50歳で3000万円稼ぐ!ソーシャルレンディングでセミリタイアする方法
「ソーシャルレンディングを利用してセミリタイアは実現できるのだろうか?」 「できるとして、具体的に必要な元手と期間はどうなるんだろう?」
あなたはセミリタイアをしたいと考えても、具体的な手法がわからずに悩んでいませんか?セミリタイアは多くの人にとっての夢ですが、実現方法を具体的に検討した人はどれほどいるでしょうか。
今回の記事では「50歳でセミリタイアし、以後の生活費の半分をソーシャルレンディングで得ていくこと」 を目標として、実現方法および必要な元手を検討していきます。
記事の中で数字が多く使われますが、最終的には「50歳の時点でソーシャルレンディングに3,000万円を投資することで、年間240万円の生活費を不労所得として得る」ことを実現させる方法を解説した記事となっています。ゆっくりと最後まで読んでみてください。
目次
セミリタイアとソーシャルレンディング
「ソーシャルレンディングを利用してセミリタイアをする」という場合、以下の2つの意味があります。
- ソーシャルレンディングを利用してセミリタイアに必要な元手を稼ぐ
- セミリタイア後の生活費の大部分をソーシャルレンディングで得ていく
この記事では上記の双方を実現していくことを目指します。つまり30歳からソーシャルレンディングを利用して資産を増やし、50歳の時点で3,000万円をソーシャルレンディングに回して利回り8%で年間240万円を得るのです。
そして、その240万円に不足する部分を労働で稼ぎ、生活していくこととなります。ソーシャルレンディングであれば年間240万円については実質的に何もせずとも入ってくるため、労働で稼ぐべき金額を減らすことができ、その分労働時間を短くすることができるのです。
以下では、セミリタイアとソーシャルレンディングについて詳しくみていきましょう。双方の概念をしっかりと理解することで、ソーシャルレンディングを利用したセミリタイアを実現させる方法への理解が深まります。
セミリタイア
はじめにセミリタイアの概念について整理しましょう。
セミリタイアとアーリーリタイア
リタイアは仕事を辞めることを意味しますが、早期に実現するものとしては以下の2つがあります。
つまりセミリタイアとは、生活費の一部を投資により不労所得として得て、足りない額を労働で稼ぐものなのです。生活費の全てを労働で稼ぐフルタイムの仕事と比較すると、労働に費やす時間が短くなるため、その分時間を他のことに使うことができます。
アーリーリタイアには相当額の資産が必要になるのに対して、セミリタイアであれば多くの人が無理なく目指すことのできるものとなっています。もちろん接みリタイアを目指す中で投資で予想外に成功することができれば、そのままアーリーリタイアを実現させて構いません。
セミリタイアを実現させて得られるもの
セミリタイアの実現により得られるものは、何よりも時間です。以下の表を見てください。
こちらは1か月を30日として、月あたりの自由時間をまとめたものです。労働は1日あたり「実働8時間、昼食1時間、通勤退勤1時間、残業1時間」の合計11時間としています。また睡眠は1日7時間の計算です。
これらを前提とするとフルタイムで働いている場合、月あたりの自由時間は1日あたり6時間となります。自由時間といっても、この中で食事・家事・入浴等を済ませなければなりません。このようにフルタイムで働くことは、あなたの自由を大きく奪うことなのです。
一方でセミリタイアを実現させて、収入の半額を不労所得として得られるようになると状況は一変します。自由時間が1日あたり11.5時間となり、月あたりでは345時間にまで膨らむのです。これまでできなかった長期旅行など様々な行為が可能となります。
このようにセミリタイアを実現させることで、あなたは労働から大きく解放され、自由な人生を創り上げることができるようになります。
生活費を補う手段に注意
セミリタイアは、実現させた後も生活費の一部は労働で稼ぐこととなります。しかしセミリタイア後は時間を作るために多くの人は正社員を辞めるでしょう。少なくとも拘束時間に融通の利く正社員となるはずです。
その際、実質的な時給が下がるかもしれない点に注意してください。今まで正社員として時給2,000円だったものが、非正規雇用になることで時給1,000円に減ってしまうとセミリタイア後も月あたり160時間程度働かなくてはいけない状況が起こり得ます。
それでは時間的な自由を手にすることはできません。セミリタイアを実現させるにあたっては、リタイア後の労働時給に注意が必要です。
ソーシャルレンディング
次にソーシャルレンディングについてみていきましょう。
仕組み
ソーシャルレンディングは以下の図のような仕組みで行われる投資手法です。
