【最新版】不動産投資の種類一覧と収益物件の見分け方
「不動産投資を始めたいけれど、結局どんな物件を購入したらいいの?」 「不動産投資は購入物件の種類によって、利益が大きく…?」
不動産投資は資産価値の下落が起きにくく、長期にわたって安定した利益を得られるところに特徴があります。しかし不動産といってもその種類は多岐に渡ります。
単身者用の住宅もあれば、企業のオフィス用物件、商業施設用物件もあります。そして物件の種類により、具体的な不動産投資の効果は異なります。
そこで今回の記事では、不動産投資における収益物件の種類について解説します。また代表的な以下の4つの収益物件について、具体的な利回り、築年数および注意点を紹介します。
- 一棟マンション
- 一棟アパート
- 区分マンション
- 戸建て
実際に収益物件のデータを見ながら、それぞれの物件が持つ特徴を理解してください。この記事を読むことで、不動産投資に際してあなたの投資計画に合った種類の物件を選ぶことができるようになります。
収益物件をチェックするための前提知識
ここでは具体的な収益物件の種類による違いを知る前提となる知識について解説します。路線価や公示価格については馴染みのない言葉かもしれないため、ここでしっかりと理解しておきましょう。そうすることで、収益物件の種類の夜違いをより深く知ることができます。
近隣地域の路線価と公示価格
不動産投資を始める際には不動産を購入することになりますが、そのときに必ずチェックしたいのが路線価と公示価格です。路線価および公示価格はどちらも国が不動産売買の参考値として出している数字となります。それぞれ以下の意味となります。
路線価
路線価は「この道路に面した土地は1平あたり●●●千円」と決めているものです。以下では具体的に路線価を見てみましょう。
参照元:平成30年,財産評価基準書,路線価図,評価倍率表,国税庁,
道路に沿って細かく「●●●千円」と指定されていることがわかるはずです。大きな道路に面する土地は高く、小さな道路に面する土地は安くなっていますね。単位は「千円」です。
このように路線価は不動産売買の際に参考となるものですが、路線価自体はあくまで国が参考値として定めるものにほかならず、実際の売買価格となるものではありません。しかし路線価を利用して大体の売買価格を予想することができます。
市場における不動産は路線価の1.4倍程度の値段で取引されることが多いのです。投資用物件を購入しようとする際は、路線価をチェックすることで販売価格が適切か否かについて一定のヒントを得ることができます。
ちなみに路線価は3年に1度に見直されるため、不動産の相場が大きく変動しない限りはある程度正確に現時点のものを示していると考えて問題ありません。
公示価格
公示価格は国が一定の範囲の土地について、その用途から平米単価の参考値と示しているものです。例えば国土交通省 標準地・基準地検索システムを利用して、東京都世田谷区の「住宅地」を検索すると、以下のようなデータがずらりと出てきます。
これが公示価格です。公示価格は地価公示法によって公示されています。しかし公示価格は路線価ほど性格に取引価格を導き出すことができず、不動産売買の取引の参考とはなりません。
しかし公示価格から不動産投資市場を読むヒントを得ることができます。公示価格は毎年3月に発表されるため、ある土地が前年度よりの急激に値上がりしている場合、人口増加や交通インフラの整備があったのではないかと予測することができるのです。
賃料相場
不動産を購入する際は、周辺地域の賃料相場を調べることは重要となります。なぜならば、それによって得られた数値をもとに実際の家賃を設定し、借主を募集していくためです。
不動産を購入しようとすると、仲介業者から想定賃料が示された資料を得ることとなります。しかしその資料に記載されている想定賃料が必ずしも正しいとは限りません。それこそ仲介業者が不動産を売るために想定賃料を高く見積もり、想定利回りを良く見せている場合があるのです。
そういった物件を想定利回りのみで購入してしまうと、募集をしても借主が思うように現れず空室のリスクが顕在化し、最終的に賃料を下げなければならなくなります。
