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全61銘柄を簡単比較!購入すべきReitが見つかる方法

By Oh!Ya編集部

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全61銘柄を簡単比較!購入すべきReitが見つかる方法

Reitを利用して投資を行おうとする場合、気になるのが利回りです。現在、Japan Reitには61の銘柄が存在し、それぞれ利回りは異なります。

そこで今回の記事では、Reitの利回り一覧を確認しつつ、利回りをはじめとしたReitで利益を出すために知っておくべきポイントを解説します。この記事を読み、利回りについての相場観を得たうえで、銘柄の特徴を判断できるようになりましょう。

そうすることで、他人の意見に大きく左右されずに自分の目で投資を成功に導く銘柄を選択できるようになります。

Reitで利益を得る仕組み

はじめにReitで利益を得ることができる仕組みにつてい説明します。なぜならば、これからReitに投資をして利益を得ていくためには、そもそもどういった仕組みでReitが成り立っているかを知る必要があるためです。

仕組みを知らなければ、投資戦略を論理的に組み立てることができず、最終的に損を被る恐れが高まります。Reitについてすでに詳細な知識を持っている場合は読み飛ばしてください。

Reitに投資をして間接的に不動産のオーナーとなる

Reitの銘柄を購入した場合、あなたは間接的に不動産のオーナーとなります。しかしあくまで間接的なオーナーにとどまるため、あなたの意思決定のみで直接不動産の利用・処分ができるわけではありません。

以下の図はReitの仕組みを簡単に表したものです。

このように投資家であるあなたは不動産投資法人(Reit)に一定の金額を投資して、法人が発行する投資証券を購入します。そして不動産投資法人は投資家から預かった資金を利用して、不動産市場に投資を行い、利益を得ようと試みます。

その結果、法人が利益を得られた場合は、投資額に応じた額がそれぞれの投資家に分配されるのです。このようにReitは株式会社と似た仕組みをもっています。Reitが複数の投資家から資金を募る理由は、その方がまとまった資金を作りやすいためです。投資のすべてを自己資金で行おうとすると投資規模が小さくなり、リターンも小さくなってしまいます。

資金調達の一環としてReitは投資家のみならず、金融機関から融資を受ける場合もあります。金融機関から受けている融資の額も最終的にはそれぞれの銘柄の利回りに関係してきます。

このようにReitは投資家および金融機関から資金を集め、大きな規模で投資を行います。そして、規模が大きい投資ができるという点はあなたにとってもメリットになります。さらに不動産投資のプロに資金の運用を任せることができる点も、あなたにとっての大きなメリットとなるでしょう。

Reitにおいて、投資家であるあなたの役割は資金を提供するのみです。

資産の運用と管理は外部へ委託する

不動産投資法人は投資家から集めた資金を不動産投資に回しますが、法律により不動産投資法人自体は以下の3つをはじめとする実質的な業務をすることが禁じられています。

  • 資産の運用
  • 資産の保管
  • 一般事務

つまりあなたがReitとして銘柄を購入する不動産投資法人自体はあくまで投資や融資を受けて、不動産を保有するためだけの「箱」としてのみ存在しており、実質的な業務は以下の形で外部に委託しているのです。

  • 資産の運用→資産運用会社
  • 資産の保管→資産保管会社
  • 一般事務→事務受託会社

このようにして不動産投資法人自体が実質的な業務を担わないメリットとしては、以下のものが挙げられます。

  • 不動産保有主体と資金運用会社を分けることで連鎖倒産を回避できる
  • 投資法人の決算において間接費用が計上されず、投資の損益が明白
  • 投資法人に特別な税制を適用させ、二重課税を回避できる

つまり不動産投資法人自体に実質的な業務をさせない趣旨の規制は、投資家保護の意味合いが強いのです。そもそもJ-Reitは不動産投資市場に一般投資家を参加しやすくするために創設された側面があります。制度として投資家を保護することで、不動産投資市場により大きな資金の流入が期待でき、市場が活性化するというわけです。

