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REITと不動産投資の違いとは?J-REIT銘柄の特徴や選び方を徹底解説!

By Oh!Ya編集部

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REITと不動産投資の違いとは?J-REIT銘柄の特徴や選び方を徹底解説!

初期費用や学習に対するハードルの高さから、不動産投資への挑戦を躊躇する人は多くいます。そこで、少額から不動産市場へ投資ができる「REIT(リート)」が注目を集め始めました。

ネット証券の口座を開設すれば、スマートフォンやパソコンで誰でも簡単にREITへ投資できるため、会社員と並行して取り組む副業としても最適です。

今回は、REITを始めるまえに確認すべき特徴や、不動産投資との違いをご説明します。

REITとは?

チャート

REIT(リート)は、「Real Estate Investment Trust」の略称。

不動産投資信託と呼ばれることもあり、その名の通り「不動産投資」と「投資信託」の特性をあわせもっています。

REITは1960年代のアメリカで誕生し、日本では2001年に「J-REIT」として市場が開設されました。

この記事では、主にJ-REITについての解説を取り扱います。

運用の仕組み

J-REITの購入、運用から還元までのプロセスはシンプル。

まず、証券取引所を通じて投資法人から投資信託を購入し、法人に属する「不動産のプロ」が集めた資金を運用します。投資法人の主な売上は、賃料収入と不動産トレード利益。

利益のうち90%を、投資家へ還元することで法人税が免除されるため、J-REITは投資法人の収入における大部分を分配しています。

そのため投資額に対するリターンが大きく、J-REITは高配当な金融商品として評価を集めています。

過去のマーケット推移

J-REIT推移

引用:(不動産証券化協会「東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の長期推移」)

J-REITは市場の開設以降から順調に成長していたものの、2007年中頃をピークに失速。リーマンショックを迎えてから、しばらく低迷期が続きました。

しかし、国内外の景気回復に連動し、上下を繰り返しつつ数値を高めています。歴史が浅く参入者が少ない分野ですが、堅調に推移してきたといえるでしょう。

いまだ株式取引の市場規模に比較して差があるため、ギャップを埋める形で成長を続けると予想されています。

不動産投資との比較ポイント

J-REITと不動産投資の関係性は深いものの、両者は大きく異なる特徴をもっています。

この項では、J-REITのメリットとデメリットをご紹介したうえで、投資家の性格に応じた投資手法を解説。J-REITと不動産投資のどちらに適性があるのか、判断材料の1つとして確認してみてください。

J-REITのメリット

ポイント

J-REITは不動産投資の優れた部分を受け継ぎつつ、より投資しやすくデザインされた金融商品です。

J-REITがもつメリットは、不動産投資にハードルを感じる人の悩みをほとんど解消。不動産市場への投資を手軽なものに変えた、4つのポイントをご紹介します。

少額投資が可能

多額の初期費用が必要な不動産投資と異なり、J-REITは銘柄により十数万円から購入可能です。

J-REIT銘柄を購入した投資家は「間接的な不動産オーナー」になるため、小資金で不動産投資を始められる方法だといえます。

不動産運用の手間がかからない

不動産投資では市場分析や物件選定、維持管理や入居希望者の募集など、購入から売却までに多くの資金と手間が必要です。

しかし、J-REITは実際の不動産運用を専門家が代行してくれるため、投資家に求められるのは主に「購入資金」と「銘柄がもつ特性・リスク」への理解。

スマートフォンやパソコンを利用して手軽に投資ができるため、不動産投資に比べて手間はかかりません。

不動産市場に興味がありつつも、時間の捻出が難しい会社員の副業にも最適で、少しの空き時間に取引ができることも魅力です。

分散投資であるため低リスク運用

投資の世界に「卵は1つのかごに盛るな」という言葉があるように、投資対象を1つに絞ることはハイリスク。なぜなら、その1つの投資対象がダメになれば、利益がゼロになってしまうからです。