賃料相場はあなたが購入しようとしている物件の周辺に存在する同タイプの物件の募集賃料の平均を取る形で調査します。現在の募集賃料は他のオーナーおよび不動産管理会社が様々な要因を加味して設定したリアルタイムの賃料です。
そのため、それらの平均を取ることであなたの物件が設定すべき賃料が見えてくるのです。「取引価格は市場が決める」ものです。賃料相場の調査は疎かにしてはいけません。
立地条件および周辺環境
物件の価値は様々な要因により上下しますが、立地条件や周辺環境といった土地に由来する条件は大きな影響力を持っています。それこそあなたが入居しようとする不動産を決める場合、周辺に便利なスーパーマーケットがあるか、近隣に暴力団の事務所がないかなどを一つの条件とするでしょう。
あなたが購入し、投資のために運用していく物件についても同様のことがいえます。すなわち収益物件を購入する際は立地条件および周辺環境を自分の目と足で調査する必要があるのです。そうすることで仲介業者の美味い話に騙されずに、自分の目で本当に価値のある収益物件を見つけることができます。
駅徒歩
立地条件や周辺環境と関係して重要となるのが駅から徒歩何分かという点です。特に車を有していないであろう借主にニーズのある物件を購入する際は必ずチェックすべきポイントです。
駅徒歩10分以内は比較的借主がよく見つかりますが、駅徒歩が20分を超えると借主を見つけるのに苦労するかもしれません。駅徒歩について検討する際は、あなたの基準で選ぶのではなくあくまで具体的に想定される借主の立場で判断してください。
表面利回りと実質利回り
不動産投資については利回りが重要な意味を持ちます。そして利回りには大きく分けて以下の2つがあるのです。
- 表面利回り
- 実質利回り
表面利回りは「家賃収入÷物件購入価格」で求められます。一方で実質利回りは「(家賃収入-経費)÷購入価格」で求められます。このように表面利回りはあくまで経費を考慮していない「表面的な」利回りであり、実質利回りの方が不動産投資の現実に即した値となります。
しかし不動産投資についての経費は幅広く、物件を選択する段階でその全てを正確に把握することは難しくなっています。そのため物件選択の段階では表面利回りで物件同士を比較し、投資計画を立てる段階ではじめて実質利回りを使うという手法が一般的なのです。
築年数
賃貸物件を選択する際と同様に、投資用物件を選択する際は築年数も大きな意味を持ちます。築年数については、新築~築3年経過後は10年単位でニーズが大きく減っていくと考えてください。
つまり10年単位で減ったニーズを回復させるための対策が必要となる場合がるのです。また築30年を超えたような物件については、いかに利回りが良くとも購入は慎重になるべきです。
利回りはあくまで借主が現れてこその数値であり、そもそもの借主が表れない物件の恐れがあるためです。
間取りと専有面積
間取りと専有面積も投資用物件を購入する際の大きな判断要素となります。特に間取りについては、借主の家族構成と直結する要素であるため、物件のタイプと合わせて適切に借主にアプローチできるものを選択すべきです。
例えば、総合大学の近くに学生の一人暮らし向けの物件を所有していると長きにわたって借主を見つけやすくなります。しかしながら総合大学の近くに4人家族用の4LDKの物件を所有していても、他の条件によっては借主を見つけにくくなる恐れがあります。
このように間取りと専有面積については、具体的な立地条件および周辺環境との兼ね合いの中で適切なものを選択する必要があります。
構造
物件には大きく分けて以下の4つの構造があります。
- 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)
- 鉄筋コンクリート(RC)
- 軽量鉄骨
- 木造
SRCおよびRCは耐震性能も耐火性能も高くなりますが、そもそもの販売価格も高くなります。しかし一方で丈夫であるために購入後の修繕費を抑えることができるといった特徴も持っています。
それに対して軽量鉄骨および木造は性能でSRCやRCに劣りますが、その分購入費用を安く抑えることができます。しかし修繕費などのコストもかさむ傾向にあります。