不動産への直接投資との違い

ここではReitを介して不動産に投資する場合とあなたが直接不動産に投資をする場合を比較してみましょう。両者には以下のような違いがあります。

Reitを介した投資と直接投資はどちらも一長一短であり、一方が全てにおいて優れているというわけではありません。それこそ直接投資であればレバレッジを効かせることができるので、あなたの資産規模を超えてハイリスク・ハイリターンの投資を行うことができます。これはReitにはない特徴です。

一方で直接投資はあなたが負うリスクも大きくなります。その点、Reitならば複数の投資家から集めた巨額の資金を多数の不動産に分散して投資することができ、あなた個人が負うリスクは相対的に小さくなります。またReitは10万円単位の少額から不動産投資ができる点にも特徴があります。

単一用途特化型Reit、複合型Reitおよび総合型Reit

Reitに投資をしていく上で抑えておきたいポイントが、個別の銘柄がどういった不動産に対して投資活動を行っているかというところです。このような「Reitの種類」は大きく以下の3つに分けられます。

種類投資先
単一用途型単一の用途の不動産に投資をしている
複合型2つの用途の不動産に投資をしている
総合型3つ以上の用途の不動産に投資をしている

※横スクロールできます。

Reitにある銘柄はそれぞれの戦略に応じて、実際に投資を行う不動産の種類を決めます。ある銘柄はオフィスとして使われる不動産にのみ投資を行い、ある銘柄はホテルおよび住宅といった2種類の不動産に投資をしているという形です。

こういったReitの種類も、銘柄を選択する際の大きなポイントとなります。それこそあなたの中に住宅用不動産の値上がりについての確信がある場合は、住宅用不動産特化型の銘柄に投資をした方がリターンが期待できます。このようにReitの種類はあなたの投資戦略を反映させることができる部分なのです。

不動産投資の観点から見た不動産の種類ごとの特徴については、「用途から投資すべき銘柄を選ぶコツ」にて後述します。

Reitの利回り一覧

ここまでReitの仕組みにつて解説してきましたが、ここから本題であるReitの利回り一覧をみていきます。

全銘柄の利回り

はじめに2018年11月28日時点でReitにある61の銘柄の利回りを高い順にみてみましょう。また利回りと共にそれぞれの銘柄がどういった不動産に投資しているかも記載します。

投資法人名利回り投資不動産の種類
インヴィンシブル投資法人7.26%総合型
タカラレーベン不動産投資法人7.17%事務所主体型
トーセイ・リート投資法人6.65%総合型
スターアジア不動産投資法人6.63%総合型
いちごホテルリート投資法人6.40%ホテル主体型
マリモ地方創生リート投資法人6.27%総合型
投資法人みらい6.17%総合型
さくら総合リート投資法人6.01%総合型
サムティ・レジデンシャル投資法人5.96%住居主体型
CREロジスティクスファンド投資法人5.92%物流施設主体型
大江戸温泉リート投資法人5.75%ホテル主体型
MCUBS MidCity投資法人5.68%事務所主体型
ザイマックス・リート投資法人 5.62%住居主体型
ヘルスケア&メディカル投資法人5.49%ヘルスケア施設主体型
Oneリート投資法人5.24%事務所主体型
スターツプロシード投資法人5.23%住居主体型
ケネディクス商業リート投資法人5.22%商業施設主体型
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人5.18%事務所主体型
ジャパン・ホテル・リート投資法人5.01%ホテル主体型
産業ファンド投資法人4.98%複合型
星野リゾート・リート投資法人4.82%ホテル主体型
日本ヘルスケア投資法人4.80%ヘルスケア施設主体型
ラサールロジポート投資法人4.77%物流施設主体型
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人4.74%物流施設主体型
イオンリート投資法人4.72%商業施設主体型
フロンティア不動産投資法人4.61%商業施設主体型
日本リート投資法人4.58%複合型
GLP投資法人4.57%物流施設主体型
日本賃貸住宅投資法人4.54%住居主体型
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人4.49%複合型
森トラスト総合リート投資法人4.45%複合型
積水ハウス・リート投資法人4.42%複合型
森トラスト・ホテルリート投資法人4.42%ホテル主体型
三菱地所物流リート投資法人4.36%物流施設主体型
いちごオフィスリート投資法人4.25%事務所主体型
福岡リート投資法人4.24%複合型
プレミア投資法人4.22%複合型
野村不動産マスターファンド投資法人4.15%複合型
平和不動産リート投資法人4.12%複合型
ヒューリックリート投資法人4.12%複合型
阪急阪神リート投資法人4.10%複合型
日本ロジスティクスファンド投資法人4.09%物流施設主体型
アクティビア・プロパティーズ投資法人4.05%複合型
大和ハウスリート投資法人3.98%複合型
森ヒルズリート投資法人3.97%事務所主体型
日本リテールファンド投資法人3.89%商業施設主体型
ユナイテッド・アーバン投資法人3.85%複合型
日本プロロジスリート投資法人3.75%物流施設主体型
グローバル・ワン不動産投資法人3.66%事務所主体型
オリックス不動産投資法人3.65%複合型
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人3.64%物流施設主体型
ジャパンエクセレント投資法人3.60%事務所主体型
ケネディクス・オフィス投資法人3.54%事務所主体型
東急リアル・エステート投資法人3.47%複合型
コンフォリア・レジデンシャル投資法人3.47%住居主体型
アドバンス・レジデンス投資法人 3.43%住居主体型
日本アコモデーションファンド投資法人3.42%住居主体型
大和証券オフィス投資法人3.32%事務所主体型
日本プライムリアルティ投資法人3.28%複合型
ジャパンリアルエステイト投資法人3.02%事務所主体型
日本ビルファンド投資法人2.83%事務所主体型