この格言を当てはめれば、不動産投資は2つ3つと所有資産の拡大を進めるまで「1つの物件から生まれる収入」に頼ることになり、リスクが1点に集中しているハイリスクな状態であるといえます。

一方で、J-REITは投資信託と同じように、専門家が不動産市場へ幅広く資金を割り当てて投資。1つの銘柄を購入することで、多数の不動産を一部ずつ保有していることになります。

間接的に保有する不動産のうち、1つが地域の賃料低下や災害に巻き込まれても、複数の賃料収入から発生する分配金が一部低下するに過ぎません。

どのような銘柄を購入しても分散投資になるため、投資家の運用方法によらず自動的に低リスク運用となる点はメリットです。

売買にリアルタイム性がある

J-REITは株式投資と同様に、証券取引所を通じてリアルタイムで売買がおこなわれます。

一般的に、不動産投資は流動性が低く換金性が良くないため、トレードの活発さはJ-REITがもつメリットです。

J-REITのデメリット

街灯

数多くのメリットをもつJ-REITも、いくつかのデメリットが存在します。

その多くは、投資信託や不動産投資がもつ特性を反映したものです。投資を始めるまえにデメリットを把握し、適切なリスク管理のもと準備を進めましょう。

運用状況がJ-REIT銘柄の価格や分配金に影響する

当然ながら、J-REITは投資家に対して「一定の利益」を保証する金融商品ではありません。

J-REITは投資信託の一種であるため、投資法人の運用成績によって分配金の総額は変わり、市場の評価によって銘柄そのものの投資口価格も変動します。

また、不動産購入には融資が利用されるため、金利変動の影響は顕著。返済利息が多くなれば収益は少なくなり、分配金の減少を招くことも考えられます。

投資法人の上場廃止や倒産リスクがある

投資法人も1つの会社であるため、株式投資と同様に上場廃止や倒産に追い込まれるリスクがあります。分配金は廃止され売買価格は著しく低下、投資対象としての価値やリターンを失います。

実際に、リーマンショック時にはJ-REIT初となる経営破たんが発生。その後の合併に関する法改正により倒産リスクは軽減されたものの、安全な金融商品として期待が大きかったことから市場には激震が走りました。

このように、投資家の行動がそのままリターンに直結する不動産投資と異なり、予期せぬ事態で利益が失われる点はJ-REITのデメリットです。

投資法人の利益が不動産運用に依存することから、災害による突発的な被害をうけるケースも考えられ、完全にリスクを阻止することは困難。

経営や市況の悪化による上場廃止や倒産も、市場の公開情報をチェックすることでしか予測できず、これらを確認しても察知できないリスクは多くあります。

融資が受けられず運用規模は自己資金に依存する

不動産投資は多額の初期費用を必要としますが、金融機関からの融資を利用した大きな借り入れが可能です。

一方で、J-REITは株式投資と同様に「信用取引」と呼ばれるレバレッジ投資ができるものの、その倍率は自己資金の約3倍。自己資金を超える大規模な投資を希望する場合、J-REITでは心もとないといえます。

投資額の最大化は、自己資金に対する利回りに大きな差を生むことは事実です。

仮に不動産投資とJ-REITが投資資金に対して同程度の利益率であるとき、自己資金の約3倍が限度である信用取引と、属性次第で10倍の借り入れも可能な融資では、ざっくりとした計算でも利回りに3倍以上の差があります。

信用取引と融資にかかる金利には差があるものの、レバレッジ投資の倍率にフォーカスした場合は、不動産投資の方が自己資金に対するリターンは大きいと考えられるでしょう。

不動産投資よりコントロールできる範囲が小さい

J-REITでは、物件選定や運用方針を投資法人に任せることになるため、1人の投資家がもつ希望は反映されません。

運用にかかる手間の少なさは「投資家がコントロールできる範囲」を小さくしてしまう特性があり、市場の影響が少ないという不動産投資の強みが失われることはデメリットです。