つまり投資家であるあなたの資金を仲介会社が集めて融資先企業に貸し付け、月々の返済の中から一定の分配金があなたの元に入ってくるのです。投資元本については、ファンドごとに運用期間が定められており、それが満了することで投資家に返還されます。
つまり投資家として注意すべきは仲介会社選びのみであり、その後の運用は全て仲介会社が行ってくれるのです。このようにソーシャルレンディングは投資家に手間がほとんど発生しない投資手法です。そのためセミリタイア後の不労所得を得る手段として適切なのです。
期待できる利回り
ソーシャルレンディングに期待できる利回りはファンドごとに異なります。中には10%を超えるものもありますが、一方で4%程度のものも存在しています。平均すると、概ね8%程度が期待できる状況です。そのためこの記事ではソーシャルレンディングにおける利回りを8%として計算していきます。
しかし8%といっても投資にリスクが付き物である以上、毎年確実に8%ずつ資産を増やすのは難しいのが現状です。そのためこの記事で検討する手法については、一つの理想論としての投資計画であると考えてください。実際には日々の経費や損失を勘案して、より長期的な視野で臨む必要があるでしょう。
しかし、この記事における投資計画の立て方を追体験することで、あなたがセミリタイアするために必要な期間および元手の計算ができるようになるはずです。
リスクの存在
先ほどリスクについて触れましたが、どのような手法を選択するにしても投資には必ずリスクが存在します。それはソーシャルレンディングであっても変わりません。ソーシャルレンディングについては、具体的に融資先企業が倒産するリスク、仲介会社が倒産するリスクなどがあります。
こういったリスクの存在自体をコントロールすることはできませんが、リスクが顕在化する恐れをコントロールすることはできます。そのため投資においてはリスクコントロールが何よりも重要となるのです。具体的な手法については記事後半の「投資で元手を稼ぐ際の注意点」で解説します。
投資では大きく利益を得ることよりも、リスクを小さくすることが大切なのだと頭に刻み込んでおいてください。短期的にどんなに大きな利益を得られたとしても、それが一つのリスクの顕在化によって消滅してしまうのでは、いつまで経っても資産を増やすことはできません。
セミリタイア後、年間で必要となる金額
ここからはセミリタイアを実現させるための投資計画を立てていきます。はじめにセミリタイア後に必要となる一年あたりの金額を考えてみましょう。それがはっきりすることで、不労所得として稼ぐべき金額が明確になります。
どんな生活を求めるかに大きく影響される
セミリタイア後、毎年必要となる金額は結局のところあなたがどんな生活を求めているかによって異なります。高級外車に乗り、毎月海外旅行をする…という場合は一年あたり数千万円が必要となるでしょう。一方で平均的な収入を得て、人並みの生活をしたいという場合は数百万円で済みます。
そこで50歳でのセミリタイアを目指すこの記事では。50歳の人の平均収入額を一つの基準として使います。国税庁による「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると50歳~54歳の平均給与は年間519万円となっています。
この記事ではキリを良くするために年収500万円という数値を使うことにします。不労所得と労働所得を併せて年収500万円を稼ぐことによって、一般的な50歳の暮らしができるというわけです。そして、500万円のうちの約半分を不労所得によって得ることで、労働時間を半分にすることができるでしょう。
今回の記事では50歳の段階で3,000万円を利回り8%で運用していくことを目指すため、不労所得額としては240万円を目指すこととします。
手元資金と投資期間に左右される
不労所得240万円を稼ぐための元手3,000万円をどの程度の期間で稼ぐことができるかについては、あなたの現在の年収に大きく左右されます。それこそ年収が2,000万円を超えている場合は、支出を減らすことで10年程度あれば十分に用意できる額です。
ただし、今回の記事では元手となる3,000万円もソーシャルレンディングで稼ぐことを前提としていきます。具体的には後述する100万円の手元資金をソーシャルレンディングで増やしていくこととなります。
セミリタイア実現後の収入を得る方法
先ほども触れましたが、セミリタイア後の労働時給には注意してください。仮に労働で年収「500万円-240万円=260万円」を稼ぐ場合、時給と必要となる1日あたりの労働時間の関係は以下のとおりとなります。
