物件の各属性をしっかり理解し、自身の予算や知識、性格といったものを総合的に考慮して、無理のない投資判断を下していくことが大切です。
投資不動産選びで押さえておきたい7つの疑問
投資不動産を選ぶ際に押さえておきたい知識は無数にあります。ここでは、とくに重要度の高いもの7つほどピックアップし、Q&A形式で見ていきたいと思います。
利回りは高いほど儲かる?
収益物件の参考情報として掲載されている利回りは、単純に「1年分の家賃収入÷物件価格」で算出したものです。
ある程度の目安にはなりますが、その物件に付帯するさまざまな条件(築年数や立地、内装、その他諸々)をチェックしてみないと、儲かるかどうかは判断できません。
たとえば、一般に新築不動産の価格には、新規客付け等の諸費用が上乗せされており、割高です。一方、中古物件の場合、資産価値は築年数分目減りしていますが、概ね妥当な価格で売りに出される傾向があります。
時間経過による下落の割合は、ほとんどの場合、家賃よりも物件価格の方が大きくなります。先の式で言えば、「1年分の家賃収入÷物件価格」の分子が小さくなる、つまり、利回りが高くなるというわけです。
利回りが高いということは、それだけ物件価格が安く見積もられていることを意味します。つまり、安くしないと買ってもらえない、空室リスクが高い物件と考えることができます。
このような理由から、高利回り=儲かる、とは一概には言えないわけです。
ネットで優良物件は見つけられない?
不動産投資でよくある噂の1つに、優良物件はネットに掲載されない、というものがあります。
しかしこれは、事実無根。オーナー側からしてみれば、広告チャンネルが多いに越したことはありません。売却を仲介している会社にしても、優良物件をプールしておくメリットはほとんどないでしょう。
もちろん、中には企業の会員等に対して、優先して物件を紹介する、というケースはあります。ただいずれにせよ、優良物件がネットに掲載されないということはありません。
オリンピック後に不動産市場が冷え込む?
不動産価値が東京オリンピック後に落ち込むのではないか、という不安が、ここ数年よく聞かれます。
日本不動産研究所が発表している統計情報によると、2018年~2022年までの市況見通しで、不動産投資家の過半数が2020年頃をピークと考えているという結果が出ています。
じっさいどうなるか断言はできませんが、多かれ少なかれ、東京オリンピックの影響を受けることは間違いないでしょう。
ただ注意したいのが、物件価格の下落まで購入を待つどうかの判断。増税が控えていますし、もし不動産市場が冷え込んだ際に、金融機関が融資審査を厳しくしないとも限りません。
トータルで見て損をしないよう、あらゆる角度から検証しておくことが大切です。
地方で不動産投資するのはリスクが高い?
日本の人口減少はおそらく今後も止まらず、都心への一極集中が続く見込みです。そのため、一般的には地方より都心を選んだほうが、空室リスクを抑えられるでしょう。
ただ、地方の物件では儲からないかと言うと、必ずしもそうとは限りません。単純に利回りが大きいから、という基準ではなく、きちんと戦略を持って物件選びをすれば、地方でも十分以上のパフォーマンスを発揮できるでしょう。
じっさい、地方でポテンシャルの高い物件を見極めて手を入れ、高収益を生み出している不動産投資家も一定数存在します。
もちろん、不動産投資に関する相応の知識は必要ですが、地方だからといって儲からない、ということはありません。
築年数が古い物件は買うべきではない?
「築年数が古い=悪」かというと、そうとも限りません。
古い物件ほど、家賃が低くなる傾向にあります。一見家賃収入が小さくなるように思えますが、同じように(またはそれ以上に)物件価格も下落します。一般に、中古物件ほど利回りが高い傾向があるのは、こうした背景があるからです。
管理・メンテナンスのコストを適切に織り込んで割安物件を購入できれば、割のいい投資となるでしょう。
もちろん、空室対策についてはっきりしたビジョンを持っていることが前提です。
たとえば、「入居者募集のノウハウを持った、信用できる業者に当たりを付けている」「該当エリアの人口増が続いていて、今後も一定の賃貸需要が見込める」といった、継続的に収入を得られる根拠を、できるだけたくさん持っておくのが理想です。
勉強せずに投資できる?
