【初心者向け】投資入門にピッタリ!低リスクの投資商品9選
By Oh!Ya編集部
2,046view
まだ経験はないけれど、投資を始めてみたいとお考えではないでしょうか。初めての場合、何に投資するべき?初めてだと何から勉強するべき?といったように「初めて」という言葉にはたくさんの疑問がつきまといます。
このように初めての投資で多くの方が疑問は不安をお持ちになる理由は、「失敗したくない」からに他なりません。投資で失敗するということは大切なお金を減らしてしまうことを意味します。一生懸命働いて得たお金なのに、お金を増やすために始めた投資で減らしてしまうというのは、笑えない事態です。
初めて投資と向き合うにあたって、知っておきたいことを要約すると以下のようになります。
- 投資にはどんなリスクがあるのか、リターンとの関係は?
- どんな投資対象があるのか、それぞれのリスク&リターンは?
- 投資だけで生活するということは可能なのか?
最初にこうした知識をイメージだけでも掴んでおくことで、これからの投資生活に大きくプラスになります。「Oh!Ya(オーヤ)」は不動産投資のメディアですが、ここではさらに視野を広げて「初めての投資」というテーマで今知っておくべきことを10分もあれば読める1本の記事にまとめました。
目次
投資は初めてという方が最初に知っておくべき5つのこと
投資が初めてという立場にあって、ネットでさまざまな情報を探そうとされている方は、とても謙虚な姿勢をお持ちだと思います。この時点で失敗するリスクをかなり低減できていると考えられるので、さらに投資が成功する確率を高めるために今の時点で知っておく5つのことを解説します。
ご存知ですか?投資の正しい意味
投資という言葉は当たり前のように使われていますが、この投資という言葉の意味を正しく解説できますでしょうか?一度ご自身で考えてみてください。そこから出てきた答えはどんなものだったでしょうか?
正解を言ってしまうと、投資とは「資本を投じる」という言葉を熟語にしたものです。資本とはお金のことで、何らかの事業にお金を出すことです。もちろんただお金を出すのではなく、その事業によって得られた収益を出資金額に応じてリターンとして受け取る仕組みが一般的です。
このような仕組みのことを資本主義といいますが、資本主義が登場する前はお金を用意する人と事業をする人が同一人物でした。これは逆に考えると用意できるお金の範囲でしか事業ができなかったため、小規模ビジネスの枠を超えることができなかったのです。
そこに資本主義が登場し、お金を出すことが役割の資本家と、事業をすることが役割の事業家に分かれるようになりました。これによって効率の良い資金調達と事業が可能になり、人類の経済は飛躍的に進歩したのです。その結果が今の経済システムなので、投資というのは極めて人類の発展に重要な役割を果たしてきたのです。
投資にはリターンとリスクがある
お金を出す人と、事業をする人の分業。これによって投資というシステムが確立したと解説しました。ここで資本家が求めているのは、リターンという見返りです。資本家はお金を増やしたいので、よりリターンがたくさん得られる投資先にお金を投じようとします。そこで事業家はよりリターンが上がるように事業を工夫するため、その競争によってビジネスが発展してきました。
現代の投資も、これと全く同じ仕組みです。投資家はさまざまな投資商品を選ぶ際に、リターンを重視します。同じ100万円を投資するのであっても、利回りが5%だと年間5万円ですが、利回り10%だと年間10万円を得ることができます。これだけを比較したら、誰もが10万円が得られるほうを選ぶことでしょう。
しかし、投資にはリターンと背中合わせのリスクがあります。利回りが高い投資商品はその分、リスクも高くなります。大儲けする可能性がある一方で、大損をする可能性もあるということです。
投資のリターンとリスクは比例関係にある
