知らずに始めると危険!無計画なワンルーム投資に潜むリスクとは?
ワンルーム投資は安価で始めやすく、不動産投資の第一歩として選ばれやすいです。
しかし、手軽に投資できるという理由だけで、ワンルーム投資をスタートさせるのは禁物。無計画に運用を始めれば、2軒目,3軒目と保有物件を拡大することが難しくなるのです。
そのような状況を回避するため、今回はワンルーム投資における注意点をご紹介します。
その前に、リスクを抑えてワンルーム投資をするなら、幅広い情報を集めることも重要です。Oh!Yaの一括資料請求なら、手軽かつ効率的に不動産投資の情報が集められます!
目次
なぜ無計画なワンルーム投資は危険なの?
ワンルーム投資は最も簡単で、投資初心者に適していると思われがち。しかし、ワンルーム投資のデメリットを知らないまま運用を始めても、成功率は決して高くありません。
最初の物件としてワンルームを選ぶ場合、以下のようなポイントを前提に運用プランを計画しましょう。
収益性が低く値崩れしやすい
表面利回りが優れたワンルームマンションは多いものの、これらの利益率は管理費用や修繕積立金を考慮しておらず、実際には物件資料より運用利回りが低下します。そのため、パッと見たときの収益性で、安易に物件購入を決めるのは危険です。
また、不動産投資は修繕・改装による「住居としての魅力向上」で賃料設定を高められるのですが、ワンルームマンションは拡張性が悪く改装には限度があります。これにより値崩れの防止が難しいため、ワンルームマンションの購入時には「周辺環境・アクセス性」が重要。
優れた立地を武器に、中長期的な需要獲得が目指せるエリアを探す必要があります。
土地が投資家の資産にならない
一棟マンションや戸建物件と異なり、ワンルームマンションは土地が投資家の所有物になりません。
資産価値の下がりにくい土地が無く、値崩れしやすい建物部分だけを保有するため、法定耐用年数を迎えたワンルームマンションの価値はわずか。建物を崩して再建したり、土地値で売却したりといった方法が使えないのです。
そのため、ワンルーム投資はとにかくキャッシュフローを優先しましょう。「生涯にわたって運用する」というより、投資額以上の現金をもたらす「中期目線での投資商品」だと捉え、5年後,10年後の利益総額を意識した物件探しをおすすめします。
優良なワンルームには一瞬で買い手が付く
もちろんワンルームのなかにも、資産価値が高く多くの投資家が欲しがる物件はあります。しかし、そのような優良物件が初心者に流れて来ることは少なく、大部分はベテラン投資家の手にわたるものです。
そのため、表面的に優良なワンルームを紹介されても、まずは疑り深く分析することから始めましょう。タイミング良く出会えたのか、どこかに問題がある物件なのか、購入を急かされても安易に返事するべきではありません。
最低限、以下のポイント2つはチェックすべきです。
2大チェックポイント |
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実質利回りを計算する |
周囲の賃料相場を確認する |
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これらは、経験の浅い投資初心者であっても、少し手間と時間をかければ分かる情報です。それぞれ、どのように調査すれば良いのかご説明します。
ポイント1:実質利回りを計算する
前述したように、不動産会社や不動産情報サイトの物件資料は「表面利回り」が記載されています。これは「入居率100%の状態」を仮定して算出されており、運用経費は考慮されていません。
つまり、表面利回りとして求められた数字は、現実的な運用利益をあらわしていないのです。そのため、より具体的な運用イメージを固めるときには、空室リスクや運用経費を組み込んだ「実質利回り」をもちいます。
実質利回りは以下の計算式、または「収益・投資物件 簡易収支シミュレーション」にて算出できます。
実質利回りの計算方法 |
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(空室を想定した年間利益-運用経費)÷(物件価格+購入経費)× 100%=実質利回り(%) |
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次に実際の物件情報をもちいて、表面利回りと比較してどれほど差が出るのか検証してみましょう。