優秀なパートナー会社を見つけることができれば、勉強せずに不動産投資で安定収入を得ていくことは可能です。
とはいえ、投資は自己責任です。仮に運用に失敗してしまった場合、誰も助けてくれません。
不動産投資は軌道に乗れば手放しで運用できますが、軌道に乗せるまでには、相応の手間が必要です。
空室リスクが少なく、自身が納得できるだけの利回りが得られる物件をまず見極める必要がありますし、物件を購入するための融資戦略についても考えなければなりません。
また、管理を任せる業者選びについても、諸々のコストや委託内容を含めて総合的に検討していく必要があります。
最初から不動産会社に丸ごと任せてしまうのも良いですが、将来的に物件を拡大していくつもりなら、勉強は避けて通れません。
少額だといくらから投資できる?
最低限、500万円前後は用意しておくと安心です。
間に入っている不動産会社の信用や、物件にどれくらいのキャッシュフローが見込めるかにもよりますが、近年では頭金ゼロ円で融資を受けるケースも増えています。
もちろん、自営業だったり、貯金がまったくない場合は審査が厳しくなりますが、社会的な信用が相応にあれば、不動産投資を始めること自体は難しいことではありません。
ただ、全額を融資で賄う場合でも、購入にあたって発生するさまざまな費用は、負担する必要があるのが一般的。具体的に諸経費がいくら必要、と提示することは難しいのですが、概ね物件価格の10%以内に落ち着くことが多いです。
全額融資が受けられなかった場合のことも考えて、最低でも500万円前後は用意されておくことをおすすめします。
不動産投資の3つの勉強方法
不動産投資は、軌道にさえ乗ってしまえば手放しでも継続的な収入が得られる魅力的な投資です。
しかし、知識ゼロで継続的に収入を得られるような簡単なものではありません。業者1つ、物件1つ選ぶにせよ、自身に相応の知識がないと、損をしてしまう可能性があります。
ここでは、不動産投資の主な勉強法について紹介します。
独学
もっとも基本となるのが、独学です。インターネットが普及したおかげで、少し検索すれば不動産投資のような専門的な内容の情報であっても手軽に参照できるようになりました。
中には信ぴょう性の低いウェブサイトも存在しますが、複数の情報源を渡り歩くことで、投資判断の土台となる普遍的な知識をある程度まで身に着けることができます。
また、書籍を購入するのもよいでしょう。
書店で目ぼしい本に目を通すのもよいですが、こちらもウェブを活用して、不動産投資のカテゴリで読者が多く、かつ口コミ評価の高いものから中心にピックアップしていくのがおすすめ。やみくもに本を読むより、効率的に知識を吸収することができます。
まったく知識のない状態では、本の良し悪しを見極めるのも簡単ではありません。独学と言えども、数の力を使って、効率的に勉強を進めていくようにしましょう。
セミナー
ある程度知識を身に付けたら、セミナーに参加してみましょう。
もちろん、いきなりセミナーを受けてみるのもいいですが、せっかく不動産投資のプロと話ができる機会なのですから、事前にある程度知識を蓄えておいて、覚えた内容を補強したり、不明点を質問できるようにしておいた方が、勉強の効率が高まります。
昨今は、参加費無料で、初心者歓迎のセミナーを開催している会社がたくさんあります。セミナーの情報をまとめているサイトもありますから、自身の興味を引くテーマのものを中心に、複数参加してみるというのも手です。
勉強会
SNSが発達して、投資家同士が手軽に情報交換をできるようになりました。
どのようなこともそうですが、自分で手を動かしながら学んだノウハウと、自分以外の同好の士が持つ知見を擦り合わせることで、よりスキルをブラッシュアップすることができます。
不動産投資のように、選択する戦略が多岐にわたる分野では、自身の投資の指針を定めるのも一苦労です。なるべく多くの戦略を蓄え、自身に最適の投資手法を確立するためにも、積極的にほかの投資家と関わっていきましょう。
まとめ
不動産投資は、間口が広く、奥が深い投資分野です。
ある投資家が旨味がないと見放した物件でも、別の投資家の手に掛かって、多くのキャッシュを生む魅力的な物件に変身する可能性があります。
培ったノウハウや自身のアイディアによって、多種多様な投資戦略を採れるのが、不動産投資の醍醐味です。
もちろん、動くお金が大きいだけに、安易な投資判断は禁物。最初は信頼できるパートナー会社を見つけ、初心者向けの低利回り、低リスクの物件から手を付けられることをおすすめします。