投資のリターンとリスクは、両社が比例する関係にあります。これは裏を返せば、高いリスクを取ることができる投資家であれば、高いリターンを狙うことができるということでもあります。一般的にお金持ちは余剰資金が多いので、その資金の一部をリスクの高い投資商品に振り向けることもできます。その結果、その投資がうまくいけば高いリターンが得られるので、お金持ちはより資産を増やすことができるというわけです。
お金持ちの資産が増えていきやすいのは、このように大胆な投資が可能だからです。もちろんそれゆえの失敗もあると思いますが、それを許容できるだけの資産を持っているため、屋台骨まで揺らいでしまうことはありません。
少額の投資家が失敗しやすいのは、少しでも資産を増やそうとして虎の子の資金をハイリスク商品に振り向けてしまうからです。その投資が失敗に終わってしまった時に、もともとの資金規模が少額だったためにそのまま退場となってしまうわけです。
なぜ投資家と呼ばれる人たちはお金持ちに見えるのか
投資家と呼ばれる人たちがお金持ちに見えるのは、筆者だけではないと思います。おそらく多くの方に共通するイメージではないでしょうか。真偽はともかく、なぜ投資家はお金持ちに見えるのかを考えてみましょう。
先ほどの解説のように、お金持ちは余剰資金が多いため大胆な投資行動をとることができます。それが成功した時のリターンが大きいので、お金を儲けているように見えるのは当然でしょう。しかし、理由はそれだけではありません。
投資の本質は自分ではなくお金に働かせること
冒頭で解説した投資の仕組みを思い起こしてみてください。資本家は事業家にお金を投じて利益を狙いますが、ここで資本家は自らが働くわけではなく、働く人にお金を出しているだけです。自分が働く代わりに、自分のお金に働かせているのです。
これは投資の真髄とも言える部分で、自分が働くとなると1日が24時間以上にならないことからも限界があります。しかし、お金に働かせるのであれば話は別です。複数の投資をしているのであれば、それぞれの投資先でお金が働きます。そして、それぞれの投資先からリターンが入ります。
成功している投資家は、この仕組みを活用してお金に働かせることにより無限に規模を拡大できる土俵でビジネスを行っているわけです。これから投資で成功したいとお考えの方には、ぜひともこの本質をしっかりと理解しておいていただきたいと思います。
あなたにとって投資の目的は何ですか?
投資は初めてという方にとって、「お金を増やしたい」という目的は定まっているものの、そのお金の目的が何なのかまでは落とし込めていないかも知れません。しかし、増やしたお金の使い道や目的が定まっていないと、実は最適な投資商品も定まってきません。そこで、まずは投資の目的を自問自答してみてください。
給料以外の副収入が欲しい
サラリーマンやOL、公務員といった給与所得者の方々にとって、唯一の収入源はお給料やボーナスです。しかし、収入源が1つしかないことに不安を感じる人はとても多くなっています。その理由は・・・
- 今は安定していても勤務先が今後どうなるか分からない
- 急なリストラに遭うかも知れない
- 急な病気や事故などで働けなくなる可能性を考えるとゾッとする
- 今の収入では不満なので自分が好きに使えるお金を稼ぎたい
大なり小なり、どれも当てはまるという方が大半ではないでしょうか。給料やボーナス以外の収入源を別に持っておけば、こうした悩みを解決できることは間違いないでしょう。
将来、老後の備えにしたい
現役世代の方にとって、どうしても考えてしまうのが老後への不安です。公的年金がこれだけ不安視されていることに加えて、日本は超高齢化社会に突き進んでいる状況です。国の政策が云々という以前に、人口構造が変化することで老後の経済不安が増大するのは目に見えています。
そんな時に自分を守ることができるのが投資、という考えに至る方はとても多くいます。それに呼応するかのように、国もiDeCoやつみたてNISAといった老後の備えになるような投資への非課税制度を設けています。老後の備えという目的で投資を始めるのであれば、こうした非課税制度を活用するべきでしょう。
いつかは仕事を辞めて専業投資家になりたい
現在、サラリーマンなど会社勤めをされている方にとって、「いつかは仕事を辞めて自由に暮らしたい」というのは漠然とした夢ではないでしょうか。しかし、会社を辞めて今すぐ自由になることはできても、それでどうやって生計を立てていくのか・・・?そこで多くの方は躊躇してしまいます。