※横スクロールできます。

(参照元:JAPAN REIT )

以上がReit銘柄の利回り一覧になります。平均値は4.04%となります。

上記利回りは最高が7.26%であるのに対し、最低は2.83%と約5%もの差が存在します。しかし、利回りについては単に高いから良いというものではありません。そのため表面的な利回りの数値のみで購入する銘柄を決めることは適切ではないのです。

利回りはあくまであなたの投資戦略に合った銘柄を探すための一つの要素として理解してください。各銘柄が投資している不動産の種類についても、どの種類が良いと一概にいうことはできなくなっています。こちらもあなたの投資戦略との兼ね合いの中で購入する銘柄を決める一つの要素として利用しましょう。

Reitの利回りが意味するところ

ここまでいかがだったでしょうか?61の銘柄について、利回りが高いものと低いものを知ることができたはずです。それを踏まえて、ここではReitの利回りが持つ実質的な意味に踏み込んでいきます。繰り返しになりますが、Reitは単に利回りが高い銘柄に投資をしたら良いというものではないのです。

以下では、利回りが高いことのメリットおよびデメリットをみてみましょう。

利回りが高いことのメリット

利回りが高いことのメリットは以下のとおりです。

  • 定期的に受け取る金額が高くなる
  • 元本を回収するまでの期間が短くなる
  • 新規物件取得によるリスクが低い

Reitの銘柄は利回りのみで選ぶべきではないと説明しましたが、それでもなお利回りの数字が高い点には大きな魅力が存在します。なぜならば、利回りが高ければ高いほど定期的に受け取ることのできる金額が大きく、元本を回収するまでに要する期間が短くて済むためです。

また、不動産投資法人がより多くの資金を分配金に回しているのであれば、それだけ新規に物件を取得する動きが鈍るためリスクを回避することに繋がる場合もあります。一方で、利回りの高さのみで投資の積極性を判断することはできません。

不動産投資法人が積極的に投資をしながらも高い利益を得ることができずにいるか、消極的な投資で高い利益を実現させているかは利回りの数字のみで判断できないためです。

利回りが高いことのデメリット

以下は利回りが高いことのデメリットです。

  • 余剰資金が少なくなり、新規投資の動きが鈍る
  • 競争率が高まり、投資口価格が高くなる恐れがある

利回りが高いということはより多くの資金を分配金に回しているということです。そのため余剰資金が少なくなるデメリットがあるのです。余剰資金が少なくなるということは、物件の新規購入の動きが鈍るということです。メリットとしてリスク回避を挙げましたが、それは半面において、投資規模を拡大するチャンスを逃す意味を持っています。