つまり時給1,000円の場合は、結局1日あたり10時間以上働かないと年収260万円を稼ぐことができないのです。このようにセミリタイアを実現させるためにはリタイア後の労働時給も重要となります。理想としては時給2,000円~2,500円あたりを目指すことができると、1日あたりの労働時間が随分と短く感じられることになるでしょう。
セミリタイアを目指すために必要な元手の3つのパターン
ここでは不労所得で稼ぐ金額について3つのパターンを作り、それを実現させるために必要となる元手についてみていきます。この記事では最終的に不労所得240万円を目指しますが、不労所得120万円のパターンと不労所得500万円のパターンも併せてチェックすることで、元手と年間不労所得の関係が鮮明となります。
また利回りについても3パターンに変動させて確認してみましょう。この記事全体ではソーシャルレンディングの平均的な利回りである8%を使いますが、ここでは利回り5%と利回り12%の場合も紹介します。
全部で9つのパターンを紹介していきますが、計算式としては以下のものを利用します。
「年間不労所得÷利回り=元手」
パターン1:年間不労所得240万円を得るために必要な元手
はじめにこの記事全体を通しての目標となっている年間不労所得240万円を得るために必要な元手をみてみましょう。
このように利回り8%での運用を前提とする場合、元手となる資金は3,000万円が必要となります。これがこの記事で目標としている金額です。
一方で12%という高い利回りを実現し続けることができると、元手資金は2,000万円で年収240万円の不労所得を得ることができます。しかし利回り12%はソーシャルレンディングにおける各ファンドの上限値に近しい数値です。そのためソーシャルレンディングのみで利回り12%を実現することは相当難しいでしょう。
パターン2::年間不労所得120万円を得るために必要な元手
次に不労所得で年収120万円を実現するために必要な元手をみてみましょう。
このように利回り8%で資産運用できる前提であれば、元手1,500万円で年収120万円の不労所得を得ることができます。あなたがフルタイムの仕事を辞めても高い時給で働き続けるスキルを持っているならば、不労所得による年収を120万円まで落としても、大きな時間的自由を獲得することができるでしょう。
パターン3::年間不労所得500万円を得るために必要な元手
最後に50歳の平均年収である500万円全額を不労所得によって得るために必要な元手をみてみます。これが実現できると、最早セミリタイアではなくアーリーリタイアも視野に入ってきます。
利回り8%の場合、元手6,250万円で不労所得年収が500万円となります。なかなか現実的ではない元手の額となってきました。仮に利回り12%で運用できても、元手には約4,200万円が必要となります。このように不労所得年収500万円には高いハードルがあるのです。
しかしはじめから諦める必要はなく、投資をしていく中で計画を上方修正しながらいずれ年間不労所得500万円を是非とも目指してみてください。
セミリタイアに必要な元手を稼ぐシミュレーション
ここまでセミリタイア後に得る不労所得と、それを生み出す元手の関係を説明しました。あなたが必要とする不労所得を生み出す金額について具体的なイメージが湧いたでしょうか?
ここでは、50歳で元手3,000万円を手に入れるために、30歳からソーシャルレンディングを始める前提でシミュレーションを行います。つまり20年かけて元手となる3,000万円を貯めようという試みです。
30歳の時点で用意できる手元資金は100万円および利回り8%は固定し、年間追加余剰資金の額で3パターンのシミュレーションを行っていきます。年間追加余剰資金とは、毎年追加で投資に回していくことのできる金額のことです。
投資は余剰資金で行うため、生活費や必要な貯蓄額を除いて1年ごとにソーシャルレンディングに追加していくことができる金額となります。ここでは、それを50万円、30万円、100万円の3パターンに分けます。
パターン1:年間追加余剰資金50万円、手元資金100万円、利回り8%
はじめに30歳の時点で手元資金100万円を用意し、それを利回り8%で運用していくシミュレーションです。また毎年50万円を追加余剰資金として投資元本に組み入れていきます。その場合、60歳まで運用を続けると以下のような状況となります。
このように51歳の時点で元手が3,000万円を突破し、それを用いて年間不労所得240万円を得ていくことができます。つまりこの記事で目標としているセミリタイアを達成することができるのです。
51歳の時点で元手3,000万円を得ることについて、早いと感じるか遅いと感じるかは人それぞれでしょう。しかし、30歳時点の手元資金100万円、利回り8%、年間追加余剰資金50万円という条件でも確かに51歳からは年間不労所得240万円を得られる状態が整うのです。