初めて投資に関心を持った方の中に、このような心理状態の方は相当数おられると思います。それなら投資で生計を立てられるほどの利益を上げられるようになれば、会社を辞めて専業投資家になれるのでは?という考えに至ります。
今すぐではなくでも、いつかはそんな道を考えてみたいというのも、投資を始める動機としては申し分のないものです。この場合は積極的に投資をして大きなリターンを狙う必要がありますので、初めてという方には少々難しいかも知れません。まずは初心者向きの低リスク商品から始めて、スキルアップしていくのにしたがって本格的な投資へ参入していくのが良いでしょう。
自由な時間、自由になるお金が欲しい
今の生活に、毎月あと5万円あればとお考えになったことはないでしょうか。5万円という金額ではなくても、今の生活にあと数万円~10万円程度のお金があって自由に使えるようになれば、やりたいことがあるという方はとても多いと思います。
事実、投資が初めてという初心者の方の中には、こういった目的で投資を始めたという方はとても多く、今の生活を守りながらさらに豊かな生活を実現するために投資を検討するという流れはごく自然なものと言えるでしょう。
この場合は積極投資で大きく稼ぐというよりも、手持ちの資金の安全性をできるだけ確保しながら余禄として運用益が入ってくるような形が望ましいと思います。なぜなら、多くを望まない一方で手持ち資金の安全は確保することが前提になっているからです。
リターンではなくリスク許容度で投資商品を選ぼう
どんな投資商品であっても、リスクとリターンが背中合わせになっている構図は変わりません。大きなリターンを望めるものには大きなリスクが付き物ですし、その逆も然りです。
最も低リスクなのは定期預金や個人向け国債などですが、これらは事実上も含めて元本保証である一方で、金利は1%を大きく下回っており、投資でお小遣いを稼ぐというのも難しいと思います。その一方でFXや仮想通貨取引では大きな利益を狙うこともできますが、下手をすると手持ち資金の全額を失うリスクも大いにあります。
ここで留意しておきたいのは、リターンだけではなく、どちらかというとリスクに注目した投資商品選びをすることです。どこまでリスクを許容できるか(つまり、いくらまでならお金を失っても納得できるか)という部分を資産状況も含めて検討した上で、リスク許容度を超えるものには手を出さないのが基本です。
安全性重視で取り組めるローリスク&ローリターン投資
最初に最も安全志向の方におすすめしたいローリスク&ローリターンの投資商品を3つご紹介します。ローリスクではありますが魅力的な利回りを狙えるものもちゃんとあります。
定期預金
元本保証の資産運用における代表格と言えば、やはり定期預金でしょう。古くからある資産運用法で、バブル期には5%や6%といった金利がついていた時期もありました。しかし超低金利時代の今では、金利が高いところでも0.1%台です。100万円を1年間預けても利息が1,000円つけば良いほうという有り様です。
おそらくこの記事をお読みの大半の方が定期預金の低金利ぶりをすでにご存じで、「何か他のものはないか」とお考えだと思います。
個人向け国債
国の借金が1,000兆円を超えたとして騒ぎになっていますが、この借金の出どころがどこなのかと言いますと、ここでご紹介する国債です。国が発行する債券で、日本の場合はその多くを日本人投資家が保有しています。日本の個人投資家向けに販売されている国債のことを、個人向け国債といいます。
事実上の元本保証なので手堅い投資商品ではありますが、金利は税引き前でも0.05%~0.09%です。定期預金の金利が高い一部の銀行よりも低い水準なので、使途が決まっているお金で放置しておくのももったいないという方くらいでないと、メリットを感じられないと思います。
インデックス型投資信託、ETF
ここからが、投資商品として魅力が出てくるゾーンです。その中でも金利の高いことが魅力なのがインデックス型投資信託で、その中でも上場投資信託であるETFは手堅い上に数%クラスの金利を見込めるのでローリスク商品の中でも高金利です。