J-REITへの投資に向いている人

チャート

J-REITは購入や売買の手軽さから、不動産投資に敷居の高さを感じる人に適した金融商品です。以下のような条件を満たす人は、まずJ-REITへの投資から始めることをおすすめします。

・少額資金で不動産運用に挑戦したい ・不動産運用にかかる手間を省略したい ・リスク分散ができない投資に不安がある ・学習コストをかけずに不動産運用を始めたい

J-REITは不動産投資と大きく性質が異なるものの、「市況の流れ」や物件の種類や地域による「収益性の着眼点」には不動産投資と共通する部分があります。

また、数ある金融商品のなかでも還元率が高く安定感があるため、将来的に不動産投資を始めたい場合だけでなく、自己資産を投資するメインのマーケットとして選んでも不足はありません。

任意のタイミングでトレードしやすいため、投資プランの変更にあわせて柔軟に資金移動させられる点が強みです。

不動産投資に向いている人

J-REITは不動産運用に関する自由度が乏しいため、明確な運用方針をもって投資をおこないたい人には適していません。つぎのような要素を重視する人は、J-REITへの投資では満足できない可能性があります。

・ピンポイントで投資したい物件がある ・自己資金に対して利益を最大化させたい ・属性が優れており融資を有利に進められる ・不動産運用のあらゆる局面で決定権をもちたい

不動産投資は実態のある自己資産を手掛けるため、改装や修繕をおこない物件の価値を高めることができます。

そのため、不動産運用における最大のリスク「入居率の低下」を、投資家自身の努力で改善することが可能。

J-REITでは融資が受けられないため、自己資金に対する利益を最大化しつつ、スピード感のある資産形成を望む人におすすめです。

J-REITが扱う運用形態と不動産の種類

都市ビル

J-REITは銘柄によって運用する不動産の傾向が異なり、それにともなってリスク・リターンが変動します。特にポートフォリオを左右する「運用形態」は、利益率に大きく影響する要素です。

最初に3つある運用形態について解説し、それぞれの特性をピックアップ。各形態にもとづいて運用される不動産には、どのような種類があるのかご紹介します。

運用形態の種類と特徴

上記の物件タイプを複数運用する形態を「総合型・複合型」、1つの物件タイプに特化して運用する形態を「特化型」と呼びます。

それぞれリスクやリターンの大きさが異なるため、各運用形態の特徴をご紹介します。

総合型・複合型

複数の物件タイプを運用し、時代背景や経済情勢に応じてポートフォリオを組み替えます。

バランスを重視するため利益率の上下は小さく、安定感のある資産運用を希望する投資家に最適。総合型・複合型はその特性上、必ず広範囲への分散投資になるためリスクを抑えられます。

特化型

特定の物件タイプのみを扱い、景気の変動による値動きが大きくなりやすい運用形態です。

市場において最大保有率を誇るオフィスビルは、特に経済情勢に影響されるためリスク・リターンは高め。不景気では成績が振るわないものの、好景気になれば急騰が期待できます。

投資利益の最大化を狙うのであれば、経済情勢や市況の変動を察知する能力が必要です。

投資対象となる物件の種類

投資法人により不動産運用の傾向は異なり、以下のうちから集中的もしくは分散させて投資をおこないます。

オフィスビル

オフィスビルは契約相手が企業であるため、取引で移動する金額が大きい物件タイプです。契約更新が2年スパンでおこなわれるため流動性は高く、空室が発生すれば収益は著しく低下します。

また、企業の経済状況は景気に影響されるため、好景気と不景気時の落差が激しいことが特徴。利益率の上下が大きい投資対象であるため、リスクを許容して積極的にリターンをねらう投資に適しています。

商業施設

オフィスビルより売買規模は小さいものの、J-REITの市場における平均保有率は2番目。

商業施設は都心に多く見られる「商業ビル」、郊外や地方の「大型ショッピングセンター」に大別され、それぞれ運用イメージは異なります。

商業ビルは短期契約が多く、入居需要に連動して賃料設定が変化。くわえて企業の入居率が景気に依存することもあり、賃料収入の利益率は経済情勢で大きく変動します。

一方で、ショッピングセンターは長期契約を前提とした取引が多く、商業ビルと比較して安定的な運用が可能。収益性は高くないものの、堅実な投資先であるといえます。

居住用不動産(マンションなど)