より多くの資金を分配金に回すことで新規投資の機会を減らすか、分配金が少なくなったとしても積極的に新規投資を行って規模を拡大するか。どちらが正しく、どちらが誤っているというものではありません。それは不動産投資法人の投資戦略次第なのです。

一見すると利回りは低くとも、積極的に投資を拡大していき、数年後には銘柄の購入価格(投資口価格)が大幅に上昇したという場合もあります。そうなると投資家は自分が銘柄を購入した時の価格と、現在の売値の差額を手に入れる機会に恵まれます。

以上のように、Reitは利回りが高い銘柄が一概に優れているというものではありません。利回り以外の数値や、不動産投資法人の投資戦略を詳細に調査し、そのうえであなたの戦略に合う銘柄を購入しましょう。

Reitは株式投資と比較して高い利回りが期待できる

Reitと株式の比較

いかがでしょうか、ここまででReitの利回りの持つ意味について大まかなイメージができあがってきたでしょうか?利回りはあくまでも銘柄を選択する際に参考にする一つの要素に過ぎません。利回りの過信は禁物です。

ここではReitの利回りが株式投資の利回りと比較して高い水準であることについて解説します。Reitおよび株式投資の利回りは以下の通りです。どちらも2018年の数字になります。

  • Reit:4.04%
  • 東証一部上場株式加重平均利回り:2.05%

このようにReitの利回りは東証一部上場株式の平均加重利回りよりも高くなっています。ただし、株式は市場価格自体が比較的大きく変動する金融資産であるため、Reitよりもキャピタルゲインを得やすくなっています。そのためReitの利回りが高いからといって、一概に株式よりもReitの方が優れた金融商品であるということはできません。

以下では、Reitが高い利回りを維持できる理由について解説します。

理由①法人税が免除されている

第一の理由としては、不動産投資法人が法人税を免除されている点が挙げられます。そのためReitの銘柄はより多くの資金を投資家への分配金とすることができるのです。一方で株式会社は原則として利益を出している場合は法人税の支払い義務があります。

不動産投資法人の法人税が免除されている理由は、当期利益の90%超を投資家への分配金に回しているためです。

理由②家賃収入が安定している

あなたが投資した資金を使い、不動産投資法人は不動産市場に様々な投資を行います。不動産投資法人が利益を得る手段には複数のものがありますが、その中で大きな割合を占めているのが家賃収入です。そして、この家賃収入は非常に安定した収入源となります。

なぜならば個人も企業も生活や事業を営むためには場所が必要であり、家賃の支払いが滞るのはこれ以上ないほど困窮した場合のみであると考えられるためです。これに対して株式会社は事業により利益を得ています。事業の安定性の高低は内容によりけりですが、それでも多くの事業は家賃収入ほど安定して売上を立てることはできません。

こうした収入源の性質の違いも、最終的には利回りの差となって表れてくるのです。

理由③複数の不動産に投資するためリスクが分散

不動産投資法人は豊富な資金を様々な不動産への投資に振り分けて運用します。そのためリスクを分散させやすいという点にもReitの利回りが高くなる理由があります。一方で株式会社は一つの事業に依存する度合いが高い場合が多くなっています。この傾向は会社の規模が小さければ小さいほど顕著です。

つまり株式会社は一つの要因で大きな不利益を被る恐れが高いのです。リスクとの関係では、単一用途型のReitよりも複合型および総合型のReitの方がリスク回避の可能性が高まります。

用途から投資すべき銘柄を選ぶコツ

Reitの種類

先ほど巨大な表でReitの61銘柄について、利回りと投資している不動産の種類をみました。ここでは、不動産投資法人が投資している不動産の種類ごとの特徴をみていきます。どういった不動産に投資している銘柄を選択するかは、あなたの投資戦略と大きく関係します。

住宅特化型

住宅特化型とは、その名のとおり投資している物件が住宅に使われるものばかりであるReitです。住宅特化型には以下のような特徴があります。

  • 物件一つあたりの規模が小さく、保有物件が増える
  • 保有する部屋数が多いため、リスクを分散しやすい
  • 景気の影響を受けにくい
  • 安定しているが、期待収益は小さくなる傾向がある