インデックス型投資信託というのは、平均株価や株価指数と連動するように運用されている投資信託のことです。ETFはその中でも上場されているものですが、運用方針は同じです。
投資信託には、プロに運用を任せる対価として信託報酬が発生します。インデックス型の運用であれば運用しやすいため信託報酬が安く、低コストであることも投資のリスクを抑えてくれます。
日本株で運用をしているETFが最も低リスクで、先進国の海外株ETF、新興国の海外株ETFという順にリスクが高くなっていきますが、その分リターンも大きくなっていきます。世界的な株価の堅調が続く限り、リスクを抑えながらリターンも狙えるため、投資が初めてという方にもおすすめです。
一定のリスクを許容できるならミドルリスク&ミドルリターン投資
ある程度のリスクを許容しつつも、手堅さは失うことなくリターンを狙っていきたいという方におすすめなのが、ミドルリスク商品群です。
REIT
REITとは運用対象が不動産に特化している投資信託のことです。投資家から集めたお金を使って不動産投資を行い、賃料収入を投資家に分配する仕組みになっています。自分では到底買えないような優良物件であってもREITの資金なら購入が可能になるため、REIT投資なら優良物件に間接的な投資ができるようになります。
REITの中でも証券取引所に上場されている銘柄のことをJ-REITといいます。上場されていることから株やETFと同じように売買が可能なので、とても手軽です。それでいて全銘柄の平均利回りが4%台というのも魅力的です。
不動産投資
先ほどのREITは不動産に投資をする投資信託なので実際に不動産を所有するといったことはありませんが、こちらは現物の不動産を所有して賃料収入を狙っていく投資です。不動産を購入するとなると多額の初期費用が必要になるため、ハイリスクなのでは?とお感じの方は多いと思いますが、実は不動産投資はミドルリスクに分類されます。
不動産投資がミドルリスクに分類される最大の理由は、不動産という資産を所有できる点にあります。入居者が集まらず賃貸経営が不調になったとしても、その不動産を売却したり自分で住むという選択肢も残されています。また、経営がうまくいかずローンの返済に困ったとしても、担保になっている物件を手放せばうまく返済できる可能性もあります。
さすがに投資が初めてという初心者の方にいきなりおすすめすることはできませんが、ローンの自己資金として100万円程度のお金を用意できるようになれば検討しても良い選択肢だと思います。
外貨預金、外貨建てMMF
日本は超低金利が長らく続いていますが、世界に目を向けると高金利で運用できる国はたくさんあります。日本人投資家から人気なのはオーストラリアやニュージーランドですが、その他にも新興国を中心に南アフリカやトルコなどといった高金利の国があります。
これらの国々で外貨預金をすると、今の日本では考えられないような金利を確保することができますが、外貨に両替をしてからの預金になるため、為替変動によるリスクが伴います。それがなければローリスク商品に分類できるほど手堅い投資であると言えます。
株式投資(配当重視)
株式投資は「売った買った」の世界だと思われがちですが、本来の株式投資はそういうものではありません。出資をしたいと思う会社に投資家がお金を出して、それを元手に事業を行って収益を投資家に分配するというシステムが、株式会社です。資本主義が登場した黎明期に形作られたスキームですが、今の株式投資というと株価変動の差益を狙う投資が主体になっているように見えます。
しかし、今も株式投資には配当狙いという本来の姿に近い投資手法がちゃんとあります。こちらは「Yahoo!ファイナンス」で公開されている配当のランキングです。
出典:配当利回り(会社予想):株式ランキング - Yahoo!ファイナンス
赤い囲みの部分には配当利回りが表示されていますが、20位であっても5%近い配当となっています。これらは株を持っているだけで支払われる利息のようなものなので、安定して配当が出ている銘柄の株を持ち続けていると高い運用利回りを確保することができます。