個人投資家の多くは居住用不動産の運用をおこなうため、J-REITのなかでは比較的イメージが容易な投資先です。

契約相手が個人であるため売買金額も小さく、オフィスビルや商業施設に比べて収益性は高くありません。

しかし、不景気でも「衣・食・住」がなくならないことから分かるように、景気変動による利益率の上下は軽微。小さな利回りでコツコツと資産拡大を目指す投資に適しています。

物流施設

荷物用エレベーターやトラックの接車スペースをそなえ、資材の搬入や出荷・配送に特化した施設です。

従来からある食品や工業品の管理のほか、ネットショッピングの普及により物流施設の需要は高まりつつあります。

他の不動産とは異なり、立地や敷地面積だけでなく施設内機能も評価に大きく影響。特定の用途に特化しているため、社会のニーズによって需要が変動するリスクは高いです。

物流施設間の移動は大規模であるため長期契約が多く、現状では安定した賃料収入が期待できます。

宿泊施設(ホテルなど)

国内外の景気変動、海外からの観光客流入よって需要が変動するため、宿泊施設は基本的に利益率が安定しません。そこで宿泊施設を扱う投資法人は、投資対象に応じて固定賃料と変動賃料を使い分けています。

この先、2020年には東京オリンピックを控えており、各地域が観光事業に力を入れていることから注目が集まり始めました。さらに、近年では「インバウンド政策」により訪日外国人が増加しているため、全体の傾向としては収益上昇が期待できる分野だといえるでしょう。

ヘルスケア施設

医療や介護、老人ホームなどヘルスケア関連事業は需要が高まってきました。

不動産証券化協会の「Jリートダイジェスト」によれば、REIT市場における保有率は1%未満ですが、少子高齢化の深刻化もあり今後注目を集める可能性があります。

ヘルスケア施設の運営事業者(オペレーター)との長期契約を前提としており、賃料は固定されているケースがほとんど。安定的な運用を実現するため、オペレーターと協同で施設の最適化をはかります。

J-REIT投資の始め方と銘柄の選定基準

相場

J-REITへの投資は証券取引所を通じておこなうため、株式投資と同じように証券口座を開設します。ネット証券であれば、取引手数料が安くトレードもスピーディー。

それぞれの証券会社で細かな違いはありますが、不具合への対応が早い大手のネット証券を選ぶのが無難でしょう。

「国内大手のネット証券会社」

SBI証券

楽天証券

松井証券

これらのネット証券は投資家からの評価が高く、スマートフォンアプリも高機能で外出中のトレードも容易です。

手続きのほとんどをネット上で進められ、契約書への捺印や本人確認書類が必要な場合でも「1~2週間程度」で口座の開設が完了。

上記に挙げた証券口座は、検索欄に「銘柄名」または「証券コード」を入力すれば対象の銘柄が表示されるため、ネット検索と同様の操作感で直観的に使えます。

銘柄を選ぶときに確認すべきポイント

J-REITは投資家の資金を不動産運用のプロが代行するため、不動産投資と比較して市場調査や分析の必要性は高くありません。

しかし、J-REITは証券として取引されている以上「割安・割高」という相対評価が存在し、注目を浴びて資金を集める銘柄は急成長する傾向にあります。

より投資家自身の性格にあう銘柄を購入するのであれば、つぎようなポイントを確認しつつ比較検討することをおすすめします。

NAVは「Net Asset Value」の略称で、純資産価値という意味合いがあります。そして、NAV倍率は対象銘柄の割安・割高を判断するための指標。

各銘柄には理論上の適正価格が存在しており、NAV倍率は現在の売買価格とのギャップをはかるために活用されます。

NAV倍率が1を超えていれば、対象の銘柄は適正価格よりも割高。NAV倍率が1を下回っていれば、適正価格よりも割安であると評価します。

NAV倍率のほか各指標は情報サイトで閲覧できるため、計算式を覚える必要性はありません。しかし、倍率の算出に使用されている要素を理解すれば、銘柄同士を比較するときに投資法人の規模がイメージしやすいです。