これらの条件は決して難しいものではないはずです。あなたの現在の収支を見直し、愚直に投資活動をしていくことで確かに資産を増やすことができ、50歳でのセミリタイアを実現させることができます。
パターン2:年間追加余剰資金30万円、手元資金100万円、利回り8%
次に参考値として、年間追加余剰資金30万円のシミュレーションをみてみます。つまり毎月25,000円を投資に回していくイメージです。
この場合だと、年間不労所得240万円を生み出すために必要な3,000万円の元手は55際の時点で貯まる計算となります。パターン1と比較すると、セミリタイアが4、5年遅れるのです。しかし、それ以降は元手を活かして年間240万円の不労所得を得ていくことができます。
一年間において投資元本に追加できる金額が30万円と小さくても、60歳より前にセミリタイアすることは十分に可能なのです。このように「元本+利息」に利息がついていくスタイルを複利と呼びます。それに対して元本にしか利息が付かないものは単利です。
複利を上手く活用することは、資産を効率的に増やしてセミリタイアをするために欠かせません。
パターン3:年間追加余剰資金100万円、手元資金100万円、利回り8%
最後に年間追加余剰資金100万円を用意できる場合のシミュレーションをみてみましょう。毎年100万円を投資元本に組み入れていくことは決して簡単ではありませんが、実現できると60歳までに1億円を貯めることもできてしまいます。
年間不労所得240万円の元手である3,000万円は45歳の段階で実現できます。定年より15年も早くセミリタイアに入ることができるというわけです。またそのままの形で投資していくことで、57歳の時点で元手として1億円が得られます。
前述したとおり、1億円の元手があれば利回りを5%に落としたとしても、一年あたり500万円の不労所得を得ることができます。つまり50歳の平均年収の全てを不労所得によって得ることができるのです。毎年なるべく多くの資金を投資元本に組み入れていくのが重要です。
投資で元手を稼ぐ際の注意点
ここまでいかがだったでしょうか。様々な計算を紹介しましたが、あなたがセミリタイアする具体的な道筋が見えてきたでしょうか。「セミリタイアに必要な元手を稼ぐシミュレーション」のパターン1で解説したとおり、20年をかける前提であれば100万円をソーシャルレンディングに投資していくことで、50歳でセミリタイアすることは決して非現実的なものではないのです。
あなたもなるべく早く投資に着手するようにしてください。株式のデイトレードのようなハイリスクな手法を利用せずとも、じっくりと時間をかけることで資産は安全に増やしていくことができます。
ここでは、投資で元手を稼ぐ際の注意点を解説します。注意点をしっかりと理解して、資産を着実に増やしていきましょう。
利回りは一定ではない
この記事では利回り8%を一つの基準として利用してきました。しかし当然ながら利回りは常に一定ではありません。毎年変動して当たり前なのです。そのため投資計画においては、期間を通して平均で利回りを8%に保つようにしてください。
もちろん年によって利回りが5%を下回ることもあるでしょう。一方で調子のよかった年の利回りは10%を超えるかもしれません。こういった短期的な利回りの変動に感情的にならず、期間を通して平均利回り8%を実現するために常に投資計画を見直していくことが大切です。
インカムゲインとキャピタルゲイン
投資で利益を得る手法には以下の2つのタイプがあります。
- インカムゲイン型
- キャピタルゲイン型
インカムゲイン型は金融商品を保有しながら分配金などを定期的に得ていくタイプです。それに対してキャピタルゲイン型は金融商品の購入価格と売却価格の差から利益を得ていくものです。
一般的にソーシャルレンディングはインカムゲイン型に分類されます。はじめに一定の資金を投資し、それについての分配金を定期的に得ていくためです。インカムゲイン型はキャピタルゲイン型のように短期間で莫大な利益を生み出すことには向きませんが、長期にわたって安定して利益を得ていくことができます。
そのため複利の効果を最大限に活用できるのです。あなたがサラリーマンとして働きながら投資をしていくことを考えると、大きな手間のかかるキャピタルゲイン型は必ずしも向いていません。手間のかからないソーシャルレンディングを利用して20年かけてインカムゲインを積み重ねることがセミリタイアを実現させるのです。
リスク管理が大切
記事の前半で触れましたが、投資においてはリスクコントロールが何よりも重要です。それこそリスクコントロールを疎かにすると、積み重ねた利益が一瞬にしてゼロになる恐れすらあるためです。