住宅は物件の中でも最も小さい単位のものです。そのため一室・一棟あたりの価格も小さく、それだけ一つの不動産投資法人が保有できる物件数が増えます。その結果、リスクをより分散しやすくなるのです。

また住宅は人の生活に必要不可欠なものです。そのため景気による影響を受けにくくなります。「景気が悪いから映画を見る回数を減らそう」という人はいても、「景気が悪いから住宅を売ろう」という人はいないでしょう。

こういったメリットがある反面、住宅特化型は景気が良くなったからといってすぐに家賃を上げるということができないため、期待収益は低くなります。

オフィス特化型

オフィス特化型には以下のような特徴があります。

  • 景気の影響を受けやすい
  • 景気が悪いと空室が埋まりにくい
  • 値動きが激しい
  • 巨大企業による利用が期待できるため、収益性が高くなる

オフィスも企業がある限り必要不可欠なものですが、企業の開業・廃業があるため景気の影響が大きくなります。それこそ都心にある家賃の高いオフィスについては、景気が下向きになると埋まりにくくなってしまうのです。

またオフィス一室・一棟あたりの規模が住宅よりも大きいため、リスク分散の効果は住宅特化型に劣ります。しかし景気が上向きになるとそれだけ値上がりや利回り上昇が期待できる種類でもあります。

商業施設特化型

商業施設特化型には以下のような特徴があります。

  • 景気の影響を受けやすい
  • 契約期間が長いことによる安定性をもつ
  • 契約期間が長く、収益を予想しやすい

商業施設とはショッピングセンターやアウトレットモールが代表的です。良くも悪くも商業施設に入るテナントがあるか否かに収益が大きく左右されます。景気が悪ければ空きテナントが増え、それだけ収入が減ります。一方で商業施設の賃貸契約は長期である場合が多く、一定期間の収益を予想しやすくなっています。

ホテル特化型

ホテル特化型には以下の特徴があります。

  • 景気の影響を受けやすい
  • 為替相場による訪日外客の数に左右されやすい
  • ホテルの運営主体の手腕に左右されやすい

ホテル特化型は様々な要因に影響されやすいため、非常に値動きの激しいReitです。またホテルを運営している事業主体のブランドイメージや運営能力からも大きな影響を受けます。良くも悪くも、ホテルが客を呼び込むことができるか否かにかかっているのです。

物流施設特化型

物流施設特化型とは倉庫などの施設に特化したReitです。物流施設特化型には以下の特徴があります。

  • 一つの物件規模が大きいため、保有物件数が減る
  • リスクを分散させにくい
  • テナントの流動性は低い
  • 一つのテナントの退去が全体に与える影響が大きい

物流施設特化型はテナントの入れ替わりが少なく、物流事業を行う企業も大きいことが多いため、一定の安定性を有しています。しかしテナント数が少ないため、一つのテナントが退去した場合の影響が大きくなります。景気の影響も比較的受けやすいですが、具体的にどういったものの物流のために使われる施設なのかという点が重要になります。

ヘルスケア施設特化型

ヘルスケア施設特化型とは、高齢者介護施設や病院などについての投資を行うReitであり、以下のような特徴を持ちます。

  • 高齢化により利用者が増えることが見込まれる
  • 利用者が長期契約をすることが多く、安定性が高い
  • テナントになるのが事業の運営主体であり、経営判断により賃料減額の恐れがある
  • 法律や介護制度の変更による影響が大きい

ヘルスケア施設特化型は高齢化社会を迎える日本において、将来性の高いReitです。しかし、ホテル特化型と同様に事業の運営主体の手腕による影響が大きいため、安定性が経営手腕にかかっている側面があります。また高齢化が進むにしたがって、法律や介護制度の変更があると、その影響を直接受けるリスクもあります。

複合型・総合型

複合型および総合型は上記6つのタイプの不動産について、複数への投資を行うものです。一般的には2つのタイプに投資するものを「複合型」、3つ以上のタイプに投資するものを「総合型」と呼んでいます。