このように投資用物件はその構造にも選択する際の判断基準が隠されているのです。
収益物件の種類を知ろう
ここまで収益物件をチェックするために必要な前提知識について解説しました。収益物件を選ぶ際は様々な要素に対する理解が必要であることがわかったのではないでしょうか。
ここからは収益物件の種類について説明していきます。先ほどの前提知識をもとに、それぞれの種類について重要となる要素を想像してみてください。
一棟マンション
一棟マンションは文字通り、マンションを一棟丸ごと購入して投資に使うものです。そのため当然に購入価格が大きなものとなります。しかし一度に数多くの部屋を手に入れることにもなるためリスクヘッジの効果が高くなります。
一棟マンションを購入する際は、人口との関係が非常に需要となります。昨今、地方都市における人口減少が著しいため、そういった地域に大きなマンションを一棟丸ごと購入しても思うように借主を見つけられない場合があります。
また一棟マンションを購入する場合は間取りにも注意をしてください。10~20戸が入る一棟マンションには間取りが2LDK以上の家族向けのものと、間取りが1LDK未満の単身者および学生用が混在しています。
つまり総合大学の近くに2LDKの部屋が集まる一棟マンションを購入するよりは、1LDK未満の一棟マンションを購入した方が借主を見つけやすくなるのです。
一棟アパート
そもそもアパートとマンションについて明確な区別はありません。しかし不動産業界では、一般的にアパートという呼称を木造および軽量鉄骨のものに使い、マンションという呼称をSRCおよびRCのものに使う傾向があります。
またアパートは2階建以下、マンションは3階建以上といった使い分けがなされている場合もあります。そのためこの記事では「アパート」は「2階建以下で構造が木造および軽量鉄骨のもの」とします。
そういったアパートを一棟丸ごと購入するのが一棟アパートです。一棟マンションと比較すると戸数が少なくなりますが、購入価格が抑えられる傾向にあります。また一頭アパートは借主を特定しやすいという特徴を持ちます。
一棟アパートの間取りは多くの場合1LDK未満です。そのため部屋を借りるのは多くの場合、学生や単身者なのです。つまりそういった層に向けた設備を充実させると借主を見つける効果が高まります。
区分マンション
区分マンションとは一棟マンションに対する概念であり、マンションの部屋を個別に購入するものです。そのため初期費用を抑えて投資を始めることができます。
また同一マンションに対するニーズから一室についてのニーズを読みやすい点にも特徴があります。さらに区分マンションは流動性も高いため、時期を見計らった売却することができます。
一方で一室単位で購入するため、空室リスクがあった際の全体に与える影響が大きいところにデメリットがあります。
戸建て
戸建ては難しい投資物件です。マンションに比べて借主を見つけにくい部分があるためです。また専有面積こそ広いですが、その分、設備も充実するため管理の難易度が高くなる傾向があります。
さらに都心にある戸建ては購入価格も高くなりがちです。一方で地方にある戸建ては借主を見つけるのに苦労するでしょう。では、戸建てを購入するメリットはどこにあるのでしょうか。
それは上述した難しい条件をクリアした暁には、高い利回りが期待できるという点です。特に地方の戸建てを安く購入し、借主を途切れさせることなく運用していくことができれば他の物件よりも高い利回りにより、短期間で元本を改修することができます。
新築と中古
収益物件を購入する際は新築を買うか中古を買うか悩む場合があります。新築は借主を見つけやすくなりますが、その分購入価格が高くなります。一方で中古物件は購入価格を抑えられる代わりに修繕費が必要となることがあります。
一棟アパートの具体例
ここからは3つの種類の物件につき、具体例を挙げていきます。実際に販売されている物件情報を基に構成した具体例であるため、これから投資用物件を購入する気持ちになって読んでみてください。
あなたの投資スタイルに合う物件を見つけることができるでしょうか。まずは一棟アパートについてみていきましょう。