例:東京都内23区外のワンルームマンション
不動産情報サイトより、東京都内にある以下のような物件をピックアップしました。
物件情報 | |
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販売価格 | 550万円 |
表面利回り | 16.4% |
年間想定収入 | 90万円 |
築年数 | 38年 |
建物構造 | RC造 |
所在地 | 東京都(23区外) |
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上記の物件を自己資金で購入。「諸経費率15%」かつ「空室率10%」の成績で運用したとき、実質利回りは12.3%になります。
実質利回りの利益率は表面利回りより25%低下し、想定年間収入は90万円ではなく67.5万円まで減りました。この金額差はワンルーム投資家にとって大きく、表面利回りを前提とした計画は瞬く間に破たんしてしまいます。
購入検討している物件は表面利回りではなく、必ず実質利回りをもちいて「現実的なプラン」をイメージしましょう。
ポイント2:周囲の賃料相場を確認する
投資初心者は知識・経験が少なく、不動産投資における「相場観」も培われていません。そのため、1つの物件情報を見て「これは良いものだ」と思い込みがちなのです。
また、物件情報のなかには利益率を良く見せるため、数字を操作して表面利回りをかさ増ししているケースがあります。もしも、この「偽装物件」に目を付けて情報を信用してしまい、運用を始めれば行く末は明らか。当初、想像していたイメージとは程遠い結果が待っています。
これらの事態を防ぐためには、複数の不動産会社や不動産情報サイトを利用して、周辺の賃料相場にまつわるデータを数多く手に入れることが重要。まずは「小さな範囲での相場観」を養うことで、物件情報の真偽や適正価格を見極められるよう成長しなければならないのです。
新築ワンルームは割高で販売されている
ワンルームに限らず新築物件は、本来の物件価格より高い値段で販売されています。
しかし、中古になった時点で値段は下がるため、このような「新築プレミアム」と呼ばれる状態での購入は「買った瞬間に損をする」といわれるほど。決して安い投資ではないため、その物件や立地の条件を考慮して、割高であっても購入すべき物件なのか慎重に決めなければなりません。
また、新築時は入居者を集めやすいため、賃料設定が平均相場より高額である場合がほとんど。数年経てば賃料値下げは避けられないため、運用利回りは下落するものとして考えましょう。
このとき下落率を楽観的に予測していると、後々の運用が苦しくなります。何%の賃料値下げに耐えられるのかボーダーラインを算出し、キャッシュフローの黒字化が現実的であるのか慎重に見極めることが大切です。
経年劣化の程度が管理状態に左右される
ワンルームマンションの所有者は、同マンションの所有者とともに「管理組合」と呼ばれる組織に加入します。そして、定期的に所有者たちで総会を開き、マンションの管理方法について取り決めを行うのです。
その意向が、多くの場合は業務委託の管理会社に伝えられ、総会後のマンション管理に反映されます。こうして、基本的にはワンルーム投資家の意見が反映されるのですが、外気にさらされる共用部分は独断による変更ができないのです。
そのため、経年劣化を修理しようと申し出ても、総会で否定意見が多ければ放置状態となり、これが空室リスクに繋がってしまいます。特に投資初心者は「説得力のある経験談」が無く、周りの反対者たちの意見を覆すことは困難だといえるでしょう。
同じマンションの部屋同士で価格競争が起こる
新築マンションが乱立する都心部において、立地面が優れていないマンションは古くなるほど入居率が下がります。しかし、ワンルーム投資家にとって、収入がゼロになる空室状態は何としても避けたいところ。
そこで、多くの投資家は対処法として「賃料値下げ」を行います。同マンション内の各部屋は間取りが同じ、もしくは類似しているため、賃料が低いワンルームほど選ばれる可能性が高くなるのです。
一度、誰かが値下げをするとマンション内の価格バランスは崩れ、連鎖的に価格競争へ発展。それぞれのワンルーム所有者が、お互いの首を絞め合うことになります。