複合型および総合型の特徴としては、特化型よりもリスク分散がしやすいという点が挙げられます。

NOIから投資すべき銘柄を選ぶ

NOIを表す決算書

ここまでReitの利回りや投資する不動産の種類について解説してきました。どちらも購入する銘柄を選択するうえで重要な要素となりますが、一つの要素のみで銘柄を選ぶべきではありません。そこで、ここからは利回りや不動産の種類と合わせて利用することのできる他の数値について解説します。

より多くの情報を用いて正しい判断を下すことが投資に成功するコツなのです。はじめにNOI(純利益)について説明します。

NOIとは

NOIとはNet Operating Incomeの略称であり、「純利益」を意味します。純利益とは、売上から経費を差し引いた値のことです。つまりいくら売上が高くとも、経費が大きければそれだけ純利益は減るということです。

NOIの活用法

NOIを物件価格で割ることでNOI利回りを求めることができます。NOI利回りは不動産投資法人の真の収益力を測ることに繋がるものです。純利益を高めるためには大きく2つの方法があり、1つは売上を伸ばすこと、もう1つは経費を削減することです。つまりNOI利回りを利用することで、不動産投資法人が持つ余剰資金の過多を知ることができます。

NAVが示す割高or割安

次にNAV倍率についてみてみましょう。NAV倍率はReitの銘柄の価格が本来あるべき価格より割高か割安かを知る手掛かりとなります。

そもそもNAVとはNet Asset Valueの略であり、「純資産価値」を意味します。純資産価値は「資産÷負債」により求められるため、数値が意味するところはどれだけ自己資金を有しているかということになります。

そしてNAV倍率は「現在の銘柄一口当たり価格÷NAV」により求められます。多くの場合、NAV倍率は1の前後の値になります。そして、NAV倍率が1より上の値の場合は現在の銘柄価格が割高であり、NAV倍率が1より下の値の場合は現在の銘柄価格が割安であると評価できるのです。

上記のことからNAV倍率は、Reitの具体的な銘柄を購入すべきか否かを測る目安となります。現在、割高であるならこれ以上の値上がりを見込みにくいと評価することができ、一方で割安であるならば最終的に大きなリターンを得ることができるかもしれないと評価することができるのです。

LTVから投資すべき銘柄を選ぶ

LTVが示す総資産と負債の関係

最後に、LTVについて説明します。LTVは不動産投資法人の財務状況を把握する役に立ちます。

LTVとは

LTVとはLoan To Valueの略称であり、「総資産有利子負債比率」を意味します。総資産有利子負債比率は「有利子負債÷総資産」で求められ、不動産投資法人の総資産における負債の割合を示すものです。値が小さいほど負債の比率が低く、値が大きいほど負債の比率が高くなります。

LTVの活用法

LTVについては低ければ良いと一概に評価することはできません。もちろん負債が少なければ、それだけ新たな借金をする余力がある、つまりは新規物件を購入する余力があることを示します。しかしLTVが高いということは、それだけ少ない自己資金にレバレッジをかけて効率的な投資ができている証でもあるのです。

このようにLTVの値は不動産投資法人の投資姿勢に左右されます。そのためLTVを用いて、各銘柄におけるレバレッジのかけ方やリスクの大きさを知ることができるでしょう。

まとめ

今回はReitの利回りを中心に解説し、それを補う要素として投資する不動産の種類、NOI、NAVおよびLTVについても説明しました。どれも一つの要素だけを利用して、購入する銘柄を決めるべきではありません。それぞれの意味を正しく理解し、総合的な判断をもって購入する銘柄を選択してみてください。

以下は今回の記事のポイントです。

  • Reitの利回りは平均すると4%程度
  • 利回りは高ければ良いというものではない
  • 投資する不動産の種類にとって、不動産投資法人は特化型、複合型、総合型に分かれる
  • 投資する不動産の種類が多いほどリスクを分散させることができる
  • 利回りと合わせて、NOI、NAV、LTVの値を使って購入する銘柄を決めよう

Reitは株式投資と比較すると安定性と利回りが高い金融商品であるということができますが、銘柄による差は確かに存在します。どの銘柄を買うべきか迷った場合は、この記事で紹介した要素を利用して、あなたの投資戦略に合ったものを選んでみてください。

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