具体例①
具体例①は以下のような物件です。実際に投資用物件を購入しようとする際も以下のような情報を仲介業者から紹介されることとなります。
- 価格:1,800万円
- 利回り:12.7%
- 所在地:三重県
- 満室時賃料:228万円/年
- 構造:木造
- 築年数:30年
- 建物面積:95.50㎡
- 敷地面積:101.86㎡
いかがでしょうか。地方のアパートであるため利回りは高めに設定されています。しかし、満室にするためには立地条件および周辺環境が大きく影響するでしょう。また築30年であることから修繕費が必要となる恐れがあり、また各部屋の設備が現代のニーズに合っていない恐れも感じられます。
つまりは、修繕費や増設費用をいかに安く抑え、満室にするかが現時点における課題となりそうです。そうすると高い利回りが活きてきますね。
もちろんこれらの要素は具体的な部屋の間取りや立地条件および周辺環境に大きく左右されます。しかし投資用物件を購入する際に持つべき視点が何となくわかるのではないでしょうか。
具体例②
次に新築のアパートについての具体例をみていきましょう。
- 価格:1億1,200万円
- 利回り:7.1%
- 所在地:埼玉県
- 満室時賃料:800万円
- 構造:木造
- 築年数:新築
- 建物面積:315.98㎡
- 敷地面積:330.00㎡
こちらは新築であるため利回りは7%台となっています。しかし外観のキレイで、間取りや設備も現代的です。つまり借主を見つける苦労はそれほどかからないはずです。
このように空室リスクの小さな物件であるため、後はいかにして実質利回りを高く維持するか、つまりは経費を削減するかが課題となります。また新築物件であるため、30年後であったも一定の需要を見込むことができます。
そのため出口戦略(最終的に投資用物件をどうするかという戦略)を具体的に思い描きつつ投資計画を立てる必要があるでしょう。20年が経過した時点で売却するのか、30年経過後も所有し続けるのか。
新しい物件は出口戦略のパターンも豊富となります。不動産投資は出口戦略を実行してこそひと段落となります。
区分マンションの具体例
ここからは区分マンションについての具体例を見ていきます。上述した一棟アパートを購入する際と比較して、一室のみを購入することになるため、より細かく一室の条件を見ていくことになります。
また空室=家賃収入0円となるため、本当に借主を見つけることのできる物件のみを購入しましょう。
具体例①
具体例①は以下のとおりです。
- 価格:2,550 万円
- 利回り:5.17%
- 所在地:東京都世田谷区
- 満室時賃料:116万円/年
- 構造:RC 地上5階 南東向き
- 築年数:15年
- 面積:31.15㎡
- 間取り:1DK
いわゆる23区内にある区分マンションです。所在地が23区内であることから一室の購入価格もそれなりのものとなっています。また都内は地方都市と比較して人口減少のリスクが小さいことから資産価値が下落しにくく。利回りは5%台です。
区分マンションを購入する際は部屋がある階数や部屋の向きにもしっかりと注意を払いましょう。また階数が高い場合はエレベーターがあるか否かも重要なポイントとなります。
さらにマンションの場合は共用設備への調査も必要です。オートロックはあるか、宅配ボックスはあるかなど、想定される借主が何を欲するかの視点でチェックしてください。間取りが1DKと中途半端なものである点にも注意が必要です。
つまり最も価格を抑えられる1Rおよび1Kではなく、また現代的な間取りである1LDKでもないのです。この間取りでいかに借主を見つけるかがポイントになりそうです。
23区内にある区分マンションであれば比較的流動性が高く、出口戦略は描きやすいはずです。後は経費との関係で実質利回りをいかに高く維持できるかが焦点となります。
具体例②
次は地方都市の区分マンションを見てみましょう。
- 価格:650万円
- 利回り:9.01%
- 所在地:宮城県仙台市
- 満室時賃料:56万円/年
- 構造:SRC 地上2階 南向き
- 築年数:33年
- 面積:22.80㎡