投資というと、キャピタルゲイン型で短期間に莫大な利益を得ることを想像する人も多いです。しかし、それは研鑽と偶然の果てに起きたごく一部の成功例に過ぎません。多くの人にとって投資は長期にわたって小さな利益を積み重ねるものなのです。
そしてその利益を守るのがリスクコントロールです。リスクコントロールのない投資活動はいずれ利益が消滅するため無駄な行為となります。どのような投資を行うにしても、必ずリスク回避の手段を用意することを心がけましょう。最も効果的なリスク回避手段は次に紹介する分散投資です。
分散投資
分散投資は投資におけるリスクを回避するために最も効果的な手段であり、ほとんど全ての投資家が実践しているものです。
分散投資における2つの観点
分散投資は以下の2つの観点から実行していきます。
- 同一金融商品内で資産を異なる銘柄に分散させる
- 資産を異なる金融用品に分散させる
前者の例としては、株式投資を行う中でもA 社株式に全ての資産を集中させず、A社株式、B社株式、C社株式…と資産を分散させることです。理由は簡単で、A 社が倒産した際に資産の全てを失うことを避けるためです。
後者の例としては、資産を株式投資、ソーシャルレンディング、不動産投資…と異なる金融商品に分散していくことです。これも理由は簡単で、同一の金融商品全てにネガティブな影響を与える事象が起きた際に資産を守るためです。
この際はインカムゲイン型とキャピタルゲイン型のように、タイプの異なる金融商品に資産を分散させておくと効果的です。特に不動産は人の「住」に必要不可欠な存在であることから、価値が下がりにくくなっています。ある程度の資産規模に達したら、一部は不動産に振り分けておくと良いでしょう。
一方で新しい金融商品である仮想通貨などは資産価値の上下が激しいため、大きなリターンを狙う手法としては価値があっても、資産を守るという意味では必ずしも適していません。こういった点を総合的に判断し、分散投資を実現していってください。
金融商品別のリスク
ここでは金融商品を以下の2つのリスクから分類します。
- 資産価値変動リスク
- 為替変動リスク
金融商品の中には為替の影響を受けやすいものもあるため注意が必要です。分類すると以下のようになります。
投資においてリスクコントロールが最重要である以上、それぞれの金融商品についてリスクをしっかりと理解しておきましょう。ソーシャルレンディングは外国における事業に特化したファンドの場合、為替の変動リスクが高くなりますが、国内における事業のファンドであれば為替による影響はほとんどありません。
一方で貸倒れのリスクがあることから資産価値変動リスクは一定程度存在します。ただし、分散投資の効果もあるため仮想通貨や株式投資ほどの大きなリスクは存在しません。
分散投資のデメリット
ここまで分散投資の重要性を紹介してきましたが、分散投資にもデメリットが存在します。それは分散させればさせるほど、リターンも小さくなるということです。ここが分散投資の難しさなのです。
つまり分散投資は必要なリスクヘッジ効果を得た中で、利益を最大化できる形で行う必要があります。ここらへんの感覚については、投資をしていく中であなただけのバランスを見つける必要があるでしょう。しかし、はじめのうちは資産保全の目的で利益の最大化よりもリスクヘッジに重きを置くべきです。
金融商品購入前の調査
分散投資と並んで高いリスクヘッジの効果を持つのが、金融商品購入前の調査です。ここを徹底することで損失を発生させる金融商品を避けることができます。つまりリスクを回避することができるのです。
調査方法はそれぞれの金融商品により異なります。現物不動産であれば、立地条件・周辺環境・築年数・間取り・設備などを細かく調査していく必要があるでしょう。ソーシャルレンディングについては、融資先企業の選定が仲介会社にかかっているため、投資家であるあなたは仲介会社を慎重に選ぶ必要があります。
中には「元本および利息の保証制度」のある仲介会社も存在します。また仲介会社の倒産を回避するためには、仲介会社自体の資産規模、過去における行政処分の有無および融資の際の担保などをチェックしていきます。
融資先についてどこまでの情報を公開するかは仲介会社により異なるため、不透明な部分が大きなファンドには手を出さない方が賢明でしょう。
年間追加余剰資金が大きな役割を果たす
先ほど3つのシミュレーションでみたとおり、ソーシャルレンディングを利用して100万円の手元資金から3,000万円の元手を生み出すためには、毎年投資元本に追加される余剰資金が大きな役割を果たします。そのため投資を始めた当初は労働で資金を稼ぐことを大切にする必要があります。