指標を理解するために「決算短信」からNAV倍率を算出する場合は、以下の計算式をもちいてください。

求める値計算式
NAV保有資産額-負債額
一口あたりのNAVNAV ÷ 発行済投資口数
NAV倍率現在の投資口価格 ÷ 一口あたりのNAV

※横スクロールできます。

決算短信を閲覧すれば、所有物件の総評価額として「保有資産額」、賃借対照表の負債合計に「負債額」が記載されています。各決算短信でフォーマットに違いはあるものの、基本的に参照する場所は同じです。

FFO倍率

FFO倍率はNAV倍率と同様に、対象銘柄の割安・割高を判断するための指標。

NAV倍率は対象銘柄の適正価格を判断するために使用しましたが、FFO倍率は他の投資先と比較した相対評価の算出に使います。 活用方法はシンプルで、すぐにでも銘柄分析に取り入れられる方法はつぎの3つ。

どの方法でも、比較対象より数値が高ければ割高、数値が低ければ割安だと評価します。

・「J-REIT銘柄A」と「J-REIT銘柄B」のFFO倍率を比較(さらに銘柄数が多くても可能) ・「全J-REIT銘柄」の平均FFO倍率と「相対評価を知りたい銘柄」のFFO倍率を比較 ・「J-REITカテゴリ」の平均FFO倍率と「相対評価を知りたい銘柄」のFFO倍率を比較

なお、J-REITカテゴリは先述した「運用形態」を指しています。

FFO倍率を求める計算式は以下の通り。

求める値計算式
FFO当期純利益-不動産売買損益+減価償却費
一口あたりのFFOFFO ÷ 発行済投資口数
FFO倍率現在の投資口価格 ÷ 一口あたりのFFO

※横スクロールできます。

ネット上で開示されている指標であるため、J-REITの情報サイトでも確認できます。

NOI利回り

NOIは「Net Operating Income」の略称で、営業純利益を指す用語です。

NOIを利用して算出される「NOI利回り」は、実質的な利益を把握するための指標で、表面利回りよりも現実的な判断材料として活用されています。

NOI利回りの算出にもちいられる計算式は以下の通り。

NOI利回りの計算式
(年間賃料収入-諸経費)÷(不動産価格+諸費用)× 100

※横スクロールできます。

NOI利回りが高いほど収益性に優れていると評価され、市場の数値は経済情勢や物件タイプにより異なるものの、おおよそ4~5%台が平均値であるとされています。

なお、NOI利回りのスコアは、不動産の投資エリアに大きく影響されるため要注意。

地方では需要が少なく不動産価格が安いため、NOI利回りは高くなりがちです。一方、都心では需要が高く不動産価格が高いため、NOI利回りが低く算出されます。

これらを考慮しつつ、購入を検討する銘柄の投資対象が「地方の不動産」ばかりであるとき、将来的に入居率を維持できない可能性について考えなければなりません。

購入段階ではNOI利回りが高かったものの、地方の過疎化にともなって年間賃料収入が低下。想定していた利回りを、大きく下回る結果になる可能性は十分にあります。

NOI利回りで算出された収益性の高さが、リスクの裏返しである危険についても覚えておきましょう。

スポンサー

J-REITを通じて投資家から資産を集める投資法人は、実際の不動産売買を「資産運用会社」に委託しています。

そして、資産運用会社に出資をしている企業が「スポンサー」です。

メインの役割である出資のほか、情報の調査や人材提供もおこない資産運用会社への影響力は絶大。スポンサーが大手であるほど市場の期待は高まり、その企業が不動産事業に対して有利な属性をもつほど高評価を集めます。