- 間取り:1K
地方都市の物件は見当が難しくなります。それこそ仙台市であるため急激にマンションのニーズがなくなるということは考えられないでしょう。一方で将来的には仙台市であっても人口減少の影響が出てくるのも事実です。
そもそもの購入価格自体が低くなっていますが、そうであっても結局は借主がつかなければ利益を得ることはできません。築年数は33年ですが、構造がSRCのためまだまだ住宅として使うことができるでしょう。
しかし現代的な内装にするためのリフォームの必要があるかもしれません。地方都市であはりますが、現地調査に赴く必要性は高いといえるでしょう。周辺に人を集める施設が複数ある場合、高い利回りによるメリットを享受することができるかもしれません。
戸建ての具体例
最後に戸建ての具体例をみていきます。戸建ては投資に供するのが難しいと前述したとおり、様々な要素に対する深い検討が必要となります。ここでも都内の戸建てと地方都市の戸建てを例とします。
具体例①
具体例①では都内の戸建てを紹介します。
- 価格:2,450万円
- 利回り:5.87%
- 所在地:東京都板橋区
- 満室時賃料:144万円/年
- 構造:木造
- 築年数:40年
- 建物面積:76.23㎡
- 敷地面積:66.40㎡
- 間取り:2SLDK
都内であれば築40年を超えた物件であっても土地と合わせて2,500万円に近い値が付きます。そして利回りも5%台にとどまります。このように資産価値の下落が起こりにくい都内物件ですが、建物自体は非常に古いものであるため、借主を適切に探すためにはリフォームの必要性を検討すべきでしょう。
また戸建てを検討する場合は、接道状況なども調べる必要があります。さらに庭の有無および状況もチェックしておくべきでしょう。また駅からの距離や、場合によっては駐車スペースがあるかなども大切になります。
それこそ家族持ちで住む場合、車を所有していることが多いためです。
具体例②
次は大阪市にある戸建てを見てみましょう。
- 価格:1,280円
- 利回り:8.9%
- 所在地:大阪市
- 満室時賃料:114万円
- 構造:木造
- 築年数:35年
- 建物面積:108.77㎡
- 敷地面積:49.77㎡
- 間取り:5LDK
築35年と古いため購入価格も1,000万円台となっています。それでいて利回りは8.9%であるため、借主を探すのに苦労しそうです。また5LDKと間取りの条件は良いですが、リフォームにより和室を撤去するなどの試みが必要かもしれません。
築35年であることから10年後ないし20年後にどのように処分するかという出口戦略の必要性は高くなります。そもそも出口戦略を描くことができない場合は購入を踏みとどまる必要性も高いはずです。
収益物件を選択する際の注意点
ここまで収益物件を選択する際の必要な知識を得た上で、具体的な物件の事例を見ていきました。いかがだったでしょうか。投資用物件を探す際のイメージができましたか?
最後に収益物件を選択する際の注意点をまとめます。
最終的には自分の目で見に行く(内見、周辺環境チェック)
「投資用物件は自分の目と足で実際に見る」、これに限ります。特に利回りの高さを活かそうと地方物件に手を出す際は必ず現地調査および内見をしてください。地方では東京の常識が通じない部分があります。
あなたが現地調査を怠っている間に致命的な人口減少が進んでいるかもしれないのです。投資用物件を購入しようとする際は一定のコストがかかるとしても必ず自分の目で見る必要があります。
利便性の高い立地
投資用物件を選択する際、立地の利便性の高さは何よりも優先すべき事項です。利便性の高さがそのままリスクの低さに繋がるのです。特に駅徒歩5分以内の立地には、他の条件では代替することのできない優位性があります。
投資用物件を選択する際は、「駅徒歩5分以内」に該当しないものは問答無用で候補から外すという戦略をとる人もいるほどです。物件が駅から離れれば離れるほど、空室リスクが高まるので当然といえば当然です。
また駅に停まる電車の種類にも注目しましょう。特急や急行が停まる駅は利便性が高くなります。一方で各駅停車しか止まらない駅は利便性が低くなります。