そうして毎年なるべく多くの追加余剰資金を元本に組み込んでいくことで、複利の効果を最大化し、より早く元手3,000万円を貯めることができるのです。またセミリタイアまでにしっかりとスキルを得ていくことで、セミリタイア後の労働時給を高めることができ、それはより多くの自由時間を得ることに繋がります。
投資を始めると投資にばかり目がいってしまい、労働が疎かになる場合はあります。しかし全盛のリスクコントロールという観点からは投資だけでなく、労働にもしっかりと力を割くことがあなたに幸福をもたらすのです。投資活動と労働の双方のバランスをとり、元手3,000万円を目指しましょう。
投資でセミリタイアを目指す際の注意点
最後に投資でセミリタイアを目指すこと全般に関する注意点を解説します。
投資は必ず余剰資金で行う
繰り返しになりますが、投資は必ず余剰資金で行うようにしてください。生活費および最低限の貯蓄にまで手を出して投資を行うと取り返しのつかない事態となる恐れがあります。それこそソーシャルレンディングは臨機応変に現金化できるものではないため、手元に必要額プラスアルファの現金を残しておく必要があります。
投資においては元本の大きさがそのまま利益の大きさに繋がるため、なるべく多くの資金を投資に回したいという気持ちは理解できまずが、それはリスクが大きすぎます。失っても生活が破綻しない額で投資を続けることもリスクコントロールの一環なのです。
中長期的な計画で行う
長期的な投資における複利の効果の大きさについては前述しました。そこからわかるとおり、投資は中長期的な視野で行う必要があります。短期的に大きな利益を出そうとすると、その分リスクの非常に高くなるためお勧めしません。
最低でも10年の時間をかけてじっくりと資産を増やす姿勢を持ってください。そうすることで複利の効果を最大限に得ることができます。また長期的な視野で行うということは、短期的な損失にいちいち感情的にならないことも重要です。そういったものに感情的になって判断を誤ると、それが最終的な損失に繋がるのです。
各金融商品が所属する市場動向を先回りでチェック
投資では金融商品自体の調査も重要ですが、各金融商品が属する市場の動向も調査できると理想的です。このように金融商品購入前の調査はマクロとミクロの視点から行う必要があるのです。
特に仮想通貨などの新興市場は、資産価値の上下が激しくなっています。時期によって仮想通貨全体の価値が大きく下がることもあるので、要注意です。ソーシャルレンディングについても、市場が認知されて日が浅いことから、今後大きな法改正などが行われる恐れがあります。
もちろん全てを先回りして読むことは不可能ですが、「マクロの視点も重要なのだ」という認識を持っておくだけでリスク回避の役に経ちます。
セミナーや勧誘に騙されない
投資や金融商品についてはセミナーなどで強引な勧誘に遭うことがあります。そういった勧誘はメリットのみを殊更に強調して、リスクをないものとして扱うことが多くなっています。繰り返しになりますが、投資には必ずリスクが存在します。そのためリスクについて十分な説明を行わない勧誘は信頼する価値がありません。
半ば詐欺的な勧誘はあなたの無知につけ込む形で行われます。そのため投資については、自分自身で那波に続けるのだという気持ちを持つことが大切です。
投資も結局のところは勉強量がものをいう世界です。短期的な偶然で利益を得ることこそあっても、最終的に巨額の資産を実現するのは勤勉な投資家です。あなたも楽な手法に騙されることのない投資家を目指してください。
まとめ
今回はソーシャルレンディングを利用してセミリタイアする方法を検討しました。最終的な結論としては、以下の条件であっても50歳までに3,000万円を貯めて、それを利回り8%で投資することで年間不労所得240万円を実現することは決して非現実的な話ではありません。
- 30歳時点の手元資金:100万円
- 年間追加余剰資金50万円
- 利回り8%
仮に40歳で始めても、60歳になる頃には不労所得240万円を毎年得る準備が整うため老後が豊かになります。投資を始めるのに遅すぎるということはないのです。
以下は投資を行う際に注意すべきポイントです。
- 投資においてはリスクコントロールが最重要
- 分散投資は最も代表的なリスクコントロールの手段
- 金融商品購入前の調査もリスク回避に繋がる
- 投資は長期的な視野で臨む
- 短期的な損失に感情的にならない
- 強引な勧誘に騙されない勤勉な投資家になる
リスクをコントロールしつつ長期的な視野で臨むことで、資産はほぼ確実に増やすことができます。20年あれば、あなたであっても不労所得240万円を得る準備を整えることができるのです。
あなたもソーシャルレンディングを利用して長期的な投資計画を構築し、セミリタイアの実現に向けて具体的な行動を開始しましょう。