もっとも、株価変動が激しいと利回りもコロコロと変化してしまうので、株価も安定している大型株から選ぶのが良いと思います。
とにかく高収益を狙いたい方向きのハイリスク&ハイリターン投資
ここから先は、ハイリスク&ハイリターンの投資商品群です。一瞬で手持ち資金を失ってしまう可能性もあるため、初めて投資をするという方におすすめはしたくありませんが、どうしても目立つためこれらの名前をご存じで、興味をお持ちの方は多いと思います。
株式投資(値上がり益重視)
先ほどご紹介した配当狙いの株式投資はミドルリスクに分類されますが、株価変動の差益狙いの「売った買った」という取引は、ハイリスク投資に分類されます。
こうした株式売買による利益の追求は、当然ながら投資が初めての方にはおすすめしません。すでに株式市場には多くの海千山千の投資家がいて、ほとんど初めてという人が勝負を挑んでもやられてしまう可能性のほうが高いからです。
経済の仕組みや株式市場の特性、チャート分析などをしっかりと勉強した上で臨むようにしてください。
FX
株式投資よりもさらにハイリスクだと言われるのが、FXです。よくFX投資をしている人からは「株と違って国の通貨を売買しているので紙切れになってしまうリスクがない」という声が聞かれますが、FXがハイリスクなのはレバレッジという仕組みがあるからです。
レバレッジとは「てこ」という意味で、少ない証拠金で多額の外貨売買ができる仕組みがあることは、FXをご存じの方にはおなじみだと思います。規制によって今では25倍までのレバレッジしか認められていませんが、それでも100万円の取引をたった4万円で始めることができるため、投資効率は高いですが為替レートが思惑に反して4%動いてしまっただけで証拠金がロスカットされてパーになってしまいます。
株にも信用取引という概念があるのでレバレッジを効かせた取引が可能ですが、FXの「機動力」はそれを大きくしのぎます。少ない資金から始められるのは確かにメリットではあるので、投資が初めてという方でFXをやってみたい方はお小遣い程度の資金で全額を失っても納得できるという規模から始めることをおすすめします。
仮想通貨取引
株の次にFX、そしてさらにハイリスク投資として知られるのが、仮想通貨取引です。ビットコインに代表されるような仮想通貨(暗号通貨)を取引所で売買して、差益を狙う投資のことです。BTC/JPY(ビットコインと日本円の取引ペア)が200万円を超えたことは大きく話題になったため、「仮想通貨は儲かる」というイメージを抱いている方は多いことと思います。
しかし、そのビットコインがその後どうなったのかと言いますと、2018年11月現在で40万円台です。200万円の時に買った人はすでに160万円もの損をしていることになります。値動きの激しさは他の投資商品と比べ物にならないので、ギャンブルに参戦するのに近い感覚でなければ取り組むべきではないと思います。
ビットコインは最も有名な仮想通貨ですが、それ以外のイーサリアムやリップルといった仮想通貨のことを、アルトコインといいます。アルトコインはビットコインよりもさらに値動きが激しいので、超ハイリスク投資であることを念頭に置いておいてください。
初めての投資商品選びでやってはいけない4つのNG項目
ここまでローリスクから順にミドルリスク、そして最後にはハイリスク(超ハイリスクも含む)と、さまざまな投資商品のご紹介をしてきました。この中にご自身に最も合っていそうなものが見つかりましたでしょうか。
最後に、どの投資商品を選ぶ場合であっても「やってはいけないこと」を4項目にまとめました。これをやると失敗する可能性が一気に高くなるので、しっかりお読みになって失敗を回避するようにしてください。
リターンばかりに目を奪われてリスクを軽視する
すでに何度も述べてきたことですが、投資にはリスクとリターンが表裏一体となっています。高いリターンはどうしても目を奪われがちですが、その陰に高いリスクが潜んでいることを忘れないでください。