管理とメンテナンスの状態
内見の重要性と関連するものではありますが、中古物件を購入する場合は現在行われている管理とメンテナンスの質に注目しましょう。物件によっては購入後も引き続き同じ不動産管理会社を利用することになるものがあります。その場合、不動産管理会社の能力不足はあなたのリスクとなります。
現在、管理とメンテナンスが杜撰である中古物件は、必ず管理会社を変えることができると確認し、能力の高い管理会社を見つけた上で購入するか否か検討しましょう。
設備が時代遅れでないか
中古物件は往々にして一昔前の流行りにしたがって外観や内装が造られている場合があります。例えばオートロックがなかったり、間取りがLDKタイプではなかったりするのです。
こういった時代遅れの設備や間取りは空室リスクに繋がります。それこそ昨今は人口減少により多くの地域で物件が余っています。つまり借主が条件について妥協せずに物件を選ぶことができるのが現代なのです。
設備や間取りが時代遅れな点で借主の選択肢から外されないように、必要に応じて増設およびリフォームを行いましょう。
具体的な居住者の気持ちになって物件を見る
物件の条件をチェックする際は投資家目線ではなく、具体的に想定される居住者の気持ちになることが大切です。例えば、忙しいサラリーマンが借りる単身者用の1kの物件であれば、近くにコンビニがあること、駅徒歩5分内であることが大きな価値を持ちます。
一方で4人家族が住む3LDKの戸建て物件であれば、駐車スペースが必要で、普段電車を使わない場合は駅徒歩の条件は必ずしも優れていなくてもよくなります。それよりは周囲に保育園や小学校があること、大型ショッピングモールに出かけやすいことなどが価値を持ちます。
あなたが購入した物件に住むのはあなたではなくあくまで借主です。借主にとって魅力的な物件を購入し、場合によって修繕とリフォームで造り上げることを心がけましょう。
人口減少
この記事において何度も話題としていますが、昨今、人口減少の影響が日本各地にネガティブな影響を落としています。それは不動産投資の世界においても同様です。
2040年になる頃には都内であっても「千代田区」「中央区」「港区」を除いたすべての地域で人口が減少するとも考えられているのです。人口が減少すると、当然に不動産の需要が低くなります。
これから不動産投資をする場合、人口減少の影響は必ず頭に入れておかなくてはなりません。
出口戦略
不動産投資においてはでぐちせんりゃくをどれだけ現実的に描くことができるかが重要です。つまり購入した不動産をいかにして売却するかということです。不動産投資は売却まで済ませてはじめて投資の効果を最大限に得ることができるのです。
出口戦略としては、必ずしも築年数が30年を超えてから売却する必要はありません。保有後数年で売却としても問題ないのです。それこそ収益物件は築年数が積み重なるほど修繕費などに大きなコストがかかるようになります。
そのため売却時期は「収益物件が利用できなくなった時」ではなく「最大の利益を得られる時」です。不動産投資を始める場合、いつの時点で物件を手放すかについてもしっかりと考えておきましょう。
まとめ
今回は不動産投資に必要な知識を解説し、区分マンション、一棟アパート、戸建てという3つの種類の物件について、投資家目線で具体例をチェックしてみました。不動産投資において、どのようにして収益物件を選ぶかについてイメージができたでしょうか。
以下は今回の記事のポイントです。
- 立地条件、周辺環境、駅からの距離は収益物件の価値を大きく左右する
- 設備と間取りについては現代のニーズに即したものが必要
- アパート、戸建て、マンションによって投資戦略が変わる
- 収益物件を選定する際は、借主の目線で価値を把握しよう
収益物件はあなたの目にどんなに魅力的に映っても、結局は借主がいてはじめて収益を生みます。そのため収益物件を選ぶ際は、徹底して借主目線になることが大切なのです。
それができると、リスクが小さく、長期にわたって利益を生み、かつ出口戦略を描きやすい収益物件を見つけることができます。あなたも早速、インターネットで収益物件を探してみましょう。