そのため、差別化できる部分が限られたワンルーム投資は、価格競争が起こる前に売却。もしくは、十分な利益回収ができるような投資プランを立てる必要があります。
鵜呑みにしてはいけない!ワンルーム投資のこんな営業に注意
こちらの要望に関係無く、営業マンから紹介されるものの多くは「売れ残った物件」だと疑いましょう。そして、将来に対する不安を煽り、ワンルーム投資の「将来的なメリット」ばかり説明される営業には警戒が必要です。
特に以下のような売り文句には、十分に注意してください。
老後の年金補助になる
「老後の年金補助」という誘い文句は、ワンルーム投資の営業電話にありがち。興味がある場合は面談まで進んでも問題ありませんが、このとき「老後に資産価値が残っているのか」について深く追求してみましょう。
前述したように、土地の無いワンルームマンションは資産価値が減少しやすく、法定耐用年数を迎えるころには賃料が期待できません。つまり、収益性を維持できる見込みが無い状態で、老後まで保有を続けるのは得策ではないのです。
基本的に、ワンルーム投資は中期的な資産拡大に活用し、老後の収入源は別の部分で用意することをおすすめします。
生命保険代わりになる
融資を利用してワンルーム投資を始めるとき、購入と同時に団体信用生命保険に加入します。これは、投資家が死亡または高度障害に陥った場合に、ローンを完済してくれる生命保険。万が一の事態が訪れても、残債の無い投資物件を残せることがメリットです。
ただし、資産価値が下落したワンルームマンションは、収益性が低く売り手も見つかりません。さらに運用の手間や経費は発生し続けるため、家族に残す実物資産としては適していないのです。
このことから、ワンルーム投資は「生命保険代わり」ではなく、あくまで投資商品として出口を考えつつ運用。新たに資産拡大を目指すまでの「中継ぎ」として捉えるべきでしょう。
サブリース契約で家賃は保証される
ワンルーム投資の安全性を伝えるため、サブリース契約で「30年間家賃保証が受けられる」と営業されるケースは多々。そして、これを信用してサブリース契約を結び、結果的に経営破たんを迎える投資初心者は少なくありません。
なぜ、30年間の家賃保証がありながら、失敗に陥ってしまうのでしょうか?
実は契約時に取り決められた家賃保証額は、一定期間後に見直しがあります。その後も見直しは数年スパンで行われ、サブリース会社の意向により減少し続けるのです。
このとき、投資家がサブリース会社に物件を賃す構図になるため、法律上は投資家の立場が弱くなり主導権を握れません。利益が出ない状態でも任意解約はできず、多額の違約金を支払って強制解約を申し出るか、赤字運用で消耗し続けるほかないのです。
優良なワンルームが見つからないなら「一棟もの」も有力候補
ワンルームマンションで不動産投資を始めるなら、キャッシュフローが優れている高利回り物件がおすすめです。ただし、前述したように「優良なワンルーム」には一瞬で買い手が付くもの。投資初心者のもとに運良く情報が舞い込む可能性は高くありません。
しかし、条件を妥協してワンルーム投資を始めれば、土地が無いために金融機関の評価を獲得できず、次の資産拡大が難しくなります。そのため、優良なワンルームと出会わない投資初心者ほど、土地の付いた一棟マンションや戸建物件に目を向けた方が良いのです。
これらは、築年数が経過しても土地値が資産価値を下支えしてくれるほか、最悪の場合は建物を解体して土地を再活用・売却する手段を選べます。修繕や改装も自己判断で行えるため、自由度も抜群。ワンルーム投資特有のデメリットを解消する、投資方法の1つとしておすすめです。
まとめ
今回は、無計画なワンルーム投資が失敗する理由をご説明しました。
価格が安く小規模だからと安易にスタートすれば、年を追うごとにトラブルが増え始めます。そして、デメリットに気付くタイミングが遅いほど対処が難しく、そのまま失敗してしまう投資初心者が後を絶えないのです。
「手軽に始められるからワンルーム投資」ではなくて、ワンルーム投資も一棟マンションも同様の覚悟を持って臨むこと。これを強く意識して、どれほど少額なワンルーム投資でも入念な調査・計画を行いましょう。
最後に、リスクを抑えてワンルーム投資をするなら、幅広い情報を集めることも重要です。たった1分の申し込みで複数社の比較ができるOh!Yaの一括資料請求を是非活用しましょう。