先ほど、ビットコイン相場について少し触れました。1BTC=1万円だった頃に買った人が200万円を超えた時に売っていれば、199万円以上の大儲けです。しかし、この時に売り注文が成立したということは誰かが1BTC=200万円で買ったということです。さらなる値上がりを期待したものと思われますが、その人は下手をすると100万円以上の損をしたことでしょう。
投資の本質はリスク管理なので、ご自身で許容できないリスク以上の投資商品には決して手を出さないようにしてください。どうしてもという場合は、全額を失ってもいいと思えるお金以外は投じないようにしましょう。
投資して良いお金とそうでないお金がある
お金には、3つの種別があります。それを分類すると以下のようになりますが、この中で投資に回して良いお金はどれか考えてみてください。
- 毎月の生活費
- 教育資金など今は使わないがいつか必要になるお金
- 今のところ使い道が決まっていない余剰資金
この中で、投資に回して良いのは3つ目の余剰資金だけです。1つ目の生活費を投資に回すのは論外ですが、2つ目のお金を投資に回すべきではないというのは意外に感じられたかも知れません。
2つ目のお金は「今は使い道がないが使うことは決まっているお金」です。現金化する時期が決まっているということは、もしそのタイミングで保有している金融資産が値下がりをしていていたら、最終的に投資を失敗で終わらせることになります。こうしたお金は定期預金や個人向け国債などローリターンではあっても、必要な時に現金化できるようにしておくことが鉄則です。
初めての人は投資を本業にしようとしない
「株で1億円稼いでサラリーマンを辞めた!」「ごく普通の主婦がFXで1億円稼いだ!」といった宣伝文句は投資の世界にあふれています。おそらく嘘ではないとは思いますが、事実だったとしてもレアケースです。経験豊富な投資家がたくさん失敗を経験して学習をして、このような結果を出しているということは、少ないながらもあり得ると思います。
しかし、投資そのものが初めてという人がこのような結果を出せることはまずありません。初めての人ほどこうしたインパクトのある宣伝文句に興味を惹かれやすいですが、それが現実になるとしても5年、10年後のことだと認識してください。
ゆえに、投資を本業にするというのも少なくとも5年以上はかかるでしょう。年利10~20%程度の成績を上げている人が優秀な投資家だと見なされる世界です。単純に手持ち資産を倍にするのに5年程度はかかるのですから、少し投資でうまくいったとしても、早まって本業の仕事を辞めてしまったりしないようにしましょう。
1つの投資商品に集中投資をしない
投資のリスク管理術として、分散投資は基本中の基本です。ある金融資産が大きく価値を減らしてしまったとしても、他の金融資産がその分値上がりすれば差し引きのダメージはゼロです。世界では投資マネーが大きな川のように流れ続けています。ある金融資産が値下がりをしたということは、その資金が別のところに流れているはずなので、そこが値上がりをします。
こうした構図を理解した上で、どれか特定の資産だけに投資を集中させないようにしてください。投資信託の中にはバランス型ファンドといって、世界中の株式市場にまんべんなく投資をするものがあります。これなら特定の株式市場が暴落をしても他の国で株価が上昇していれば損失を被ることはありません。
リスク分散とはまさにこの考えに基づくもので、自分で投資先を分散させることが面倒であったり、初めての方で方法がよく分からないというのであれば、ここでご紹介したバランス型の投資信託を買うのもひとつの方法です。
まとめ
初めて投資に関心を持った方が、この記事をここまでお読みいただいたことは大いに意義があることだと思います。少なくとも良い意味でも悪い意味でも目立っているハイリスク商品に、勢いだけで投資をしてしまって全額を失うというリスクは回避できたのではないかと思うからです。 投資の基本はリスク管理であり、その上にリターンがあるという構図を理解していただけたと思います。手持ち資産をしっかりと守りながら納得のいく資産形成をするための第一歩として、この情報をぜひお役立てください。