たとえば、大規模な不動産会社や金融機関は、スポンサーとして最適な企業です。

不動産会社がスポンサーになった場合

不動産会社は、自社の保有物件を資産運用会社に販売することで、優れた不動産が市場に出回らない時期でも資産拡大をサポート。業界内にパイプラインをもつことの優位性は大きく、優良物件をいち早く抑えられる可能性が高いです。

また、不動産市場に精通しているため、資産運用会社に対して適切な情報提供ができることもメリット。

実際に、初めて資産規模1兆円を超えたJ-REITである「日本ビルファンド投資法人」は、筆頭株主として業界最大手である「三井不動産株式会社」が株式の43%を保有しています。

金融機関がスポンサーになった場合

金融機関は、不動産会社ほど業界に関する専門性はもたないものの、不動産運用において重要な「資金調達」という部分で強力にサポートできます。大手金融機関の資本力は不動産会社を圧倒しており、業界最大手同士でも総資産額の差は数十倍。

不動産獲得には多額の資金が必要であるため、一概に不動産会社より劣るとはいえません。

なお、不動産関連ではない企業や資金力のない企業は、スポンサーとしての評価が低いです。

各指標も重要であるものの、J-REITの成績はスポンサーによる部分が大きいため、必ず確認すべきポイントだといえます。

J-REITに関する情報サイト

指標は決算短信と計算式があれば求められるものの、複数ある銘柄の比較するのは大変です。

購入検討のための調査は、各銘柄の指数や決算内容が掲載された情報サイトの利用がおすすめ。J-REITに特化した優良な情報サイトをご紹介します。

J-REIT.jp

J-REIT.jp

J-REIT.jpは、その名の通りJ-REITに特化した最大手の情報サイトです。

「初めてのJリート」や「歴史で振り返るJリート」など投資初心者に向けたコンテンツのほか、各銘柄のレポートや市場のデータを掲載。J-REIT関連の情報収集・分析に十分な資料がそろっています。

なかでも、不動産証券化協会が作成する「Jリートダイジェスト」は、各銘柄の運用資産や投資エリア、保有不動産や決算情報まで確認できる有用な情報源です。

また、サイト内リンクから利用できる「Jリート保有不動産検索システム」では、投資法人や不動産の所在地を入力することで、J-REITに組み込まれている物件の詳細情報が閲覧可能。

無料の会員登録が必要なものの、取得日や購入価格、管理会社や土地面積など網羅性の高い内容が確認できます。

JPX 日本取引所グループ

JPX

JPX日本取引所グループは、J-REITだけでなく株式やETFなど幅広い金融情報を扱うサイトです。

銘柄一覧には投資法人の代表者インタビューが用意されており、理念や戦略など具体的な活動方針にまつわる動画を掲載。

また、市場動向やREIT銘柄の最新情報をまとめた「月刊REITレポート」が配布されており、各銘柄の価格推移や想定利回りが一目で確認できます。

JAPAN-REIT.COM

JAPAN-REIT.COM

JAPAN-REIT.COMは、「マーケットコラム」や「個人投資家アンケート」など独自コンテンツが目を引く情報サイト。

各銘柄の一覧はユーザーライクな仕様で、要素を選択することでランキング形式に並び替わります。これによりNAV倍率やNOI利回りなど、購入の検討材料となる指標をすばやく確認することが可能。

セミナー情報も細かく更新されており、先述した2つのサイトとあわせることで幅広い情報をカバーできます。

まとめ

東京

今回は、J-REIT特有の特徴や選定基準、不動産投資との違いをご説明しました。

不動産投資と似たような特性をもちつつも、実際の運用にかかる手間は少ないため、会社員の副業としても最適。期待が高まる不動産市場への気軽な投資手段としておすすめです。

REITは不動産のプロが資産運用をおこなうため、初心者の投資方法に比べれば全体的にリスクは小さいといえます。

しかし、投資法人によって許容するリスクが異なるため、ご紹介した指標を参考に理想に近い銘柄を探してみてください。

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